新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とするKEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と化学放射線療法(CRT)の併用がCRT単独と比較して死亡のリスクを33%低下
2024/10/18 15:01 JST
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemoradiotherapy (CRT) Reduced Risk of Death by 33% Versus CRT Alone in Patients With Newly Diagnosed High-Risk Locally Advanced Cervical Cancer (https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-chemoradiotherapy-crt-reduced-risk-of-death-by-33-versus-crt-alone-in-patients-with-newly-diagnosed-high-risk-locally-advanced-cervical-cancer/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、非小細胞肺癌における術前・術後補助療法、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫、治癒切除不能な進行・再発の胃癌、治癒切除不能な胆道癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。
参考資料
新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とする
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と化学放射線療法(CRT)の併用が
CRT単独と比較して死亡のリスクを33%低下
KEYNOTE-A18試験では第3相試験として初めて、対象患者さんに対する免疫療法とCRTの併用において
CRT単独と比較して全生存期間が統計学的に有意で臨床的に意味のある延長を示す
結果は2024年欧州臨床腫瘍学会年次総会において
会長シンポジウムの公式記者会見の演題に選ばれ、The Lancetにも同時掲載
2024年9月14日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、新たに高リスク(リンパ節転移陽性のIB2〜IIB期、リンパ節転移の有無を問わないIII〜IVA期)局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象に、抗PD-1抗体KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と同時化学放射線療法(CCRT)の併用を評価する第3相KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)で得られた全生存期間(OS)のデータを初めて公表しました。追跡期間の中央値29.9カ月(範囲:12.8〜43.0カ月)の時点で、KEYTRUDA®とCCRTの併用群は同患者集団においてCCRT単独群と比較して死亡のリスクを33%低減しました(HR=0.67 [95% CI, 0.50-0.90]; p=0.0040)。このデータは2024年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の公式記者会見の演題に選ばれたほか、本日、会長シンポジウムで初めて発表(Presentation #709O)され、The Lancetにも同時掲載されました。
36カ月OS率は、KEYTRUDA®レジメン群で82.6%、CCRT単独群で74.8%でした。OSの中央値はいずれの群でも未到達でした。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。
Humanitas University産婦人科学の教授で、ENGOTの主要治験責任医師であり、本試験全体を統括する首席治験責任医師のDomenica Lorusso(ドメニカ・ロルッソー)教授は、「子宮頸がんは、世界中の女性のがん関連の主な死因の一つです。近年、治療が進歩していますが、高リスク局所進行型の子宮頸がん患者さんの生存期間において、顕著な延長は認められていません。今回のデータから、新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんに対する免疫療法に基づくレジメンとして初めて良好な全生存期間が示され、対象患者さんの治療パラダイムが変わる可能性があります」と述べています。
KEYNOTE-A18試験は、早期がんに対するOSの延長を示すことができたKEYTRUDA®を基盤としたレジメンを評価する4件の第3相試験の一つです。この他、新たに高リスク早期トリプルネガティブ乳がんと診断された患者さんを対象とするKEYNOTE-522試験や、切除可能なII期、IIIA期またはIIIB期の非小細胞肺がんに対するKEYNOTE-671試験(いずれの試験も術前化学療法との併用療法および術後の単独療法を、術前化学療法と比較)、腎摘除術後の再発リスクが中〜高度(intermediate-high)もしくは高度(high)、または腎摘除術および転移巣切除術後の腎細胞がん患者さんを対象とするKEYNOTE-564試験(プラセボと比較)があります。
当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「当社はよりよいアウトカムが期待される早期ステージを含め、婦人科がんの患者さんのための研究を進めています。今回の知見から、KEYTRUDA®を基盤としたこのレジメンにより死亡のリスクがCRT単独と比較して3分の1低減することが示され、このレジメンが、該当する高リスク局所進行子宮頸がんの患者さんに貢献できる可能性が示唆されています」と述べています。
この結果については世界中の規制当局とも協議を進めています。すでに発表しているとおり、KEYNOTE-A18試験は、もう一つの主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)の延長を2023年に達成しています。PFSのデータは、2023年ESMO年次総会で発表され、これを元に、国際産婦人科連合(FIGO)2014進行期分類に基づくIII〜IVA期の子宮頸がんに対するKEYTRUDA®とCRTの併用が2024年1月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しました。
