Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. 2020年度第3四半期決算発表

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2020/11/20 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が2020年10月27日付(米国東部時間)で発表した2020年度第3四半期決算のプレスリリース Merck Announces Third-Quarter 2020 Financial Results を日本語に翻訳したもので、内容および解釈については英語が優先されます。

以下の医療用医薬品は日本国内で発売しております。カナ表記は括弧内をご参考ください。

BRIDION®(ブリディオン®)、GARDASIL®(ガーダシル®)、ISENTRESS®(アイセントレス®)、JANUVIA®(ジャヌビア®)、KEYTRUDA®(キイトルーダ®)、LENVIMA®(レンビマ®)、LYNPARZA®(リムパーザ®)、NOXAFIL®(ノクサフィル®)、PIFELTRO®(ピフェルトロ®)、PNEUMOVAX®(ニューモバックス®)、PREVYMIS®(プレバイミス®)、ROTATEQ®(ロタテック®


参考資料

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.
2020年度第3四半期決算発表

  • 2020年度第3四半期の全世界売上高は、前年同期比1%増の126億ドル(為替の影響を除き2%増)
    • KEYTRUDAの売上高は、21%の成長で37億ドル
    • アニマルヘルスの売上高は、9%の成長で12億ドル(為替の影響を除き12%の成長)
  • 2020年度第3四半期のGAAPベースのEPSは1.16ドル、non-GAAPベースでは1.74ドル
  • 幅広いパイプラインの進展および拡大
    • 開発中の肺炎球菌結合型ワクチン(V114)について、成人を対象とした第3相試験での良好な結果を新たに発表
    • 慢性咳嗽の治療薬として開発中のgefapixantの第3相試験のデータ:オンコロジー領域のMK-4830およびHIV領域のMK-8507の早期データを発表
    • オンコロジー領域におけるSeagen社との提携によるパイプライン拡大
  • COVID-19関連ワクチンおよび経口投与可能な抗ウイルス薬候補に関する研究プログラムおよび臨床試験を進展
  • 2020年度通期の収益を476億ドル~486億ドルに上方修正(為替のマイナス影響約1.5%を含む)
  • 2020年度通期のGAAPベースのEPSレンジを4.55ドル~4.65ドルに下方修正、2020年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを5.91ドル~6.01ドルに上方修正(為替のマイナス影響約2.5%を含む)

米国ニュージャージー州ケニルワース– Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は2020年10月27日、2020年度第3四半期の決算を発表しました。

本プレスリリースはマルチメディアに対応。全文は以下のアドレスを参照してください:

https://www.businesswire.com/news/home/20201027005447/en/

会長兼最高経営責任者(CEO)ケネス・C・フレージャーは、「COVID-19パンデミックの影響が続くなかでも、当社は引き続き戦略的優先事項を実行し、堅実な通期収益成長を達成できると確信しています。当社の製品に対する需要は依然として堅調であり、混乱を最小限に抑えて、医薬品、ワクチン、アニマルヘルス製品の製造、供給および販売を行っています。このような困難な環境においても、当社には有望なパイプラインや臨床試験を進展させる能力があると私は確信しています。そして、私たちのリーダーシップと堅実なコマーシャル活動の実績が、今後も長期的な成長をもたらすものと考えております」と述べています。

決算サマリー

決算サマリー

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2020年度第3四半期のGAAP(GAAP:一般に公正妥当と認められる会計基準)ベースの希薄化後EPSは1.16ドルでした。2020年度第3四半期のnon-GAAPベースのEPSは1.74ドルで、事業統合・売却関連費用、事業再構築費用、特定のライセンスおよび提携契約に関連する税引前費用11億ドル、および特定のその他の項目を除外しています。2020年度四半期累計の決算数値は、添付の表に記載しています。

