新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とするKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と同時化学放射線療法の併用療法が同時化学放射線療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長

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2023/11/17 14:59 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Concurrent Chemoradiotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Concurrent Chemoradiotherapy Alone in Newly Diagnosed, High-Risk Locally Advanced Cervical Cancer (https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とする
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と同時化学放射線療法の併用療法が
同時化学放射線療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長

KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法は、同時化学放射線療法単独と比較して
疾患進行または死亡のリスクを30%低下

KEYNOTE-A18試験は局所進行子宮頸がんに対するがん免疫療法の第3相試験として初めて、 同時化学
射線療法単独と比較してPFSを有意に延長した試験となる

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、新たに高リスク局所進行子宮頸がん(FIGO2014分類に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)と診断された患者さんを対象として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®と、「化学療法同時併用下で実施する外部照射による放射線治療(EBRT: external beam radiotherapy)とそれに続く小線源療法」(同時化学放射線療法)の併用療法を評価する第3相KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)の結果を公表しました。この試験では、対象の患者さんにおいてKEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が、同時化学放射線療法単独と比較して統計学的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。この結果は本日午前10時45分(ET)から、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の最新の一般演題の中から選ばれた演題セッション(late-breaking abstract proffered paper session)として初めて発表(アブストラクト#LBA38)されました。

追跡期間の中央値は17.9カ月(範囲:0.9〜31.0カ月)で、KEYTRUDA®との併用療法群は同時化学放射線療法単独群と比較して対象患者さんの疾患進行または死亡のリスクを30%低減しました(HR=0.70 [95% CI, 0.55-0.89]; p=0.0020)。PFSの中央値はいずれの群も未達でした。24カ月PFS率はKEYTRUDA®との併用療法群では67.8%、同時化学放射線療法単独群では57.3%でした。PFSの延長に加え、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についてもKEYTRUDA®との併用療法群では同時化学放射線療法単独群より良好な傾向(HR=0.73 [95% CI, 0.49-1.07])が観察されています。今回の中間解析時点では、OSのイベント数は両群を合わせて103件と限られており、OSのデータは不完全で、統計学的な有意差は示されていません。治験は現在も継続中で、OSのフォローアップを引き続き実施しています。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「子宮頸がんは世界の女性において4番目に多いがんですが、この20年間、局所進行がんと診断された患者さんに対する新たな治療の進歩は限定的でした。今回のKEYNOTE-A18試験の結果により、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が高リスク子宮頸がん患者さんの新たな治療の選択肢となる可能性が示されました。KEYTRUDA®は特定の進行子宮頸がんに対する適応が確立されており、当社では早期がんに対する研究を進めています」と述べています。

Catholic University of Rome産婦人科学の准教授で、ENGOTの主要治験責任医師であり、本試験全体を統括する首席治験責任医師のDomenica Lorusso(ドメニカ・ロルッソー)教授は、「今回の試験は、新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とした第3相試験で初めて、がん免疫療法が標準治療と比較してPFSの延長を示しました。特にこの20年間、この疾患の患者さんに対する治療の選択肢の進歩がみられなかったことから、KEYTRUDA®との併用療法群が同時化学放射線療法単独群と比較して疾患進行または死亡のリスクを30%低下させた今回の試験結果は注目せずにはいられません」と述べています。

University of Arizona College of Medicineおよび、Creighton University School of Medicineの産婦人科教授でがん専門医のBradley Monk(ブラッドレイ・モンク)博士は、「局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの予後は不良で治療の選択肢は限られています。今回の結果により、がん免疫療法をより早期の子宮頸がんにも実施することで、現在の標準療法と比較して患者さんのアウトカムを改善できる可能性があります」と述べています。

すでに発表しているとおり、米国食品医薬品局(FDA)がこの度公開された結果に基づき、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法を新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの治療薬として、生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の優先審査品目に指定しています。FDAにより、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日が2024年1月20日に設定されています。この結果は世界中の規制当局とも協議を進めています。

米国ではKEYTRUDA®は子宮頸がんにおいて「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められる(CPS≧1)治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対する化学療法±ベバシズマブとの併用療法」と「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められ(CPS≧1)、化学療法による治療中または治療後に疾患が進行した再発または転移性子宮頸がんに対する単独療法」の2つの適応が承認されています。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

 

KEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験のデザインおよびその他のデータ

KEYNOTE-A18(ENGOT-cx11/GOG-3047)試験は、新たに高リスク(FIGO2014に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)の局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの根治目的の治療における、KEYTRUDA®と「化学療法(シスプラチン)同時併用下で実施するEBRTとそれに続く小線源治療」(同時化学放射線療法)の併用療法をプラセボと同時化学放射線療法の併用療法と比較する、無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04221945)です。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.が治験依頼者となり、European Network for Gynaecological Oncology Trial(ENGOT)グループおよびGOG Foundation, Inc.(GOG)と協力して実施しています。主要評価項目はPFSとOSで、副次評価項目は完全奏効率、客観的奏効率、安全性などです。この試験では1,060名の患者さんを次のいずれかに無作為に割り付けました。

  • KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔)を5サイクル静脈内投与した後、KEYTRUDA®(400 mgを6週間間隔)をさらに15サイクル静脈内投与し、同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)、または、
  • プラセボおよび同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連有害事象(TRAE)はKEYTRUDA®との併用療法群の96%、同時化学放射線療法単独群の96%に発生し、グレード3〜5のTRAEはそれぞれ67.0%、60.6%でした。治療関連有害事象によりすべての治験薬の投与中止に至ったのは、KEYTRUDA®との併用療法群では0%、同時化学放射線療法単独群では0.2%でした。また、死亡に至ったTRAEはKEYTRUDA®との併用療法群では2例(0.4%)、同時化学放射線療法単独群では2例(0.4%)でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。

全グレードの免疫介在性有害事象(imAE)はKEYTRUDA®との併用療法群では32.6%、同時化学放射線療法単独群では11.7%でした。グレード3〜5の免疫関連AEはそれぞれ4.2%、1.1%でした。全グレードの免疫関連AEのうち最も高頻度(2例以上)に認められたのはKEYTRUDA®との併用療法群では甲状腺機能低下症(19.3%)でした。いずれの群でも免疫関連AEによる死亡例はありませんでした。

 

当社の乳がんおよび婦人科がん研究

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん)患者さんのアウトカム改善を目指し、研究を進めています。これらのがんを対象とする総合的な臨床開発プログラムを実施しており、KEYTRUDA®の単剤療法および他の薬剤との併用療法を評価する20件以上の第3相試験を当社が治験依頼者となって進めています。米国ではKEYTRUDA®は現在、トリプルネガティブ乳がんについては高リスク早期のものを含む2件の適応と、進行子宮頸がんおよび子宮内膜がんについては4件の適応が承認されています(以下の適応をご覧ください)。これらの早期がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイトwww.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。