開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114について、小児を対象とする第3相試験PNEU-DIRECTION(V114-027)およびPNEU-PLAN(V114-024)の良好なトップラインデータを発表 両試験において免疫原性と安全性の主要評価項目を達成

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2021/05/28 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Announces Positive Topline Results from PNEU-DIRECTION (V114-027) and PNEU-PLAN (V114-024) Phase 3 Pediatric Studies for V114, Merck’s Investigational 15-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

15価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114について、小児を対象とする第3相試験
PNEU-DIRECTION(V114-027)およびPNEU-PLAN(V114-024)の
良好なトップラインデータを発表

両試験において免疫原性と安全性の主要評価項目を達成

2021年5月20日 ニュージャージー州ケニルワースーMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンV114が、小児を対象とする2つの第3相臨床試験において免疫原性および安全性の主要評価項目を達成したことを発表しました。このデータでは、現在承認されている13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)の接種を開始している健康な乳児(PNEU-DIRECTION)、および肺炎球菌ワクチン未接種またはより価数の低い小児用肺炎球菌結合型ワクチン(PCV)のレジメンをすべてまたは一部完了した健康な小児に対するキャッチアップ接種(PNEU-PLAN)においてもV114が使用できる可能性が示されました。

生後42〜90日の健康な乳児に対するワクチンの互換性を評価するPNEU-DIRECTION(V114-027)試験では、PCV13を1シリーズ4回接種した場合と、混合スケジュールとしてPCV13の後にV114を接種した場合の免疫応答は、両ワクチンが共通で対象としている13の血清型(感染症を引き起こす肺炎球菌の種類)に対して概ね同程度でした。キャッチアップ接種を評価するPNEU-PLAN(V114-024)では、肺炎球菌ワクチンを未接種またはすでに承認されている小児用PCVのレジメンを一部またはすべて完了している7カ月から17歳の健康な小児に対するキャッチアップとしてV114を接種した場合とPCV13を接種した場合の免疫応答は、両ワクチンに含まれる13の血清型で概ね同程度でした。V114に含まれPCV13に含まれていない血清型22Fと33Fの免疫原性はPNEU-PLAN試験においてV114群でPCV13群より高くなりました。いずれの試験においても、V114の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルはPCV13と同様でした。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「肺炎球菌結合型ワクチンにより小児の症例数は減少してきていますが、肺炎球菌感染症は今でも世界中の5歳未満の小児の深刻な病気や死亡の原因となっています。当社では、これまでの成果を活かすべく現在のワクチンの血清型に対する強力な免疫応答を維持しつつ、現在承認されている小児用肺炎球菌結合型ワクチンに含まれていない新たな血清型まで広くカバーすることを目指しています。2試験の結果で、PCV13を1回以上接種した乳児においてはPVC13に含まれる13の血清型、キャッチアップを受けた小児においてはV114に含まれる15の血清型に対し、V114の免疫原性が示されました」と述べています。

肺炎球菌には100種類の型が存在し、小児には成人と異なる影響を及ぼします。特に2歳未満は肺炎球菌に感染しやすく、侵襲性肺炎球菌感染症の発生率は1歳までで最も高くなっています。特に小児におけるリスクが高い肺炎球菌の血清型が存在し、22Fと33Fは5歳未満の小児の侵襲性肺炎球菌感染症の全症例の16パーセントを占めています。

PNEU-DIRECTIONおよびPNEU-PLAN試験の詳細な結果は今後の医学学会で発表する予定です。V114の第3相臨床開発プログラムは16の試験で構成されており、健康高齢者および健康小児、さらには免疫の低下した人または特定の慢性疾患を有する人を含め、肺炎球菌感染症に罹患するリスクが高いさまざまな集団を対象としてV114の安全性、忍容性および免疫原性を検討しています。後期開発プログラムの概要はこちらをご覧ください。小児を対象とする承認追加申請については、米国食品医薬品局(FDA)に現在申請中の成人に対する生物製剤認可申請(BLA)の審査を待って、今年中にFDAに提出する予定です。

 

PNEU-DIRECTION試験について

PNEU-DIRECTIONは、生後42〜90日の健康な乳児(900例)を対象として安全性、忍容性、免疫原性の観点からV114とPCV13の互換性を評価する多施設共同無作為化二重盲検第3相試験です。

