Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgebackが開発する新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬、モルヌピラビルが世界初の承認を取得

Save Print

2021/11/08 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck and Ridgeback’s Molnupiravir, an Oral COVID-19 Antiviral Medicine, Receives First Authorization in the World の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。

モルヌピラビル(molnupiravir)は、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgebackが開発する
新型コロナウイルス感染症の経口抗ウイルス薬、モルヌピラビルが世界初の承認を取得


検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、
軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の成人患者の治療薬として
英国医薬品・医療製品規制庁の承認を取得


米国食品医薬品局、欧州医薬品庁など他の規制当局にも承認申請中

2021年11月4日:ニュージャージー州ケニルワースおよびマイアミーMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)およびRidgeback Biotherapeuticsは本日、モルヌピラビル(MK-4482、EIDD-2801)が、検査でSARS-CoV-2陽性と診断され、重症化のリスク因子を1つ以上有する、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の成人患者に対する初の経口抗ウイルス薬として、英国医薬品・医療製品規制庁(MHRA: Medicines and Healthcare products Regulatory Agency)の承認を取得したことを発表しました。英国では、LAGEVRIO®の名称で販売される予定で、他の国におけるモルヌピラビルの販売名はまだ承認されていません。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、米国食品医薬品局(FDA)に提出したモルヌピラビルの緊急使用許可(EUA)の申請が審査中であることを発表しており、欧州医薬品庁(EMA)がMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の販売承認申請の逐次審査(rolling review)を開始したことも発表しました。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は世界中の他の国でも承認申請に向けて準備を進めています。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の最高経営責任者兼プレジデントのRobert M. Davisは、「モルヌピラビルが世界で初めて承認されたことは、世界最大の医療課題に対応する画期的な医薬品やワクチンの提供に一心に取り組んできた当社にとって大きな節目となります。人々の命を救い、生活を改善するという当社の揺るぎない使命に従い、モルヌピラビルを一日も早く世界中の患者さんにお届けできるよう、厳格かつ迅速に取り組んでまいります」と述べています。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のエグゼクティブバイスプレジデントで研究開発本部プレジデントのDean Y. Li博士は、「モルヌピラビルは、これまでの新型コロナウイルス感染症に対するワクチンや治療薬に新たに加わる重要な経口治療薬となります。非常に重要なMOVe−OUT試験にご協力いただいた治験責任医師、患者さん、ご家族のおかげで承認を取得することができました」と述べています。

このたびの承認は、無作為化の5日以内に発症し、重症化のリスク因子(心疾患、糖尿病など)を1つ以上有する、検査で陽性が確認された、軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の入院していないワクチン未接種の成人患者を対象に、モルヌピラビル800 mgを1日2回投与した第3相MOVe-OUT試験の中間解析の良好な結果に基づくものです。

Ridgeback Biotherapeuticsの最高経営責任者、Wendy Holmanは、「モルヌピラビルを希望から現実へと変えていく第一歩目から、できる限り迅速かつ安全に遂行する責任があると考えていました。一日でも早ければ、それだけ多くの命を救い、重症化を防ぎ、世界が直面するパンデミックの困難に対処できると考えました。今回の節目を達成できたこと、協力してくださった皆さん、患者さん、医師、各部門の取り組みや自己犠牲がこの重要な目標の達成に繋がったことを嬉しく思います。また、モルヌピラビルのヒト投与の一人目の被験者となってくださった果敢な方のおられる英国で世界初の承認を取得できたことを非常に嬉しく思います」と述べています。

 

使用許可または承認取得後のモルヌピラビルのアクセス促進に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の国際的な取り組み

当社は包括的な供給・アクセス戦略によりモルヌピラビルを世界中で速やかに提供できるよう取り組んでおり、これにはリスクを取りつつ進める数千万人分もの製造への投資、各国の医療財政力に基づく段階的な価格設定、各国政府との供給契約、地域の規制当局による使用許可や承認後に低・中所得国でモルヌピラビルの後発品を提供していくための後発品メーカーや医薬品特許プールに対する社会貢献的ライセンスの付与などがあります。

供給:MOVe-OUT試験の良好な結果が得られ、規制当局の許可または承認を取得できることを前提として、当社ではリスクを取り、モルヌピラビルの生産を開始しており、2021年末までに1000万治療コース分、2022年は少なくとも2000万治療コース分を生産できる見込みです。