COVID-19 に関する研究ハイライト

当社は、抗ウイルス薬およびワクチンに関する経験に基づき、SARS-CoV-2に対処する取り組みとして複数の科学プログラムを進めています。

  • Molnupiravir(旧名称:MK-4482):Ridgeback Bioと提携し、COVID-19治療の経口抗ウイルス薬候補として開発中。2件の大規模なピボタル第2/3相試験を開始。1件はCOVID-19の非入院(外来)成人患者約1,450人を登録する予定の試験であり、もう1件はCOVID-19の入院成人患者約1,300人を登録する予定の試験。
  • V591:麻疹ウイルスベクタープラットフォームを用いたSARS-CoV-2ワクチン候補として第1相試験を開始。
  • V590:国際エイズワクチン推進構想(IAVI)と提携し、組換え水疱性口内炎ウイルス(rVSV)のプラットフォームを使用したSARS-CoV-2ワクチン候補として(当社の承認取得済みのエボラザイールウイルスワクチンと同じプラットフォーム)、間もなく第1相試験を開始予定。

オンコロジーパイプラインハイライト

当社は、抗PD-1抗体KEYTRUDA(ペムブロリズマブ)、アストラゼネカ社との共同開発・商業化を進めるPARP阻害剤Lynparza(オラパリブ)、およびエーザイ社と共同開発・商業化を進める経口チロシンキナーゼ阻害剤Lenvima(レンバチニブメシル酸塩)の開発プログラムを引き続き進展させました。このほかの主な開発品も含めたハイライトは以下のとおりです:

  • KEYTRUDAについて、以下の適応症における薬事上の進展を発表:
    • 第3相KEYNOTE-204試験のデータに基づき、再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫(cHL)の成人患者に対する単剤療法の適応拡大、ならび小児患者に対する難治性または2回以上の治療後に再発したcHLへの適応拡大を米国食品医薬品局(FDA)が承認。両適応は、以前にFDAの迅速承認プロセスにおいて承認済。
    • 日本で以下の2つの承認を取得:(1)KEYNOTE-181試験に基づき、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮がん(ESCC)に対する単剤療法、ならびに(2)KEYTRUDAのすべての成人の適応症に対し、単剤または併用療法を問わず、新たな推奨用量として1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注(Q6W)。
  • 局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんに対する一次治療としてピボタル第3相KEYNOTE-590試験の結果を2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル会議で発表。この試験において、KEYTRUDAとプラチナ製剤を含む化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル[5-FU])との併用療法は、化学療法単独の場合と比較して組織型やPD-L1発現の有無にかかわらず、全生存期間(OS)および無増悪生存期間(PFS)を有意に延長。
  • EGFR遺伝子変異陰性またはALK融合遺伝子陰性で、腫瘍にPD-L1を発現(tumor proportion score [TPS]≧50%)する遠隔転移のある非小細胞肺がん(NSCLC)の一次治療において、KEYTRUDAと化学療法を比較したピボタル第3相試験KEYNOTE-024の5年生存率の結果を2020年ESMOバーチャル会議で発表。KEYNOTE-024試験は持続的で長期的な生存延長と奏効の持続を示し、転移性NSCLCの一次治療の無作為化第3相試験における免疫療法のフォローアップ期間として最長の生存データを示した。
  • 切除後のリスクが高いステージIIIの悪性黒色腫に対する術後補助療法としてのKEYTRUDAを評価するEORTC1325/KEYNOTE-054試験から得られた長期的な結果を2020年ESMOバーチャル会議で発表。
  • PD−L1の発現にかかわらず、EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子を伴わない進行非扁平上皮NSCLC患者を対象とするKEYTRUDAと化学療法の併用療法を評価したKEYNOTE-021試験(コホートG)から得られた3年生存率のデータについて、国際肺癌学会(International Association for the Study of Lung Cancer, IASLC)が開催した2020 年北米肺癌学会議(North America Conference on Lung Cancer, NACLC)で公表。また、進行NSCLC患者を対象に、新規で開発中の抗CTLA-4抗体quavonlimab(MK-1308)とKEYTRUDAの併用療法を評価する第1/2相試験の最新データも発表。進行NSCLC患者に対する一次治療としてのquavonlimabとKEYTRUDAの併用を評価する第3相試験も計画中。
  • 当社とアストラゼネカ社は、Lynparzaに関して、欧州医薬品庁(EMA)の医薬品委員会(CHMP)が2つの肯定的見解を採択したことを発表:
    • 第3相PAOLA-1試験の結果に基づき、相同組換え修復機能欠損(HRD)陽性の進行卵巣がんで、白金製剤ベースの化学療法による初回治療後に完全奏効または部分奏効を示した、患者の初回治療の維持療法としてのベバシズマブとの併用療法。
    • 第3相PROfound試験の結果に基づき、新規ホルモン薬を含めた前治療後に疾患進行が認められたBRCA1/2遺伝子変異陽性の転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)患者に対する単剤療法。本試験から得られた最終の結果は先日、2020年ESMOバーチャル会議で発表。
  • 当社とアストラゼネカ社は、新たに診断されたBRCA遺伝子変異陽性(BRCAm)の進行卵巣がんで、白金製剤ベースの化学療法による初回治療後に完全奏効または部分奏効を示した後の維持治療として、Lynparzaとプラセボとの比較においてPFSの長期的な改善を示した第3相SOLO-1試験から得られた良好な5年間追跡調査データを発表。
  • 当社とエーザイ社は、KEYTRUDAとLenvimaの併用療法を評価した次の2件の試験から得られた初回データを 2020年ESMOバーチャル会議で発表:抗PD-1/PD-L1抗体による治療中に増悪した切除不能または進行性悪性黒色腫患者に対する二次治療を評価した第2相LEAP-004試験、ならびに胆道がん、大腸がん、胃がん、多形膠芽腫、卵巣がんおよびトリプルネガティブ乳がんを含む6種類の腫瘍タイプに対し、治療歴のある患者を対象とした第2相LEAP-005試験から得られたデータ。
  • オンコロジーパイプラインとして、次の3つの開発中の医薬品から得られた新規データも2020年ESMOバーチャル会議で発表:
    • 転移性NSCLCを対象に、当社の抗TIGIT抗体vibostolimab(MK-7684)の単剤療法およびKEYTRUDAとの併用療法に関する第1相試験の新規データ。
    • 進行固形がん患者を対象とした新規の免疫グロブリン様転写産物4(ILT4)抗体であるMK-4830に関する第1相試験の初回結果。
    • 非腎細胞がんを有するフォン・ヒッペル・リンドウ病(VHL)患者を対象に低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤MK-6482を評価した第2相試験の新規データおよび淡明細胞型腎細胞がん(ccRCC)を有するVHL患者を対象とした最新データ。

