KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、PD-L1陽性(CPS≧10)の 切除不能な局所再発または転移性トリプルネガティブ乳がんに対する 化学療法との併用療法がFDAの承認を取得 乳がんにおけるKEYTRUDA®初の承認

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2020/11/27 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、FDA Approves Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) in Combination With Chemotherapy for Patients With Locally Recurrent Unresectable or Metastatic Triple‑Negative Breast Cancer Whose Tumors Express PD-L1 (CPS ≥10)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、PD-L1陽性(CPS≧10)の
切除不能な局所再発または転移性トリプルネガティブ乳がんに対する
化学療法との併用療法がFDAの承認を取得

乳がんにおけるKEYTRUDA®初の承認

2020年11月13日 ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、米国食品医薬品局(FDA)により承認された診断薬を用いて、腫瘍にPD-L1の発現が認められる(Combined Positive Score [CPS]≧10)切除不能の局所再発または転移性トリプルネガティブ乳がん(TNBC)に対する抗PD-1抗体KEYTRUDA®と化学療法との併用療法がFDAの承認を取得したことを発表しました。この承認は第3相試験KEYNOTE-355に基づくものです。この試験で、KEYTRUDA®と化学療法(パクリタキセル、タンパク質結合パクリタキセル(ナブパクリタキセル)またはゲムシタビンとカルボプラチン)の併用療法では同様の化学療法単独の場合と比較して、PD-L1陽性(CPS≧10)患者において疾患進行または死亡のリスク有意に35%低下させました(HR=0.65 [95% CI, 0.49, 0.86]; p=0.0012)。イベントの発生はKEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビンとカルボプラチンを投与した群の62%(220例中136例)、同様の化学療法を単独で投与した群の77%(103例中79例)に認められました。この試験において38%の患者が腫瘍にPD-L1を発現(CPS≧10)していました。この適応は無増悪生存期間(PFS)に基づき迅速承認され、承認維持の条件として、検証的試験による臨床上の効果の確認および記述が必要となる場合があります。

University of California San Francisco (UCSF) Helen Diller Family Comprehensive Cancer CenterのBreast Oncology and Clinical Trials Educationディレクター、Hope Rugo博士は、「乳がん患者さんの約15%から20%が、治療の困難な進行の速いトリプルネガティブ乳がんと診断されています。KEYNOTE-355試験では、KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビンとカルボプラチンという3種類の異なる化学療法レジメンを併用しました。KEYTRUDA®と化学療法の併用療法の承認により、対象となる患者さんに対する重要な新しい治療の選択肢が医師に提供されることになります」と述べています。

重篤な、または死亡にいたる可能性のあるKEYTRUDA®の免疫関連有害事象として、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎、重篤な皮膚反応、固形臓器移植の拒絶反応、同種造血幹細胞移植の合併症があります。有害事象の重症度に応じてKEYTRUDA®の投与を休薬または中止し、適宜コルチコステロイドを投与します。KEYTRUDA®は重篤な、または命にかかわるinfusion reactionを引き起こす場合があります。作用機序により、妊婦への投与は胎児に害をおよぼす場合があります。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「本日の承認取得は、乳がんに対するKEYTRUDA®の初めての承認という大きな節目となります。この承認の根拠となる試験では、KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビンとカルボプラチンの併用療法により、同様の化学療法単独の場合と比較して、腫瘍のPD-L1発現がCPS10以上の進行性トリプルネガティブ乳がん患者さんの無増悪生存期間が有意に改善しました」と述べています。

承認の根拠となるデータ

この迅速承認は、PD-L1発現にかかわらず、転移に対する化学療法歴のない切除不能の局所再発または転移性TNBC患者847名を対象とする多施設共同二重盲検無作為化プラセボ対照試験KEYNOTE-355(ClinicalTrials.gov, NCT02819518)の結果に基づくものです。患者はKEYTRUDA®(200 mgを3週間サイクルの初日)またはプラセボ(3週間サイクルの初日)を次の化学療法と共に静脈内投与する群に無作為(2:1)に割り付けられました。

  • パクリタキセル(90 mg/m2を28日サイクルの1、8および15日目)
  • ナブパクリタキセル(100 mg/m2を28日サイクルの1、8および15日目)
  • ゲムシタビン/カルボプラチン(それぞれ1000 mg/m2、 AUC 2 mg/mL/minを21日サイクルの1および8日目)

