Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA 2024年度第4四半期および通期決算発表
2025/03/17 15:00 JST
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが2025年2月4日付(米国東部時間)で発表した2024年度第4四半期および通期決算のプレスリリースMerck Announces Fourth-Quarter and Full-Year 2024 Financial Resultsを日本語に翻訳したもので、内容および解釈については英語が優先されます。
以下の医療用医薬品は、日本国内で発売しております。カナ表記は括弧内をご参考ください。 BRIDION®(ブリディオン®)、GARDASIL®(ガーダシル®)、GARDASIL®9(日本ではシルガード®9)、JANUVIA®(ジャヌビア®)、KEYTRUDA®(キイトルーダ®)、LAGEVRIO®(ラゲブリオ®)、Lenvima®(レンビマ®)、Lynparza®(リムパーザ®)、PREVYMIS ®(プレバイミス®)ROTATEQ®(ロタテック®)、VAXNEUVANCE®(バクニュバンス®)
参考資料
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA
2024年度第4四半期および通期決算発表
- 2024年度第4四半期の全世界売上高は、前年同期比7%増の156億ドル。為替変動の影響を除き9%増の成長
- 2024年度第4四半期のGAAPベースのEPSは1.48ドル、non-GAAPベースのEPSは1.72ドル。GAAPおよびnon-GAAPベースのEPSは、特定の事業開発活動に関連する費用0.23ドル(一株当たり)を含む
- 2024年度通期の全世界売上高は、前年同期比7%増の642億ドル。為替変動の影響を除き10%増の成長
- KEYTRUDAの売上高は、18%増で295億ドル(為替の影響を除き22%増)
- WINREVAIRの売上高は4億1,900万ドル
- アニマルヘルスの売上高は、4%の成長で59億ドル(為替の影響を除き8%増)
- GARDASILおよびGARDASIL 9の売上高は、3%減で86億ドル(為替の影響を除き2%減)
- 2024年度通期のGAAPベースのEPSは6.74ドル、non-GAAPベースでは7.65ドル。GAAPおよびnon-GAAPベースのEPSは、特定の事業開発活動に関連する正味費用1.28ドル(一株当たり)を含む
- 2024年度第4四半期において:
- berahyaluronidase Alfaを配合したペムブロリズマブ皮下注製剤を用いた第3相試験の良好なトップラインデータを発表
- 生後初回のRSウイルス(respiratory syncytial virus: RSV)感染流行期を迎える乳児を対象に開発中のRSV予防用長期作用型モノクローナル抗体クレスロビマブに関する生物製剤承認申請をFDAが受理したことを発表
- 開発中の抗PD-1/VEGF二重特異性抗体MK-2010に関してLaNova社と、また開発中の経口GLP-1受容体作動薬MK-4082に関してはHansoh社との独占的グローバルライセンスを通じて多様なパイプラインを強化
- 2025年1月に中国において男性を対象にGARDASILが承認を取得
- 2025年通期の業績見通し
- 2025年度通期の全世界売上高を641億ドル~656億ドルと予想
- 2025年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを8.88ドル~9.03ドルと予想(業績見通しは、LaNova 社とのマイルストーン支払予定に関連する約0.09ドル(一株当たり)の一括計上を反映)
米国ニュージャージー州ローウェイ– Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は2025年2月4日、2024年度第4四半期決算を発表しました。
会長兼最高経営責任者(CEO)のロバート・M・デイビスは、「当社の2024年度決算では堅調な成長を遂げることができました。これは、世界各国においてがん治療に貢献し続けているKEYTRUDAをはじめとする当社の革新的なポートフォリオに対する需要、WINREVAIRの上市成功、さらにアニマルヘルス事業の力強い業績などを反映しています。当社は引き続きパイプラインを進展させ、重要な臨床プログラムを進め、有望な事業開発を通じてパイプラインを強化しています。有能なグローバルチームの献身的な努力に支えられ、当社の事業は良好なポジションを保持しています。私は、当社が長期的に大きな成長を遂げるものと強く確信しています」と述べています。
