開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114について、2つの新たな成人対象第3相試験における良好な結果を発表 PNEU-PATH(V114-016)とPNEU-DAY(V114-017)試験において、V114は免疫原性の主要目的を達成し、V114特有の血清型である22F、33Fを含む全15種類の血清型に対して強力な免疫応答を誘導

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2020/10/29 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Announces Positive Topline Results from Two Additional Phase 3 Adult Studies Evaluating V114, Merck’s Investigational 15-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

15価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114について、
2つの新たな成人対象第3相試験における良好な結果を発表

PNEU-PATH(V114-016)とPNEU-DAY(V114-017)試験において、
V114は免疫原性の主要目的を達成し、
V114特有の血清型である22F、33Fを含む全15種類の血清型に対して
強力な免疫応答を誘導

2020年10月20日:ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114の安全性、忍容性および免疫原性を評価する2つの新たな第3相試験の結果を発表しました。PNEU-PATH(V114-016)試験では、50歳以上の健康な成人にV114または13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)を接種し、1年後にPNEUMOVAX® 23を接種しました。PNEUMOVAX® 23の接種後(13カ月目)の免疫応答は、V114に含まれる全15種類の血清型について両群で同程度でした。また、V114またはPCV13の接種後30日目における免疫応答は、2つの結合型ワクチンに共通する13種類の血清型については両群で同程度で、PCV13には含まれない血清型22Fおよび33FについてはV114群の方が高くなりました。肺炎球菌感染症に罹患するリスクの高い基礎疾患を有する、免疫機能の正常な18〜49歳の成人を対象とした第3相試験のPNEU-DAY(V114-017)では、接種後30日目において、V114は共通する13種類の血清型についてはPCV13と概ね同程度の免疫応答を誘導し、血清型22Fおよび33Fについてはより高い免疫応答を誘導しました。両試験の結果はワクチンによって誘導される機能性抗体の指標であるオプソニン化貪食活性(OPA)の測定結果に基づいています。いずれの試験においてもV114の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルはこれまでのV114の試験結果と一貫していました。

当社研究開発本部のシニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「成人の肺炎球菌感染症は、現在利用可能な肺炎球菌結合型ワクチンでカバーされていない血清型に起因するものを含め、世界的に増加しています。このたびのデータでは、世界中で年齢に基づく成人肺炎球菌予防接種プログラムの9割以上で利用されているポリサッカライドワクチンであるPNEUMOVAX® 23の前にV114を接種することが、健康な成人や肺炎球菌感染症に罹患するリスクの高い成人における予防に寄与する可能性に関する重要な知見が得られました」と述べています。

PNEU-PATHやPNEU-DAYを含め、成人を対象としたV114の第3相臨床プログラムの結果は今後の学会で発表してまいります。承認申請計画については、今年中の米国食品医薬品局への申請を皮切りに世界中で予定通りに進めていきます。

肺炎球菌には90種類以上の血清型が存在し、その成人への影響は小児と異なります。血清型22Fや33Fなどの既承認の肺炎球菌結合型ワクチンに含まれていない血清型が、米国をはじめ世界の一部地域で65歳以上の成人における侵襲性肺炎球菌感染症の主な原因となっています。血清型22Fと33Fによる侵襲性肺炎球菌感染症は成人において死亡率がより高く、入院期間もより長期にわたります。心疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの基礎疾患のある成人は、これらの基礎疾患を持たない成人より肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高くなります。

V114の第3相臨床開発プログラムは16の試験で構成されており、健康高齢者および健康小児、さらには免疫の低下した人または特定の慢性疾患を有する人を含め、肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高いさまざまな集団を対象としてV114の安全性、忍容性および免疫原性を検討しています。後期開発プログラムの概要はこちらをご覧ください。

