KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する周術期治療として、術後標準治療(SOC)との併用療法が、SOC単独と比較して無イベント生存期間を有意に改善

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2025/05/30 15:00 JST

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) as Perioperative Treatment With Standard of Care (SOC) Adjuvant Therapy Significantly Improved Event-Free Survival Compared to SOC Alone in Patients With Resectable Locally Advanced Head and Neck Squamous Cell Carcinoma (https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-as-perioperative-treatment-with-standard-of-care-soc-adjuvant-therapy-significantly-improved-event-free-survival-compared-to-soc-alone-in-patients-with-resectable-loca/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、非小細胞肺癌における術前・術後補助療法、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、局所進行子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、治癒切除不能な進行・再発の胃癌、治癒切除不能な胆道癌、切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんに対する
周術期治療として、術後標準治療(SOC)との併用療法が、SOC単独と比較して
無イベント生存期間を有意に改善

KEYNOTE-689試験が、直近20年以上で初めて、
切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)の患者さんに対して良好な結果を示す

2025年米国癌学会(AACR)年次総会のプレナリーセッションで結果が発表され、
総会の公式プレス向けプログラムにも選定される

2025年4月27日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、III期またはIVA期の切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)の患者さんに対する周術期治療として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)を評価する第3相KEYNOTE-689試験の結果を発表しました。この試験の初回の中間解析では、切除可能なLA-HNSCC患者さんに対する周術期治療においてKEYTRUDA®を術後標準治療(SOC)の放射線治療(±シスプラチン)と併用した場合、術後標準治療の放射線治療(±シスプラチン)のみを実施した場合と比較して無イベント生存期間(EFS)の有意な改善が示されました。このデータは本日、2025年米国癌学会(AACR)年次総会のプレナリーセッション(抄録番号:CT001)において初めて発表されるほか、AACRのプレス向けプログラムにも選定されています。

フォローアップ期間の中央値38.3カ月(範囲:9.0〜66.5カ月)の結果では、術前にKEYTRUDA®を投与(術前補助療法)し、術後にKEYTRUDA®と標準治療の放射線治療(±シスプラチン)との併用療法を行い、さらにKEYTRUDA®を単独投与(術後補助療法)したところ、ITT解析対象集団において術後補助療法の放射線治療(±シスプラチン)のみを実施した場合と比較して、EFSイベントのリスクが、PD-L1 Combined Positive Score(CPS)≧10の患者さんでは34%(HR=0.66 [95% CI, 0.49-0.88]; p=0.0022)、CPS≧1の患者さんでは30%(HR=0.70 [95% CI, 0.55-0.89; p=0.0014)、ITT解析対象集団では27%(HR=0.73 [95% CI 0.58-0.92]; p=0.0041)低下しました。CPS≧10の患者さんにおけるEFSの中央値は、KEYTRUDA®+SOC群では59.7カ月(95% CI, 41.1-未到達[NR])、SOC群では26.9カ月(95% CI, 18.3-51.5)でした。CPS≧1の患者さんにおけるEFSの中央値は、KEYTRUDA®+SOC群では59.7カ月(95% CI, 37.9-NR)、SOC群では29.6カ月(95% CI, 19.5-41.9)でした。ITT解析対象集団におけるEFSの中央値は、KEYTRUDA®+SOC群では51.8カ月(95% CI, 37.5-NR)、SOC群では30.4カ月(95% CI, 21.8-50.1)でした。KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験における安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。

本試験の共同治験責任医師でBrigham and Women’s Hospitalおよびダナ・ファーバーがん研究所の頭頸部外科腫瘍学ディレクターのRavindra Uppaluri(ラビンドラ・ウパルリ)博士は、「この試験では、切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がんの患者さんにおいて、直近20年以上で初めて良好な結果が得られました。この画期的な結果の発表は、患者さんや医療従事者にとって非常に重要な転機となります。KEYNOTE-689試験により、特定のLA-HNSCC患者さんに、早い段階で再発、疾患進行のリスクを抑える選択肢を提供できる可能性という、治療開発の意義深い進展が示されました」と述べています。

この試験の共同治験責任医師でセントルイス・ワシントン大学医学部の腫瘍学教授のDouglas Adkins(ダグラス・アドキンス)博士は、「KEYTRUDA®による免疫療法を標準治療の手術および術後補助療法の(化学)放射線治療に追加することで、EFSイベントのリスクが、標準治療のみの場合と比較して27%と有意に低下しました。抗PD-1抗体による治療として初めて、より早期の頭頸部扁平上皮がんに対する術前・術後補助療法において無イベント生存期間に統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められたことは非常に重要です」と述べています。

またこの試験では、重要な副次評価項目であるmajor Pathological Response(mPR)にも、術後の放射線治療のみの場合と比較して、CPS≧10の患者さん(mPR率の差:13.7% [95% CI, 9.7-18.7]; p<0.00001)、CPS≧1の患者さん(9.8% [95% CI, 7.0-13.3]; p<0.00001)およびITT解析対象集団(9.3% [95% CI, 6.7–12.8, P<0.00001)において、統計学的に有意な改善が認められました。

