「レンビマ®」(レンバチニブ)について、日本において、がん化学療法後に増悪した腎細胞がんを対象に「ウェリレグ ®」(ベルズチファン)との併用療法に係る用法・用量を追加申請

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2026/03/27 10:00 JST

報道関係各位

エーザイ株式会社

MSD株式会社

「レンビマ®」(レンバチニブ)について、
日本において、がん化学療法後に増悪した腎細胞がんを対象に

「ウェリレグ ®」(ベルズチファン)との併用療法に係る用法・用量を追加申請

エーザイ株式会社(本社:東京都、代表執行役CEO:内藤晴夫、以下 エーザイ)とMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの日本法人であるMSD株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:プラシャント・ニカム、以下 MSD)は、このたび、エーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について、がん化学療法後に増悪した根治切除不能または転移性の腎細胞がんに対し、MSDのファースト・イン・クラスの経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤「ウェリレグ®」(一般名:ベルズチファン)との併用療法に係る用法・用量の追加を日本において申請したことをお知らせします。

本申請は、「レンビマ®」と「ウェリレグ®」の併用療法について、抗PD-1/L1療法による治療中または治療後に疾患が増悪した進行腎細胞がん(RCC)の治療として評価した臨床第III相試験(LITESPARK-011試験)結果に基づいたものです。本試験結果は、2026年2月に開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)泌尿器がん(GU)シンポジウムで発表されました。本試験において、「レンビマ®」と「ウェリレグ®」の併用療法は、事前に設定された中間解析(追跡期間の中央値29.0カ月[範囲:19.3–49.2])において、主要評価項目のひとつである無増悪生存期間(Progression-Free Survival: PFS)について、対照薬のカボザンチニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、疾患進行または死亡のリスクを30%低減しました(HR=0.70[95%信頼区間(CI), 0.59–0.84];p=0.00007)。また、本併用療法の安全性プロファイルは、それぞれの単剤治療で報告されているものと同様であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

腎臓がんについて、2022年には、世界中で約43万5千人が新たに診断され、約15万6千人が亡くなられています1。日本では2022年に約2万1千人が新たに診断され、約7千人が亡くなられたと推定されています2。RCCは腎臓がんの約85%を占め3、ステージIIIおよびIV のRCC患者さんにおける5 年生存率はそれぞれ63%~78%および27%~28%と報告され4、アンメットニーズが高い疾患です。

なお、「レンビマ®」は、日本においては「キイトルーダ®」との併用療法について、根治切除不能または転移性の腎細胞がんに係る適応(ファーストライン)で承認を取得しています。「ウェリレグ®」は、がん化学療法後に増悪した根治切除不能または転移性の腎細胞がんに係る適応で、日本で承認を取得しています。また、「レンビマ®」と「ウェリレグ®」の併用療法は、米国食品医薬品局(FDA)から、PD-1またはPD-L1阻害剤治療後の進行淡明細胞型腎細胞がんの成人の患者さんを対象として新薬承認一部変更申請(sNDA)を受理され、PDUFA(Prescription Drug User Fee Act)アクションデートは2026年10月4日に設定されています。

エーザイとMSDは、2018年10月より日本において「レンビマ®」の情報提供を通じた協業を実施しています。両社は引き続き協業を強化し、がん患者さんへの貢献を最大化していきます。

以上

参考資料

1.「レンビマ®」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)について

「レンビマ®」は、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)であるVEGFR1、VEGFR2、VEGFR3や線維芽細胞増殖因子受容体(FGFR)のFGFR1、FGFR2、FGFR3、FGFR4に加え、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)のPDGFRα、KIT、RETなどの腫瘍血管新生あるいは腫瘍悪性化に関与する受容体型チロシンキナーゼに対する選択的阻害活性を有する、経口投与可能なエーザイ創製のマルチキナーゼ阻害剤です。

非臨床研究モデルにおいて、「レンビマ®」は、がん微小環境における免疫抑制因子として知られている腫瘍関連マクロファージの割合を減少させ、活性化細胞傷害性T細胞の割合を増加させることで、抗PD-1モノクローナル抗体併用時は、「レンビマ®」および抗PD-1モノクローナル抗体のそれぞれの単剤療法を上回る抗腫瘍活性を示しました。「レンビマ®」が取得している適応は以下のとおりです。

甲状腺がん

  1. 単剤療法の適応(日本、米国、欧州、中国、アジアなどで承認を取得)
    日本:根治切除不能な甲状腺癌
    米国:局所再発、転移性、または進行性放射性ヨウ素治療抵抗性分化型甲状腺がん
    欧州:成人での放射性ヨウ素治療抵抗性の進行性または再発の分化型甲状腺がん(乳頭がん、濾胞がん、ヒュルトレ細胞がん)