PNEU-PATH試験について

PNEU-PATHは、50歳以上の健康成人(n=652)を対象として、V114を接種し1年後にPNEUMOVAX® 23を接種した場合の安全性、忍容性、免疫原性を評価する多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第3相試験です。主要評価項目には、PNEUMOVAX® 23接種後30日目における血清型特異的OPAの幾何平均抗体価(GMT)が含まれました。PNEUMOVAX® 23接種後30日目における血清型特異的OPA GMTは、V114に含まれる全15種類の血清型についてV114群およびPCV13群で同程度でした。

副次評価項目には、V114またはPCV13接種後30日目における血清型特異的OPA GMTが含まれました。V114またはPCV13接種後30日目におけるOPA GMTは、V114とPCV13に共通する13種類の血清型については同程度で、V114のみに含まれる2種類の血清型(22Fおよび33F)についてはPCV13群よりV114群の方が高くなりました。安全性解析の結果では、V114の忍容性は概ね良好で、V114接種後にPNEUMOVAX® 23接種が可能であることが示されました。

PNEU-DAY試験について

PNEU-DAYは、基礎疾患や行動習慣により肺炎球菌感染症に罹患するリスクの高い、または感染リスクの高い環境で生活する18〜49歳の成人を対象として、V114接種から6カ月後にPNEUMOVAX® 23を接種した場合の安全性、忍容性及び免疫原性を評価する多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第3相試験です(n=1,514)。被験者は、リスク要因として、慢性肺疾患、喫煙、糖尿病、慢性肝疾患、慢性心疾患、アルコール摂取のうち1つ以上に当てはまる場合に肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高いと判断されました。

主要評価項目にはV114またはPCV13接種後30日目における血清型特異的OPA GMTが含まれました。接種後30日目におけるOPA GMTはV114とPCV13に共通する13種類の血清型については概ね同程度で、V114のみに含まれる2種類の血清型(22Fおよび33F)についてはPCV13群よりV114群の方が高くなりました。

安全性解析ではV114の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルはPCV13と同様であり、これまでの試験結果と一貫していました。

V114について

V114は当社が成人および小児の肺炎球菌感染症予防ワクチンとして第3相試験で開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンです。V114は、キャリア蛋白CRM197と結合させた15種類の肺炎球菌ポリサッカライド血清型からなり、世界中の侵襲性肺炎球菌感染症の主な原因で成人に対する既承認の肺炎球菌結合型ワクチンには含まれていない血清型22Fおよび33Fを含有しています。

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症で、世界中で有病率が高まっています。病原性が高い菌株(血清型)により、多くの人が肺炎(肺に限局している場合)、副鼻腔炎、中耳炎などの非侵襲性肺炎球菌感染症や、菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎および髄膜炎などの侵襲性肺炎球菌感染症のリスクにさらされています。健康成人や小児でも肺炎球菌感染症に罹りますが、特に2歳未満の小児や65歳以上の高齢者、免疫の低下した人や特定の慢性疾患を有する人は感染しやすくなります。

PNEUMOVAX® 23(多価肺炎球菌ワクチン) 適応症・安全性情報について

PNEUMOVAX® 23は、ワクチンに含まれる23種類の莢膜血清型(1、2、3、4、5、6B、7F、8、9N、9V、10A、11A、12F、14、15B、17F、18C、19F、19A、20、22F、23Fおよび33F)による肺炎球菌感染症の予防のための能動免疫を目的としたワクチンです。

適応症・安全性情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/merck-announces-positive-topline-results-from-two-additional-phase-3-adult-studies-evaluating-v114-mercks-investigational-15-valent-pneumococcal-conjugate-vaccine/

感染症領域における当社の取り組み

当社は100年以上にわたり、感染症と闘う革新的な医薬品やワクチンの創薬および開発に取り組んできました。ワクチンや抗生剤、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの製品群に加え、創薬から後期開発まで幅広いプログラムを実施しています。当社の感染症パイプラインについては当社ウェブサイトをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。
詳細については当社ウェブサイトや  Twitter 、  Facebook 、  Instagram 、  YouTube Linkedln をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2019年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト( www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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