Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが開発中の経口PCSK9阻害剤enlicitide decanoate、スタチンによるバックグラウンド治療中に追加することで、ガイドライン推奨の経口非スタチン系薬物療法と比較して、8週時のLDL-Cを有意に低下

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2026/04/16 15:00 JST

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s Enlicitide Decanoate, an Investigational Oral PCSK9 Inhibitor, Demonstrated Significantly Greater LDL-C Reductions at Eight Weeks Compared to Guideline-Recommended Oral Non-Statin Therapies When Added to Background Statins (https://www.merck.com/news/mercks-enlicitide-decanoate-an-investigational-oral-pcsk9-inhibitor-demonstrated-significantly-greater-ldl-c-reductions-at-eight-weeks-compared-to-guideline-recommended-oral-non-statin-ther/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

Enlicitide decanoateは日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが開発中の経口PCSK9阻害剤enlicitide decanoate、
スタチンによるバックグラウンド治療中に追加することで、
ガイドライン推奨の経口非スタチン系薬物療法と比較して、8週時のLDL-Cを有意に低下

第3相CORALreef AddOn試験で、enlicitideの有効性および安全性を
ベムペド酸、エゼチミブ、または両剤併用と比較

Enlicitideは承認されれば初の経口PCSK9阻害剤となり、
高コレステロール血症患者さんの重大なアンメットニーズと、
現在も続く心血管疾患の蔓延に対応できる可能性を有する

2026年3月30日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)の既往またはリスクを有する高コレステロール血症の成人患者さんを対象とし、スタチンによるバックグラウンド治療中にenlicitide decanoateを追加した場合の有効性と安全性を他の経口非スタチン系薬物療法(ベムペド酸、エゼチミブ、または両剤併用)と比較検討した実薬対照試験CORALreef AddOnの詳細な結果を公表しました。本試験は、1日1回経口プロ蛋白転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害剤として開発中のenlicitide decanoateの良好なデータが得られた3つ目の第3相試験です。本試験において、enlicitideの投与により、8週時(56日目)における低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)は、ベムペド酸、エゼチミブ、または両剤併用と比較して、統計学的に有意かつ臨床的に意味のある低下が示されました。これにより、enlicitide群では対照群と比較してLDL-Cの目標達成率が高くなりました(副次評価項目)。本データは本日、American College of CardiologyのAnnual Scientific Session and Expo(ACC.26、米国心臓病学会学術集会、アブストラクト#336-07)で発表され、同時にThe Journal of the American College of Cardiology (JACC) 誌に掲載されました。

CORALreef AddOn試験の結果では、スタチンによるバックグラウンド治療中にenlicitideを追加したところ、8週時におけるLDL-Cはベースラインから64.6%低下しました。さらに、enlicitideはベムペド酸と比較してLDL-Cを56.7%(95% CI: -64.3, -49.0; p<0.001)、エゼチミブと比較して36.0%(95% CI: -41.8, -30.2; p<0.001)、両剤併用と比較して28.1%(95% CI: -33.6, -22.6; p<0.001)低下させました。全般的な安全性プロファイルは第3相CORALreef Lipids試験およびCORALreef HeFH試験で認められたものと一貫していました。すべての投与群で治験薬の服薬(98%)および服薬ガイダンス(96%以上)に対する高いアドヒアランスが認められました。

本試験の筆頭著者であり、IRCCS MultimedicaおよびUniversity of Milanで薬理学教授、動脈硬化研究センターのDirectorを務めるAlberico Catapano(アルベリコ・カタパノ)氏は、「CORALreef AddOn試験の結果により、enlicitideは既存の経口非スタチン系療法と比較してLDL-Cを有意に低下させることが示され、経口PCSK9阻害剤が治療を変革する可能性が改めて確認されました。LDL-CはASCVDの改善可能な重要なリスク因子です。ASCVDは心血管疾患による死亡の多くを占め、今も続く心血管疾患の蔓延の主要因となっています。脂質低下薬による治療を受けているASCVD患者さんの70%近くがLDLコレステロールの低下目標を達成できていないなか、開発中の経口PCSK9阻害剤であるenlicitideは、スタチン治療では目標値を達成できないリスクの高い患者さんのLDL-Cを強力に低下させることで、十分な脂質管理の実現に貢献する可能性があります」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門担当シニアバイスプレジデントでジェネラルアンドスペシャルティメディスン領域責任者のJoerg Koglin(ヨーグ・コグリン)博士は、「心血管疾患の蔓延に対応するために当社の取り組みの一環として開発しているenlicitideは、抗体に匹敵するLDL-C低下作用とプラセボと同様の安全性プロファイルを提供するよう設計されており、承認されれば、初の経口PCSK9阻害剤となる可能性があります。本試験で得られた一貫した結果は、CORALreef Lipids試験およびCORALreef HeFH試験のデータと合わせ、LDL-Cをさらに低下させる必要のある患者さんに対する有望な治療の選択肢としてのenlicitideの有効性および安全性プロファイルをさらに裏付けるものです」と述べています。

Enlicitideは主な副次評価項目についても8週時において統計学的に有意な低下が示されました。Enlicitideはアポリポ蛋白B(ApoB)をベースライン時と比較して54.6%と有意に低下させました(ベースラインからの低下率は、ベムペド酸群は5.4%、エゼチミブ群は20.2%、両剤併用群は27.7%、すべてenlicitide群との比較でp<0.001)。また、enlicitideは非高密度リポ蛋白コレステロール(non-HDL-C)をベースライン時と比較して58.0%と有意に低下させました(ベースラインからの低下率は、ベムペド酸群は5.2%、エゼチミブ群は25.1%、両剤併用群は31.8%、すべてenlicitide群との比較でp<0.001)。

