GARDASIL®9の持続的な免疫原性と安全性に関する長期フォローアップ試験のデータを医学雑誌Pediatricsで公表 9〜15歳でワクチンを接種した女児・男児を10年間追跡したデータでは、特定のHPV関連の高度病変、試験対象のがんや尖圭コンジローマの発生は認められず

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2023/09/14 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Long-Term Follow-up Data on Sustained Immunogenicity and Safety for GARDASIL®9 Published in Pediatrics(https://www.merck.com/news/long-term-follow-up-data-on-sustained-immunogenicity-and-safety-for-gardasil9-published-in-pediatrics/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

GARDASIL® 9は、日本ではシルガード® 9として、9歳以上の女性における、HPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))、外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3)、尖圭コンジローマの予防の効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

GARDASIL®9の持続的な免疫原性と安全性に関する長期フォローアップ試験のデータを
医学雑誌Pediatricsで公表
9〜15歳でワクチンを接種した女児・男児を10年間追跡したデータでは、
特定のHPV関連の高度病変、試験対象のがんや尖圭コンジローマの発生は認められず

2023年9月5日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、9〜15歳の時にGARDASIL®9(組換え9価ヒトパピローマウイルスワクチン)を3回接種した女児および男児に対する10年にわたる長期フォローアップ試験のデータが、査読付き医学雑誌のPediatricsで公表されたことを発表しました。この長期フォローアップ試験は2009年から2021年まで、5大陸13カ国で実施されました。

当社研究開発本部のシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者、最高メディカル責任者のEliav Barr(エリアヴ・バー)博士は、「これらのデータは、特定のHPV関連のがんや疾患の予防において、GARDASIL®9が後年まで重要な役割を果たすことを浮き彫りにしています。HPV関連がんや疾患は公衆衛生上の重大な問題となっています。今回の良好な試験結果は、すべての対象者を特定のHPV関連がんから守るため、世界的な接種率の向上と回復に向けて、あらゆる手段を講じていく必要があることを再認識させるものです。」と述べています。

米国では、GARDASIL®9は、9〜45歳の女性におけるHPV 16、18、31、33、45、52、58型に起因する子宮頸がん、外陰がん、腟がん、肛門がん、中咽頭がん、その他の頭頸部がん、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に起因する子宮頸部、外陰、腟、肛門の前がん病変または異形成病変、HPV 6、11型に起因する尖圭コンジローマを予防する適応が承認されています。またGARDASIL®9は、9~45歳の男性におけるHPV 16、18、31、33、45、52、58型に起因する肛門がん、中咽頭がん、その他の頭頸部がん、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に起因する肛門の前がん病変または異形成病変、HPV 6、11型に起因する尖圭コンジローマを予防する適応が承認されています。中咽頭がんおよび頭頸部がんの適応症は、HPV関連の肛門性器部疾患の予防における有効性に基づいて迅速承認されました。この適応症の承認維持の条件として、検証試験による臨床的有用性の確認および説明が必要となる場合があります。この検証試験は現在進行中です。GARDASIL®9は、酵母に対し、または以前のGARDASIL®9またはGARDASIL®[組換え4価(6、11、16、18型)ヒトパピローマウイルスワクチン]の接種後に重度のアレルギー反応などが見られた者など、過敏症のある者には禁忌です。

GARDASIL®9は子宮頸がんの約80%の原因となるHPV型を標的としています。また、HPVは尖圭コンジローマおよび一部の外陰がん、腟がん、肛門がんの原因となっています。ほとんどの場合HPVは感染しても自然に消失しますが、消失しない場合、特定のがんや疾患につながることがあります。

主要評価項目の免疫原性では、男児・女児において3回目の接種から10年の時点でHPV抗体反応が持続していることが示されました。抗体価の幾何平均を用いた抗体の評価において、GARDASIL®9に含まれるすべてのHPV型で値が7カ月時に最大となり、その後126カ月にかけて低下しました。被験者の大半が試験終了時に抗体陽性を維持し、HPV-9競合的Luminex®イムノアッセイ(cLIA)では、99.6%から100%の被験者がワクチンに含まれるHPV型に対し7カ月時において血清陽性で、81.3%から97.7%が126カ月時において血清陽性を維持しました。HPV-9免疫グロブリンG Luminexイムノアッセイ(IgG-LIA)では、94.9%から100%の被験者が126カ月時において血清陽性でした。