決算サマリー
2024年度第4四半期の GAAP(GAAP:一般に公正妥当と認められる会計基準)ベースの希薄化後EPSは1.48ドル、2024年度通期の希薄化後EPSは6.74ドルでした。2024年度第4四半期のnon-GAAPベースのEPSは1.72ドル、2024年度通期のnon-GAAPベースのEPSは7.65ドルでした。2024年度第4四半期のGAAP およびnon-GAAPベースのEPSは、LaNova Medicines Ltd.(LaNova社)とHansoh Pharma(Hansoh社)とのライセンス契約の締結に関連する費用0.23ドル(一株当たり)が含まれます。2023年度第4四半期のGAAPベースの一株当たり損失およびnon-GAAPベースのEPSは、第一三共株式会社との提携に関連する費用1.69ドル(一株当たり)が含まれます。2024年度通期および2023年度通期のGAAP およびnon-GAAPベースのEPSは、特定の提携、ライセンス契約および資産取得に関連する費用1.28ドルおよび6.21ドル(一株当たり)がそれぞれ含まれます。
non-GAAPベースのEPSは、事業統合・売却関連費用、事業再構築プログラムに関連する費用、および株式の投資による収益と損失を除外しています。2024年度第4四半期および2024年度通期のnon-GAAPベースのEPSは、認識されていない法人税の便益に関する準備金が減少したための税務優遇(連邦税申告に関連する審査の時効期間が満了した結果)を除外しています。また2023年度通期のnon-GAAPベースのEPSは、Zetiaの反トラスト訴訟の特定の原告との和解に関連する費用を除外しています。
2024年度第4四半期の業績
以下の表は当社の売上高上位製品および主要な製品の売上高総額を表しています。
2024年度通期の業績
以下の表は当社の売上高上位製品および主要な製品の売上高総額を表しています。
2024年度通期の医薬品売上高は、7%増の574億ドルとなりました。為替のマイナス影響を除けば、2024年度通期の医薬品売上高は10%増です。為替のマイナス影響約2%ポイントは、アルゼンチンの通貨ペソの切り下げによるものであり、この影響については、市場慣行に従ってインフレに伴う価格の上昇により大きく相殺されています。2024年度通期の医薬品売上高の売上高増加は、オンコロジー領域の売上高増加(特にKEYTRUDAおよびWELIREG)、ならびにReblozyl およびLynparzaの提携収益の増加が主にけん引しました。WINREVAIRの上市成功を反映した循環器系製品や、特定の病院向けの急性期治療製品(特にPREVYMIS)の売上高増加も2024年度の収益成長をけん引しました。ただし、2024年度通期の医薬品売上高の成長は、JANUVIAおよびJANUMETの売上高の減少により一部相殺されました。これは、主に米国での低い価格設定、多くの国際市場におけるジェネリック市場競争、COVID-19治療薬LAGEVRIOの売上高減少、GARDASILおよびGARDASIL 9の売上高減少、SIMPONIおよびREMICADEの売上高減少(以前に当社が保有していた販売権はJohnson & Johnsonに返還されたため)を反映しています。
アニマルヘルスの2024年度通期の全世界での売上高は、4%増の59億ドルとなりました。為替のマイナス影響を除けば、2024年度通期のアニマルヘルスの売上高は8%増です。為替のマイナス影響約2%ポイントは、アルゼンチンの通貨ペソの切り下げによるものであり、この影響については、市場慣行に従ってインフレに伴う価格の上昇により大きく相殺されています。アニマルヘルスの2024年度通期の売上高増加は、主にコンパニオンアニマルおよび家畜類製品のポートフォリオの高い価格設定、養鶏および養豚関連製品の高い需要、Elanco社のアクア事業の買収に関連する売上を反映しています。2024年度におけるBRAVECTOの売上高は、6%増の11億ドルとなりました(為替の影響を除き8%増)。
2024年度第4四半期ならびに通期の費用、EPSおよび関連情報
以下の表は、費用に関する抜粋情報を表しています。
GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報
GAAPベースの売上高総利益率は、2023年度第4四半期の73.3%に対し2024年度第4四半期は75.5%でした。この増加は主に、プロダクト・ミックス(KEYTRUDAおよびGARDASIL/GARDASIL 9に関連するロイヤリティー率が低いことを含む)および為替によるプラス影響を反映していますが、製造関連費用(棚卸資産除却損を含む)の増加および無形資産の償却費の増加により一部相殺されました。2024年度通期の売上高総利益率は76.3%で、2023年度通期では73.2%でした。この増加は主に、プロダクト・ミックス(KEYTRUDAおよびGARDASIL/GARDASIL 9に関連するロイヤリティー率が低いことを含む)および為替によるプラス影響を反映していますが、無形資産の償却費の増加、事業再構築費用の増加(主に減損損失を反映)、および製造関連費用(棚卸資産除却損を含む)の増加により一部相殺されました。