肝細胞がん

  1. 単剤療法の適応(日本、米国、欧州、中国、アジアなどで承認を取得)
    日本:切除不能な肝細胞癌
    米国:切除不能な肝細胞がんに対する一次治療
    欧州:進行性または切除不能な肝細胞がんの成人患者に対する一次治療
  2. 「キイトルーダ®」および肝動脈化学塞栓療法との併用療法の適応(中国で承認を取得)

胸腺がん

  1. 単剤療法の適応(日本で承認を取得)
    日本:切除不能な胸腺癌

腎細胞がん(英国を除く欧州では、「Kisplyx®」の製品名で発売)

  1. エベロリムスとの併用療法の適応(米国、欧州、アジアなどで承認を取得)
    米国:1レジメンの血管新生阻害薬の前治療歴を有する成人での進行腎細胞がん
    欧州:1レジメンの血管内皮増殖因子(VEGF)を標的とした薬剤の前治療歴を有する成人での進行腎細胞がん
  2. 「キイトルーダ®」との併用療法の適応(日本、米国、欧州、アジアなどで承認を取得)
    日本:根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
    米国:成人の進行腎細胞がんに対する一次治療
    欧州:成人の進行腎細胞がんに対する一次治療

子宮内膜がん

  1. 「キイトルーダ®」との併用療法の適応(日本、米国、欧州、アジアなどで承認を取得)
    日本:がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌
    米国:治療ラインに関わらず全身療法後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応であり、FDAが承認した検査法により判定されたミスマッチ修復機能(mismatch repair proficient: pMMR)を有する、または高頻度マイクロサテライト不安定性(microsatellite instability-high: MSI-H)を有さない進行性子宮内膜がん
    欧州:治療ラインに関わらず、プラチナ製剤を含む前治療中またはその後に増悪した、根治的手術または放射線療法に不適応な成人の進行性または再発性子宮内膜がん

2.「ウェリレグ®」(一般名:ベルズチファン)について

「ウェリレグ®」は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(北米以外ではMSD)のファースト・イン・クラスの低分子HIF-2α阻害剤であり、細胞増殖、血管新生および腫瘍成長に関連するHIF‑2α標的遺伝子の転写および発現を抑制するよう設計された経口投与の低分子化合物です。HIF‑2αシグナル伝達を阻害することで、「ウェリレグ®」は、異常血管形成の促進や腫瘍生存の維持を助けるものを含め、一部の腫瘍が低酸素環境に適応するために利用し得る主要経路を遮断することを目的としています。「ウェリレグ®」は、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病関連腫瘍、腎細胞がん、褐色細胞腫またはパラガングリオーマにおいて抗腫瘍活性を示しています。より広範な臨床プログラムの一環として、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、HIF‑2α阻害が臨床的ベネフィットをもたらし得る領域をさらに明確にし、どの患者さんが最も奏効する可能性が高いかをより深く理解するため、泌尿生殖器がん、乳がんおよび婦人科がんの患者を対象に、「ウェリレグ®」の単剤療法および併用療法をさまざまな治療環境で引き続き研究しています。なお、「ウェリレグ®」は、日本において「フォン・ヒッペル・リンドウ病関連腫瘍」および「がん化学療法後に増悪した根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」を効能又は効果として承認を取得しています。

3.LITESPARK-011試験結果について

2026年2月に開催されたASCO-GUにおいて、本試験(ClinicalTrials.gov, NCT04586231)の中間解析結果を発表しています。本試験は、抗PD-1/L1療法による治療中または治療後に増悪した進行淡明細胞型腎細胞がんにおいて、「レンビマ®」と「ウェリレグ®」の併用療法を、対照薬のカボザンチニブと比較して評価する、無作為化、非盲検の臨床第III相試験です。主要評価項目はRECISTv1.1(固形がんに対する腫瘍径の変化を効果判定に用いる評価基準)に基づく独立中央画像判定による無増悪生存期間(PFS)、および全生存期間(Overall Survival: OS)でした。副次評価項目には、RECISTv1.1に基づく独立中央画像判定による客観的奏効率(Objective Response Rate: ORR)と奏効期間(Duration of Response: DOR)、ならびに安全性が含まれました。臨床試験に参加した747名の患者さんは、「レンビマ®」(20 mg、1日1回経口投与)と「ウェリレグ®」(120 mg、1日1回経口投与)の併用療法群、またはカボザンチニブ(60 mg、1日1回経口投与)群に無作為に割り付けられました。