その他のパイプラインハイライト

  • 当社が開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114の安全性、忍容性および免疫原性を評価した、成人を対象とした2件の第3相試験[ピボタルPNEU-AGE(V114-019)試験およびPNEU-TRUE(V114-020)試験]、さらに成人を対象とした2件の第3相試験[PNEU-PATH(V114-016)試験およびPNEU-DAY(V114-017)試験]において、免疫原性の主要目的を達成したことを発表。これらの結果、および当社臨床プログラムの他の第3相試験のデータは、今年末までにFDAを皮切りとして世界各国で申請予定。
  • 経口治療薬として開発中の選択的P2X3受容体拮抗薬gefapixantを評価するために実施中の2件のピボタル第3相試験(COUGH-1およびCOUGH-2)において、gefapixant(45 mg、1日2回)は、プラセボと比較して投与12週時および24週時における難治性または原因不明の慢性咳嗽を有する成人患者の24時間の咳嗽頻度を有意に低下させた結果を発表。いずれの第3相試験でもgefapixant 15 mgを1日2回投与した群では主要有効性評価項目は達成されず。これらの結果は、2020年欧州呼吸器学会(ERS)オンライン国際会議で発表。
  • 抗HIV薬による治療経験がない成人HIV-1感染症患者を対象に経口投与可能な開発中のヌクレオシド系逆転写酵素トランスロケーション阻害剤(NRTTI)であるIslatravirをドラビリン(PIFELTRO)と併用投与した後期第2相試験において、ウイルス学的抑制が持続した96週時のデータを発表。さらに当社は、週1回経口投与の抗HIV薬として開発中の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI)であるMK-8507の第1相試験/後期第1相試験の結果、ならびに週1回経口投与の抗レトロウイルス併用療法として本剤の開発を進めることを2020年International Congress on Drug Therapy in HIV Infection(HIV Glasgow 2020)のオンライン学会で発表。
  • 第1相試験にて開発中のデング熱ワクチンV181について、FDAより迅速審査の対象に指定。

