抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」 がん化学療法後に増悪した進行・再発の腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High)を有する 固形がんに対する効能・効果を承認申請

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March 11, 2021 12:00 am ET

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体 「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、がん化学療法後に増悪した進行・再発の腫瘍遺伝子変異量高スコア(TMB-High)を有する固形がんに対する製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。がん種横断的に共通するバイオマーカーに基づいた承認申請としては、2018年に承認を取得した高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形がんに次いで、2件目の申請となります。

腫瘍遺伝子変異量(Tumor Mutation Burden; TMB)とは、腫瘍細胞に生じた遺伝子変異量で、ゲノムコーディング領域1メガ塩基 (megabase) 当たりの非同義体細胞遺伝子変異数として示され、10変異/megabase以上である状態をTMB-Highと定義しています。TMB-Highの腫瘍では、ネオアンチゲンがより多く誘導され、免疫チェックポイント阻害剤に対して良好に反応する可能性があるとされています。TMB-Highの腫瘍は、悪性黒色腫や非小細胞肺がん、大腸がん、子宮内膜がんなどで比較的多く見られると報告されています*1

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、固形がんに対するキイトルーダ(200 mgを3週間ごと)の有効性を評価する多施設共同非ランダム化非盲検試験であるKEYNOTE-158試験のデータに基づいています。

キイトルーダ®は、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体です。キイトルーダ®はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することによって、T細胞に生じたPD-1経路を介する免疫抑制経路の解除により悪性腫瘍の増殖を制御します。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、前立腺がん、胃がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

キイトルーダ®は、米国を含む93カ国で承認を取得しており、世界では現在、1,300以上の臨床試験において 30種類以上のがんについて検討が行われています。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます。

*1:Vanderwalde, A. et al.: Microsatellite instability status determined by next-generation sequencing and compared with PD-L1 and tumor mutational burden in 11,348 patients. Cancer Med. 7(3): 746-756, 2018

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp) や  Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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