2024年度第4四半期の販売費および一般管理費は、前年同期比で2%増の29億ドルでした。この増加は主に販売促進費の増加を反映していますが、為替のプラス影響および事業再構築費用の減少により一部相殺されました。2024年度通期の販売費および一般管理費は、前年同期比で3%増の108億ドルでした。この増加は主に、管理費、販売促進費、統合関連費用の増加を反映していますが、為替のプラス影響および事業再構築費用の減少により一部相殺されました。
2024年度第4四半期の研究開発費は、前年同期比で52%減の46億ドルでした。2024年度通期の研究開発費は、前年同期比で41%減の179億ドルでした。2024年度第4四半期および通期の研究開発費の減少は主に、事業開発活動に関連する費用の減少、無形資産の減損損失の減少、および為替のプラス影響を反映していますが、報酬および福利厚生費用の増加、および臨床開発費の増加により一部相殺されました。
2024年度第4四半期のその他の費用(収益)純額は、2023年度第4四半期の7,800万ドルの費用に対し1億2,600万ドルの費用を計上しました。このマイナス影響は主に、前年同期における株式の投資による利益に対して株式の投資による損失が計上されたことを反映していますが、為替差損の減少および正味支払利息の減少により一部相殺されました。2024年度通期のその他の費用(収益)純額は、2023年度通期の4億6,600万ドルの費用に対し2,400万ドルの収益を計上しました。これは主に、Zetiaの反トラスト訴訟の特定の原告との和解に関連する費用5億7,250万ドル(2023年)を反映しています。このプラス影響はまた、第一三共との既存の開発・商業化契約の拡大に関連する収益1億7,000万ドル、および2024年における為替差損の減少を反映しています。2024年度通期のその他の費用(収益)純額は、2023年度と比較して株式の投資による利益の減少および正味支払利息の増加によるマイナス影響を反映しています。
2024年度第4四半期の実効税率は10.2%で、2024年度通期の実効税率は14.1%でした。
2024年度第4四半期の実効税率は6.2%ポイントのプラス影響を反映し、2024年度通期の実効税率は2.6%ポイントのプラス影響を反映しています(認識されていない法人税の便益に関する準備金が減少したため)。
2024年度第4四半期のGAAPベースのEPSは1.48ドル、2023年度第4四半期のGAAPベースの一株当たり損失は0.48ドルでした。これは主に、事業開発活動に関連する費用の減少、事業面の堅調性、無形資産の減損損失の減少、および2020年度の連邦税申告に関連する審査の時効期間が満了したことによる利益を反映しています。2024年度通期のGAAPベースのEPSは6.74ドルで、2023年度通期のGAAPベースのEPSは0.14ドルでした。このGAAPベースのEPSの増加は主に、事業開発活動に関連する費用の減少、事業面の堅調性、無形資産の減損損失の減少、2020年度および2019年度の連邦税申告に関連する審査の時効期間が満了したことによる利益、およびZetiaの反トラスト訴訟の特定の原告との和解に関連する費用(2023年)を反映していますが、為替のマイナス影響により一部相殺されました。
non-GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報
non-GAAPベースの売上高総利益率は、2023年度第4四半期の77.2%に対し2024年度第4四半期は80.8%でした。2024年度通期の売上高総利益率は80.8%で、2023年度通期では76.9%でした。2024年度第4四半期および通期におけるnon-GAAPベースの売上高総利益率の増加は主に、プロダクト・ミックス(KEYTRUDAおよびGARDASIL/GARDASIL 9に関連するロイヤリティー率が低いことを含む)および為替によるプラス影響を反映していますが、製造関連費用(棚卸資産除却損を含む)の増加により一部相殺されました。
2024年度第4四半期のnon-GAAPベースの販売費および一般管理費は、前年同期比で2%増の28億ドルでした。2024年度通期のnon-GAAPベースの販売費および一般管理費は、前年同期比で3%増の106億ドルでした。この増加は主に販売促進費の増加を反映していますが(通期では管理費の増加を反映)、為替のプラス影響により一部相殺されました。