本試験の副次評価項目として、ワクチンに含まれるHPV型の持続感染および関連疾患の発生率を、per-protocol解析集団の男女被験者で評価しました。女児被験者は3回目の接種後、最長11.0年(中央値は10.0年)追跡し、男児被験者は3回目の接種後、最長10.6年(中央値は9.9年)追跡しました。

  • 女児においては、ワクチンに含まれるHPV型による高度病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2/3、上皮内腺がん(AIS)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、腟上皮内腫瘍(VaIN))、特定のがん(子宮頸がん、外陰がん、腟がん)、尖圭コンジローマの発生は認められませんでした。
  • 84カ月時において、HPV 16、39、59型陽性のCIN1の症例が1件認められました。その後の来院で子宮頸部細胞診の結果は陰性となりました。
  • 男児においては、ワクチンに含まれるHPV型による疾患(陰茎上皮内腫瘍(PIN))、試験対象の特定のがん(陰茎、会陰、肛門周辺)、尖圭コンジローマの発生は認められませんでした。GARDASIL®9はHPV関連のPIN、陰茎がん、会陰や肛門周辺のがんの予防の適応は承認されていません。

この長期フォローアップ試験の期間中、GARDASIL®9関連の重篤な有害事象または死亡は報告されませんでした。長期フォローアップ試験の中止に至った最も主な理由は、被験者による脱落または追跡不能でした。

性交渉のあるほとんどの男女が生涯のうちにHPVに感染します。ほとんどの場合HPVは自然に消失しますが、消失しない場合、特定のがんや疾患につながることがあります。CDCの推定によると、米国では2015年から2019年にかけ、毎年数万人が特定のHPV関連がんと診断されました。世界では、子宮頸がんが女性において4番目に多いがんとなっています。HPV保持者ががんなどを発症するかどうかを知る方法はありません。子宮頸がん以外のHPV関連のがんで推奨されている定期検診はありません。

 

本試験について

9〜15歳の男児および女児を対象とするGARDASIL®9の第3相免疫原性試験を延長し、GARDASIL®9の最終接種から10年にわたり免疫原性を評価する長期フォローアップ試験を実施しました。この長期フォローアップ試験は、ベルギー、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、ペルー、ポーランド、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、米国の13カ国・地域の40施設で実施されました。試験には1,272名(女児971名、男児301名)を登録しました。per-protocol解析集団は、1年以内にGARDASIL®9の接種を完了し、接種の開始時にワクチンに含まれるHPV型に対し血清陰性で、GARDASIL®9の3回目の接種を性交渉開始前に受けた女児872名、男児262名でした。

この長期フォローアップ試験の主要評価項目では、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に対する抗体反応を、GARDASIL®9の3回目の接種から10年後までを評価しました。副次評価項目では、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型の持続感染(6カ月以上、来院許容範囲±1カ月)および関連疾患の複合評価項目の長期的な発生率を予測しました。この長期フォローアップ試験期間中の安全性については、全死亡例とワクチン関連の重篤な有害事象を評価しました。

 

GARDASIL®9の適応症、安全性情報、用法・用量について

適応症、安全性情報、用法・用量など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
https://www.merck.com/news/long-term-follow-up-data-on-sustained-immunogenicity-and-safety-for-gardasil9-published-in-pediatrics/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

GARDASIL®9(組換え9価ヒトパピローマウイルスワクチン)の処方については下記をご覧ください。
https://www.merck.com/product/usa/pi_circulars/g/gardasil_9/gardasil_9_pi.pdf

GARDASIL®9の患者向け情報/服薬ガイドについては下記をご覧ください。
https://www.merck.com/product/usa/pi_circulars/g/gardasil_9/gardasil_9_ppi.pdf


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。