抗サイトメガロウイルス化学療法剤「プレバイミス®錠240mg/同点滴静注240mg」投与期間に関わる電子添文改訂のお知らせ

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2023/08/07 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗サイトメガロウイルス化学療法剤「プレバイミス®錠240mg」および「プレバイミス®点滴静注240mg」(一般名:レテルモビル、以下「プレバイミス®」)について、投与期間の目安を移植後100日目から200日目に変更する電子添文改訂を行いましたのでお知らせいたします。

サイトメガロウイルス(CMV)は、幼少期に感染し、不顕性感染の形で、宿主に生涯潜伏し続けることが一般的です。しかし、免疫抑制状態下では潜伏していたCMVの再活性化や新たな感染により、腸炎、肺炎、網膜炎などの重篤なCMV感染症を引き起こして、死に至るケースもあります。同種造血幹細胞移植を受けた患者さんは、免疫力が著しく低下しており、CMV再活性化(CMV感染)が高頻度にみとめられ、そのことが死亡率の増加をはじめ、移植後の予後に関わっていると報告されています。日本において、同種造血幹細胞移植は年間約3,700件*1が実施されています。

「プレバイミス®」は、「同種造血幹細胞移植患者におけるサイトメガロウイルス感染症の発症抑制」の効能又は効果を有する、CMVターミナーゼ阻害剤で、ヒトには存在しないCMVのDNAターミナーゼを阻害することで、ウイルスの増殖を抑制します*2。投与期間については、これまで移植後28日以内から移植後100日目までが目安となっていましたが、リスクを有する患者さんでは、予防投与終了後にもCMV感染が起こる場合があり、移植後の感染対策の課題となっていました。

今回、移植後14週(約100日)以降もCMV感染及び感染症リスクを有するCMV抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者220例を対象とした国際共同第3相試験において、主要評価項目である移植後14週(約100日)から28週(約200日)までに臨床的に意味のあるCMV感染*3が認められた患者の割合は、プレバイミス®約100日投与群と比較して約200日投与群で統計学的に有意に低下したことから、本添付文書の改訂を行いました。この改訂により、患者さんのCMV感染症の発症リスクを考慮しながら移植後200日目までを目安にプレバイミス®を投与することが可能となり、移植医療へのさらなる貢献が期待されます。

MSDは今後も感染症予防および治療における医療ニーズに応えていけるよう努めてまいります。

 

*1 日本における造血細胞移植.2022年度 全国調査報告書.日本造血細胞移植データセンター/日本造血・免疫細胞療法学会 2021年に実施された移植種類別報告件数:http://www.jdchct.or.jp/data/report/2022/2-1.pdf

*2 プレバイミス®は本適応に関し、希少疾病用医薬品(オーファンドラッグ)の指定を受けています。

*臨床的に意味のあるCMV感染:CMV血症の確認及び被験者の臨床状態に基づく抗CMV薬による先制治療の開始、又は終末器官におけるCMV感染症の発症

 

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp) やFacebookYouTubeをご参照ください。

 

参考資料

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