2024年度第4四半期のnon-GAAPベースの研究開発費は、前年同期比で48%減の46億ドルでした。2024年度通期のnon-GAAPベースの研究開発費は、前年同期比で40%減の179億ドルでした。2024年度第4四半期および通期の研究開発費の減少は主に、事業開発活動に関連する費用の減少、および為替のプラス影響を反映していますが、報酬および福利厚生費用の増加、および臨床開発費の増加により一部相殺されました。
non-GAAPベースでの2024年度第4四半期のその他の費用(収益)純額は、2023年度第4四半期の1億7,400万ドルの費用に対し500万ドルの費用を計上しました。このプラス影響は主に、為替差損の減少および正味支払利息の減少を反映しています。non-GAAPベースでの2024年度通期のその他の費用(収益)純額は、2023年度通期の2億1,900万ドルの費用に対し1,000万ドルの費用を計上しました。このプラス影響は主に、第一三共との既存の開発・商業化契約の拡大に関連する収益1億7,000万ドル、および2024年における為替差損の減少を反映していますが、正味支払利息の増加により一部相殺されました。
2024年度第4四半期のnon-GAAPベースの実効税率は16.2%で、2024年度通期の実効税率は16.8%でした。
2024年度第4四半期のnon-GAAPベースのEPSは1.72ドル、2023年度第4四半期では0.03ドルでした。2024年度通期のnon-GAAPベースのEPSは7.65ドル、2023年度通期では1.51ドルでした。2024年度第4四半期および通期のnon-GAAPベースのEPSの増加は主に、事業開発活動に関連する費用の減少、および事業面の堅調性を反映しています。
2024年度通期のnon-GAAPベースのEPSの増加は、為替のマイナス影響により一部相殺されました。
当期純利益(損失)および一株当たり利益(損失)のGAAPベースからnon-GAAPベースへの調整は、以下の表のとおりです。
パイプラインおよびポートフォリオハイライト
2024年度第4四半期において、当社は幅広く多様なパイプラインにおいて主要な承認申請上および臨床開発のマイルストーンを達成し重要な進展を遂げました。
オンコロジー領域において、当社はピボタル第3相MK-3475A-D77試験の良好なトップラインデータを公表しました。この試験は、転移性NSCLCの成人患者の一次治療において、ペムブロリズマブにberahyaluronidase alfaを配合したペムブロリズマブ皮下注製剤と化学療法の併用療法について、KEYTRUDA点滴静注と化学療法の併用療法に対する非劣性を評価するものです。berahyaluronidase alfaを配合したペムブロリズマブ皮下注製剤は、点滴静注と比較して患者さんの治療体験の改善と患者さんや医療従事者のアクセス拡大が期待できます。
2024年12月のAmerican Society of Hematology年次総会および説明会において複数の血液がんに関する新規データを発表しました。この新規データには、治療歴のないびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者の治療薬として開発中の抗体薬物複合体zilovertamab vedotinに関する有望な第2相試験のデータが含まれています。20本を超えるアブストラクトが発表され、当社の幅広く多様な血液領域パイプラインで進行中の臨床研究に基づく継続的な進展がデータで示されました。
当社はまた、米国、欧州、日本および中国で複数の承認申請のマイルストーンを達成しました。ハイライトとしては、上皮成長因子受容体(EGFR)変異を伴う治療歴のある進行または転移性非扁平上皮NSCLCを有する特定の患者を対象とした治療薬sacituzumab tirumotecan(sac-TMT)が、米国食品医薬品局(FDA)から画期的治療薬(Breakthrough Therapy)に指定されました。さらに当社は、日本および中国でKEYTRUDAベースのレジメンについて新規の承認、ならびに中国ではWELIREGとLynparzaについて新規の承認を取得しました。
