新型コロナウイルス感染症の曝露後予防としてラゲブリオ®(モルヌピラビル)を評価する 第3相MOVe-AHEAD試験の新たなデータを公表

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2023/02/28 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が、2023年2月21日(米国東部時間)に発表したニュースリリースMerck Provides Update on Phase 3 MOVe-AHEAD Trial Evaluating LAGEVRIO™ (molnupiravir) for Post-exposure Prophylaxis for Prevention of COVID-19 (Merck Provides Update on Phase 3 MOVe-AHEAD Trial Evaluating LAGEVRIO™ (molnupiravir) for Post-exposure Prophylaxis for Prevention of COVID-19 – Merck.com) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。

モルヌピラビル(molnupiravir)は、日本ではラゲブリオ®として、SARS-CoV-2による感染症に対する効能又は効果で特例承認されています。


参考資料

新型コロナウイルス感染症の曝露後予防としてラゲブリオ®(モルヌピラビル)を評価する
第3相MOVe-AHEAD試験の新たなデータを公表

2023年2月21日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、ラゲブリオ®(モルヌピラビル)が、新型コロナウイルス感染症患者の家庭内接触者における新型コロナウイルス感染症の発症リスクについて、統計学的に有意な減少を示さなかったことを発表しました。第3相MOVe-AHEAD試験は、ベースライン時に新型コロナウイルス感染症に罹患しておらず(ベースライン時のSARS-CoV-2検査で陰性、かつ徴候や症状がない)、新型コロナウイルス感染症と最近診断された患者と同居する人を対象に実施されました。主要評価項目について、ベースライン時にSARS-CoV-2の感染が示されなかった(SARS-CoV-2検査で陰性であった)被験者において、ラゲブリオ®投与群ではプラセボ投与群と比較して14日目までに新型コロナウイルス感染症を発症(ベースラインより後のSARS-CoV-2検査で陽性、かつ徴候または症状を有する)するリスクが23.6%低かったものの、主要評価項目は達成されませんでした。この試験におけるラゲブリオ®の安全性プロファイルは、新型コロナウイルス感染症の治療における既知の臨床試験および使用許可取得後の使用経験で認められている安全性プロファイルと概ね一貫していました。当社は、この試験の結果の全体を学会発表または論文発表する予定です。

当社研究開発本部プレジデントのDean Y. Li博士は、「この曝露後予防の試験の結果は、新型コロナウイルス感染症について継続的に知見を積み重ねていく上で科学的に興味深いものです。MOVe-AHEAD試験に参加してくださった方や治験担当医師の皆さんの貢献に感謝いたします。この試験は治療に関する試験ではなく、今回の結果は第3相MOVe-OUT試験で認められた軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の治療における有効性と安全性に影響を与えるものではありません。当社は引き続き、使用許可または承認されている地域において、ラゲブリオ®を新型コロナウイルス感染症の適切な高リスク患者さんに対する治療薬として提供することや、RSVなどの他の感染症患者さんに本剤がベネフィットをもたらす可能性についての研究に継続して注力してまいります」と述べています。

ラゲブリオ®は、米国、英国、オーストラリア、中国、日本を含むいくつかの市場で、新型コロナウイルス感染症と診断された特定の成人患者さんの治療薬として承認または使用許可されています。米国において許可されているラゲブリオ®の使用については、下の追加情報を参照してください。ラゲブリオ®は新型コロナウイルス感染症の曝露前または曝露後の予防のための使用は認められていません。

 

MOVe-AHEAD試験について

MOVe-AHEAD(MK-4482-013)(NCT04939428)試験は、新型コロナウイルス感染症の原因となるSARS-CoV-2の家庭内感染予防におけるラゲブリオ®(モルヌピラビル)の経口投与の有効性と安全性をプラセボと比較する第3相多施設共同無作為化二重盲検プラセボ対照試験です。この試験では1,500名以上の被験者を登録し、ラゲブリオ®(800 mg)またはプラセボを12時間おきに5日間経口投与する群に無作為に割り付けました。対象となる被験者は、検査でSARS-CoV-2陽性が確認され1つ以上の新型コロナウイルス感染症の徴候または症状を呈し、5日間を超えてこれらの徴候や症状がない患者と同居する18歳以上の成人でした。登録の7日より前に新型コロナウイルス感染症ワクチンの1回目を接種済みの者、過去6カ月以内に新型コロナウイルス感染症の感染歴のある者、新型コロナウイルス感染症の徴候または症状を呈する者は対象外でした。

