KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、特定の早期/進行非小細胞肺がん(NSCLC)患者さんにおいて長期生存ベネフィットを示す
2025/11/18 15:00 JST
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Demonstrates Long-Term Survival Benefit in Certain Patients With Earlier or Advanced Stages of Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) (https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-demonstrates-long-term-survival-benefit-in-certain-patients-with-earlier-or-advanced-stages-of-non-small-cell-lung-cancer-nsclc/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、非小細胞肺癌における術前・術後補助療法、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、局所進行子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、治癒切除不能な進行・再発の胃癌、治癒切除不能な胆道癌、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。
参考資料
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、特定の早期/進行非小細胞肺がん(NSCLC)
患者さんにおいて長期生存ベネフィットを示す
KEYNOTE-671試験の5年間の探索的なフォローアップ解析で、
術前のKEYTRUDA®と化学併用療法に続き
術後にKEYTRUDA®を単剤投与した患者さんにおいて、
全生存期間と無イベント生存期間に引き続き臨床的に意味のある延長が認められる
KEYNOTE-001試験、KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験の
8年間および10年間の解析データでは、
KEYTRUDA®の単剤療法が特定の局所進行または転移性NSCLCの患者さんの
生存期間を引き続き延長し、標準治療としての役割が裏付けられる
結果は2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表
2025年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)について、非小細胞肺がん(NSCLC)の治療における持続的な生存ベネフィットを示す新たな長期データを発表しました。この結果は、切除可能NSCLCに対する術前・術後補助療法(周術期レジメン)としてKEYTRUDA®を評価するKEYNOTE-671試験の5年間の探索的解析と、特定の局所進行または転移性NSCLCの患者さんを対象とする単剤療法としてKEYTRUDA®を評価するKEYNOTE-024試験およびKEYNOTE-042試験の8年間の解析ならびにKEYNOTE-001試験およびKEYNOTE-010試験の10年間の解析に基づいています。
当社研究開発本部のシニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発部門がん領域担当責任者のMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「今回の長期データは患者さんとご家族にとって大きな意味があり、NSCLC領域における当社の革新的な歩みをさらに発展させるものです。データでは、早期がんから進行がんにわたって、特定のNSCLC患者さんに対するKEYTRUDA®の長期生存ベネフィットが示されました。KEYTRUDA®のさらなる開発を進め、新たながん治療の可能性について期待しています」と述べています。
第3相KEYNOTE-671試験の5年間の探索的なフォローアップデータでは、特定の切除可能II期、IIIA期、IIIB期NSCLCの患者さんにおいて、KEYTRUDA®と化学併用療法による術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA®の単剤療法による術後補助療法が、プラセボと化学療法による術前補助療法とプラセボ単独による術後補助療法と比較して、全生存期間(OS)および無イベント生存期間(EFS)のアウトカムにおいて、引き続き臨床的に意味のある延長を示しました。KEYTRUDA®群の化学療法・プラセボ群に対するOSのハザード比(HR)は0.74(95% CI, 0.59-0.92)でした。EFSのHRは0.58(95% CI, 0.48-0.69)でした。
