Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 開発中のイスラトラビルについてHIV-1感染リスクの高い女性に対する月1回の経口による曝露前予防(PrEP)の第3相試験に向けて始動 ビル&メリンダ・ゲイツ財団と連携し、特にサハラ以南のアフリカの女性を対象に、HIVの流行に対処する新たなHIV感染予防の選択肢の提供を目指す

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2020/11/26 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Advances Phase 3 Trial to Evaluate Investigational Islatravir as Once-Monthly Oral PrEP for Women at High Risk for Acquiring HIV-1 の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

Islatravirは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.
開発中のイスラトラビルについてHIV-1感染リスクの高い女性に対する
月1回の経口による曝露前予防(PrEP)の第3相試験に向けて始動

ビル&メリンダ・ゲイツ財団と連携し、特にサハラ以南のアフリカの女性を対象に、
HIVの流行に対処する新たなHIV感染予防の選択肢の提供を目指す

2020年11月16日:ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、ビル&メリンダ・ゲイツ財団との連携により、サハラ以南のアフリカにおいて、HIV-1感染リスクの高い成人および思春期の女性を対象としたイスラトラビル月1回経口投与による曝露前予防(pre-exposure prophylaxis: PrEP)を評価する第3相試験の資金を同財団が拠出することを発表しました。本試験(IMPOWER 22)は、当社が治療薬および予防薬として開発中の新規ヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(Nucleoside reverse transcriptase translocation inhibitor: NRTTI)のイスラトラビルの有効性と安全性を評価する試験であり、2021年前半に開始する予定です。世界のHIV新規感染者の半数以上がサハラ以南のアフリカに集中しており、同地域の新規感染の6割近くを女性が占めています。

当社研究開発本部のシニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発部門の責任者、チーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「ビル&メリンダ・ゲイツ財団と我々の連携は、新たなPrEPの選択肢を含めたHIV予防において大きな革新をもたらすことにより、世界のHIVの流行を終息させるという共通の使命を実証するものです。イスラトラビルは有望な抗ウイルス薬の候補品であり、進行中の臨床試験の結果をもとに月1回の経口投与によるPrEPとして開発を進めます。このたびの連携により、HIV新規感染者数を減らすという世界の公衆衛生における共通の目標に向けた当社の取り組みの一環として、イスラトラビルの可能性をさらに探求することが可能となります」と述べています。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団の結核およびHIVプログラム責任者のEmilio Emini博士は、「リスクの高い個人や集団のHIV感染を効果的に予防できない限り、HIVの流行を終わらせることはできません。この連携により、HIVのサイエンスを追求し、サハラ以南のアフリカをはじめとする世界中において、HIV感染リスクが高い女性の感染予防に新たな選択肢を提供できる可能性があります」と述べています。

同財団と当社の契約に基づき、資金提供を行う同財団は、当社とIMPOWER 22試験で連携するワシントン大学グローバルヘルス学部の国際臨床研究センター(International Clinical Research Center、ICRC)に助成金を提供する計画です。この助成金は、ICRCがサハラ以南のアフリカで実績のある治験実施施設と協力し、この研究に必要な多数の女性被験者の組み入れ、観察、参加継続のために活用されます。当社は治験依頼者として薬剤の供給、規制や通関関連の承認取得、モニタリングやデータ報告など治験管理のためのオペレーションやリソースの提供を担当します。当社は米国におけるIMPOWER 22試験の資金を提供します。

ケニア中央医学研究所微生物研究センターのリサーチケアトレーニングプログラムの上級主席臨床研究サイエンティストおよび共同ディレクターであり、治験担当医師のElizabeth Anne Bukusi教授は、「世界的に女性におけるHIVの研究やケアは対応が不十分な状態が続いています。2019年には女性が新規感染者の48%を占め、2018年もエイズ関連疾患が出産年齢期の女性の主な死因でした。アフリカにおけるHIVの流れを変えない限り世界におけるこのウイルスの流れを変えることはできません。この臨床試験では、女性、特にリスクの高いアフリカ大陸の若年女性に注力した取り組みを進めます」と述べています。

IMPOWER臨床試験プログラムについて

IMPOWER 22は、サハラ以南のアフリカおよび米国のHIV-1感染リスクの高いシスジェンダー女性を対象に、イスラトラビルをPrEPの目的で月1回経口投与した際の有効性と安全性を評価する無作為化実薬対照二重盲検多施設共同第3相試験です。対照薬としてエムトリシタビン・テノホビルジソプロキシルフマル酸塩(FTC/TDF)を1日1回経口投与します、16歳から45歳までの約4,500人の成人および思春期のシスジェンダー女性を1:1の比率でイスラトラビル投与群とFTC/TDF投与群に割り付けます(治験実施施設および年齢で層別化)。本治験の情報は今後www.clinicaltrials.govに掲載予定です。

また、当社は、イスラトラビルの月1回経口PrEPによるHIV予防のさらなる試験を実施する予定です。これらの試験には、HIV感染の広がりがみられる他の主な集団である男性間性交渉者(MSM:men who have sex with men)やトランスジェンダー女性を対象に世界の治験実施施設でイスラトラビルを月1回経口PrEPとして評価する第3相国際共同試験(IMPOWER 24)などが含まれます。

イスラトラビル(MK-8591)について

イスラトラビル(治験成分記号MK-8591)は、他の抗HIV薬との併用療法によるHIV-1感染症治療薬として、また単剤のHIV-1予防のPrEP(曝露前予防)として、様々な剤形で臨床試験を実施中のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害薬(NRTTI)です。2012年に、当社はイスラトラビル(4’-ethynyl-2-fluoro-2’-deoxyadenosine、EFdA)のライセンス供与をヤマサ醤油株式会社(千葉県銚子市)から受けています。

当社のHIVの取り組み

当社は30年以上にわたり、さらなる医学の進展を目指し、HIVの科学的研究、創薬に取り組んでいます。満たされていないメディカルニーズに対応し、HIV患者さんやコミュニティーに貢献する研究に注力しています。世界のHIVコミュニティーのパートナーと連携し、障害となる複雑な課題に対処してまいります。

ビル&メリンダ・ゲイツ財団について

ビル&メリンダ・ゲイツ財団は、すべての命の価値は平等であるという信条に基づき、あらゆる人々が健康で豊かな生活を送れるよう活動しています。発展途上国では、人々の健康の改善や飢餓、極度の貧困からの脱却のための支援に注力し、米国では、すべての人々、特に貧困層の人々が教育や生活のための機会を得られるよう取り組んでいます。ワシントン州シアトルを拠点とし、ビルとメリンダ・ゲイツ夫妻およびウォーレン・バフェットの指揮のもと、マーク・サズマンがCEOとして同財団を率いています。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については 当社ウェブサイト Twitter Facebook Instagram YouTube LinkedIn をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、世界経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2019年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

1 PrEPは、HIV感染リスクが高いと考えられるHIV未感染者の感染予防の手段です。現在、毎日服用する錠剤のみが提供・承認されています。PrEPは、毎日服用することで性交渉によるHIV感染のリスクを低減させる効果が認められていますが、定期的に服用しなければ効果が低くなります。(出典:https://www.cdc.gov/hiv/risk/prep/index.html

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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