試験の主要評価項目は、ベースライン時の鼻咽頭(NP)スワブ検体でSARS-CoV-2が検出されず14日目までに新型コロナウイルス感染症を発症した人の割合、有害事象の認められた被験者の割合、有害事象により治験薬の投与を中止した被験者の割合です。

試験はアルゼンチン、ブラジル、ブルガリア、コロンビア、エジプト、フランス、グアテマラ、ハンガリー、日本、ケニア、メキシコ、フィリピン、ルーマニア、ロシア、南アフリカ、タイ、トルコ、ウクライナ、米国などで国際的に実施されました。

 

使用許可または承認取得後のラゲブリオ®(モルヌピラビル)のアクセス促進に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの国際的な取り組み

グローバルアクセスの確保はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAと新興感染症を専門とするバイオテクノロジー企業のBiotherapeutics LPがラゲブリオ®における連携を開始した当初からの優先的な取り組みです。両社は包括的な供給・アクセス戦略によりラゲブリオ®を世界中で速やかに提供できるよう取り組んでいます。

供給:世界で約400万コース分のラゲブリオ®が提供されました。Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは40市場以上でラゲブリオ®を提供してきました。

社会貢献的ライセンス:広くグローバルアクセスを確保する取り組みの一環として、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは低・中所得国100カ国以上において、各国の規制当局による承認または緊急使用許可を取得後、モルヌピラビルの後発品を提供できるよう、後発品メーカーや医薬品特許プールに社会貢献的ライセンスを付与しています。後発品メーカーとの社会貢献的ライセンス契約により、2022年12月までに500万コース以上のモルヌピラビルの後発品が22市場で提供されています。またHetero Labs, Ltd.がWHOの事前認定を取得しました。これはモルヌピラビルをより広く提供していくための重要なステップとなります。

UNICEF:ライセンスを付与された後発品メーカーによる供給とは別に、WHOの事前認定を受けた後発品の供給までの期間を埋めるため、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは低中所得国で最大300万コース分のラゲブリオ®を速やかに配分する契約をUNICEFと締結しました。また、低所得国でのアクセスを拡大するため、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの最善の価格設定でUSAIDに200万コース分のラゲブリオ®を提供する約束をしています。

製品の寄付:Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、難民のために10万コース分を国際人道支援団体Direct Reliefに寄付しました。これにはウクライナ侵攻に苦しむ人のための5万コース分も含まれています。

購買・供給契約Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、米国政府と購買契約を締結し、米国食品医薬品局の緊急使用許可取得後に、約310万コース分のラゲブリオ®を米国政府に供給しました。米国保健福祉省(HHS: Health and Human Services)では、必要に応じて新型コロナウイルス感染症の検査や適切な治療を受けられる全米の薬局や保健センターの場所を示すTest-to-Treatマップも開設しています。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAはさらに、ラゲブリオ®の事前調達供給契約を世界の40市場以上の政府と締結しており、その他政府とも協議を進めています。世界銀行による国の所得基準に基づき、パンデミックの公衆衛生対策における各国の相対的な経済力に応じて段階的な価格設定を採用しています。

世界のニーズに速やかに対応:2022年9月には、Sinopharm Group Co. Ltd.と協力枠組み契約を締結し、ラゲブリオ®の使用許可後に販売権および独占輸入権を同社に付与したことを発表しました。これまでに100万コース以上のラゲブリオ®を中国に出荷しており、今後も出荷を計画しています。

 

米国におけるラゲブリオ®の使用許可について

米国食品医薬品局(FDA)は、入院や死亡などの重症化のリスクが高く、FDAが承認または使用許可する他の新型コロナウイルス感染症治療薬が入手できない、あるいは臨床上適切ではない、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と現在診断されている成人患者に対し、ウイルスの変異導入によりSARS-CoV-2の増殖を阻害するヌクレオシドアナログである未承認薬ラゲブリオ®の緊急使用を認めるEUAを発出しました。ラゲブリオ®は新型コロナウイルス感染症の治療を含め、FDAの承認を取得している適応はありません。

