成人に特化して設計された 21価肺炎球菌結合型ワクチン「キャップバックス®筋注シリンジ」新発売のお知らせ
2025/10/29 15:00 JST
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:プラシャント・ニカム、以下「MSD」)は、本日、21価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)「キャップバックス®筋注シリンジ」(以下、「キャップバックス®」)を発売いたしましたのでお知らせいたします。
「キャップバックス®」は、成人の肺炎球菌感染症予防に特化して設計された肺炎球菌結合型ワクチンです。「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌による感染症の予防」を効能又は効果として、2025年8月8日に製造販売承認を取得いたしました。
肺炎は日本人の死因の第5位で*1、肺炎で亡くなる方の97.8%は65歳以上の高齢者が占めています*2。肺炎球菌は、日常でかかる肺炎(市中肺炎)の病原微生物のなかで最も多い細菌です*3。肺炎球菌が原因となる感染症のなかでも重篤なのが、侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)です。IPDは本来、無菌である髄液または血液等から肺炎球菌が検出される感染症であり、予後が悪く、発症した成人の22.1%が亡くなり、8.7%に後遺症が残ったという報告があります*4。肺炎球菌には、100種類以上の血清型がありますが、「キャップバックス®」は、2024年のデータでは、日本人成人の市中肺炎の原因となる血清型の71.9%*5、IPDでは80.3%*6に対応していました。「キャップバックス®」は従来のワクチンに比べて多くの血清型をカバーすることで肺炎球菌感染症予防がさらに進むことが期待できます。
MSD代表取締役社長のプラシャント・ニカムは、「本日、発売にいたった『キャップバックス®』は、当社が長年にわたって蓄積してきた肺炎球菌感染症に対する深い理解と知見に基づいて開発されました。成人に特化して設計された『キャップバックス®』は、成人におけるIPDの大半の原因血清型に対応しており、この新たな予防の選択肢を日本の人々に提供できることを誇りに思います」と述べています。
「キャップバックス®」は米国では優先審査品目として、2024年6月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しており、同月、米国疾病予防管理センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)では全会一致で、成人の肺炎球菌感染症予防に使用するワクチンとして推奨が決定しました。2024年11月にはカナダの予防接種に関する国家諮問委員会(NACI)にて成人の肺炎球菌予防接種プログラムに使用する推奨ワクチンに決定しました。また、2025年3月には欧州委員会(EC)にて承認されています。
MSDは、日本では1988年に23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン「ニューモバックス®」、2016年にはプレフィルドシリンジ製剤 の23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン「ニューモバックス®NPシリンジ」、そして2023年には沈降15価肺炎球菌結合型ワクチン「バクニュバンス®水性懸濁注シリンジ」を発売するなど、35年以上にわたり肺炎球菌感染症予防に貢献してまいりました。この度の「キャップバックス®」の発売により、高齢者および肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌感染症のより有効な予防手段を新たに提供することで、日本人の健康と公衆衛生の向上にさらに貢献できるよう努めてまいります。
*1 厚生労働省 人口動態調査 2024(令和6)年
*2 厚生労働省. 人口動態統計(確定数)2023年
*3 日本呼吸器学会. 成人肺炎診療ガイドライン2024
*4 厚生労働科学研究費補助金、新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業、重症型のレンサ球菌・肺炎球菌感染症に対するサーベイランスの構築と病因解析、その診断・治療に関する研究(H22-新興-一般-013)
*5 Maeda H, et al. Hum Vaccin Immunother. 2025;21(1):2518847.
*6 厚生労働科学研究費補助金 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究事業
「成人の侵襲性細菌感染症サーベイランスの強化のための研究」:2025~2027年度(予定)https://ipd-information.com/adult/overview/ (10月6日閲覧)
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。
<参考資料>
21価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)「キャップバックス®筋注シリンジ」

<製剤写真>
