Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgeback、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を有する成人患者を対象とする経口抗ウイルス薬として開発中のモルヌピラビルの緊急使用許可(EUA)を米国FDAに申請したことを発表 承認されれば新型コロナウイルス感染症に対する初の経口抗ウイルス薬に 世界各国の規制当局への申請も進める

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2021/10/12 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck and Ridgeback Announce Submission of Emergency Use Authorization Application to the U.S. FDA for Molnupiravir, an Investigational Oral Antiviral Medicine, for the Treatment of Mild-to-Moderate COVID-19 in At Risk Adults の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。

モルヌピラビル(molnupiravir)は、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgeback、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の重症化リスク因子を有する成人患者を対象とする経口抗ウイルス薬として開発中のモルヌピラビルの緊急使用許可(EUA)を米国FDAに申請したことを発表

承認されれば新型コロナウイルス感染症に対する初の経口抗ウイルス薬に

世界各国の規制当局への申請も進める

2021年10月11日:ニュージャージー州ケニルワースおよびマイアミ―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)及びRidgeback Biotherapeuticsは本日、重症化や入院のリスク因子を有する、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の成人患者を対象とする経口抗ウイルス薬として開発中のモルヌピラビルの緊急使用許可(EUA: Emergency Use Authorization)をMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国食品医薬品局(FDA)に申請したことを発表しました。両社は世界各国の規制当局と積極的に連携しており、今後数カ月間で緊急使用許可や製造販売承認申請を行ってまいります。

このたびの申請は、重症化や入院のリスク因子を有する、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の入院していない成人患者を対象としてモルヌピラビルを評価する第3相MOVe-OUT試験の中間解析の良好な結果に基づいて行われました。中間解析の時点で、モルヌピラビルは入院または死亡のリスクを約50%低減しました。無作為割り付けから29日目までに入院または死亡した患者はモルヌピラビル群では7.3%(385例中28例)、プラセボ群では14.1%(377例中53例)でした(p=0.0012)。29日目までにモルヌピラビル群では死亡例はなく、プラセボ群では8名の患者が死亡しました。

有害事象の発生率はモルヌピラビル群とプラセボ群で類似していました(それぞれ35%、40%)。治験薬との因果関係があると判断された有害事象(副作用)の発生率も同様に類似していました(それぞれ12%、11%)。有害事象により治療を中止した患者はモルヌピラビル群ではプラセボ群より少なくなりました(それぞれ1.3%、3.4%)。 当社のCEO兼プレジデントのRobert M. Davisは、「このパンデミックの影響は甚大であり、これまでにない喫緊の対応が求められる中、当社はデータ取得から10日以内という速さでモルヌピラビルの申請をFDAに提出しました。治験に参加してくださる患者さんや治験責任医師の皆さん、そして当社の優れたサイエンスと患者さんに対する揺るぎない注力を体現する当社の社員に感謝しています。また、新型コロナウイルス感染症と戦う治療薬やワクチンの実現に挑み続ける製薬業界の各社やグローバルヘルス組織にも、この場を借りて拍手を送りたいと思います。この一体となった取り組みにおいては治療薬とワクチンの両方が重要です。申請の審査においてはFDAと協力し、その他規制当局とも連携して世界中の患者さんにモルヌピラビルを一日も早くお届けできるよう、全力を尽くしてまいります」と述べています。

Ridgeback BiotherapeuticsのCEOであるWendy Holmanは、「この重要な節目を迎えることができたのは治験責任医師や患者さんのおかげです。皆さんの重要な貢献がなければ、今日、ここに辿り着くことはできませんでした。FDAへの申請は、新型コロナウイルス感染症の診断を受けて間もない患者さんが自宅で服用できる経口抗ウイルス薬としてモルヌピラビルを提供するための重要なステップとなります。モルヌピラビルをここ米国、そして世界中の必要な人々に提供するため、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.や規制当局と協力してまいります」と述べています。

 

EUAまたは承認取得後のモルヌピラビルのアクセス実現に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の取り組み

MOVe-OUT試験の良好な結果が得られ、規制当局の許可または承認を取得できることを前提として、当社ではリスクを取り、モルヌピラビルの生産を開始しており、2021年末までに1000万治療コース分を生産できる見込みで、2022年はさらに生産を拡大していく予定です。