供給契約:今年に入ってから当社は、米国FDAのEUAまたは承認取得後に、約170万治療コース分のモルヌピラビルを米国政府に供給する調達契約を米国政府と締結しました。また、承認取得後にモルヌピラビルを供給する事前調達契約を世界の各国政府と締結しており、英国では48万治療コース分を提供する契約を締結し、その他政府とも協議を進めています。世界銀行による国の所得基準に基づき、パンデミックの公衆衛生対策における各国の相対的な経済力に応じて段階的な価格設定を採用する計画です。

社会貢献的ライセンス:広くグローバルアクセスを確保する取り組みの一環として、低・中所得国において、モルヌピラビルを広く提供できるよう、医薬品特許プールとライセンス契約を締結したことを発表しています。また、低・中所得国100カ国以上において、各国の規制当局による承認または緊急使用許可を取得後、モルヌピラビルを速やかに提供できるよう、実績のあるインドのジェネリックメーカー数社とモルヌピラビルの非独占的で社会貢献的なライセンス契約を締結したことを発表しています。

モルヌピラビルを広く世界中に提供していくため、さらに方策や連携体制について協議してまいります。

 

モルヌピラビルについて

モルヌピラビル(MK-4482、EIDD-2801)は経口投与が可能な強力なリボヌクレオシドアナログの治験薬で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の増殖を阻害します。

モルヌピラビルはエモリー大学が100%出資する非営利バイオテクノロジー企業のDrug Innovations at Emory (DRIVE), LLCで発明されました。エモリー/DRIVEは米国国防総省および国立衛生研究所の研究助成金を受けています。モルヌピラビルは現在、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.がRidgeback Biotherapeuticsと協力して開発を進めています。RidgebackはMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.から一時金の支払いを受けており、さらに一定の開発および承認取得のマイルストンの達成に基づく支払いを受ける権利があります。この連携から生じる利益は全額、両社で均等に分割されます。Ridgebackによるライセンス供与以降、モルヌピラビルの開発資金はMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.とRidgebackのWayne and Wendy Holmanが全額提供しています。

モルヌピラビルは、曝露後の発症予防として、家庭内における新型コロナウイルスの拡大を防止する効果と安全性を評価する二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験のMOVe-AHEADも実施されています。詳しくは、http://merckcovidresearch.comをご覧ください。モルヌピラビルの画像や映像資料はMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のメディアライブラリーをご覧ください。

 

MOVe-OUT試験について

MOVe-OUT試験(MK-4482-002)(NCT04575597)は、二重盲検無作為化プラセボ対照国際多施設共同第3相試験で、検査により軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の診断を受けた入院していない成人患者を対象として実施されました。本試験の対象患者は、SARS-CoV-2のワクチン接種を受けておらず、重症化のリスク因子を1つ以上有し、無作為割り付け前の5日以内に発症した患者でした。MOVe-OUT試験の主要有効性評価項目では、無作為化から29日目までに入院または死亡に至った患者の割合をモルヌピラビルとプラセボで比較しました。

MOVe-OUT試験の第3相試験部分は、ブラジル、カナダ、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、グアテマラ、メキシコ、フィリピン、ロシア、南アフリカ、スペイン、台湾、ウクライナ、英国、米国など世界中で実施されました。MOVe-OUT試験の詳細はclinicaltrials.govをご覧ください。

重症化リスク因子で最も多かったのは肥満、高齢(61歳以上)、糖尿病、心疾患などでした。中間解析の時点でシーケンス解析を実施したベースライン時のウイルス変異株の80%近くがデルタ株、ガンマ株、ミュー株の変異株でした。ラテンアメリカ、欧州、アフリカにおける登録者数は全体のそれぞれ56%、23%、15%でした。

 

Ridgeback Biotherapeuticsについて

フロリダ州マイアミに本社を置くRidgeback Biotherapeutics, LPは、新興感染症を専門とするバイオテクノロジー企業です。エボラ治療薬EbangaTMを提供し、開発パイプラインでは新型コロナウイルス感染症治療薬のモルヌピラビルなどが後期開発段階にあります。モルヌピラビルの開発資金はRidgeback BiotherapeuticsとMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が全額提供しています。Ridgeback Biotherapeutics, LPは、命を救う医療テクノロジーに投資し、これを支援するWayne HolmanとWendy Holmanが個人的に資金を提供して創業しました。Ridgebackの社員は、擁護が必要な患者さんや疾患に対し、命を救い生活を改善するソリューションを模索しています。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

# # #

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。

Next