KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、化学療法との併用療法で 局所進行または転移性食道がんの一次治療において 化学療法単独と比較して死亡リスクを27%低減 KEYTRUDA®+化学療法で、PD-L1発現の有無および組織型にかかわらず化学療法単独と比較して全生存期間および無増悪生存期間の優越性が認められる KEYNOTE-590試験の結果を2020年ESMOバーチャル会議の会長シンポジウムにおいて初めて公表

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2020/09/28 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemotherapy Reduced Risk of Death by 27% Compared to Chemotherapy as First-Line Treatment for Locally Advanced or Metastatic Esophageal Cancer の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、がん化学療法後に増悪したPD-L1陽性の根治切除不能な進行・再発の食道扁平上皮癌に対する効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、化学療法との併用療法で
局所進行または転移性食道がんの一次治療において
化学療法単独と比較して死亡リスクを27%低減

KEYTRUDA®+化学療法で、PD-L1発現の有無および組織型にかかわらず
化学療法単独と比較して全生存期間および無増悪生存期間の優越性が認められる

KEYNOTE-590試験の結果を2020年ESMOバーチャル会議の会長シンポジウムにおいて初めて公表

2020年9月21日 ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®について、局所進行または転移性食道がんおよび食道胃接合部(GEJ)がんに対する一次治療としてプラチナ製剤を含む化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル[5-FU])との併用療法を評価する第3相KEYNOTE-590試験の初めての結果を発表しました。この試験において、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法は全生存期間(OS)を有意に延長し、無作為化された全患者において化学療法単独の場合と比較して死亡リスクが27%低減しました(HR=0.73 [95% CI, 0.62-0.86]; p<0.0001)。また、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法は無増悪生存期間(PFS)も有意に延長し、無作為化された全患者において疾患進行または死亡のリスクが3分の1以上(35%)低減しました(HR=0.65 [95% CI, 0.55-0.76]; p<0.0001)。これにより、KEYTRUDA®は化学療法との併用療法において、現在の標準療法である化学療法単独の場合と比較して、組織型やPD-L1発現の有無にかかわらず、OS、PFS、奏効率(ORR)に改善が認められた初の抗PD-1抗体となりました。

国立がん研究センター中央病院(東京)の頭頸部内科 科長の加藤 健 医師は、「食道がんは生存率の低い深刻な疾患であり、新たに診断された未治療患者に対する緊急の医療ニーズが存在しています。KEYNOTE-590において死亡リスクが27%低減したという結果が示されたことで、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法は切除不能の局所進行または転移性食道がんまたは食道胃接合部がん患者の一次治療における現在の治療パラダイムを変革することが期待されます。また、この試験でのOSの中央値は、化学療法群の9.8カ月に対してKEYTRUDA®併用療法群では12.4カ月を示しました。」と述べています。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「KEYTRUDA®と化学療法の併用療法における今回のデータで、PD-L1の発現にかかわらず食道扁平上皮がん、食道腺がん、食道胃接合部がんを含め全患者群で全生存期間の延長が認められたことは特に注目に値します。当社のゴールはがんとともに生きる人々の生命の延長であり、このたびの重要なデータは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の生存データに加えられるものです」と述べています。

この最新のデータは、2020年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)バーチャル会議において、9月21日(月)の会長シンポジウムで発表されました(アブストラクト#LBA8)。すでにお知らせしているとおり、この会議では当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがん種を対象とするデータが発表されます。

当社はこのデータを世界中の規制当局に提出してまいります。KEYTRUDA®は現在、腫瘍にPD-L1を発現(Combined Positive Score[CPS]≧10)する、再発の局所進行または転移性食道扁平上皮がん患者の二次治療における単独療法として、米国、中国、日本で承認されています。当社はKEYTRUDA®の幅広い開発プログラムを通じ、胃がん、肝胆道がん、食道がん、膵臓がん、大腸がん、肛門がんなどさまざまな治療セッティングや病期の消化管がんにおいて、KEYTRUDA®の評価を実施しています。

KEYNOTE-590試験の試験デザインと追加データについて(アブストラクト#LBA8)

KEYNOTE-590試験は、局所進行または転移性食道がん(食道扁平上皮がん、食道腺がんを含む)またはSiewert type Iの食道胃接合部がんの一次治療として749名の患者を対象にKEYTRUDA®+化学療法とプラセボ+化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシル[5-FU])を比較する、進行中の無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov:NCT03189719)です。主要評価項目は、PD-L1を発現している(Combined Positive Score[CPS]≧10)食道扁平上皮がん(ESCC)患者におけるOSのほか、ESCC患者、PD-L1を発現している(CPS≧10)患者、および全患者におけるOSとPFSです。副次評価項目は、全患者におけるORR(RECIST v 1.1に基づいて治験担当医師が判定)のほか、奏効期間(DOR)および安全性などです。OSとPFSは階層的に検定を実施し、まずCPS≧10のESCC患者(仮説の有意水準を一部持ち越し)、次にESCC患者、次にCPS≧10の患者、最後に全患者で検証しました。