事業開発

  • 当社とSeagen社(旧社名:Seattle Genetics, Inc.)は、次の2つのオンコロジー領域の戦略的提携を発表(合計で前払金8億1,000万ドルの支払いおよびSeagen社の普通株を10億ドルで取得):
    • 両社は、Seagen社で開発中のLIV-1を標的とする抗体薬物複合体ladiratuzumab vedotinのグローバルな共同開発および共同販売を発表。
    • 両社は、HER2陽性がん治療薬の低分子チロシンキナーゼ阻害薬Tukysa(tucatinib)のグローバル展開を推進する独占的ライセンスおよび共同開発契約を締結。当社は、米国、カナダ、欧州以外の地域(アジア、中東、南米など)におけるTukysaの独占的販売ライセンスを取得。
  • 当社とHanmi Pharmaceutical(Hanmi社)は、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の治療を目的に、Hanmi社が開発中の週1回投与可能なグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)/グルカゴン受容体デュアルアゴニストであるefinopegdutide(旧名称:HM12525A)の開発、製造および販売に関する独占的ライセンス契約を締結したことを発表。
  • DNAベースの家畜類および水産養殖を対象としたアニマルトレーサビリティソリューションのリーダー企業であるIdentiGENの買収を完了したことを発表。
  • 子牛や子羊のコクシジウム症を予防する経口懸濁液であるVECOXAN(diclazuril)の世界各国での権利獲得を完了したことを発表。

Organon & Co.について

  • 当社は現在も、リーダーシップを発揮できる人材の任命など、Organon & Co.(Organon社)の分社化を進めており、2021年の第2四半期に完了する予定。

第3四半期の業績におけるCOVID-19の影響

2020年度第3四半期において、当社の医薬品の収益に対するCOVID-19パンデミックによるマイナス影響は約4億7,500万ドル(2020年度四半期累計の収益に対するマイナス影響は約21億ドル)と予想しています。新学期における需要の低下は、ワクチン領域の売上高、特に米国におけるGARDASIL 9(組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)にマイナス影響を与えました。また、第2四半期から医療機関へのアクセスが回復しつつありますが、依然として減少しています。第3四半期におけるアニマルヘルスの売上高に対するマイナス影響は少ないものでした。

当第3四半期の営業費用は、約1億1,500万ドル減少しました。これは、販売促進費の減少、研究開発費の減少、およびCOVID-19関連の抗ウイルスおよびワクチンの研究プログラムにおける投資純額の減少を主に反映しています。

2020年度第3四半期の業績

以下の表は当社の医薬品の売上高上位製品およびアニマルヘルス製品の売上高総額を表しています。

医薬品の売上高上位製品およびアニマルヘルス製品の売上高総額

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医薬品の業績

2020年度第3四半期の医薬品売上高は、2%(2億2,500万ドル)増の113億ドルとなりました。この増加は主に、オンコロジー領域および特定の急性期治療・病院領域の成長によるもので、COVID-19パンデミックのマイナス影響および複数の製品における特許切れが及ぼす継続的な影響により一部相殺されました。