ワクチン領域および感染症領域では、生後初回のRSV感染流行期を迎える乳児のRSV感染症を予防する長期作用型モノクローナル抗体として開発中のクレスロビマブに関する生物製剤承認申請(BLA)をFDAが受理しました。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日を2025年6月10日に設定しました。この承認申請のマイルストーンは、2025年から2026年のRSV感染流行期にクレスロビマブが使用可能となる重要な進展となります。この承認申請は、乳児のRSV感染症を予防するクレスロビマブに関するピボタル第2b/3相試験の結果に基づくものであり、米国感染症学会週間(ID Week) 2024で発表されました。さらに当社は、ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症成人患者の治療薬として1日1回経口投与のドラビリン/イスラトラビル(DOR/ISL)2剤配合錠を評価する2件のピボタル第3相試験のトップラインデータを公表しました。当社は、「HIVとともに生きる人々のニーズに貢献する」というコミットメントを示しています。
2025年1月、中国においてGARDASILに関する適応拡大が承認されました。GARDASILは現在、特定のHPV関連がんおよび9歳から26歳の男性のHPV関連疾患を予防する初のHPVワクチンとして中国で承認されています。また成人に対する肺炎球菌ワクチンとして欧州連合(EU)の欧州医薬品委員会(CHMP)によるCAPVAXIVEの承認が推奨されました(EUの最終決定により2025年度第2四半期に承認される見込み)。
循環器領域では、死亡リスクの高い肺動脈性肺高血圧症(PAH、世界保健機関(WHO)Group 1)機能分類(FC)IIIまたはIVの成人患者を対象としてWINREVAIR(ソタテルセプト)を評価する第3相ZENITH試験の良好なトップラインデータを発表しました。第3相ZENITH試験の中間解析による良好な結果を受け、独立データモニタリング委員会は、非常に優れた有効性であることから第3相ZENITH試験を早期終了するよう推奨しました。さらに2025年1月、疾患進行のリスクが中〜高程度のPAH(FC IIまたはIII)と新たに診断された成人を対象にWINREVAIRを評価する第3相HYPERION試験もまた、第3相ZENITH試験の中間解析による良好な結果、ならびに現時点までのWINREVAIR臨床プログラムによるデータ全体のレビューを受け、早期に終了しました。ZENITH試験およびHYPERION試験に参加したすべての患者さんに対して、非盲検、長期継続投与試験であるSOTERIA試験において、WINREVAIRの投与を受ける機会が提供される予定です。
当社は事業開発戦略の実行を継続しました。新規に開発中の抗PD-1/VEGF二重特異性抗体MK-2010に関してLaNova社と独占的グローバルライセンスを締結したことを発表しました。また前臨床段階で開発中の低分子経口グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体作動薬MK-4082に関してHansoh社との独占的グローバルライセンスを締結したことを発表しました。
以下の表は、当社のパイプラインおよびポートフォリオに関する重要な最新ニュースリリースを表しています。
オンコロジー
EGFR変異を伴う治療歴のある進行または転移性非扁平上皮NSCLCを有する特定の患者を対象とした治療薬sac-TMTについてFDAが画期的治療薬に指定 | プレスリリース(英文)は こちら |
進行性の褐色細胞腫および傍神経節腫患者の治療薬WELIREGの承認申請をFDAが優先審査に指定 | プレスリリース(英文)は こちら |
第2相LITESPARK-004試験および第3相LITESPARK-005試験の結果に基づき、特定のフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴う腫瘍および治療歴のある進行性RCCを有する特定の成人患者の治療薬WELIREGに関して、EUのCHMPから肯定的な見解を取得 | プレスリリース(英文)は こちら |
第2/3相IND.227/KEYNOTE-483試験の結果に基づき、切除不能な非上皮性の悪性胸膜中皮腫の成人患者の一次治療における、KEYTRUDAと化学療法との併用療法がEUのCHMPから肯定的な見解を取得 | プレスリリース(英文)は こちら |
第3相KEYNOTE-671試験の結果に基づき、切除可能なII期、IIIA期またはIIIB期のNSCLCに対する術前化学療法とKEYTRUDAとの併用療法と、それに続く術後のKEYTRUDA単独療法が中国にて承認を取得 | プレスリリース(英文)は こちら |
第2相LITESPARK-004試験の結果に基づき、特定のVHL病に伴う腫瘍を有する成人患者の治療薬WELIREGの承認を中国にて取得 | プレスリリース(英文)は こちら |
第3相MK-3475A-D77試験の結果に基づき、berahyaluronidase alfaを配合したペムブロリズマブ皮下注製剤が主要評価項目を達成したことを発表 | プレスリリース(英文)は こちら |
