Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA 成人向けに特化して設計された、開発中の 21価肺炎球菌結合型ワクチンV116の良好なデータを発表

Save Print

2024/05/29 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Announces Positive Data for V116, an Investigational, 21-Valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Specifically Designed for Adults (https://www.merck.com/news/merck-announces-positive-data-for-v116-an-investigational-21-valent-pneumococcal-conjugate-vaccine-specifically-designed-for-adults/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

21価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA
成人向けに特化して設計された、開発中の
21価肺炎球菌結合型ワクチンV116の良好なデータを発表

第3相STRIDE-10試験の最新の結果を
欧州臨床微生物学・感染症学会(ESCMID)の
Late Breaking演題として口頭発表

成人におけるV116の臨床プロファイルを裏付けるデータをさらに強化

2024年4月29日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、成人向けに特化して設計された、開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンV116を評価した第3相試験STRIDE-10試験の結果を、スペインのバルセロナで開催されている第34回欧州臨床微生物学・感染症学会(European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases: ESCMID Global)で発表しました。この試験では、肺炎球菌ワクチン未接種の50歳以上の成人に対するV116の免疫原性、忍容性、安全性をPPSV23(23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)と比較評価しました。

試験の主な結果は以下のとおりです。

  • V116は、PPSV23と共通する12種類の血清型において、PPSV23に対して免疫応答の非劣性を示しました。免疫応答は、接種後30日目の血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)の幾何平均抗体価(GMT)で評価されました。
  • V116は、PPSV23に含まれないV116固有の9種類の血清型において、PPSV23に対して免疫応答の優越性を示しました。免疫応答は接種後30日目のOPA GMT比で評価されました。免疫応答が4倍以上上昇した被験者の割合では、V116は、V116固有の9種類の血清型のうち8種類において、PPSV23に対して優越性を示しました。
  • V116の安全性プロファイルはPPSV23と同様でした。

今回のデータは、今年の国際肺炎・肺炎球菌性疾患学会(International Society of Pneumonia and Pneumococcal Diseases: ISPPD)および2023年のWorld Vaccine Congress West Coastで発表された複数の第3相試験結果をふまえつつ、それらにさらに追加されるものです。

Emory Universityの医学部疫学・グローバルヘルス・小児科の名誉教授で、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの科学諮問委員会委員を務めるWalter Orenstein(ウォルター・オレンスタイン)博士は、「侵襲性肺炎球菌感染症や肺炎球菌性肺炎は特に高齢者やリスクの高い人にとって深刻な公衆衛生上の課題です。今回の良好な結果は、V116が成人の侵襲性肺炎球菌感染症の予防に貢献できる可能性を示しています」と述べています。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのEliav Barr(エリアブ・バール)博士は、「現在、成人に対して肺炎球菌結合型ワクチンが使用できますが、依然として、ワクチンが対応する血清型と、残存して侵襲性肺炎球菌感染症を引き起こす血清型に相違があります。今回のデータではV116が成人の侵襲性肺炎球菌感染症の大半を引き起こす血清型に対する免疫応答を誘導することが示され、V116が成人のための新しい重要な予防手段となる可能性を支持するエビデンスがさらに強化されました」と述べています。

当社はV116の臨床データに加え、フランス、スウェーデン、スペイン、オランダの成人においてV116が侵襲性肺炎球菌感染症および菌血症を伴わない肺炎球菌性肺炎による健康・経済的負担を軽減できる可能性を示唆する結果も発表しました。

V116は現在、米国食品医薬品局(FDA)と欧州医薬品庁(EMA)による審査が行われています。V116はFDAの優先審査品目に指定され、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日は2024年6月17日に設定されています。V116は成人における侵襲性肺炎球菌感染症を予防することに特化してデザインされており、米国疾病予防管理センター(CDC)の2018〜2021年のデータによると、V116が対応する血清型は65歳以上の成人侵襲性肺炎球菌感染症の約83%の原因となっています。V116の後期開発プログラムの概要はこちらをご覧ください。

ESCMIDで発表された試験結果の概要

STRIDE-10試験のデータ(アブストラクト#353)

STRIDE-10試験(NCT05569954)は、肺炎球菌ワクチン接種歴のない50歳以上の成人(n=1,484)を対象としてV116の免疫原性、忍容性、安全性をPPSV23と比較評価する第3相無作為化二重盲検実薬対照試験です。被験者はV116またはPPSV23を1回接種する群に無作為に割り付けられました。

主要評価項目には、接種後30日目における血清型特異的OPA GMT、血清型特異的OPAがベースライン比で4倍以上上昇した被験者の割合が含まれました。血清型特異的OPA応答はベースライン時および接種後30日目に評価されました。安全性は、有害事象の認められた被験者の割合で評価されました。結果は以下のとおりです。

