抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」 進行又は再発の子宮頸癌に対する効能・効果を承認申請

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2021/10/22 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、進行又は再発の子宮頸癌に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたのでお知らせいたします。

子宮頸がんは子宮下部にある子宮頸部の粘膜の細胞に発生するがんです。世界では、検診や予防により子宮頸がんの発生率は低下していますが、今も多くの人が発症しています。子宮頸がんは女性において世界で4番目に多いがんで、女性におけるがんの死因の第4位となっています。日本では、年間に約10,000人が子宮頸がんにかかり、約2,900人が亡くなっています*1,2。子宮頸がんは年齢にかかわらず発生しますが、30歳代後半~40歳代前半で診断されるケースが最も多くなっています*1

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、国際共同第3相試験であるKEYNOTE-826試験の結果に基づいています。同試験においては、治療抵抗性、再発又は転移性子宮頸癌の未治療の女性患者を対象とし、キイトルーダ®とプラチナ製剤を含む化学療法(パクリタキセル+シスプラチンまたはパクリタキセル+カルボプラチン、ベバシズマブを併用または非併用)の併用療法を検討した結果、化学療法のみの場合と比較して、主要評価項目の全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)において統計学的に有意な改善が示されました。また、本試験におけるキイトルーダ併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験のものと同様でした。

キイトルーダ®は、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体です。キイトルーダ®はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することによって、T細胞に生じたPD-1経路を介する抗腫瘍活性の抑制を解除します。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。
注)条件付き早期承認対象

キイトルーダ®は、米国を含む93カ国で承認を取得しており、世界では現在、1,600を超える臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます。

*1:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(全国がん罹患モニタリング集計(MCIJ))地域がん登録全国推計によるがん罹患データ (1975年~2015年)

*2:国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」(人口動態統計)全国がん死亡データ(1958年~2019年)

以上

 

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp) や  Facebook 、  Twitter 、  YouTube をご参照ください。