中間解析では、フォローアップ期間の中央値10.8カ月経過後において、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法では、試験の無作為化された全患者(HR=0.73 [95% CI, 0.62-0.86]; p<0.0001)、CPS≧10のESCC患者(HR=0.57 [95% CI, 0.43-0.75]; p<0.0001)、ESCC患者(HR=0.72 [95% CI, 0.60-0.88]; p=0.0006)、CPS≧10の全患者(HR=0.62 [95% CI, 0.49-0.78]; p<0.0001)で化学療法単独の場合と比較してOSの優越性が認められました。この試験の無作為化された全患者のOSの中央値は、KEYTRUDA®併用療法群では12.4カ月(95% CI, 10.5-14.0)、化学療法群では9.8カ月(95% CI, 8.8-10.8)でした。CPS≧10のESCC患者のOSの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では13.9カ月(95% CI, 11.1-17.7)、化学療法群では8.8カ月(95% CI, 7.8-10.5)でした。ESCC患者のOSの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では12.6カ月(95% CI, 10.2-14.3)、化学療法群では9.8カ月(95% CI, 8.6-11.1)でした。CPS≧10の患者のOSの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では13.5カ月(95% CI, 11.1-15.6)、化学療法群では9.4カ月(95% CI, 8.0-10.7)でした。

KEYTRUDA®と化学療法の併用療法は、この試験の無作為化された全患者(HR=0.65 [95% CI, 0.55-0.76]; p<0.0001)、ESCC患者(HR=0.65 [95% CI, 0.54-0.78]; p<0.0001)、CPS≧10の患者(HR=0.51 [95% CI, 0.41-0.65]; p<0.0001)で化学療法単独の場合と比較してPFSの優越性が認められました。この試験の無作為化された全患者のPFSの中央値は、KEYTRUDA®併用療法群では6.3カ月(95% CI, 6.2-6.9)、化学療法群では5.8カ月(95% CI, 5.0-6.0)でした。ESCC患者のPFSの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では6.3カ月(95% CI, 6.2-6.9)、化学療法群では5.8カ月(95% CI, 5.0-6.1)でした。CPS≧10)の患者のPFSの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では7.5カ月(95% CI, 6.2-8.2)、化学療法群では5.5カ月(95% CI, 4.3-6.0)でした。

KEYTRUDA®と化学療法の併用療法では、この試験の無作為化された全患者において化学療法単独の場合と比較してORRの優越性が認められました。ORRはKEYTRUDA®併用療法群では45.0%(95% CI, 39.9-50.2)、化学療法群では29.3%(95% CI, 24.7-34.1)でした(p<0.0001)。またDORの中央値はKEYTRUDA®併用療法群では8.3カ月(範囲:1.2+〜31.0+カ月)、化学療法群では6.0カ月(範囲:1.5+〜25.0+カ月)でした。

治療関連の有害事象(TRAE)によりKEYTRUDA®併用療法群では19.5%、化学療法群では11.6%の患者が治療を中止しました。グレード3〜5の治療関連の有害事象はKEYTRUDA®併用療法群の71.9%、化学療法群の67.6%の患者に認められました。治療関連の死亡例はKEYTRUDA®併用療法群では9例、化学療法群では5例でした。

全グレードの免疫関連有害事象(AE)はKEYTRUDA®+化学療法群では25.7%、化学療法群では11.6%でした。

食道がんについて

食道がんは、特に治療が難しいがんの一つで、食道の内側の層(粘膜)に発生し、外側に向かって増殖します。主に扁平上皮がんと腺がんに大別されます。食道がんは世界で7番目に多いがんで、がんによる死亡原因の第6位となっています。2018年には世界で572,000人以上が新たに食道がんと診断され、509,000人近くが食道がんにより死亡したと推定されます。2020年には米国だけでも18,500人が新たに食道がんと診断され、16,000人以上が食道がんにより死亡すると推定されます。

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,200を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-chemotherapy-reduced-risk-of-death-by-27-versus-chemotherapy-as-first-line-treatment-for-locally-advanced-or-metastatic-esophageal-cancer/

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。オンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じて、がん免疫療法のポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については、  当社ウェブサイト Twitter Facebook Instagram YouTube LinkedIn をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2019年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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