KEYNOTE-671試験の首席治験責任医師で胸部腫瘍内科医のHeather Wakelee(ヘザー・ウェイクリー)博士は、「KEYNOTE-671試験における5年間のベネフィットが全生存期間と無イベント生存期間の両方で認められたことは、ペムブロリズマブによるこの周術期のレジメンが、切除可能な早期非小細胞肺がんの標準治療として引き続き使用できることを裏付けるものです。一貫性のある結果が得られたことは非常に意義深く、早期非小細胞肺がんの特定の患者さんへの介入の重要性が示されています」と述べています。ウェイクリー氏はスタンフォード大学医学部教授でもあります。
KEYNOTE-024試験およびKEYNOTE-042試験の8年間の探索的解析ならびにKEYNOTE-001試験およびKEYNOTE-010試験の10年間の探索的解析において、KEYTRUDA®は引き続き、局所進行または転移性のNSCLCに対し化学療法と比較してOSを延長しました。
- KEYNOTE-001試験では、KEYTRUDA®群におけるOSの中央値は、Tumor Proportion Score(TPS)を問わないすべての患者さんでは13.2カ月(95% CI, 10.5-15.3)、TPS≧50%の患者さんでは17.3カ月(95% CI,13.7-24.8)でした。KEYNOTE-001試験ではKEYTRUDA®と他の薬剤またはプラセボとの比較は実施しませんでした。
- KEYNOTE-010試験では、TPS≧1%の患者さんにおけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群では11.8カ月(95% CI, 10.3-13.0)、化学療法群では8.3カ月(95% CI, 7.5-9.5)でした(HR=0.66 [95% CI, 0.58-0.76])。TPS≧50%の患者さんにおけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群では16.6カ月(95% CI, 12.1-21.2)、化学療法群では8.2カ月(95% CI, 6.4-9.8)でした(HR=0.55 [95% CI, 0.44-0.68])。
- KEYNOTE-024試験では、TPS≧50%の患者さんにおけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群では26.3カ月(95% CI,18.3-40.4)、化学療法群では13.4カ月(95% CI, 9.4-18.3)でした(HR=0.65 [95% CI, 0.50-0.83])。
- KEYNOTE-042試験では、TPS≧1%の患者さんにおけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群では16.4カ月(95% CI, 14.0-19.6)、化学療法群では12.1カ月(95% CI, 11.3-13.3)でした(HR=0.78 [95% CI, 0.69-0.88])。TPS≧50%の患者さんにおけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群では20.0カ月(95% CI, 15.9-24.2)、化学療法群では12.2カ月(95% CI, 10.4-14.6)でした(HR=0.70 [95% CI, 0.59-0.83])。
KEYNOTE-001試験、KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験においてKEYTRUDA®を投与し、完全奏効が得られた後に疾患進行した患者さんは、KEYTRUDA®単剤療法の再投与を含む次治療を受けることができました。
KEYNOTE-671試験、KEYNOTE-001試験、KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験の治験デザインおよび結果などの詳細については、これまでに報告されている主たる解析の結果などと合わせて以下に記載しています。
カリフォルニア大学ロサンゼルス校のDavid Geffen School of Medicineの教授で、KEYNOTE-001試験の首席治験責任医師であるEdward B. Garon(エドワード・B・ギャロン)医学・理学博士は、「これまで、進行非小細胞肺がんの患者さんの予後は不良で、長期生存は難しいと考えられてきました。今回の4試験の長期データでは、ペムブロリズマブの投与によって、特定の進行NSCLC患者さんにおいて期待される治療成績に変化がもたらされることを示しています」と述べています。
これまでKEYTRUDA®の単剤療法および併用療法では、特定の転移性NSCLC(KEYNOTE-189、KEYNOTE-407)、悪性黒色腫(KEYNOTE-006、KEYNOTE-054)、進行頭頸部がん(KEYNOTE-048)、膀胱がん(KEYNOTE-045)、子宮体がん(KEYNOTE-775)など様々ながんで、5年以上の持続的な生存ベネフィットが認められています。
KEYNOTE-671試験の5年間の最新データは、2025年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会のミニオーラルセッションで発表されました(Presentation #LBA67)。KEYNOTE-024試験およびKEYNOTE-042試験の8年解析データならびにKEYNOTE-001試験およびKEYNOTE-010試験の10年解析データは、2025年ESMO年次総会のポスターセッションで発表されました(Presentation #3208P)。