別の重要な副次評価項目である全生存期間(OS)についても、この中間解析の時点で、KEYTRUDA®と標準治療を併用した群と標準治療単独群との比較において、CPS≧10の患者さんで改善傾向が認められました(HR=0.72 [95% CI, 0.52-0.98])。この中間解析の時点で、OSの結果は統計学的な有意水準に到達しませんでした。統計的検定は階層的に実施され、CPS≧1およびITT解析対象集団における正式な検定は実施されませんでした。OSは次回の中間解析で検証します。

当社研究開発本部のシニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発部門がん領域担当責任者のMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「KEYNOTE-689試験は、早期がんにおいてKEYTRUDA®に基づくレジメンを評価し、良好な結果が得られた12件目のピボタル試験となり、この重要な研究分野の満たされないニーズへの当社の取り組みを示すものです。今回の注目すべき結果は、このレジメンがこの困難な疾患に直面する特定の患者さんの治療のあり方を変える可能性があることを示しています。当社はFDAや世界各国の規制当局と連携し、この新たな治療の選択肢を一日も早く患者さんに届けられるよう取り組んでいます」と述べています。

KEYNOTE-689試験のデータに基づくKEYTRUDA®の生物製剤承認一部変更申請(sBLA)は、現在米国食品医薬品局(FDA)の優先審査品目として審査されており、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日は2025年6月23日に設定されています。

KEYTRUDA®は現在、転移を有するまたは切除不能再発の頭頸部扁平上皮がんに対する単独療法および併用療法として米国、欧州、中国、日本その他世界中の国で承認されています。詳しくは当社英文リリースをご覧ください。

KEYNOTE-689試験のデザインその他のデータ

KEYNOTE-689試験は、新たに診断された未治療のIII期またはIVA期の切除可能な局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)の患者さんに対し、KEYTRUDA®を術前補助療法として投与し、術後にKEYTRUDA®と標準治療としての放射線治療(±シスプラチン)をともに術後補助療法として投与する、無作為化実薬対照非盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03765918)です。有効性の評価項目はプログラム細胞死リガンド1(PD-L1)のCPSの状態により分類されます。主要評価項目はEFSで、無作為割付け時から、画像評価による進行、局所または遠隔転移もしくは再発、または原因を問わない死亡が最初に確認されるまでの時間と定義されます。副次評価項目はOS、mPR、病理学的完全奏効、安全性を含みます。この試験では714名の患者さんを次のいずれかに1:1の割合で無作為に割り付けました。

  1. 術前補助療法としてKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で2サイクル静脈内投与)、その後、術後補助療法として、高リスクの患者さんに対してKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で15サイクル静脈内投与)と標準治療としての放射線治療とシスプラチン(100 mg/m2を3週間間隔で3サイクル静脈内投与)、または低リスク患者さんに対してKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で15サイクル静脈内投与)と標準治療としての放射線治療をシスプラチンなしで実施
  2. 術前補助療法は実施せず、術後補助療法として、高リスクの患者さんに対して標準治療としての放射線治療とシスプラチン(100 mg/m2を3週間間隔で3サイクル静脈内投与)、または低リスクの患者さんに対して標準治療としての放射線治療をシスプラチンなしで実施

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。グレード3以上の治療関連有害事象はKEYTRUDA®+標準治療の放射線治療群では44.6%、標準治療の放射線治療単独群では42.9%の患者さんに認められました。死亡に至った治療関連有害事象はKEYTRUDA®群では1.1%(4例)、標準治療の放射線治療単独群では0.3%(1例)でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。全グレードの免疫関連有害事象はKEYTRUDA®群では43.2%に発生し、最も頻度が高かったのは甲状腺機能低下症(24.7%)でした。

頭頸部がんについて

頭頸部がんは咽頭、喉頭、鼻、副鼻腔および口腔の内部や周辺に発生する様々ながんの総称です。頭頸部の扁平細胞は薄い表層を形成している細胞で、頭頸部がんのほとんどはこの扁平細胞に発生する扁平上皮がんです。局所進行頭頸部扁平上皮がん(LA-HNSCC)は、原発部位の外側に広がっており、体の遠隔部位には転移していないがんです。頭頸部がんの発生リスクが大幅に増大する因子には、喫煙、飲酒、ヒトパピローマウイルス(HPV)があります。2022年には世界で推定947,200人以上が新たに頭頸部がんと診断され、482,400人以上が死亡しました。米国では2025年に約72,680人が新たに頭頸部がんと診断され、16,680人以上が死亡すると推定されています。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。当社は、後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期の病態における医薬品ポートフォリオとパイプライン候補も重要と考えており、複数のがん種を対象とした30件以上の承認申請に向けた試験が進行中です。

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

KEYTRUDA® 適応症・用法・用量・安全性情報について

適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-as-perioperative-treatment-with-standard-of-care-soc-adjuvant-therapy-significantly-improved-event-free-survival-compared-to-soc-alone-in-patients-with-resectable-loca/

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2024年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。