また本試験では、8週時における複数の評価項目の低下率および目標達成についても評価されました(多重性の調整なし)。Enlicitideの投与により、リポ蛋白(a)(LP(a))がベースラインから26.2%低下しました(ベースラインからベムペド酸群は8.1%増、エゼチミブ群は変化なし、両剤併用群は10.4%増)。また本試験では、LDL-Cが50%以上の低下かつ55 mg/dL(1.42 mmol/L)未満という事前に設定された目標についても、ベムペド酸群の2.0%、エゼチミブ群の8.0%、両剤併用群の20.0%に対し、enlicitide群では78.2%の患者さんが達成しました。

Enlicitideの安全性プロファイルは第3相CORALreef Lipids試験およびCORALreef HeFH試験で認められたものと一貫しており、有害事象の発生率には臨床的に意味のある群間差はありませんでした。重篤な有害事象、治験薬関連の有害事象による投与中止、または治験薬関連の重篤な有害事象による投与中止はenlicitide群ではありませんでした。

米国食品医薬品局(FDA)は2025年12月にenlicitideをFDA長官国家優先バウチャー(CNPV)の付与対象に指定しました。当社は、承認されれば初の経口PCSK9阻害剤となりうるenlicitideを、高コレステロール血症患者さんに一日も早く提供したいと考えています。

CORALreef AddOn試験について

CORALreef AddOn(NCT06450366)試験は、主要ASCVDイベントの既往または初発リスクがあり、スタチン療法を受けている高コレステロール血症の成人患者さんを対象に、enlicitideの有効性および安全性をベムペド酸、エゼチミブ、または両剤併用と比較検討した第3相無作為化二重盲検多施設共同試験です。主要評価項目は8週時におけるLDL-Cのベースラインからの平均変化率です。主な副次評価項目は、non-HDL-CおよびApoBの平均変化率などが含まれます。多重性を考慮しない副次評価項目は、Lp(a)の平均変化率や、LDL-Cが50%以上低下、かつ55 mg/dL(1.42 mmol/L)未満を達成した患者さんの割合などでした。

EnlicitideおよびPCSK9について

Enlicitideは、FDAに承認されれば、初の経口PCSK9阻害剤となる可能性があります。現在承認されているモノクローナル抗体の注射薬であるPCSK9阻害剤と同様の生物学的な作用機序により、毎日服用する錠剤の形でLDL-Cを低下させるよう設計されています。Enlicitideは、PCSK9に結合し、PCSK9とLDL受容体の相互作用を阻害する新規の低分子大環状ペプチドの候補薬です。

PCSK9は、コレステロールを細胞に取り込むLDL受容体の量を調節することで、コレステロール恒常性を保つうえで重要な役割を担います。PCSK9を阻害することで、PCSK9とLDL受容体の相互作用を妨げます。その結果、細胞表面のLDL受容体が増加し、血液中からLDLコレステロールを取り除くことができます。

CORALreef臨床試験プログラムについて

高コレステロール血症患者さん19,000名以上を対象とする包括的なCORALreef臨床試験プログラムにより、enlicitideの有効性と安全性プロファイルを検討しています。すでに発表しているとおり、enlicitideによる統計学的に有意で臨床的に意味のあるLDL-Cの低下が、CORALreef Lipids(NCT05952856)、CORALreef HeFH(NCT05952869)、CORALreef AddOn(NCT06450366)の3つの第3相試験で示されています。Enlicitideは現在も大規模な心血管アウトカム試験のCORALreef Outcomes(NCT06008756)において評価が実施されており、14,500名以上の被験者の組み入れが完了しています。その他、CORALreef臨床試験には、CORALreef Extension(NCT06492291)、CORALreef Pediatric(NCT07058077)、CORALreef Combination(NCT07216482)があります。

高コレステロール血症について

高コレステロール血症は脂質異常症の一種で、血液中のLDL-Cの値が高くなる疾患です。米国では約8,600万人の成人が罹患しており、ASCVDの主なリスク要因です。脂質低下薬による治療を受けているASCVD患者さんの70%近くがLDLコレステロールの低下目標を達成できていません。LDL-C値が高いまま放置すると、心筋梗塞や脳卒中などのASCVDイベントに進行する可能性があります。

心血管疾患の蔓延および動脈硬化性心血管疾患について

心血管疾患の静かな蔓延は、世界中で主な死因となっており、心筋梗塞や脳卒中の大半を引き起こすなど、心血管関連の死亡は増加を続けています。ASCVDは、心血管疾患による死亡の85%を占めています。動脈内にプラークが蓄積し、血管の狭窄や閉塞をきたすことで、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な心血管イベント、さらには冠動脈疾患、末梢動脈疾患、脳血管疾患を引き起こします。

当社の心代謝疾患および呼吸器疾患に対する取り組み

当社は長年にわたり心代謝疾患および呼吸器疾患の治療薬を開発してきました。心血管疾患の初の治療薬を提供して以来、約70年にわたって培ってきた経験を基盤に、心代謝疾患や呼吸器疾患の患者さんのための研究に取り組んでいます。動脈硬化性心血管疾患、心不全、肺高血圧症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、幅広い疾患に注力しています。

心代謝疾患および呼吸器疾患の治療の進展により世界中の患者さんと医療に大きく貢献することが可能です。当社は創薬から承認取得、ライフサイクルマネジメントまで研究のあらゆる段階で優れた革新的なサイエンスを追求します。領域の専門家と幅広く連携し、患者さんの生活の改善に向けた研究を進めています。

詳細については、ウェブサイト(https://www.msd.com/research/cardiometabolic-and-respiratory-diseases/)をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2025年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。