オンコロジー領域の売上高増加は、主にKEYTRUDAの売上高37億ドルによるものです(21%の成長)。米国では、KEYTRUDAの売上高は、24%の成長で22億ドルでした。KEYTRUDAの世界的な売上高増加は、NSCLCの適応における力強い進展が続いていること、また悪性黒色腫の術後補助療法、RCC、膀胱がん、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有するがんを含む継続的な適応症追加、さらに米国における新たな適応として6週間ごとの投与(Q6W)レジメンでの承認取得によるものですが、COVID-19パンデミックおよび日本における薬価改定のマイナス影響により一部相殺されました。さらにオンコロジー領域の売上高増加は、LynparzaおよびLenvimaに関連する提携収益の増加によるもので、米国、欧州および中国における継続的な適応症の承認を反映しています。

急性期治療・病院領域の業績は、外科手術処置時の成人患者を対象とした筋弛緩薬ロクロニウム臭化物またはベクロニウム臭化物の回復剤であるBRIDION(スガマデクスナトリウム)の世界的な需要の増加、およびサイトメガロウイルス(CMV)抗体陽性の成人同種造血幹細胞移植患者を対象にしたCMV感染または感染症の予防を目的とする抗ウイルス薬PREVYMIS(レテルモビル)の発売を反映しています。

さらに、JANUVIA(シタグリプチン)とJANUMET(シタグリプチン/メトホルミン)の当四半期の売上高は、特定の国際的なマーケットにおける堅調な需要を反映し、わずかに増加しましたが、米国における継続的な価格抑制の影響により一部相殺されました。

ワクチン領域の売上高は、肺炎球菌感染症を予防するワクチンであるPNEUMOVAX 23(多価肺炎球菌ワクチン)の売上高増加を反映しています。これは、主に米国、欧州、日本にてCOVID-19パンデミック中の肺炎球菌ワクチン接種の需要の増加を一部反映し供給量が増加したことによるものです。

ワクチン領域の売上高は、HPVによるがん、およびその他のHPV関連疾患を予防するGARDASIL(組み換え沈降4価 [6、11、16、18型] ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)/GARDASIL 9の売上高減少によるマイナス影響を受けました。これは、COVID-19パンデミックによる米国および香港(SAR, PRC)における需要の減少を主に反映していますが、中国および欧州における需要の増加により一部相殺されました。

小児ワクチンであるVARIVAX(水痘ワクチン)、PROQUAD(麻しん-おたふくかぜ-風しん-水痘混合ワクチン)、およびM-M-R II(麻しん-おたふくかぜ-風しん混合ワクチン)の当四半期の合算売上高は、COVID-19パンデミックによる米国における需要の減少を主に反映し、減少しました。

当四半期の医薬品売上高は、NUVARING(エトノゲストレル/エチニルエストラジオール腟リング)、NOXAFIL(ポサコナゾール)、およびEMEND(アプレピタント)/ EMEND(フォサプレピタントジメグルミン)注射剤の特許切れが及ぼす継続的なマイナス影響を受けました。

アニマルヘルスの業績

アニマルヘルスの2020年度第3四半期の全世界での売上高は、前年同期比で9%増の12億ドルでした(為替のマイナス影響を除き、アニマルヘルスの売上高は12%増)。コンパニオンアニマル関連製品の成長は、コンパニオンアニマルワクチンの高い需要、および寄生虫予防薬BRAVECTO(フルララネル)の高い需要に主にけん引されました。家畜類製品の業績は、反芻動物、養鶏および養豚関連製品などの世界的に高い需要を反映しています。

2020年度第3四半期の費用、EPSおよび関連情報

以下の表は、費用に関する抜粋情報を表しています。

費用に関する抜粋情報1

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GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報

GAAPベースでは、2020年度第3四半期の売上高総利益率は72.3%で、2019年度第3四半期では67.8%でした。2020年度第3四半期における売上高総利益率の増加は、事業統合・売却関連費用の減少およびプロダクト・ミックスのプラス影響を反映していますが、価格抑制、棚卸資産評価損、提携に関連する無形資産の償却費の増加および外国為替によるマイナス影響により一部相殺されました。