米国では、KEYTRUDA®は子宮頸がんに対する適応として、この他に「FDAが承認する検査でPD-L1陽性(CPS≧1)と確認された治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対する化学療法±ベバシズマブとの併用療法」と「FDAが承認する検査でPD-L1陽性(CPS≧1)と確認され、化学療法による治療中または治療後に疾患が進行した再発または転移性子宮頸がんに対する単独療法」の二つが承認されています。
すでにお知らせしているとおり、2024年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける20種類以上のがんを対象とするデータが発表されます。
KEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験について
KEYNOTE-A18(ENGOT-cx11/GOG-3047)試験は、新たに高リスク(リンパ節転移陽性のIB2〜IIB期、リンパ節転移の有無を問わないIII〜IVA期)の局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの根治目的の治療における、KEYTRUDA®とCRT(シスプラチンと外部照射[EBRT]による放射線治療とそれに続く小線源治療[BT])の併用をプラセボとCCRTの併用と比較する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04221945)です。Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが治験依頼者となり、European Network for Gynaecological Oncology Trial(ENGOT)グループおよびGOG Foundation, Inc.(GOG)と協力して実施しています。主要評価項目はPFSとOSで、副次評価項目は完全奏効率、客観的奏効率、安全性などです。この試験は1,060名の患者さんを、次の群に1:1の割合で無作為に割り付けられました。
- KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔)を5サイクル静脈内投与し、同時にシスプラチン(40 mg/m2)を週1回、5サイクル静脈内投与(実施医療機関の基準によっては6サイクル目の投与が可能)、および放射線療法(EBRTの後にBT)、その後KEYTRUDA®400 mgを6週間間隔で15サイクル静脈内投与
- プラセボを3週間間隔で5サイクル静脈内投与し、同時にシスプラチン(40 mg/m2)を週1回、5サイクル静脈内投与(実施医療機関の基準によっては6サイクル目の投与が可能)、および放射線療法(EBRTの後にBT)、その後プラセボを6週間間隔で15サイクル静脈内投与
KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。グレード3以上の治療関連有害事象はKEYTRUDA®+CCRT群では69.1%、プラセボ+CCRT群では61.3%の患者さんに認められました。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。
全グレードの免疫関連有害事象はKEYTRUDA®レジメン群では39%、プラセボレジメン群では17%の患者さんに認められました。グレード3〜5の免疫関連有害事象はそれぞれ4.7%、1.3%でした。KEYTRUDA®レジメン群において全グレードの免疫関連有害事象のうち最も高頻度に認められたのは甲状腺機能低下症(22.5%)でした。KEYTRUDA®レジメン群では死亡に至った免疫関連有害事象が一例ありました。
子宮頸がんについて
子宮頸がんは子宮下部にある子宮頸部の粘膜の細胞に発生するがんです。すべての女性に子宮頸がんのリスクがあります。好発年齢は35〜44歳です。検診や予防により子宮頸がんの発生率は低下していますが、今も米国を含め世界中で多くの人が発症しています。子宮頸がんは女性において世界で4番目に多いがんです。米国では、2024年に約13,820人が新たに侵襲性子宮頸がんと診断され、約4,360人が死亡すると推定されています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの乳がんおよび婦人科がん研究について
当社は、一人でも多くの乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮体がん)患者さんのアウトカムを改善するため、治療の選択肢の拡大を目指して研究を進めています。女性のがんのうち、乳がんと婦人科がんはそれぞれ世界で一番目、二番目に多いがんであり、当社はこの深刻ながんに直面する患者さんに治療の選択肢を提供することを目指しています。世界中で18,000人以上を対象とする20件以上の臨床試験を実施し、女性のがんの標準治療の進歩を目指し、革新的な研究を決意を持って進めています。当社の研究の取り組みには、早期がんに対する当社の医薬品の評価する試験、その新たな作用機序や併用療法を特定する試験が含まれます。当社は、女性のがんが世界中の患者さん、ご家族、地域におよぼす影響に対処するためのポートフォリオやパイプラインの開発を進めています。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの早期がんに対する臨床プログラムについて
がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約30件の承認申請に向けた試験が進行中です。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA® 適応症・用法・用量・安全性情報について
適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み
私たちは日々、科学的知見に基づき、どのような段階のがんであっても患者さんを救うことができる革新的な新薬の発見に取り組んでいます。オンコロジーのリーディングカンパニーとして、当社は25以上の新規メカニズムからなる多様なパイプラインに支えられながら、科学的な機会と医療ニーズが集束する研究を追求しています。30以上のがん種にまたがる最大級の臨床開発プログラムにより、当社は、オンコロジーの未来を形づくる画期的なサイエンスの発展に努めています。臨床試験への参加、スクリーニング、治療に対する障壁に対処することで、私たちは緊急性をもって格差の縮小に取り組み、患者さんが質の高いがん医療を受けられるよう支援しています。私たちの揺るぎないコミットメントこそが、より多くのがん患者さんの生命を救うという目標の実現に近づくことになるのです。詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトやX(旧Twitter)、Facebook、Instagram、YouTube、LinkedInをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2023年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。