抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」と化学療法との併用療法について 根治切除不能な進行・再発の食道癌に対する一次治療としての承認を申請

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2020/11/30 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル[5-FU])との併用療法において、根治切除不能な進行・再発の食道癌に対する一次治療としての製造販売承認事項一部変更を承認申請しました。

食道がんは食道の内側(粘膜)に発生し、主に扁平上皮がんと腺がんに大別されますが、日本人では90%以上が扁平上皮がんです。最も進行した浸潤・遠隔転移の食道がんの5年生存率は約12%と低く、新たな治療手段が必要とされています*1。国内の推定患者数は約23,000人で、年間約12,000人が亡くなっていると推定されています*2

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんの一次治療として、キイトルーダと化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル[5-FU])との併用療法をプラセボ+化学療法と比較した、第3相KEYNOTE-590試験の結果に基づいています。

キイトルーダ®は、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体です。キイトルーダ®はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することによって、T細胞に生じたPD-1経路を介する免疫抑制経路の解除により悪性腫瘍の増殖を制御します。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

キイトルーダ®は、米国を含む93カ国で承認を取得しており、世界では現在、1,300以上の臨床試験において30種類以上のがんについて検討が行われています。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます。

*1:国立がん研究センターがん対策情報センター がん診療連携拠点病院等院内がん登録 2010-2011年5年生存率集計 報告書(2019年12月)

*2: 国立がん研究センターがん対策情報センター 全国がん罹患モニタリング集計 2015 年罹患数・率報告(2019年3月)

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や  Facebook 、  Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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