第3相KEYLYNK-001試験において、主要評価項目である進行上皮性卵巣がん患者の無増悪生存期間の達成を発表 | プレスリリース(英文)は こちら |
第3相OlympiA試験の結果に基づき、早期乳がん患者に対してLynparzaが臨床的に意味のある生存期間の延長を示す | プレスリリース(英文)は こちら |
第2相WaveLINE-007試験の結果に基づき、治療歴のないびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者の治療薬として開発中のzilovertamab vedotinとR-CHPの併用療法が完全奏効率100%を示す(用量1.75 mg/kg) | プレスリリース(英文)は こちら |
ワクチン
生後初回のRSV感染流行期を迎える乳児のRSV感染症を予防する長期作用型モノクローナル抗体として開発中のクレスロビマブ(MK-1654)に関するBLAをFDAが受理したことを発表。FDAはPDUFAの審査完了予定日を2025年6月10日に設定 | プレスリリース(英文)は こちら |
中国においてGARDASILに関する適応拡大が承認 | プレスリリース(英文)は こちら |
成人に対する肺炎球菌ワクチンとしてEUのCHMPからCAPVAXIVEの肯定的な見解を取得 | プレスリリース(英文)は こちら |
45歳までの成人を対象とした、性別によらないジェンダーニュートラルなHPVワクチン接種を推進するGARDASIL 9の試験からの新規データをInternational Papillomavirus Conference 2024にて発表 | プレスリリース(英文)は こちら |
循環器領域
ピボタル第3相ZENITH試験の中間解析においてWINREVAIRが主要評価項目を達成したことを発表 | プレスリリース(英文)は こちら |
WINREVAIRを評価する第3相HYPERION試験を早期に終了し、最終解析に移行する決定を発表 | プレスリリース(英文)は こちら |
感染症領域
ウイルス学的抑制が得られているHIV-1感染症成人患者の治療薬として1日1回経口投与のドラビリン/イスラトラビル(DOR/ISL)2剤配合錠を評価するピボタル第3相試験のトップラインデータを公表 | プレスリリース(英文)は こちら |
2025年通期の業績見通し
以下の表は、当社の2025年通期の業績見通しの要約を表しています。
将来の見通しとしてのnon-GAAPベースの売上高総利益率、non-GAAPベースの営業費用、non-GAAPベースのその他の費用(収益)純額、non-GAAPベースの実効税率、およびnon-GAAPベースのEPSに関して、最も直接的な比較を可能とするGAAPベースの指標への調整は提示していません。このような調整には、無形資産の減損損失、法的な和解、株式の投資による利益/損失(直接的な保有または投資ファンドによる所有権)などを含みますが、合理的な確実性をもとに調整金額を予測することができないからです(非合理的な取り組みは除く)。これらの項目は、本質的に予測が困難であり、当社における将来のGAAPベースの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
当社は、2025年1月中旬の為替を基準として、為替のマイナス影響約2%を含み、2025年度通期の売上高を641億ドル~656億ドルになると予想しています。これには、2025年2月から少なくとも2025年の中頃におけるGARDASIL/GARDASIL 9の中国への出荷の一時的な停止の決定を反映しています。
2025年度通期のnon-GAAPベースの実効税率は、16.0%~17.0%になると予想しています。
当社は、為替のマイナス影響約0.35ドル(一株当たり)を含み、2025年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを$8.88ドル~9.03ドルになると予想しています。このnon-GAAPベースのEPSレンジには、MK-2010に関する技術移転の完了を伴うLaNova 社との3億ドルのマイルストーン支払予定(一株当たり約0.09ドル)の一括計上が含まれます。2024年度におけるnon-GAAPベースのEPSの7.65ドルは、特定の資産取得、ライセンス契約および提携に関連する正味費用1.28ドル(一株当たり)によるマイナス影響を受けました。
過去の慣例との一貫性を保つため、業績見通しとして、追加の重要性の高い未確定の事業開発活動は想定していません。
コンファレンス・コール
