KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、IB〜IIIA期の非小細胞肺がん(NSCLC)の 術後補助療法として、PD-L1の発現にかかわらず、 無病生存期間(DFS)をプラセボと比較して有意に延長 第3相試験データとして初めて、PD-L1の発現にかかわらず IB〜IIIA期のNSCLCの術後補助療法における統計学的に有意なDFSの延長を示す

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2022/03/25 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Significantly Improved Disease-Free Survival (DFS) Versus Placebo as Adjuvant Therapy in Patients With Stage IB-IIIA Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) Regardless of PD-L1 Expression の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)に対する効能又は効果で承認を取得しております。
     注)条件付き早期承認対象


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、IB〜IIIA期の非小細胞肺がん(NSCLC)の
術後補助療法として、PD-L1の発現にかかわらず、
無病生存期間(DFS)をプラセボと比較して有意に延長

第3相試験データとして初めて、PD-L1の発現にかかわらず
IB〜IIIA期のNSCLCの術後補助療法における統計学的に有意なDFSの延長を示す

2022年3月17日 ニュージャージー州ケニルワース ― Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)、European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)、European Thoracic Oncology Platform(ETOP)は本日、第3相KEYNOTE-091試験(EORTC-1416-LCG/ETOP-8-15 – PEARLS)の結果を発表しました。この試験では、PD-L1の発現の有無にかかわらず、外科的切除後のIB期(≧4 cm)〜IIIA期の非小細胞肺がん(NSCLC)に対するKEYTRUDA®による術後補助療法で、二つの主要評価項目の一つである無病生存期間(DFS)が有意に延長し、再発または死亡のリスクがプラセボと比較して24%低下しました(ハザード比[HR]=0.76 [95% CI, 0.63-0.91]; p=0.0014)。DFSの中央値はKEYTRUDA®では53.6カ月で、プラセボの42.0カ月と比較して1年近く延長しました。このデータは、欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のバーチャルプレナリーで発表のほか、今後、世界中の規制当局に提出してまいります。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「NSCLCに対する術後補助療法で初めてKEYTRUDA®の良好な結果が認められました。早期がんに対するKEYTRUDA®ベースのレジメンとして良好な結果が得られた6件目の試験となります。KEYTRUDA®は転移のあるNSCLCにおける治療の基礎となっていますが、より早期の肺がん患者さんにもKEYTRUDA®が貢献できる可能性が示されたデータを発表できることを嬉しく思います。この試験に参加してくださった患者さん、看護された方、治験責任医師の皆さんに感謝します」と述べています。

これまでに発表しているとおり、もう一つの主要評価項目であるPD-L1高発現(TPS[tumor proportion score]≧50%)の患者集団においてもKEYTRUDA®はプラセボと比較してDFSを延長しましたが、事前に設定された統計解析計画に基づく統計学的な有意性は示されませんでした(HR=0.82 [95% CI, 0.57-1.18]; p=0.14)。この患者集団では、いずれの投与群でもDFSの中央値は未達でした。また、主な副次評価項目である全生存期間(OS)についても、KEYTRUDA®ではプラセボと比較してPD-L1の発現にかかわらず、良好な傾向が認められました(HR=0.87 [95% CI, 0.67-1.15]; p=0.17)。OSのデータはimmatureであり、今回の中間解析の時点では統計学的な有意水準に達していませんでした。試験では引き続きPD-L1高発現(TPS≧50%)の患者集団におけるDFSのほか、OSについて評価を実施します。本試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。

共同治験責任医師で英国ロンドンのThe Royal Marsden, NHS Foundation Trustの腫瘍内科コンサルタントでLung Unit責任者、Imperial College Londonの実務教授(腫瘍内科学)のMary O’Brien教授は、「肺がんは早期ほど治療しやすく、術後に治療を追加することで再発リスクを防げる場合もあります。第3相試験の新たなデータでは初めて、術後補助免疫療法により、IB〜IIIA期のNSCLCにおけるDFSの統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が示されたことを心強く感じています」と述べています。

共同治験責任医師でスペインのマドリッドにあるHospital Universitario Doce de Octubreの腫瘍内科部長のLuis Paz-Ares博士は、「転移のあるNSCLCに対する治療は大きく進歩していますが、早期の患者さんの43%が手術後に再発するなど、今でもアンメットニーズが存在しています。KEYTRUDA®を術後補助療法で投与したこの試験でDFSの良好な結果が得られたことで、IB〜IIIA期のNSCLCに対する新たな治療の可能性が示されました」と述べています。