事前に設定された第2回中間解析(追跡期間の中央値29.0カ月[範囲:19.3–49.2])において、本併用療法は、主要評価項目のひとつであるPFSについて、対照薬のカボザンチニブと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある延長を示し、疾患進行または死亡のリスクを30%低減しました(HR=0.70[95%信頼区間(CI), 0.59–0.84];p=0.00007)。本併用療法におけるPFSの中央値は14.8カ月(95%CI, 11.2–16.6)、カボザンチニブで10.7カ月(95%CI, 9.2–11.1)でした。もう一つの主要評価項目であるOSについても本併用療法における延長傾向が観察され(HR=0.85[95%CI, 0.68–1.05];p=0.06075)、本併用療法におけるOSの中央値は 34.9カ月(95%CI, 27.5–NR)、カボザンチニブでは27.6カ月(95%CI, 24.0–31.4)でした。本試験は継続中であり、OSは今後の解析において引き続き評価を行う予定です。また、副次評価項目について、第1回中間解析(追跡期間中央値:19.6カ月[範囲:9.9–39.8])において、本併用療法は、ORRについて、カボザンチニブと比較して統計学的に有意な改善を示し、確定ORRは、本併用療法で52.6%(95%CI, 47.3–57.7)、カボザンチニブで39.6%(95%CI, 34.6–44.8)でした。第2回中間解析(追跡期間中央値:29.0カ月)におけるDORの中央値は、本併用療法で23.0カ月(95%CI, 2.0–44.3+)、カボザンチニブで12.3カ月(95%CI, 1.8+–35.9+)でした。

本併用療法は370例に投与され、カボザンチニブは371例に投与されました。グレード3以上の治療関連有害事象(TRAEs)は、本併用療法群で71.6%、カボザンチニブ群で65.8%に発現しました。投与中止につながった有害事象の発現割合は、本併用療法群は11.1%、カボザンチニブ群は11.3%でした。重篤な有害事象は、本併用療法群で51.6%、カボザンチニブ群で43.9%に観察され、死亡に至った有害事象はそれぞれ5.4%(うち治療関連:血栓性微小血管症[n=1]、肺臓炎[n=1])、3.2%(うち治療関連:喀血[n=1])でした。

4.エーザイとMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる戦略的提携について

2018年3月に、エーザイとMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、「レンビマ®」のグローバルな共同開発および共同販促を行う戦略的提携に合意しました。本合意に基づき、両社は、「レンビマ®」について、単剤療法やMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの抗PD-1抗体「キイトルーダ®」またはHIF-2α阻害剤「ウェリレグ®」との併用療法における共同開発、共同製造、共同販促を行います。

5.エーザイのがん領域の取り組みについて

エーザイは、「がん領域」を戦略的重要領域の一つとし、Deep Human Biology Learning創薬体制のもと、ヒューマン・バイオロジーに基づき、「微小環境」「タンパク質恒常性」「細胞系譜や細胞分化」などの創薬領域(ドメイン)における抗がん剤の研究開発にフォーカスしています。これらのドメインから新たな標的や作用機序を有する革新的新薬を創出し、がんの治癒の実現に向けて貢献することをめざしています。

6.エーザイについて

エーザイ株式会社は、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献する「ヒューマン・ヘルスケア(hhc)」を企業理念とし、この理念のもと、人々の「健康憂慮の解消」や「医療較差の是正」という社会善を効率的に実現することをめざしています。グローバルな研究開発・生産・販売拠点ネットワークを持ち、戦略的重要領域と位置づける「神経領域」「がん領域」を中心とするアンメット・メディカル・ニーズの高い疾患領域において、革新的な新薬の創出と提供に取り組んでいます。

また、当社は、国連の持続可能な開発目標(SDGs)のターゲット(3.3)である「顧みられない熱帯病(NTDs)」の制圧に向けた活動に世界のパートナーと連携して積極的に取り組んでいます。

エーザイ株式会社の詳細情報は、www.eisai.co.jpをご覧ください。SNSアカウントXLinkedInFacebook でも情報公開しています

7.Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域の取り組みについて

私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

8.MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。

1 Ferlay J, Ervik M, Lam F, Laversanne M, Colombet M, Mery L, et al. (2024) Global Cancer Observatory:
Cancer Today. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer. Available from:
https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/cancers/29-kidney-fact-sheet.pdf, accessed 27 Mar 2026.

2 Ferlay J, Ervik M, Lam F, Laversanne M, Colombet M, Mery L, et al. (2024) Global Cancer Observatory:
Cancer Today. Lyon, France: International Agency for Research on Cancer, Available from:
https://gco.iarc.who.int/media/globocan/factsheets/populations/392-japan-fact-sheet.pdf, accessed 27 Mar 2026.

3 National Comprehensive Cancer Network. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology: Kidney Cancer. 2025; 2026 Version 1.

4 Rose TL and Kim WY. Renal cell carcinoma: a review. JAMA. 2024 Sep 24;332(12):1001–10.