抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」根治切除不能な尿路上皮癌に対する一次治療として「パドセブ™」との併用療法および単独療法の追加承認を取得

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September 24, 2024 3:00 pm ET

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え)、以下「キイトルーダ®」)」について、以下に関する国内製造販売承認事項一部変更の承認を取得しました。

根治切除不能な尿路上皮癌に対する一次治療として:

  • 抗体-薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate: ADC)「パドセブTM(一般名:エンホルツマブ ベドチン(遺伝子組換え)、製造販売元:アステラス製薬株式会社、以下「パドセブTM」)」との併用療法
  • キイトルーダ®単独療法(プラチナ製剤を含む化学療法が選択できない場合のみ)

尿路上皮がんは、尿の通り道である腎盂、尿管、膀胱、尿道の内側をおおう尿路上皮に発生するがんで、最も多いものは膀胱がんです*1。日本では、2019年に約2.3万人が新たに膀胱がんと診断され、2020年に約9千人が亡くなっています*2。現在、未治療の切除不能または転移性尿路上皮がんに対しては、プラチナ製剤を中心とした化学療法が一次治療として用いられていますが*3、アンメットメディカルニーズは高く、新たな治療の選択肢が求められています。

今回の製造販売承認事項一部変更承認は、化学療法歴のない根治切除不能な尿路上皮がん患者886例(日本人40例を含む)を対象とした国際共同第3相試験KEYNOTE-A39/EV-302試験や、化学療法歴のないシスプラチンを含む化学療法に不適格の根治切除不能な尿路上皮がん患者370例を対象とした海外第2相試験KEYNOTE-052試験などの結果に基づいています。

KEYNOTE-A39/EV-302試験において、キイトルーダ®とパドセブTMの併用療法は、プラチナ製剤を含む化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチンまたはカルボプラチン)と比較して、主要評価項目である全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に延長しました(OS: HR=0.47 [95% CI, 0.38-0.58]; p<0.00001, PFS: HR=0.45 [95% CI, 0.38-0.54]; P<0.00001)。安全性については、安全性解析対象例440例中427例(97.0%)(日本人19例中19例を含む)に副作用が認められました。主な副作用(20%以上)は、末梢性感覚ニューロパチー220例(50.0%)、そう痒症175例(39.8%)、脱毛症146例(33.2%)、斑状丘疹状皮疹144例(32.7%)、疲労129例(29.3%)、下痢121例(27.5%)、食欲減退118例(26.8%)および悪心89例(20.2%)でした。

KEYNOTE-052試験において、キイトルーダ®単独療法は、主要評価項目である奏効率(ORR)[RECISTガイドライン1.1版に基づく中央判定による完全奏効(CR)または部分奏効(PR)]において、ORR28.6%(95% CI, 24.1-33.5)、CR 8.9%、PR19.7%でした。安全性については、安全性解析対象例370例中249例(67.3%)に副作用が認められました。主な副作用(10%以上)は、疲労67例(18.1%)、そう痒症66例(17.8%)、発疹43例(11.6%)、食欲減退40例(10.8%)および甲状腺機能低下症37例(10.0%)でした。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で、今後も患者さんと医療従事者のニーズにお応えできるよう努めてまいります。

キイトルーダ®について

キイトルーダ®は、PD-1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1およびPD-L2との結合を阻害することで、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害します。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に、再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「非小細胞肺癌における術前・術後補助療法」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「腎細胞癌における術後補助療法」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「根治切除不能な進行・再発の食道癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法」「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「進行又は再発の子宮頸癌」「再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」「治癒切除不能な進行・再発の胃癌」「治癒切除不能な胆道癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、局所進行子宮頸がんに対する同時化学放射線療法との併用療法、進行または再発の子宮体がんに対する化学療法との併用療法、および、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫について申請中で、卵巣がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

*1 国立がん研究センターがん情報サービス 「膀胱がんについて」
*2 国立がん研究センターがん情報サービス 「がん種別統計情報 膀胱」
*3 日本泌尿器科学会 編. 膀胱癌診療ガイドライン 2019年版、腎盂癌・尿管癌診療ガイドライン 2023年版

 以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。

 

参考資料

抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」

抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」