KEYNOTE-671試験の治験デザインおよび新たな5年間のフォローアップ解析データ
KEYNOTE-671試験は、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期(T3-4N2)のNSCLC患者さん(AJCC第8版のがん病期分類による)を対象として、KEYTRUDA®と術前化学補助療法の併用とその後の切除とKEYTRUDA®単剤療法による術後補助療法を、プラセボと術前化学補助療法とその後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較する多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03425643)です。2つの主要評価項目はEFSとOSです。主な副次評価項目は病理学的完全奏効(pCR)、病理学的奏効(mPR)などです。この試験では、被験者797名を以下のいずれかの群に1:1の割合で無作為に割り付けました。
- 術前補助療法としてKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で静脈内投与)+化学療法(シスプラチン[75 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与]とともに、ゲムシタビン[1,000 mg/m2を各サイクル1日目および8日目に静脈内投与]、またはペメトレキセド[500 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与])を術前に最大4サイクル実施。術後4〜12週間以内に、術後補助療法としてKEYTRUDA®(200 mg)を3週間間隔で最大13サイクル投与。
- 術前補助療法としてプラセボ(生理食塩水を3週間間隔で静脈内投与)+化学療法(シスプラチン[75 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与]とともに、ゲムシタビン[1,000 mg/m2を各サイクル1日目および8日目に静脈内投与]、またはペメトレキセド[500 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与])を術前に最大4サイクル実施。術後4〜12週間以内に、術後補助療法としてプラセボを3週間間隔で最大13サイクル投与。
フォローアップの中央値60.4カ月(範囲:42.6-85.8)の後、5年OS率はKEYTRUDA®群では64.6%(95% CI, 59.5%-69.2%)、化学療法・プラセボ群では53.6%(95% CI, 48.3%-58.6%)でした。OSの中央値はKEYTRUDA®群では未到達(NR、95% CI, NR- NR)で、化学療法・プラセボ群では70.7カ月(95% CI, 53.7-NR)でした。
5年EFS率はKEYTRUDA®群では49.9%(95% CI, 44.6%-55.0%)、化学療法・プラセボ群では26.5%(95% CI, 21.7%-31.5%)でした。EFSの中央値はKEYTRUDA®群では57.1カ月(95% CI, 38.0-NR)、化学療法・プラセボ群では18.4カ月(95% CI, 14.8-22.1)でした。
5年間フォローアップ解析時点におけるグレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)の発生率は、KEYTRUDA®群では45.2%、化学療法・プラセボ群では37.8%でした。グレード3以上の免疫関連有害事象およびinfusion reactionsの発生率は、KEYTRUDA®群では6.3%、化学療法・プラセボ群では1.8%でした。
これまでに報告されているKEYNOTE-671試験の主要解析の時点で、KEYTRUDA®群では化学療法・プラセボ群と比較して死亡のリスクが28%低下しました(HR=0.72 [95% CI, 0.56-0.93]; p=0.0103)。KEYTRUDA®群のOSの中央値は未到達(95% CI, NR-NR)で、化学療法・プラセボ群では52.4カ月(95% CI, 45.7-NR)でした。さらに、KEYTRUDA®群では化学療法・プラセボ群と比較してEFSイベントのリスクが42%低下しました(HR=0.58 [95% CI, 0.46-0.72]; p<0.0001)。KEYTRUDA®群のEFSの中央値は未到達(95% CI, 34.1-NR)で、化学療法・プラセボ群では17.0カ月(95% CI, 14.3-22.0)でした。
KEYNOTE-001試験、KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験の探索的解析による長期フォローアップデータ
KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験において、KEYTRUDA®は引き続き化学療法と比較してOSを延長しました。これらの試験では、腫瘍にPD-L1発現(TPS≧50%)が認められる患者さんにおいてKEYTRUDA®は化学療法と比較してOSを延長しました。