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの投資家、メディア関係者および一般の方々へのコンファレンス・コールのライブ・ウェブキャストが米国東部時間の2025年2月4日木曜日の午前9時に行われました。売上高と利益のニュースリリース、財務状況の開示追補、決算ハイライトスライドを含むウェブキャストは、www.merck.comにてご覧いただくことができます。
すべての参加者は、(800) 369-3351(フリーダイヤル、米国およびカナダ)または(517) 308-9448からアクセスコード番号9818590にてご参加いただけます。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトや X (旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2023年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
補足資料
製品名と有効成分を以下に提示します。
医薬品
BRIDION (スガマデクス)
CAPVAXIVE (21価肺炎球菌結合型ワクチン)
GARDASIL (組換え沈降4価 [6、11、16、18型] ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)
GARDASIL 9 (組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)
JANUMET (シタグリプチン/メトホルミン)
JANUVIA (シタグリプチン)
KEYTRUDA (ペムブロリズマブ)
LAGEVRIO (モルヌピラビル)
Lenvima (レンバチニブ)
Lynparza (オラパリブ)
M-M-R II (麻しん-おたふくかぜ-風しん混合ワクチン)
PREVYMIS (レテルモビル)
PROQUAD (麻しん-おたふくかぜ-風しん-水痘混合ワクチン)
Reblozyl (ラスパテルセプト)
REMICADE (インフリキシマブ)
ROTATEQ(5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン)
SIMPONI (ゴリムマブ)
VARIVAX (水痘ワクチン)
VAXNEUVANCE (15価肺炎球菌結合型ワクチン)
WELIREG (ベルズチファン)
WINREVAIR (ソタテルセプト)
アニマルヘルス
BRAVECTO (フルララネル)
1 Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAに帰属する当期純利益(損失)
2 Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、特定項目の性質およびそれらが事業業績や傾向に関する分析に与える影響を考慮し、2024年度および2023年度の特定の項目の影響を除いたnon-GAAPベースの情報を提供しています。経営陣は、non-GAAPベースの決算報告を用いて業績を評価しているため、この情報が会社の業績に対する投資家の理解を深めるものと考えています。経営陣は、non-GAAPベースの指標を目標の設定や達成予測のため、またその他の基準も併用しながら当社の業績を評価するために社内的に活用します。加えて、上級管理職の報酬を含む従業員の年間報酬は、部分的にnon-GAAPベースの税引前利益をベースとして支払われています。これはGAAPに基づき算出された情報に関する追加情報であって、その代わりとなるものではなく、また優先されるものでもありません。non-GAAPベースの調整についての詳細は、本リリースに添付された表2a(脚注を含む)を参照してください。
3 事業統合・売却に関する統合費用、取引費用およびその他の費用、ならびに提携やライセンス契約に関連する無形資産の償却費と共に、事業の統合に関連する費用を反映し、無形資産の償却費、無形資産の減損損失、および、条件付対価による負債の公正価値測定の見積り変更に関連する費用または収益が含まれます。
4 non-GAAPベースの調整の発生区分における法定利率の適用に基づき、調整項目に対する見積法人税の影響、および認識されていない法人税の便益に関する準備金が減少したための2024年度第4四半期の税務優遇2億6,000万ドルおよび通期の税務優遇5億1,900万ドル(連邦税申告に関連する審査の時効期間が満了した結果)が含まれます。2024年度第4四半期に認識された利益は、2020年度の連邦税申告に関連し、2024年度通期の利益は、2020年度と2019年度の連邦税申告の両方に関連しています。
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイトやFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。