抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」局所進行頭頸部癌における術前・術後補助療法で承認を取得
2026/02/19 15:00 JST
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:プラシャント・ニカム、以下「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、局所進行頭頸部癌における術前・術後補助療法での製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたのでお知らせいたします。
頭頸部がんは咽頭、喉頭、鼻、副鼻腔および口腔の内部や周辺に発生するがんで、そのほとんどは扁平上皮がんです*1。国内の頭頸部がんに関しては、口腔・咽頭がんおよび喉頭がんでは2021年には約28,000人が罹患し*2、2024年には年間9,000人以上が亡くなっています*3。切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんでは、これまで放射線療法(RT)が標準的な術後補助療法とされ、症例に応じてこれにシスプラチンが併用されてきました(±シスプラチン)*4。しかしながら患者さんの予後は不良で、医療ニーズは依然として高く、今回の適応追加の承認によって、切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がん患者さんに新たな治療選択肢を提供することが可能となりました。
今回の製造販売承認事項一部変更承認は、III期またはIVA期の局所進行頭頸部扁平上皮がん患者714例(日本人46例を含む)を対象とした国際共同無作為化非盲検第III相試験であるKEYNOTE-689試験のデータに基づいています。同試験は、術前補助療法としてのキイトルーダ®単独療法および術後補助療法としてのキイトルーダ®とRT±シスプラチンとの併用療法、その後のキイトルーダ®単独療法を、標準治療である術後補助療法としてのRT±シスプラチンとの併用療法と比較するもので、主要評価項目は無イベント生存期間(EFS)でした。
試験結果から、術前補助療法としてのキイトルーダ®単独療法および術後補助療法としてのキイトルーダ®とRT±シスプラチンとの併用療法、その後のキイトルーダ®単独療法を実施した群でのEFSの中央値は51.8カ月(95%信頼区間[CI], 37.5-推定不能[NE])、標準治療群では30.4カ月(95% CI, 21.8-50.1)で、EFSイベントのリスクは27%低下し(ハザード比[HR]=0.73 [95% CI, 0.58-0.92]; p=0.00411)、キイトルーダ®使用群はEFSを有意に延長しました。
安全性については、安全性解析対象例361例中294例(81.4%)(日本人24例中21例を含む)に副作用が認められました。主な副作用(20%以上)は、放射線皮膚損傷142例(39.3%)および口内炎140例(38.8%)でした。
MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で、今後も患者さんと医療従事者のニーズにお応えできるよう努めてまいります。
*1 公益財団法人がん研究会 有明病院「頭頸部がん」
*2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)全国がん罹患データ(2016年~2021年)
*3 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)全国がん死亡データ(1958年~2024年)
*4 日本頭頸部癌学会編『頭頸部癌診療ガイドライン 2025年版』金原出版
キイトルーダ®について
キイトルーダ®は、PD-1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することで、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害します。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に、再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。
キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「非小細胞肺癌における術前・術後補助療法」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「腎細胞癌における術後補助療法」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「根治切除不能な進行・再発の食道癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法」「進行・再発の子宮体癌」「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「進行又は再発の子宮頸癌」「局所進行子宮頸癌」「再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」「治癒切除不能な進行・再発の胃癌」「治癒切除不能な胆道癌」「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」の効能又は効果について承認を取得しています。また、再発卵巣がんと筋層浸潤性膀胱がんにおける術前・術後の補助療法について承認申請中です。
以上
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。
参考資料
抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」
