Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA 乳児および小児に対する侵襲性肺炎球菌感染症を予防するワクチンとして VAXNEUVANCE™(15価肺炎球菌結合型ワクチン)の承認を米国FDAから取得 承認の裏付けとなった臨床データで、4回接種シリーズを完了後、PCV13と共通の全血清型についてPCV13と比較して免疫応答の非劣性が示され、疾患の重要な原因である共通の血清型3とPCV13に含まれない血清型22Fおよび33Fについて優越性が示された この追加適応により、VAXNEUVANCE™は小児の侵襲性肺炎球菌感染症を予防する、 ほぼ10年ぶりの新たな肺炎球菌結合型ワクチンに

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2022/07/04 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、U.S. FDA Approves Merck’s VAXNEUVANCE (Pneumococcal 15-valent Conjugate Vaccine) for the Prevention of Invasive Pneumococcal Disease in Infants and Children の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

15価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA
乳児および小児に対する侵襲性肺炎球菌感染症を予防するワクチンとして
VAXNEUVANCE™(15価肺炎球菌結合型ワクチン)の承認を米国FDAから取得

承認の裏付けとなった臨床データで、4回接種シリーズを完了後、PCV13と共通の全血清型について
PCV13と比較して免疫応答の非劣性が示され、疾患の重要な原因である共通の血清型3とPCV13に
含まれない血清型22Fおよび33Fについて優越性が示された

この追加適応により、VAXNEUVANCE™は小児の侵襲性肺炎球菌感染症を予防する、
ほぼ10年ぶりの新たな肺炎球菌結合型ワクチンに

2022年6月22日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、VAXNEUVANCE™(15価肺炎球菌結合型ワクチン)の生後6週から17歳までの小児への適応拡大の承認を米国食品医薬品局(FDA)から取得したことを発表しました。これによりVAXNEUVANCE™は、生後6週以上において、肺炎球菌の血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F、33Fに起因する侵襲性感染症の予防の適応が承認されたことになります。この承認申請では、当社の一部変更申請に対し、FDAによる優先審査(Priority Review)が行われました。VAXNEUVANCE™の成分またはジフテリアトキソイドに対する重度のアレルギー反応(アナフィラキシーなど)を示す人には本剤は禁忌です。詳しくは以下の重要な安全性情報の項をご覧ください。

米国疾病予防管理センター(CDC)の予防接種諮問委員会(ACIP)が本日会合を開き、VAXNEUVANCE™の小児に対する使用について検討し、推奨を行う見込みです。

Jefferson Abington Hospitalの小児科部長でPNEU-PED試験の治験責任医師のSteven Shapiro博士は、「小児における侵襲性肺炎球菌感染症の発生率は減少傾向にありますが、5歳未満の子どもにおいて一定の重要な血清型が現在も深刻な状態を引き起こし、死に至る場合もあります。血清型3、22F、33Fが5歳未満の子どもの侵襲性肺炎球菌感染症の4分の1以上を占めています。VAXNEUVANCE™の裏付けとなる力強い臨床データが得られ、FDAの承認を取得したことにより、VAXNEUVANCE™は小児における予防を更に進める新たな重要な選択肢となります」と述べています。

侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)はStreptococcus pneumoniaeまたは肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症です。肺炎球菌には約100種類の血清型と呼ばれる型がありますが、子どものIPDに関与する血清型は限られています。

血清型3、22F、33FはIPDの小児症例の原因となる血清型のトップ5に入っています。IPDは入院や死亡につながる場合があります。IPDの例としては菌血症(血液の感染)や髄膜炎(脳や脊髄の周囲の膜の感染)などがあり、長期的な神経障害を合併する場合があります。2歳未満の小児は特にIPDのリスクが高くなります。

FDAの承認は、乳児、小児、思春期層に対するVAXNEUVANCE™の安全性、忍容性、免疫原性を評価する7つの無作為化二重盲検臨床試験のデータに基づいています。(詳しくは以下の「FDA承認の元となった臨床データ」をご覧ください。)

臨床試験データでは、VAXNEUVANCE™の小児に対する4回接種シリーズにより誘導された免疫応答は、現在承認されている13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)と比較して、両ワクチンに共通して含まれる13種類の血清型については血清型特異的免疫グロブリンG(IgG)の幾何平均抗体濃度(GMC)による評価において非劣性を示しました。

副次解析において、PCV13と共通の血清型3と、VAXNEUVANCE™のみに含まれる22Fおよび33Fについては、VAXNEUVANCE™の小児に対する4回接種シリーズ後に免疫応答の優越性が認められました。VAXNEUVANCE™とPCV13の臨床上の効果を比較する無作為化対照試験は実施されていません。