2020年度第3四半期の販売費および一般管理費は、前年同期比で5%減の25億ドルでした。この減少は主に、COVID-19パンデミックに一部起因した販売促進および一般管理費の減少(移動およびミーティングの費用の減少を含む)を反映していますが、主にOrganonの分社化計画に関連する費用を反映した事業統合・売却関連費用の増加により一部相殺されました。

2020年度第3四半期の研究開発費は34億ドルで、2019年度第3四半期の6%増となりました。この増加は主に、提携およびライセンス合意に関連した前払金、臨床開発に関連する費用、および開発候補品の発見と初期の医薬品開発への投資の増加を反映していますが、事業統合費用の減少、研究施設関連費用の減少、COVID-19パンデミックに起因する移動およびミーティング関連費用の減少により一部相殺されました。

2020年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、2019度第3四半期の3,500万ドルの費用に対し3億1,200万ドルの収益を計上しました。2020年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、株式の投資による収益の増加を主に反映しています(2020年度は3億6,000万ドル、2019年度は1,600万ドル)。これは主に、有価証券の未実現利益の認識によるものです。

2020年度第3四半期の実効税率は14.1%で、2019年度第3四半期では18.7%でした。2019年度の実効税率は、Peloton Therapeutics, Inc.(Peloton社)の買収に関連する費用によるマイナス影響(税務便益を伴わない)を反映しています。

2020年度第3四半期のGAAPベースのEPSは1.16ドル、2019年度第3四半期では0.74ドルでした。

non-GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報

non-GAAPベースでは、2020年度第3四半期の売上高総利益率は74.8%で、2019年度第3四半期では75.9%でした。2020年度第3四半期のnon-GAAPベースの売上高総利益率の減少は、価格抑制、棚卸資産評価損、提携に関連する無形資産の償却費の増加および外国為替のマイナス影響を反映していますが、プロダクト・ミックスのプラス影響により一部相殺されました。

2020年度第3四半期のnon-GAAPベースの販売費および一般管理費は、前年同期比で13%減の22億ドルでした。この減少は主に、COVID-19パンデミックに一部起因した販売費および一般管理費の減少(移動およびミーティングの費用の減少を含む)を反映しています。

2020年度第3四半期のnon-GAAPベースの研究開発費は、前年同期比で3%増の23億ドルでした。この増加は主に、臨床開発に関連する費用の増加、および開発候補品の発見と初期の医薬品開発への投資の増加を反映していますが、研究施設関連費用の減少、COVID-19パンデミックに起因する移動およびミーティング関連費用の減少により一部相殺されました。

non-GAAPベースでの2020年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、2019年度第3四半期の2,900万ドルの費用に対し3億1,100万ドルの収益を計上しました。non-GAAPベースでの2020年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、株式の投資による収益の増加を主に反映しています(2020年度は3億6,000万ドル、2019年度は1,600万ドル)。これは主に、有価証券の未実現利益の認識によるものです。

2020年度第3四半期のnon-GAAPベースの実効税率は14.8%で、2019年度第3四半期では15.7%でした。これは収益ミックスのプラス影響を反映しています。

2020年度第3四半期のnon-GAAPベースのEPSは1.74ドル、2019年度第3四半期では1.51ドルでした。

当期純利益およびEPSのGAAPベースからnon-GAAPベースへの調整は、以下の表のとおりです。

当期純利益およびEPSのGAAPベースからnon-GAAPベースへの調整

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業績見通し

当社は、以下のように通期のガイダンスを更新しました。これには、現在想定しているCOVID-19パンデミックによる影響が含まれますが、引き続き根底にある事業の堅調さがもたらす優位性により一部相殺されると予想しています。当社は、マイナス影響の大部分は2020年度第2四半期中に発生したものと考えています。しかしながら現在、主に欧州や特定の新興市場において第4四半期にも一部のマイナス影響が残るものと予想しています。また、GARDASIL 9に関する需要の回復が、特に米国において当初の予想よりも遅延しています。