長期フォローアップ解析による全生存期間のデータ:

n/N:KEYNOTE-587試験の被験者数/親試験の被験者数
a 一次治療
b 二次治療以降
c KEYNOTE-001試験ではKEYTRUDA®と他の薬剤またはプラセボとの比較は未実施
d 本解析では、ペムブロリズマブの異なる2つの投与量を統合して評価
これまでに報告されている5年解析データ以降、4件の試験において肺がん特異的な死亡の新たな発生は限定的でした。
これらの最初の試験の完了時点で、被験者は長期追跡のための継続投与試験KEYNOTE-587試験に移行することが認められました。4件の試験合計で、KEYTRUDA®を投与された患者さんの10.3%(209人)と化学療法を受けた患者さんの4.4%(50人)がKEYNOTE-587試験に移行しました。KEYNOTE-587試験の主要評価項目はOSです。KEYNOTE-587試験において、初回投与(KEYNOTE-001試験)または無作為割付(KEYNOTE-010試験、KEYNOTE-024試験、KEYNOTE-042試験)からデータカットオフまでの期間の中央値はそれぞれ124.6カ月(範囲:118.5-142.2)、115カ月(範囲:108.8-124.6)、106.4カ月(範囲:102.4-114.3)、99カ月(範囲:86.6-110.2)でした。
KEYNOTE-001試験の治験デザインおよび新たなデータ
KEYTRUDA®の10年アウトカムを、未治療または既治療の進行NSCLC患者さん550名を対象とする第1b相KEYNOTE-001試験(ClinicalTrials.gov; NCT01295827)において測定しました。KEYTRUDA®2 mg/kgを3週間ごと、またはKEYTRUDA®10 mg/kgを2週間あるいは3週間ごとに静脈内投与しました。主要評価項目は全生存率(ORR)で、副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)やOSなどでした。
これまでに報告されているKEYNOTE-001試験の主要解析の時点で、KEYTRUDA®群ではTPS≧50%の患者さんのORRは41%で、すべて部分奏効でした(95% CI, 29-54)。奏効が得られた患者さんのうち84%がKEYTRUDA®の治療に対し持続的に奏効を示し、11名の患者さんが6カ月以上持続的に奏効を示しました。
KEYNOTE-010試験の治験デザインおよび新たなデータ
KEYTRUDA®の10年アウトカムを、腫瘍にPD-L1発現が認められ(TPS≧1%)、プラチナ製剤を含む化学療法(および適宜EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子を標的とする治療)後に進行した転移性NSCLC患者さんを対象とする第2/3相KEYNOTE-010試験(ClinicalTrials.gov; NCT01905657)において測定しました。この試験には1,033名の患者さんを組み入れ、KEYTRUDA®2 mg/kgまたは10 mg/kgを3週間ごとに静脈内投与する群、または化学療法(ドセタキセル)を3週間ごとに実施する群に1:1:1の割合で無作為に割り付けました。本試験の主要評価項目はOSおよびPFSで、副次評価項目はORR、奏効期間(DOR)などでした。
これまでに報告されているKEYNOTE-010試験の主要解析の時点で、TPS≧1%の患者さんにおける死亡のリスクが、KEYTRUDA®を2 mg/kg、10 mg/kg投与した群では化学療法群と比較してそれぞれ29%(HR=0.71 [95% CI, 0.58-0.88]; p<0.001)、39%(HR=0.61 [95% CI, 0.49-0.75]; p<0.001)低下しました。TPS≧1%の患者さんにおける疾患進行または死亡のリスクは、KEYTRUDA®を2 mg/kg、10 mg/kg投与した群では、化学療法群と比較してそれぞれ12%(HR=0.88 [95% CI, 0.73-1.04]; p=0.068)、21%(HR=0.79 [95% CI, 0.66-0.94]; p=0.005)低下しました。また、この解析では、TPS≧50%の患者さんにおける死亡のリスクが、KEYTRUDA®を2 mg/kg、10 mg/kg投与した群では、化学療法群と比較してそれぞれ46%(HR=0.54 [95% CI, 0.38-0.77]; p<0.001)、50%(HR=0.50 [95% CI, 0.36-0.70]; p<0.001)低下することが示されました。TPS≧50%の患者さんにおける疾患進行または死亡のリスクは、KEYTRUDA®を2 mg/kg、10 mg/kg投与した群では、化学療法群と比較してそれぞれ42%(HR=0.58 [95% CI, 0.43-0.77]; p<0.001)、41%(HR=0.59 [95% CI, 0.45-0.78]; p<0.001)低下しました。
KEYNOTE-024試験の治験デザインおよび新たなデータ