臨床プログラムのデータでは、VAXNEUVANCE™の他の一般的な定期接種ワクチンとの同時接種や、PCV13による乳児ワクチンスケジュールの開始後の互換的な使用、肺炎球菌ワクチンの接種歴がない、または他のPCVで接種シリーズを完了していない年齢の高い小児に対するキャッチアップ接種など、さまざまな場面での使用が可能であることが確認されています。また早産児、HIV感染症や鎌状赤血球症の小児患者などに対するVAXNEUVANCE™の使用を支持するデータも得られています。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのEliav Barr博士は、「VAXNEUVANCE™で当社が目指すのは、侵襲性感染症を引き起こす重要な血清型をより広くカバーし、乳児や小児にとって重大なリスクとなる血清型への強力な免疫応答を提供することです。今回の承認により、当社として初となる小児適応を持つ肺炎球菌結合型ワクチン、そしてほぼ10年ぶりとなる新たな小児用肺炎球菌結合型ワクチンを提供し、当社の小児ワクチン開発の歴史に基づき、侵襲性肺炎球菌感染症の予防に対する当社の取り組みをさらに進めます。治験責任医師と被験者のご家族の皆さんの研究へのご参加、ご協力によりこの節目を迎えることができたことに感謝しています」と述べています。

 

VAXNEUVANCE™(15価肺炎球菌結合型ワクチン)について

VAXNEUVANCE™は当社の15価肺炎球菌結合型ワクチンで、精製された肺炎球菌莢膜多糖体(血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、22F、23F、33F)を個々にCRM197キャリア蛋白と結合させたものを有効成分としています。

VAXNEUVANCE™は、生後6週以上における、本剤に含有する肺炎球菌血清型に起因する侵襲性感染症の予防を適応としています。VAXNEUVANCE™は2021年7月に初めてFDAの承認を取得しました。VAXNEUVANCE™はこれまでに小児適応においてFDAの画期的医薬品(Breakthrough Therapy)の指定および優先審査(Priority Review)を受けています。

 

乳児および小児におけるVAXNEUVANCE™の重要な安全性情報

安全性情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/u-s-fda-approves-mercks-vaxneuvance-pneumococcal-15-valent-conjugate-vaccine-for-the-prevention-of-invasive-pneumococcal-disease-in-infants-and-children/

 

VAXNEUVANCE™の生後6週から17歳までの小児に対するFDAの承認を裏付ける臨床試験データ

VAXNEUVANCE™は、安全性、忍容性、免疫原性を評価する7つの無作為化二重盲検臨床試験のデータをもとに乳児および小児に対する適応が承認されました。臨床試験の内容は以下のとおりです。

  • 小児に対する4回接種シリーズ 健康な乳児(1720例)を対象としてVAXNEUVANCE™の4回接種シリーズの安全性、忍容性、免疫原性を評価する多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第3相試験(V114-029/PNEU-PED [NCT03893448])を実施しました。この試験では、被験者を、VAXNEUVANCE™またはPCV13を生後2カ月、4カ月、6カ月、12〜15カ月目に4回接種する群に1:1の比で無作為に割り付けました。

    免疫応答は3回目接種後30日目における肺炎球菌の莢膜多糖体に対する血清型特異的IgGの応答率と、3回目接種後および4回目接種後30日目におけるIgGの幾何平均抗体濃度(GMC)に基づいて評価しました。また、承認されている数種類の小児用定期接種ワクチンをVAXNEUVANCE™またはPCV13と同時接種した際の抗体応答を評価しました。

    VAXNEUVANCE™は全15種類の血清型で免疫応答を誘導しました。4回目接種後30日目における血清型特異的IgG GMCに基づき、VAXNEUVANCE™はPCV13と共通の全13種類の血清型およびVAXNEUVANCE™のみに含まれる22Fおよび33Fについて非劣性を示しました。血清型22Fおよび33Fを、PCV13と共通の全血清型のうち、血清型3を除きIgG GMCが最も低い血清型4と比較しました。副次解析の結果、血清型3、22F、33FについてVAXNEUVANCE™はPCV13に対し免疫応答の優越性を示しました。

  • PCVの互換性 健康な乳児(900例)を対象として、安全性、忍容性、免疫原性の観点からVAXNEUVANCE™とPCV13の互換性を評価する第3相無作為化二重盲検実薬対照記述的試験(V114-027/PNEU-DIRECTION [NCT03620162])を実施しました。この試験では、VAXNEUVANCE™で接種シリーズを完了した被験者の免疫応答を、PCV13で接種シリーズを完了した被験者と比較したところ、共通の13種類の血清型について概ね同程度でした。PCV13で開始した肺炎球菌結合型ワクチンの4回接種シリーズを完了するためにVAXNEUVANCE™を使用した際の安全性プロファイルは、VAXNEUVANCE™またはPCV13で4回接種レジメンを完了した場合と類似していました。
  • キャッチアップ接種における使用 VAXNEUVANCE™の生後7カ月から17歳までの健康な乳児、小児および思春期層(606例)に対するキャッチアップ接種レジメンにおける安全性、忍容性、免疫原性を評価する無作為化二重盲検実薬対照記述的第3相試験(V114- 024/PNEU-PLAN [NCT03885934])を実施しました。この試験では、VAXNEUVANCE™とPCV13が対象とする13種類の血清型については、最終接種後の免疫応答は概ね同程度であり、VAXNEUVANCE™のみに含まれる血清型22Fおよび33Fについては免疫応答がより高くなりました。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの将来に関する記述

このMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAのニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。開発中の候補薬について、必要な承認取得やその製品化による収益を保証するものではありません。基礎となる前提が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの2021年12月期年次報告書(Form 10-K)など、米国証券取引委員会(SEC)に提出された書類をSECのインターネットサイト(www.sec.gov)でご確認いただけます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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