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MSDが推進する “次世代”のがん研究とは

イノベーションとそれを支える研究者たちのあくなき探求心

掲載日:2025年2月4日

MSDが推進する”次世代”のがん研究とは イノベーションとそれを支える研究者たちのあくなき探求

毎年2月4日はワールドキャンサーデー(世界対がんデー)。今年も米国に本部があるUICC(国際対がん連合)が中心となり、「がん」に対する意識を高めるため、世界中でさまざまな啓発活動が行われます。革新的な医薬品とワクチンの提供を通して「世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」ことに全力で取り組む私たちMSDにとって、「がん領域」は重点領域の一つです。がん患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、日々、革新的な医薬品の開発を進めています。

ここでは、MSDのグローバルの研究者たちによる最先端のがん研究と、その研究にかける思いをご紹介します。

すべてのがんを一つの疾患として扱うことはできない

ここ数十年、がんに対する理解が深まる中、「すべてのがんを一つの疾患として扱うことはできない」ということが明らかになりました。研究者たちは数百種類ものがんを分類し、それらの背後にある無数の遺伝的要因を発見しました。これが意味するところは、がんは「一つ」の疾患ではなく、同時に「一つ」の治療法ですべてのがんを治療することはできないということです。

ジェーン・ヒーリー博士

「私たちは、幅広いがん種において治療の劇的な進展を目の当たりにしてきました。現在、私たちの研究は、転移性のがんの治療において基盤的な役割を果たしています」

MSD研究所 腫瘍学初期開発担当 副社長
ジェーン・ヒーリー博士

「がん研究の進展は、“次世代”の発見を促し、あらゆるステージのがん患者さんの治療の進歩を促進します。早期の発見や新しい革新につながる研究を進め、がん研究の未来を進展させなければなりません」とヒーリー博士と語ります。

特定のがんをより早期段階で治療するための研究を推進

最終目標は、患者さんが最大限長く生きるための機会を提供すること。そのために、私たちの研究者は、がんをより早期に治療することに焦点を当てた臨床開発プログラムを構築しています。

「研究のスコープを疾患のより早期段階へと拡大することが最優先。再発リスクを減少させ、生存率を高める上で大きな影響を与える可能性のある研究を追求しています」とヒーリー博士は語ります。

進行がんと早期がんに対する多様なアプローチから成る強力なパイプライン

がんの早期段階での研究を推進することに加え、ヒーリー博士たち研究者は、革新的ながん治療につながりうるメカニズムやモダリティについても複数の研究を進めています。20以上もの新しいメカニズムにまたがる、進行がんと早期がんの治療に対する多様なアプローチを含め、強力なパイプラインを開発しています。その一部をご紹介します。

  1. がんに対する免疫応答の強化

現在、免疫応答の調整において異なる役割を果たす負の免疫調節因子と基礎的ながん治療とを組み合わせた研究を進めています。

さらに、個々の患者さんの腫瘍変異に応じた固有の治療法を開発することで、その人自身の腫瘍に対する免疫応答を研ぎ澄ますことができる「個別化ネオアンチゲン療法」の研究も進めています。この研究は、成長の可能性を秘めた領域です。

  1. 化学療法の標的化と抗体薬物複合体(ADC)

抗体薬物複合体(ADC)」に注目しています。ADCは抗体と化学療法の薬剤を結合させたもので、抗体が標的とするがん細胞に特異的に結合することで、がん細胞に直接、薬剤を放出します。

  1. がんの増殖促進経路を阻害

がんの増殖に関与するタンパク質や遺伝子を阻害または分解する治療法を設計することにより、現時点では治療の選択肢が限られている、希少で治療困難ながんへの対処法を探求しています。

デイビッド・ワインストック博士

「私たちは、“科学の発展”と“医療ニーズ”とが交差する、新しい研究領域への投資にコミットしています。」

MSD研究所 発見腫瘍学担当副社長
デイビッド・ワインストック博士

「これらの重要な研究領域は、2,250以上の進行中の臨床試験を含む幅広く多様なパイプラインの礎石となるものです。私たちは、がんと闘うための新しい方法を発見するとともに、既存のアプローチを最適化することにも全力を尽くしています」ワインストック博士は思いを込めて語りました。

MSDはこれからも、次世代のがん研究をリードし続けていきます。

(※役職と内容は取材当時のものです)

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