抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」 「レンビマ®」との併用療法について 根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する承認を申請

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2021/04/12 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ®(一般名:レンバチニブメシル酸塩、製造販売元:エーザイ株式会社)」との併用療法において、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌に対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。

腎がんの罹患者数は2020年において、日本で25,000人以上が新たに診断され、8,000人以上が亡くなられたと推定されています*1。腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めるとされています*2。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。腎細胞がん患者さんの約30%は、診断時に転移が確認され、約40%の患者さんは局所性腎細胞がんに対する一次外科治療後に再発すると報告されています*3,4。生存率は診断時のステージによって大きく変わりますが転移性腎細胞がんの5年生存率は12%であり、予後の悪い疾患です*5

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、進行性腎細胞がんの一次治療を対象とした多施設共同無作為化非盲検第3相試験であるKEYNOTE-581試験のデータに基づいています。同試験において、キイトルーダ®とレンビマ®の併用療法は、主要評価項目である無増悪生存期間と重要な副次評価項目である全生存期間と奏効率について、対照薬のスニチニブに対する統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善を示し、主要評価項目および重要な副次評価項目を達成しました。なお、同試験における本併用療法の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していました。

キイトルーダ®は、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体です。キイトルーダ®はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することによって、T細胞に生じたPD-1経路を介する免疫抑制経路の解除により悪性腫瘍の増殖を制御します。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

キイトルーダ®は、米国を含む93カ国で承認を取得しており、世界では現在、1,400以上の臨床試験において 30種類以上のがんについて検討が行われています。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます。

*1: International Agency for Research on Cancer, World Health Organization. “Japan Fact Sheet.” Cancer Today, 2020.

https://gco.iarc.fr/today/data/factsheets/populations/392-japan-fact-sheets.pdf

*2: American Cancer Society. Key Statistics About Kidney Cancer. 

https://www.cancer.org/cancer/kidney-cancer/about/key-statistics.html

*3: Thomas A. Z. et al. The Role Of Metastasectomy In Patients With Renal Cell Carcinoma With Sarcomatoid Dedifferentiation: A Matched Controlled Analysis. The Journal of Urology. 2016 Sep; 196(3): 678–684. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5014677/

*4: Shinder B. et al. Surgical Management of Advanced and Metastatic Renal Cell Carcinoma: A Multidisciplinary Approach. Frontiers in Oncology. 2017; 7: 107. 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5449498/#__ffn_sectitle

*5: Padala, S. A., Barsouk, A., Thandra, K. C., Saginala, K., Mohammed, A., Vakiti, A., Rawla, P., & Barsouk, A. (2020). Epidemiology of Renal Cell Carcinoma. World journal of oncology, 11(3), 79–87. 

https://doi.org/10.14740/wjon1279

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、ウェブサイト( www.msd.co.jp )や Facebook Twitter YouTube をご参照ください。


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