HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法がトラスツズマブ+化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善
November 17, 2023 3:00 pm ET
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Trastuzumab and Chemotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Trastuzumab and Chemotherapy in First-Line HER2-Positive Advanced Gastric or Gastroesophageal Junction (GEJ) Adenocarcinoma( https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-trastuzumab-and-chemotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-trastuzumab-and-chemotherapy-in-first-line-her2-positive-advanced-gastric/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。
注) 条件付き早期承認対象
参考資料
HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法が
トラスツズマブ+化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善
KEYNOTE-811試験でPD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんに対しても
PFSを統計学的に有意に改善
2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、抗PD-1抗体KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法を評価する第3相KEYNOTE-811試験の結果を発表しました。これらのデータは本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で発表され(アブストラクト#1511O)、世界中の規制当局と協議を進めています。
28.4カ月間(中央値)の追跡調査後、KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(以下、KEYTRUDA®併用療法)は、HER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんのITT解析対象集団において、プラセボとトラスツズマブおよび化学療法の併用療法(以下、トラスツズマブ+化学療法)と比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善し、病勢進行または死亡のリスクが28%低下しました(HR=0.72[95% CI, 0.60-0.87]; p=0.0002)。また、PD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんにおいても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較して臨床的に意義のあるPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクが30%低下しました(HR=0.70[95% CI, 0.58-0.85])。事前に規定されたサブグループ解析では、ITT解析対象集団におけるPFSの改善は、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんのみで確認されました。試験に参加した患者さんの80%以上がPD-L1陽性(CPS≧1)でした。
その後の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)では、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較してITT解析対象集団(HR=0.84[95% CI, 0.70-1.01])およびPD-L1(CPS≧1)陽性のサブグループ(HR=0.81[95% CI, 0.67-0.98])で改善傾向が認められました。PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんでは、OS中央値はKEYTRUDA®併用療法群で20.0カ月(95% CI, 17.9-22.7)、トラスツズマブ+化学療法群で15.7カ月(95% CI, 13.5-18.5)でした。これらのOSの結果は、中間解析では統計学的有意性の基準を満たしませんでした。今後予定されているOSの解析のため追跡調査は継続中です。
メモリアル・スローンケタリング癌センター消化器腫瘍科の主任担当医であり、KEYNOTE-811のグローバル首席治験責任医師であるYelena Y. Janjigian(エレーナ・Y・ジャンジギアン)博士は「胃食道がんの患者さんの大部分は診断された時点で進行しており、これまでは、治療の経過が良くない場合が多くありました。KEYNOTE-811試験の結果は、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の臨床上のベネフィットをさらに示すものであり、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行がんの患者さんにおいて、病勢進行または死亡のリスクを低下させました」と述べています。
当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は「今回の無増悪生存期間の結果により、KEYNOTE-811試験で蓄積されたエビデンスはさらに充実したものとなります。これらのデータは、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんの治療選択肢として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の重要性を強調するものであり、治療が難しい消化器がんに対する有効な治療法を模索し続けるという当社の思いを強くするものです」と述べています。
KEYTRUDA®は米国で2021年5月に、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しています。この適応はKEYNOTE-811試験の客観的奏効率(ORR)のデータに基づき、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けており、承認維持のために、検証的試験による臨床上の効果の確認および説明が必要となる場合があります。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.はFDAとこの結果を協議しており、HER2陽性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんにおける現在のKEYTRUDA®の適応をPD-L1陽性(CPS≧1)患者を対象として改訂するべく協力しています。
2023年8月には、これらのデータに基づき、欧州委員会よりPD-L1陽性(CPS≧1)の成人におけるHER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しました。
すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。
KEYNOTE-811の試験デザインおよび新たに得られたデータ
KEYNOTE-811試験は、HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法の併用療法を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03615326)です。2つの主要評価項目は、RECIST v1.1を用いて盲検下独立中央画像判定で評価したPFS、およびOSです。副次評価項目はORR、奏効期間、安全性などです。本試験では、登録患者698名をKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔投与)とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(治験責任医師が選択する5-FU+シスプラチンまたはカペシタビン+オキサリプラチン)を投与する群(以下、KEYTRUDA®併用療法群)と、プラセボとトラスツズマブ、化学療法を投与する群(以下、トラスツズマブ+化学療法群)に無作為に割り付けました。
事前に規定された3回目の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)でも、KEYTRUDA®併用療法によりトラスツズマブ+化学療法と比較してPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクがITT解析対象集団で27%低下し(HR=0.73[95% CI, 0.61-0.87])、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんで29%低下しました(HR=0.71[95% CI, 0.59-0.86])。この中間解析でも引き続きORRの改善がみられ、トラスツズマブ+化学療法と比較してKEYTRUDA®併用療法のORRは73%、奏効期間中央値は11.3カ月でした。
KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連の有害事象(TRAE)の発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ99%(n=348)および100%(n=346)であり、グレード3~4のTRAEの発現頻度はそれぞれ58%および50%、グレード5のTRAEの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=4)および1.0%(n=3)でした。TRAEによりいずれかの治験薬を中止したCombined患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で36%、トラスツズマブ+化学療法群で33%でした。
全グレードの免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ39%および24%であり、グレード3~4の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ10%および3%、グレード5の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=3)および1.0%(n=1)でした。高頻度(10%以上)に認められた事象はInfusion reaction(16.6%)および甲状腺機能低下症(10.3%)でした。免疫関連有害事象およびInfusion reactionによりいずれかの治験薬を中止した患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で7%、トラスツズマブ+化学療法群で4%でした。
胃がんについて
胃がんは長年にわたりゆっくり進行することが多く、初期症状がほとんどないため、進行して発見されることも少なくありません。胃がん患者さんの70%以上が進行がんです。胃がんのほとんど(約90-95%)は腺がんで、胃の最も内側の層(粘膜)の細胞から発生します。胃がん患者さんの約40-65%がPD-L1陽性(CPS≧1)で、胃がんの約10-30%がHER2陽性です。世界的に見ると胃がんは5番目に多いがんで、がんの死因の第4位となっており、2020年には約110万人が新たに胃がんと診断され、約768,000人が亡くなりました。進行胃がんと診断された患者さんの5年生存率はわずか6%です。
Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて
がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について
用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやTwitter、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、YouTubeをご参照ください。