早期がんにおけるKEYTRUDA®ベースのレジメンを評価する試験としては、KEYNOTE-091試験のほか、5試験で主要評価項目が達成されています。具体的には、KEYNOTE-716(IIBおよびIIC期の悪性黒色腫)、KEYNOTE-054(III期の悪性黒色腫)、KEYNOTE-564(腎細胞がん)、KEYNOTE-522(トリプルネガティブ乳がん)、KEYNOTE-057(Bacillus-Calmette-Guerin[BCG]療法不応の高リスク筋層非浸潤性膀胱がん)です。

当社は肺がんの広範な臨床開発プログラムを実施しており、早期がんや新たな併用療法を対象とする研究など、承認申請に向けた複数の試験を実施しています。早期NSCLCに対する主な試験にはKEYNOTE-091、KEYNOTE-671、KEYNOTE-867、KEYLYNK-012などがあります。

 

KEYNOTE-091の治験デザインおよびその他のデータについて

KEYNOTE-091(EORTC-1416-LCG/ETOP-8-15 – PEARLS)試験は、当社が治験依頼者としてEORTCおよびETOPと連携して実施する、外科的切除(肺葉切除または一側肺全切除)後のIB期(≧4 cm)〜IIIA期のNSCLC(術後補助化学療法あり/なし)に対する術後補助療法においてKEYTRUDA®とプラセボを比較する無作為化第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT02504372)です。主要評価項目はすべての患者集団およびPD-L1陽性(TPS≧50%)の患者集団におけるDFSです。DFSは無作為化割付け時から、再発、新たな原発性肺がんの発生、新たながんの発生、原因を問わない死亡のうち最初に発生したものまでの時間として算出されます。副次評価項目はOSおよび肺がん特異的生存率(無作為化割付け時から肺がんによる死亡までの時間)などです。この試験では1,177名の患者をKEYTRUDA®(200 mgを3週間おきに1年または最大18回静脈内投与、590名)またはプラセボ(3週間おきに1年または最大18回静脈内投与、587名)を投与する群に1:1の割合で割り付けました。投与回数の中央値はKEYTRUDA®は17回、プラセボは18回でした。今回の中間解析のデータカットオフ日(2021年9月20日)の時点において、ランダム化からデータカットオフまでの期間の中央値は35.6カ月(範囲:16.5〜68.0カ月)でした。

グレード3以上の有害事象はKEYTRUDA®群では34.1%、プラセボ群では25.8%の患者に認められました。投与の中止に至った有害事象はKEYTRUDA®群では19.8%、プラセボ群では5.9%でした。治療関連の死亡はKEYTRUDA®群では4例、プラセボ群では0例でした。

 

EORTCについて

European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)は、欧州全域の臨床がん研究の専門家が集結し、がん患者の生存期間の延長とQOLの向上に向け、よりよい治療を目指す非政府非営利団体です。橋渡し研究や大規模な前向き多施設共同第3相臨床試験において、新たな治療薬や治療戦略、患者のQOLを評価しており、その活動の指揮はベルギーのブリュッセルにある独自の国際臨床研究施設であるEORTC本部で行われます。

詳しくは、EORTCのウェブサイトをご覧ください。www.eortc.org

 

ETOPについて

European Thoracic Oncology Platform(ETOP)は、欧州で胸部悪性腫瘍領域における交流と研究を推進する組織で、スイスのベルンに拠点を置く非営利団体です。2009年以来、胸部悪性腫瘍領域のあらゆる分野の国際的なリーダーが集まり、欧州その他の20カ国の多様な団体や機関と連携して臨床試験や橋渡し研究を拡大してきました。

詳しくは、EOTPのウェブサイトをご覧ください。www.etop-eu.org

 

肺がんについて

肺がんは世界のがんの死因のトップとなっています。2020年だけでも世界で220万人以上が新たに肺がんにかかり、180万人が死亡しました。NSCLCは肺がんの中で最も多く、すべての肺がんの約82%を占めています。米国では、肺がんと診断された患者の5年生存率は24%で、過去5年で14%改善しています。生存率の改善は主に早期発見やスクリーニング、喫煙率の低下、診断や手術の進歩、新たな治療法の誕生などによるものです。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の肺がん研究について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、死亡率の高い肺がんの転帰を改善することを目指し治療に変革をもたらす研究を進めています。肺がん研究の最前線に立ち、世界中の36,000人以上を対象とする200件近くの臨床試験を実施しています。米国では、KEYTRUDA®は進行NSCLCに対する4件の適応が承認されており(詳しくは当社英文リリースをご参照ください)、95カ国以上で進行NSCLCの治療薬として承認されています。早期肺がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であれば最も治療しやすく、治癒の可能性もあると考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.はより早期のステージにおいてKEYTRUDA®を研究しており、複数のがん種を対象とした約20の登録試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するT リンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,700を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-significantly-improved-disease-free-survival-dfs-versus-placebo-as-adjuvant-therapy-in-patients-with-stage-ib-iiia-non-small-cell-lung-cancer-nsclc-r/

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2021年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感 染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

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