KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)が、腎摘除術後の再発リスクの高い腎細胞がん(RCC)に対する術後補助療法において、プラセボと比較して死亡リスクを38%低減

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2024/02/19 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Reduced the Risk of Death by 38% Versus Placebo as Adjuvant Therapy for Patients With Renal Cell Carcinoma (RCC) at an Increased Risk of Recurrence Following Nephrectomy (https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-reduced-the-risk-of-death-by-38-versus-placebo-as-adjuvant-therapy-for-patients-with-renal-cell-carcinoma-rcc-at-an-increased-risk-of-recurrence-follow/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)が、腎摘除術後の再発リスクの高い腎細胞がん(RCC)に対する
術後補助療法において、プラセボと比較して死亡リスクを38%低減

KEYNOTE-564試験において、RCCに対する術後補助療法の第3相試験として初めて、
プラセボと比較して全生存期間(OS)を有意に改善

OSの最新データは、米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)2024の
公式プレスプログラムの演題に選ばれる

2024年1月27日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、腎摘除術後の再発リスクが中~高度(intermediate-high)もしくは高度(high)、または腎摘除術および転移巣切除術後の腎細胞がん(RCC)患者さんに対する術後補助療法として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®を評価する第3相KEYNOTE-564試験の結果を公表しました。この最新の結果は本日、米国臨床腫瘍学会泌尿器がんシンポジウム(ASCO GU)2024で初めて口演発表(アブストラクト#LBA359)されたとともに、ASCO GUのプレスプログラムでも発表されました。

事前に規定された3回目の中間解析において、フォローアップ期間の中央値57.2カ月(範囲:47.9〜74.5カ月)の時点で、KEYTRUDA®は術後補助療法として、本試験の重要な副次評価項目である全生存期間(OS)を、プラセボと比較して38%改善し(HR=0.62 [95% CI, 0.44-0.87]; p=0.002)、有意な延長が認められました。48カ月の時点におけるKEYTRUDA®群とプラセボ群の推定OS率はそれぞれ91.2%、86.0%でした。OSの改善はKEYTRUDA®群の主要なサブグループで認められました。

ダナ・ファーバーがん研究所のLank Center for Genitourinary Oncologyのディレクターでハーバード大学医学部Jerome and Nancy Kohlbergの教授Toni K. Choueiri(トニー・K・ショエリ)博士は、「RCC患者さんの術後の再発率は4割近くにのぼると考えられており、再発後は生存の可能性が非常に低くなります。KEYNOTE-564試験は術後補助療法としてペムブロリズマブを投与することで、OSがプラセボと比較して38%改善かつ有意に延長し、術後の再発リスクの高いRCC患者さんにおいて生存期間の改善が示された、初の術後補助療法に関する第3相試験となりました」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「KEYNOTE-564試験のOSの良好な結果は、この適応症におけるKEYTRUDA®の世界中での承認の裏付けとなっている無病生存期間(DFS)のデータに基づいております。これは早期がんでOSの有意な改善が示された2件目のKEYTRUDA®試験となり、新たなデータの追加により、早期がんにおける当社の取り組みがさらに前進しました」と述べています。

すでに報告されているとおり、事前に規定された追跡期間の中央値24.1カ月の時点における中間解析で、KEYNOTE-564試験の主要評価項目であるDFSを達成し、疾患の再発または死亡のリスクがプラセボと比較して32%(HR=0.68 [95% CI, 0.53-0.87、片側検定p=0.001)低下しました。3回目となる今回の中間解析では、DFSの改善はこれまでに報告されているデータと一貫しており、KEYTRUDA®による術後補助療法により、疾患の再発または死亡のリスクがプラセボと比較して28%(HR=0.72 [95% CI, 0.59-0.87])低下しました。

ASCO 2021で初めて発表されたKEYNOTE-564試験のDFSのデータに基づき、KEYTRUDA®はRCCに対する術後補助療法として米国、EU、日本その他世界各国で承認されています。当社は現在、KEYTRUDA®の添付文書のFull Prescribing InformationにこのOSデータを追加するため、規制当局と協議を進めています。

当社はRCC領域における幅広い臨床開発プログラムを実施しており、KEYTRUDA®の単剤療法、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤WELIREG®(belzutifan)、エーザイと共同開発および共同販売を行っているマルチキナーゼ阻害剤LENVIMA®(lenvatinib)やAkeso社との契約に基づき開発中の抗CTLA-4抗体quavonlimabといったいくつかの他の治験薬や既承認薬との併用療法について、術後補助療法および進行がんを含む多彩なステージを対象に開発を進めています。

 

KEYNOTE-564の試験デザインと新たに得られたデータ

KEYNOTE-564試験は、腎摘除術を受け、再発リスクが中~高度(intermediate-high)もしくは高度(high)、またはM1 NED(no evidence of disease)のRCC患者さんに対する術後補助療法としてKEYTRUDA®を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03142334)です。主要評価項目は、治験担当医師が評価したDFSで、副次評価項目はOSや安全性です。この試験では、994名の登録患者さんを、KEYTRUDA®群(3週間サイクルの初日に200 mgを静脈内投与し最大17サイクル継続)またはプラセボ群(3週間サイクルの初日に生理食塩水を静脈内投与し最大17サイクル継続)に1:1の割合で無作為に割り付けました。

KEYTRUDA®群におけるOSの改善は、M0群(HR=0.63 [95% CI, 0.44-0.90])、M1 NED群(HR=0.51 [95% CI, 0.15-1.75])、PD-L1発現がCPS<1群(HR=0.65 [95% CI, 0.31-1.38])、PD-L1発現がCPS≧1群(HR=0.62 [95% CI, 0.42-0.91])、肉腫様の特徴を伴う群(HR=0.69 [95% CI, 0.28-1.70])、肉腫様の特徴を伴わない群(HR=0.57 [95% CI 0.39-0.84])など主要なサブグループで認められました。

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験における安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。治療関連の有害事象(TRAE)はKEYTRUDA®群の79.1%(n=386)、プラセボ群の53.0%(n=263)に発生しました。グレード3〜4のTRAEはKEYTRUDA®群の18.6%、プラセボ群の1.2%に発生しました。治療関連の有害事象で投与中止に至ったのはKEYTRUDA®群では18.2%、プラセボ群では0.8%でした。治療関連の死亡はありませんでした。

 

腎細胞がんについて

腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めるとされています。男性は女性の約2倍の頻度で発症するとされています。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。腎細胞がんは再発リスクが高く、新たに診断された患者さんの4割近くが手術後5年以内に再発します。2024年には、米国で約81,600人が新たに腎がんと診断され、約14,400人が死亡すると推定されます。世界では2020年に約431,000人が新たに腎がんと診断され、179,000人以上が死亡したと推定されます。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象として25件を超える承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA® WELIREG® LENVIMA®適応症・用法・用量・安全性情報について

適応症・用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-reduced-the-risk-of-death-by-38-versus-placebo-as-adjuvant-therapy-for-patients-with-renal-cell-carcinoma-rcc-at-an-increased-risk-of-recurrence-follow/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。