2020年度通期において、当社の収益に対するCOVID-19パンデミックのマイナス影響は、為替の影響を除き、約23.5億ドル(医薬品部門で約23億ドル、アニマルヘルス部門で約5,000万ドル)と予想しています(今年度の第1四半期から第3四半期までの影響を含む)。

2020年10月中旬の為替を基準として、為替のマイナス影響約1.5%を含み、2020年度通期の収益を476億ドル~486億ドルに上方修正しました。当社のガイダンスとして、2019年度第4四半期に米疾病予防管理センター(CDC)の小児ワクチン備蓄より借り入れしたGARDASIL 9の補充によって1億2,000万ドルの収益を予測しています。

2020年度通期のGAAPベースのEPSレンジを4.55ドル~4.65ドルに下方修正しました。2020年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを、2020年10月中旬の為替を基準として、為替によるマイナス影響約2.5%を含み、5.91ドル~6.01ドルに上方修正しました。このnon-GAAPベースEPSレンジは、事業統合・売却関連費用、事業再構築計画関連費用および特定のその他の項目を除外しています。

以下の表は、当社の2020年の業績ガイダンスの要約を表しています。

2020年の業績ガイダンスの要約

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2020年度のGAAPベースの予想EPSからnon-GAAPベースのEPSへの調整、およびnon-GAAPベースのEPSからの控除項目は以下の表のとおりです。

2020年度のGAAPベースの予想EPSからnon-GAAPベースのEPSへの調整、およびnon-GAAPベースのEPSからの控除項目

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コンファレンス・コール

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の投資家、メディア関係者および一般の方々へのコンファレンス・コールのライブ・ウェブキャストが同社ウェブサイトで米国東部夏時間の本日(2020年10月27日)午前8時から始まります(https://www.merck.com/investor-relations/events-and-presentations/)。機関投資家およびアナリストは、IDコード番号4664137にて(833)353-0277またはフリーダイアル(469)886-1947からご参加いただけます。メディア関係者は、IDコード番号4664137にて(833)353-0277またはフリーダイアル(469)886-1947からお聞きいただけます。メディア関係者で質問のある方は、本コンファレンス・コール終了時に当社のメディア広報担当者が対応いたします。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A. (米国とカナダ以外ではMSD)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については当社ウェブサイトやMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の  Twitter 、  Facebook 、  Instagram 、  YouTube および、 Linkedln をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(以下、当社)発行のこのニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、当社の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、当社による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対する当社の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

当社は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、当社に関するForm 10-Kの2019年度年次報告書およびSECのインターネットサイト( www.sec.gov)で入手できる米国証券取引委員会(SEC)に対するこの他の書類で確認できます。

1 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に帰属する当期純利益

2 Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、事業業績や傾向に関する分析への特定項目の性質による影響を考慮し、2020年度および2019年度の特定の項目の影響を除いたnon-GAAPベースの情報を提供しています。経営陣は、この情報が会社の決算結果および経営陣による業績評価方法に関する投資家の理解を深めるものと考えています。経営陣は、これらの指標を目標の設定や達成予測のため、またその他の基準で当社の業績を評価するために社内的に活用します。上級管理職の年間報酬の一部はnon-GAAPベースの収益およびnon-GAAPベースのEPSから支払われています。これはGAAPに基づき算出された情報に関する追加情報であって、その代わりとなるものではなく、また優先されるものでもありません。これらの項目についての詳細は、本報告書に添付された表2a(脚注を含む)を参照してください。

3 事業統合・売却に関する統合費用、取引費用およびその他の費用と共に、買収の結果認識された無形資産の償却費および棚卸資産に対するパーチェス法適用に伴う調整額、無形資産の減損損失、および、条件付対価による負債の公正価値測定の見積り変更に関連する費用または収益が含まれます。

4 2020年度はSeagen社との提携に関連する費用8億3,200万ドルを含み、2019年度はPeloton社の買収に関連する費用を示しています。

5 調整項目に対する見積法人税の影響、および税額6,700万ドル(2015年のCubist Pharmaceuticals, Inc.の買収に関連して計上した法人税額減少の調整)が含まれます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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