ラゲブリオ®の緊急使用は連邦食品医薬品化粧品法(FDCA)第564条(b)(1)(合衆国法典第21編360bbb-3(b)(1))に基づき、新型コロナウイルス感染症のパンデミック中に医薬品および生物学的製剤の緊急使用許可の合理性が認められる状況にあると宣言されている期間に限り許可されます。宣言が終了しまたは許可がこれより先に無効となった場合はこの限りではありません。

ラゲブリオ®は18歳未満の患者に対する使用や、新型コロナウイルス感染症の入院患者に対する治療の開始は認められていません。新型コロナウイルス感染症による入院後に治療を開始した場合のラゲブリオ®の治療ベネフィットはまだ確認されていません。ラゲブリオ®は連続5日間を超えての使用は認められていません。ラゲブリオ®は新型コロナウイルス感染症の曝露前または曝露後予防における使用は認められていません。ラゲブリオ®の各患者さんに対する処方は、医師、高度実践看護師、州法によりラゲブリオ®が分類される種類の薬剤(抗感染症薬)を処方する資格または許可を有するフィジシャン・アシスタントのみが行うことができます。

 

ラゲブリオ®の重要な安全性情報

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくはMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの英文リリースをご参照ください。

Merck Provides Update on Phase 3 MOVe-AHEAD Trial Evaluating LAGEVRIO™ (molnupiravir) for Post-exposure Prophylaxis for Prevention of COVID-19 – Merck.com

 

ラゲブリオ®(モルヌピラビル)について

ラゲブリオ®(モルヌピラビル)(MK-4482)は経口投与のヌクレオシドアナログの治験薬で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の複製を阻害します。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackの「オレンジ色のコロナの飲み薬」はスウェーデンオレンジ色の不透明のカプセルにMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAのロゴと82が白インクで印字されており、一部の市場ではラゲブリオ®の名称で提供されています。

第3相MOVe-OUTの結果では、ラゲブリオ®の効果に関するベネフィットは、懸念されるSARS-CoV-2変異株、デルタ株、ガンマ株、ミュー株に感染した患者において概ね一貫していました。非臨床試験のデータでは、ラゲブリオ®には変異株であるオミクロン株(B1.1.529)に対する抗ウイルス活性があることが示されています。臨床試験においてはラゲブリオ®のオミクロン株に対する評価はまだ実施されていません。

モルヌピラビルはエモリー大学で発明されました。国際的な懸念のあるウイルス性疾患に対する候補薬の初期段階の開発を進めるためエモリー大学が設立したDrug Innovation Ventures at Emory (DRIVE), LLCがモルヌピラビルの開発を進め、臨床試験実施申請(IND)に至りました。エモリー大学/DRIVEは米国国防総省および国立衛生研究所の研究助成金を受けています。現在、ラゲブリオ®の開発はMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAとRidgeback Biotherapeuticsが共同で進めています。RidgebackはMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAから一時金の支払いを受けており、さらに一定の開発および承認取得のマイルストンの達成に基づく支払いを受ける権利があります。この連携から生じる利益は全額、両社で均等に分割されます。Ridgebackによるライセンス供与以降、ラゲブリオ®の開発資金はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAとRidgebackが全額提供しています。

ラゲブリオ®は、無作為化プラセボ対照二重盲検国際多施設共同第3相MOVe-OUT試験において、検査により陽性と判定され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、入院していない、症状のある軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症成人患者を対象として評価が行われました。MOVe-OUT試験の第3相試験部分は、アルゼンチン、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、エジプト、フランス、ドイツ、グアテマラ、イスラエル、イタリア、メキシコ、フィリピン、ポーランド、ロシア、南アフリカ、スペイン、スウェーデン、台湾、ウクライナ、英国、米国など世界各国の170以上の施設で実施されました。MOVe-OUT試験の詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。モルヌピラビルは、曝露後予防として、家庭内における新型コロナウイルスの拡大を防止する効果と安全性を評価する二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験のMOVe-AHEADも実施されています。詳しくは、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。

モルヌピラビルの画像や映像資料はMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAのメディアライブラリーをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2021年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

FDAのモルヌピラビル使用許可書(https://www.merck.com/eua/Merck-EUA-letter.pdf)、緊急使用許可におけるモルヌピラビル投与の必須要件などが記載された医療従事者向けファクトシート(https://www.merck.com/eua/molnupiravir-hcp-fact-sheet.pdf)、患者・介護者向けファクトシート(https://www.merck.com/eua/molnupiravir-patient-fact-sheet-english.pdf)をご参照ください。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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