KEYTRUDA®の8年アウトカムを、治療歴がなくPD-L1を高発現(TPS≧50%)する、EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子を伴わない転移性NSCLC患者さんを対象とする第3相KEYNOTE-024試験(ClinicalTrials.gov; NCT02142738)において測定しました。この試験には305名の患者さんを組み入れ、KEYTRUDA®200 mgを3週間ごと、またはプラチナ化学療法を投与する群に1:1の割合で無作為に割り付けました。本試験の主要評価項目はPFSで、副次評価項目はOSやORRなどでした。
これまでに報告されているKEYNOTE-024試験の主要解析の時点で、KEYTRUDA®群では化学療法群と比較して疾患進行または死亡のリスクが50%低下しました(HR=0.50 [95% CI, 0.37- 0.68]; p<0.001)。さらに、KEYTRUDA®群では化学療法と比較して死亡のリスクが40%低下しました(HR=0.60 [95% CI, 0.41-0.89]; p=0.005)。
KEYNOTE-042試験の治験デザインおよび新たなデータ
KEYTRUDA®の8年アウトカムを、外科的切除または根治的化学放射線療法不適格のIII期NSCLCまたは転移性NSCLCを有し、腫瘍にPD-L1発現(TPS≧1%)が認められ、全身治療歴のない患者さんを対象とする第3相KEYNOTE-042試験(ClinicalTrials.gov; NCT02220894)において測定しました。この試験には1,251名の患者さんを組み入れ、KEYTRUDA®200 mgを3週間ごと、またはプラチナ化学療法を投与する群に1:1の割合で無作為に割り付けました。本試験の主要評価項目は、TPS≧50%、TPS≧20%、TPS≧1%の患者さんのOSで、副次評価項目は、TPS≧50%、TPS≧20%、TPS≧1%の患者さんにおけるRECIST v 1.1に基づいて盲検下独立中央判定機関(BICR)が判定するPFSおよびORRでした。
これまでに報告されているKEYNOTE-042試験の主たる解析の時点で、KEYTRUDA®群では化学療法群と比較して死亡のリスクが、TPS≧50%およびTPS≧1%の患者さんにおいてそれぞれ31%(HR=0.69 [95% CI, 0.56-0.85]; p=0.0006)、19%(HR=0.81 [95% CI, 0.71-0.93]; p=0.0036)低下しました。OSの中央値はTPS≧50%の患者さんにおいてはKEYTRUDA®群では20.0カ月(95% CI, 15.4-24.9)、化学療法群では12.2カ月(95% CI, 10.4-14.2)で、TPS≧1%の患者さんにおいてはKEYTRUDA®群では16.7カ月(95% CI, 13.9-19.7)、化学療法群では12.1カ月(95% CI, 11.3-13.3)でした。
肺がんについて
肺がんは世界のがんの死因のトップとなっています。2022年だけでも世界で約240万人が新たに肺がんにかかり、180万人が死亡しました。非小細胞肺がんは肺がんの中で最も多く、すべての肺がんの約80%を占めています。米国では肺がんと診断された患者さんの2025年の5年全生存率は27%です。生存率の改善は早期発見や検診、喫煙率の低下、診断や手術の進歩、新たな治療法の誕生などによるものです。早期発見や検診は現在も重大なアンメットニーズとなっており、肺がんの44%が進行してから発見されています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの肺がん研究について
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ., USAは、死亡率の高い肺がんの転帰を改善することを目指し治療に変革をもたらす研究を進めています。肺がん研究の最前線に立ち、世界中の36,000人以上を対象とする200件近くの臨床試験を実施しています。米国では、KEYTRUDA®はNSCLCに対する6件の適応が承認されており、95カ国以上で進行NSCLCの治療薬として承認されています。早期肺がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの早期がんに対する臨床プログラムについて
がんをより早期に発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。当社は、後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期の病態における医薬品ポートフォリオおよびパイプライン候補も重要と考えており、複数のがん種を対象とした約30件の承認申請に向けた試験が進行中です。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA® 適応症・用法・用量・安全性情報について
適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2024年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
以上
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。