無作為化は化学療法(パクリタキセルまたはナブパクリタキセルvs.ゲムシタビン/カルボプラチン)、PD-L1 IHC 22C3 pharmDxキットによるPD-L1発現(CPS≧1 vs. CPS<1)、術前補助療法における同クラスの化学療法の治療歴の有無により層別化されました。腫瘍の状態は8週、16週、24週目、その後1年目までは9週間ごと、その後は12週間ごとに評価しました。主な有効性の評価は盲検下独立判定機関(BICR)がRECIST v 1.1に基づいて判定したPFS(CPS≧10のサブグループでは対象病変数は最大10、臓器ごとに最大5に変更)でした。他の有効性の評価は全生存期間(OS)のほか、BICRが判定した奏効率(ORR)および奏効期間(DOR)でした。

試験集団特性の内訳は以下のとおりです。年齢の中央値53歳(範囲:22〜85歳)、65歳以上21%、女性100%、白人68%、アジア人21%、黒人4%、ECOG PS 0の患者60%、ECOG PS 1の患者40%、閉経後の患者68%。PD-L1発現については、75%の患者がCPS≧1、38%の患者がCPS≧10でした。

KEYNOTE-355試験の有効性のデータはCPS≧10のPD-L1陽性患者(323例)におけるものであり、KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを併用する群と同様の化学療法レジメンを単独で投与する群に無作為に割り付けました。KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを併用した患者(220例)では、疾患進行または死亡のリスクが35%低減し(HR=0.65 [95% CI, 0.49, 0.86]; p=0.0012)、PFSの中央値は化学療法単独(103例)では5.6カ月(95% CI, 5.3, 7.5)であったのに対し、9.7カ月(95% CI, 7.6, 11.3)でした。PFSについては、イベントの発生はKEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを投与した群の62%(136例)、同様の化学療法単独の群の77%(79例)に認められました。KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを投与した患者のORRは53%(95% CI, 46, 60)で、完全奏効率は17%、部分奏効率は36%でした。同様の化学療法を単独で投与した群におけるORRは40%(95% CI, 30, 50)で、完全奏効率は13%、部分奏効率は27%でした。DORの中央値はKEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを併用した群では19.3カ月(95% CI, 9.9, 29.8)で、同様の化学療法単独の群では7.3カ月(95% CI, 5.3, 15.8)でした。

この試験におけるKEYTRUDA®の投与期間の中央値は5.7カ月(範囲:1日〜33.0カ月)でした。死亡にいたった有害事象はKEYTRUDA®と化学療法を併用した群(Part1を含む596例)の2.5%に発生し、心肺停止(0.7%)、敗血症性ショック(0.3%)などでした。重篤な有害事象はKEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンを併用した患者の30%に発生しました。2%以上の患者に認められた重篤な有害事象は肺炎(2.9%)、貧血(2.2%)、血小板減少症(2%)でした。11%の患者が有害事象によりKEYTRUDA®を中止しました。KEYTRUDA®の完全な中止にいたった最も高頻度(1%以上)の有害事象は、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)の上昇(2.2%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)の上昇(1.5%)、肺臓炎(1.2%)でした。50%の患者が有害事象によりKEYTRUDA®を中断しました。KEYTRUDA®の中断にいたった最も高頻度(2%以上)の有害事象は、好中球減少症(22%)、血小板減少症(14%)、貧血(7%)、ALT上昇(6%)、白血球減少症(5%)、白血球数の減少(3.9%)、下痢(2%)でした。KEYTRUDA®とパクリタキセル、ナブパクリタキセルまたはゲムシタビン/カルボプラチンの併用療法群で最も高頻度に認められた有害事象(全グレード、20%以上)は疲労(48%)、悪心(44%)、脱毛(34%)、下痢・便秘(それぞれ28%)、嘔吐・発疹(それぞれ26%)、咳(23%)、食欲減退(21%)、頭痛(20%)でした。

トリプルネガティブ乳がん(TNBC)について

トリプルネガティブ乳がんは診断から5年以内の再発率が高く、進行の速い乳がんです。乳がんにはエストロゲン受容体、プロゲステロン受容体のいずれかが陽性を示す、またはヒト上皮成長因子受容体2(HER2)が過剰発現しているタイプがありますが、TNBCではいずれも陰性となります。乳がん患者の約15〜20%がTNBCと診断されています。

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,200を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムについて

用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムなど一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/fda-approves-mercks-keytruda-pembrolizumab-in-combination-with-chemotherapy-for-patients-with-locally-recurrent-unresectable-or-metastatic-triple%e2%80%91negative-breast-cancer-whose/

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じて、ポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、  当社ウェブサイト Twitter Facebook Instagram YouTube LinkedIn をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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