今年に入ってから当社は、米国FDAのEUAまたは承認取得後に、約170万治療コース分のモルヌピラビルを米国政府に供給する調達契約を米国政府と締結しました。また、承認取得後にモルヌピラビルを供給する事前調達契約を世界各国政府と締結しており、その他政府とも協議を進めています。

当社はモルヌピラビルの許可や承認を取得できた場合、世界中で速やかに本剤を提供していきたいと考えており、世界銀行による国の所得基準に基づき、新型コロナウイルス感染症の公衆衛生対策における各国の相対的な経済力に応じて段階的な価格設定を採用する計画です。

広くグローバルアクセスを確保する取り組みの一環として、低・中所得国100カ国以上において、各国の規制当局による承認または緊急使用許可を取得後、モルヌピラビルを速やかに提供できるよう、実績のあるインドのジェネリックメーカー数社とモルヌピラビルの非独占的で社会貢献的なライセンス契約を締結したことを発表しています。

 

モルヌピラビルについて

モルヌピラビル(MK-4482/EIDD-2801)は経口投与が可能な強力なリボヌクレオシドアナログの治験薬で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の複製を阻害します。モルヌピラビルはSARS-CoV-2の予防投与、治療、感染防止などのいくつかの前臨床モデルにおいて活性が認められています。また、モルヌピラビルは前臨床および臨床データで、主流のSARS-CoV-2変異株に対する活性が認められています。

モルヌピラビルはエモリー大学が100%出資する非営利バイオテクノロジー企業のDrug Innovations at Emory (DRIVE), LLCで発明されました。エモリー/DRIVEは米国国防総省および国立衛生研究所の研究助成金を受けています。モルヌピラビルは現在、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.がRidgeback Biotherapeuticsと協力して開発を進めています。RidgebackはMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.から一時金の支払いを受けており、さらに一定の開発および承認取得のマイルストンの達成に基づく支払いを受ける権利があります。この連携から生じる利益は全額、両社で均等に分割されます。Ridgebackによるライセンス供与以降、モルヌピラビルの開発資金はMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgebackのWayne and Wendy Holmanが全額提供しています。

モルヌピラビルは、曝露後の発症予防として、家庭内における新型コロナウイルスの拡大を防止する効果と安全性を評価する二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験のMOVe-AHEADも実施されています。詳しくは、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。

 

MOVe-OUT試験について

MOVe-OUT試験(MK-4482-002)(NCT04575597)は、二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験で、検査により軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の診断を受けた入院していない成人患者を対象として実施されました。本試験の対象患者は、SARS-CoV-2のワクチン接種を受けておらず、重症化のリスク因子を1つ以上有し、無作為割り付け前の5日以内に発症した患者でした。MOVe-OUT試験の主要有効性評価項目では、無作為化から29日目までに入院または死亡に至った患者の割合をモルヌピラビルとプラセボで比較しました。

MOVe-OUT試験の第3相試験部分は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、グアテマラ、イスラエル、イタリア、日本、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、ウクライナ、英国、米国など世界各国の170以上の施設で実施されました。MOVe-OUT試験の詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。

重症化リスク因子で最も多かったのは肥満、高齢(60歳超)、糖尿病、心疾患などでした。中間解析の時点でシーケンス解析を実施したベースライン時のウイルス変異株の80%近くがデルタ株、ガンマ株、ミュー株の変異株でした。南米、欧州、アフリカにおける登録者数は全体のそれぞれ56%、23%、15%でした。

 

Ridgeback Biotherapeuticsについて

フロリダ州マイアミに本社を置くRidgeback Biotherapeutics, LPは、新興感染症を専門とするバイオテクノロジー企業です。エボラ治療薬EbangaTMを提供し、開発パイプラインでは新型コロナウイルス感染症治療薬のモルヌピラビルなどが後期開発段階にあります。モルヌピラビルの開発資金はRidgeback BiotherapeuticsとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が全額提供しています。Ridgeback Biotherapeutics, LPは、命を救う医療テクノロジーに投資し、これを支援するWayne HolmanとWendy Holmanが個人的に資金を提供して創業しました。Ridgebackの社員は、擁護が必要な患者さんや疾患に対し、命を救い生活を改善するソリューションを模索しています。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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