被験者は、PCV13のみの4回接種スケジュール、PCV13の後にV114を接種する3種類の混合4回接種スケジュール、V114のみの4回接種スケジュールの5つの群に無作為に割り付けられました。V114とPCV13の両方に含まれる13の血清型に対する免疫応答を4回目接種の30日後に測定し、PCV13/V114の混合スケジュールによる接種を行った群とPCV13のみによる接種を行った群で比較しました。免疫応答は抗肺炎球菌ポリサッカライド(PnPs)血清型特異的免疫グロブリンG(IgG)幾何平均濃度(GMCs)に基づいて評価しました。免疫原性の主要評価項目の解析では、4回目接種の30日後における13の共通血清型のIgG GMCsは、PCV13/V114の混合スケジュールで接種を受けた被験者とPCV13のみで接種スケジュールを完了した被験者において概ね同程度でした。

APaT集団(All-Participants-As-Treated、無作為化され、治験ワクチンを1回以上接種したすべての患者)を対象に実施した安全性解析では5つの接種群で同様の安全性プロファイルが認められました。

 

PNEU-DAY試験について

PNEU-PLANは、7カ月〜17歳の健康な乳児、小児、思春期層(606例)を対象としてV114のキャッチアップ接種レジメンの安全性、忍容性、免疫原性を評価する多施設共同無作為化二重盲検実薬対照第3相試験(記述的研究)です。

肺炎球菌ワクチンを未接種またはすでに承認されている小児用PCVのレジメンを一部またはすべて完了している被験者をV114またはPCV13を接種する群に無作為に割り付けました。被験者の無作為化の時点の年齢コホートにより、V114を3回、2回、または1回接種しました。年齢コホートは7〜11カ月(3回レジメン)、12〜23カ月(2回レジメン)、2〜17歳(1回レジメン)でした。V114とPCV13の両方に含まれる13の血清型およびV114のみに含まれる2つの血清型に対する免疫応答を最終接種の30日後に測定しました。免疫応答の比較は抗PnPs血清型特異的IgG GMCsに基づいて評価しました。免疫原性の主要評価項目の解析では、最終接種の30日後における13の共通血清型のIgG GMCsは、3つのいずれの年齢コホートでも群間で概ね同程度で、V114に含まれPCV13には含まれていない22Fと33Fの2つの血清型についてはV114群で高くなりました。

安全性解析ではV114の忍容性は概ね良好で、安全性プロファイルはPCV13と同様でした。

 

V114について

V114は当社が成人および小児の肺炎球菌感染症予防ワクチンとして第3相開発中の15価肺炎球菌結合型ワクチンです。V114は、キャリア蛋白CRM197と結合させた15種類の血清型の肺炎球菌ポリサッカライドからなり、世界中の侵襲性肺炎球菌感染症の主な原因で小児および成人に対する既承認の肺炎球菌結合型ワクチンには含まれていない血清型22Fおよび33Fを含有しています。

 

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症で、世界中で有病率が高まっています。病原性が高い菌株(血清型)により、多くの人が菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎および髄膜炎などの侵襲性肺炎球菌感染症のリスクにさらされています。血清型22F、33Fおよび3は、成人および小児における侵襲性肺炎球菌感染症症例のかなりの部分を占めており、現在のワクチン血清型に対する強力な免疫応答を維持しつつ、新たな血清型まで広くカバーすることが必要とされています。健康成人や小児でも侵襲性肺炎球菌感染症に罹りますが、特に2歳未満の小児や65歳以上の高齢者、免疫の低下した人や特定の慢性疾患を有する人は感染しやすくなります。

 

感染症領域における当社の取り組み

当社は100年以上にわたり、感染症と闘う革新的な医薬品やワクチンの創薬および開発に取り組んできました。ワクチンや抗生剤、抗ウイルス薬、抗真菌薬などの製品群に加え、創薬から後期開発まで幅広いプログラムを実施しています。当社の感染症パイプラインについては当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。また、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続け、世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。詳細については当社ウェブサイトや  Twitter 、  Facebook 、  Instagram 、  YouTube Linkedln をご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.に関するForm 10-Kの2020年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、130年にわたり、人々の生命を救い、人生を健やかにするというミッションのもと、世界で最も治療が困難な病気のために、革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはまた、多岐にわたる政策やプログラム、パートナーシップを通じて、患者さんの医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。私たちは、今日、がん、HIVやエボラといった感染症、そして新たな動物の疾病など、人類や動物を脅かしている病気の予防や治療のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDは世界最高の研究開発型バイオ医薬品企業を目指しています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、  Twitter 、  YouTube をご参照ください。

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