Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.、Themisを買収へ 業界をリードする当社のワクチン開発力をThemisとInstitut Pasteurによる新型コロナウイルスワクチンのプログラムに活用

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2020/05/29 00:01 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が、2020年5月26日(米国東部時間)に発表したニュースリリースMerck to Acquire Themis (https://www.mrknewsroom.com/news-release/research-and-development-news/merck-acquire-themis) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。


参考資料

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.、Themisを買収へ

業界をリードする当社のワクチン開発力をThemisとInstitut Pasteurによる
新型コロナウイルスワクチンのプログラムに活用

2020年5月26日:ニュージャージー州ケニルワース―Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)と、感染症やがんのワクチンや免疫修飾療法を専門とするThemisは本日、当社が子会社を通して非公開会社のThemisを買収する正式な契約を締結したことを発表しました。

Themisは、世界をリードする欧州のワクチン研究機関であるInstitut Pasteurの研究者が開発し、特定のウイルスについてThemisに独占ライセンスが供与されたベクターに基づく革新的な麻疹ウイルスベクタープラットフォームを用いて開発するワクチン候補や免疫修飾療法の幅広いパイプラインを有しています。Themisは3月に新型コロナウイルス感染症を予防する新型コロナウイルスに対するワクチンの開発に向け、Coalition for Epidemic Preparedness Innovations(CEPI)から資金を調達し、Institut Pasteurとピッツバーグ大学のThe Center for Vaccine Researchとコンソーシアムを結成しました。

当社研究開発本部責任者のRoger M. Perlmutter博士は、「Institut Pasteurの先進的な取り組みに基づき、Themisでは当社のワクチンの創薬、開発、製造、世界的な提供能力を補完する専門性を確立しています。両社の力を結集し、短期的には新型コロナウイルス感染症に対する効果的なワクチンを開発するとともに、今後の感染拡大の促進要因に備える体制を構築したいと考えています」と述べています。

この買収の計画は、麻疹ウイルスベクタープラットフォームを用いたワクチン候補の開発における両社の現在の協力体制を発展させるものであり、これによりThemisの新型コロナウイルスに対するワクチン候補の開発を加速できると考えられます。このワクチン候補は現在、前臨床開発の段階で、臨床試験は2020年後半の開始を予定しています。

本契約に基づき、当社は子会社を通してThemisの全発行済株式を現金(金額は非公開)で取得します。取引完了に伴い、Themisは当社の完全子会社となります。

Themisの最高経営責任者のErich Tauber博士は、「ワクチン開発のグローバルリーダーであるMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による買収は、Institut Pasteurの発見に基づく当社の多くの応用が可能な免疫修飾プラットフォームの活用の成功を示すものです。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.との関係が新たな段階に移行し、短期的には当社の新型コロナウイルスワクチンの開発と全世界での広い展開に向けてリソースを集中させていきたいと考えています」と述べています。

Institut PasteurのプレジデントであるStewart Cole教授は、「最初にInstitut Pasteurで開発され、Themisとの連携によりさらに進化したワクチン技術が、新型コロナウイルス感染症などの新たな感染症の予防や制御に向けたワクチン候補の開発のためにMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に活用されることをうれしく思います。これは世界の公衆衛生にとって刺激的でインパクトのある発展です」と述べています。

Themisのテクノロジープラットフォームと関連プログラムの推進においては、CEPIによる投資が重要な役割を果たしました。当社は、新型コロナウイルスワクチンへの世界的なアクセスの実現に向けて、引き続きCEPIをはじめ国際団体と協力してまいります。

本取引の完了は、ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法上の待機期間の満了または早期終了、オーストリアにおける企業結合規制のクリアランス、その他、通常の取引実行条件を満たすことが条件となります。本取引に伴い、当社、Institute Pasteur、CEPIは、ワクチンが提供可能となった際には、新型コロナウイルス感染症対策としてワクチンを開発、製造し、医療上のニーズに基づき、低所得、中所得、高所得国を含め世界中のワクチンを必要とする人々にとって入手しやすい価格で世界的に提供することを確認する覚書を締結しました。

当社は感染症やワクチンにおけるグローバルリーダーとして長年にわたり小児、思春期、成人向けのワクチンの研究、開発、製造、提供に携わってきました。当社が開発する新型コロナウイルスワクチンは世界中で購入しやすい価格で提供できるよう取り組み、米国とヨーロッパの拠点での製造を予定しています。

麻疹ベクタープラットフォーム

麻疹ベクタープラットフォームは、様々な感染症や免疫療法を対象として評価が進められています。改変麻疹ワクチンウイルスをベクターとして用い、様々な抗原を発現させることが可能です。麻疹ベクターは感染防御に役立つ免疫記憶を誘導する免疫系に抗原を送達するよう設計されています。これはSARS、チクングニア熱、MERS、ラッサ熱などの感染症に対するワクチン開発プログラムに組み込まれています。当初、Institut Pasteurで開発されたこのテクノロジープラットフォームは、2010年に初めてThemisにライセンス供与されました。

新型コロナウイルス(COVID-19)に対する当社の取り組み

当社には人びとの命を救い、生活を改善することに取り組む企業としての特別な責任があります。当社は新型コロナウイルス感染症が流行する中、社員とその家族の安全を守り、患者さんや顧客に医薬品やワクチンを確実にお届けし、当社のサイエンスの専門性を活かして抗ウイルス薬やワクチンの開発に貢献し、医療従事者やコミュニティを支援することに注力しています。当社の社員を含む多くの医療従事者やボランティアの皆様の感染者やコミュニティに対する多大なる貢献に感謝します。詳しくは www.merck.com/COVID-19をご覧ください。

Themisについて

Themisは感染症やがんに対する免疫修飾療法を開発しています。免疫機構の高度な知識に基づき、ワクチンや他の免疫システムを活性化させるアプローチに関する創薬、開発、製造のための洗練された多目的のテクノロジープラットフォームを構築しています。当初より感染症の予防に注力してきたThemisは、世界的な流行の可能性のある消耗性疾患のチクングニア熱に対するワクチンの第2相試験の速やかな成功と第3相臨床開発への移行を通して、その多くの応用が可能なプラットフォームの可能性を示してきました。プラットフォームの知識を活かし、現在、新型コロナウイルス感染症の第1相試験の速やかな開始に向けて準備を進めています。Themisはこれまで世界的なベンチャーキャピタル企業から資金を調達しており、新興感染症対策のために、希薄化されない(Non-dilutive)一流機関からのファンディングも獲得しています。詳しくは http://www.themisbio.comをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については 当社ウェブサイト や  Twitter 、  Facebook 、 Instagram 、 YouTube Linkedln をご参照ください。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2019年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト( www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、125年以上にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter  YouTube をご参照ください。

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