  • V116は、PPSV23と共通する12種類の血清型(3、7F、8、9N、10A、11A、12F、17F、19A、20A、22F、33F)において、PPSV23に対して免疫応答の非劣性を示しました。免疫応答は、接種後30日目の血清型特異的OPA GMTで評価されました。
  • V116は、PPSV23に含まれないV116固有の9種類の血清型(6A、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)において、PPSV23に対して免疫応答の優越性を示しました。免疫応答は、接種後30日目の血清型特異的OPA GMT比で評価されました。
  • 接種日から接種後30日目の血清型特異的OPAについてOPA GMT比が4倍以上上昇した被験者の割合では、V116はPPSV23と比較して、V116固有の9種類の血清型のうち8種類において優越性を示しました。
  • V116の安全性プロファイルはPPSV23と同様でした。

疾病による健康・経済的負担に関する研究データ(アブストラクト#7201、アブストラクト#2784、アブストラクト#2738、アブストラクト#2843)

フランス、スウェーデン、スペイン、オランダの成人を対象に、V116およびPCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)が対応する血清型による侵襲性肺炎球菌感染症および菌血症を伴わない肺炎球菌性肺炎の健康・経済的負担を定量化する4件の研究が実施されました。各研究の結果から、フランス、スウェーデン、スペイン、オランダでは、PCV20と比較して、V116が対応する血清型は顕著に高い健康・経済的負担と関連していることが示されました。この差異は主に、現在承認されているどの肺炎球菌ワクチンにも含まれていないV116に固有の8種類の血清型によるものであり、V116がこれらの国の成人における侵襲性肺炎球菌感染症および菌血症を伴わない肺炎球菌性肺炎による健康・経済的負担の軽減に貢献できる可能性を示唆しています。

PNEUMOVAX® 23(PPSV23、23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン)の適応症・用法・用量・安全性情報について

PNEUMOVAX®23は日本国内でニューモバックス®NPとして発売しておりますが、適応症・用法・用量・安全性情報など本リリースの情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/merck-announces-positive-data-for-v116-an-investigational-21-valent-pneumococcal-conjugate-vaccine-specifically-designed-for-adults/

V116について

V116は、開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンであり、成人の侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎球菌性肺炎予防を目的として第3相試験が進行中です。V116は、成人の肺炎球菌感染症を引き起こす主要な肺炎球菌の血清型に対応するために特化して設計されており、現在承認されているどの肺炎球菌ワクチンにも含まれていない、V116に固有の8種類の血清型(15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35B)が含まれます。CDCの2018〜2021年のデータによると、これらの血清型は成人の侵襲性肺炎球菌感染症の約30%の原因となっています。またCDCの同データによると、V116は米国における65歳以上の成人侵襲性肺炎球菌感染症の約83%を占める血清型に対応しています。V116は1回の接種で成人の侵襲性肺炎球菌感染症や肺炎球菌性肺炎の予防に貢献できるようデザインされています。

V116を評価する第3相試験には、STRIDE-3(NCT05425732)、STRIDE-4(NCT05464420)、STRIDE-5(NCT05526716)、STRIDE-6(NCT05420961)、STRIDE-7(NCT05393037)、STRIDE-8(NCT05696080)、STRIDE-9(NCT05633992)、STRIDE-10(NCT05569954)などがあります。

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症です。肺炎球菌には100種類以上の型(血清型と呼ばれる)が存在し、成人と小児とで異なる影響を及ぼします。一部の血清型は菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎、髄膜炎(脳と脊髄を覆う組織層の感染)といった侵襲性肺炎球菌感染症や、非侵襲性肺炎(肺炎球菌感染症が肺に限局している状態)などを引き起こすリスクを、より多くの人にもたらす恐れがあります。

健康な成人でも肺炎球菌感染症に罹患することがありますが、特に高齢者、特定の慢性疾患を有する人や免疫が低下した人(糖尿病、HIV、心疾患、肺疾患、肝疾患など)は罹患しやすくなります。心疾患、肺疾患、肝疾患などの特定の慢性疾患を有する人や免疫が低下した人は罹患しやすくなります。侵襲性肺炎球菌感染症による死亡率は50歳以上の成人が最も高くなっています。

肺炎球菌感染症の予防における当社の取り組み

当社は40年以上にわたりワクチンによる肺炎球菌感染症の予防の最前線に立ち、あらゆる年齢の人々を肺炎球菌感染症から守るべく取り組んでいます。当社が進めている肺炎球菌ワクチン開発プログラムは、乳児や小児、健康な成人、肺炎球菌感染症に罹患するリスクを有する者といった様々な集団の個々のニーズに対応するようにデザインされています。小児と成人で疾病負担を引き起こす菌株または血清型が異なっている場合が多いことに注目し、各集団において世界的に最もリスクが高い血清型を標的としたワクチンの選択肢を提供することで、アンメットニーズに対応することを目指しています。当社のパイプラインについて詳しくはhttps://www.merck.comをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2023年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

###


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。