報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s WELIREG® (belzutifan) Significantly Improved Progression-Free Survival and Objective Response Rates Versus Everolimus in Certain Previously Treated Patients With Advanced Renal Cell Carcinoma (RCC) (https://www.merck.com/news/mercks-welireg-belzutifan-significantly-improved-progression-free-survival-and-objective-response-rates-versus-everolimus-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-ce/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

WELIREG®(belzutifan)は日本国内では開発中の段階です。

 


参考資料

WELIREG®(belzutifan)、前治療歴のある進行腎細胞がん(RCC)に対し、
エベロリムスと比較して無増悪生存期間と客観的奏効率を有意に改善

LITESPARK-005試験の事前に規定された中間解析において、
エベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクが低減

免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬の両方による治療後に進行したRCCの二次治療以降において、
初めて良好な結果を示した第3相試験となる

2023年10月21日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、PD-1/L1と血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする治療後に進行した成人の腎細胞がん(RCC)の治療薬として、ファーストインクラスの経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤WELIREGを評価する第3相LITESPARK-005試験の結果を発表しました。WELIREGは、2つの主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)と主な副次評価項目である客観的奏効率(ORR)について、エベロリムスと比較して統計学的に有意な改善が認められました。この最新の結果は本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で初めて発表(アブストラクト#LBA88)されるとともに、世界中の規制当局と協議が進んでいます。

事前に規定された1回目の中間解析(IA1、追跡期間の中央値:18.4カ月[範囲:9.4〜31.7カ月])において、WELIREGはエベロリムスと比較して対象患者さんの疾患進行または死亡のリスクを有意に25%低下させました(HR=0.75 [95% CI, 0.63-0.90]; p<0.001)。事前に規定された2回目の中間解析(IA2)の結果はIA1の結果と一貫していました。IA2における追跡期間の中央値は25.7カ月(範囲:16.8〜39.1カ月)で、WELIREGはエベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクを26%低減しました(HR=0.74 [95% CI, 0.63-0.88])。

また、WELIREG群では、IA1においてORRが統計学的に有意に改善しました。WELIREG群ではORRは21.9%(95% CI, 17.8-26.5)、CR率は2.7%であったのに対し、エベロリムス群ではORRは3.5%(95% CI, 1.9-5.9)で、完全奏効(CR)が得られた患者さんはいませんでした。IA2においては、WELIREG群ではORRは22.7%(95% CI, 18.6-27.3)、CR率は3.5%であったのに対し、エベロリムス群ではORRは3.5%(95% CI, 1.9-5.9)で、CRが得られた患者さんはいませんでした。

また、この試験のもう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても、IA1(HR=0.87 [95% CI, 0.71-1.07]; p=0.096)、IA2(HR=0.88 [95% CI, 0.73-1.07]; p=0.099)においてWELIREGはエベロリムスより良好な傾向を示しましたが、統計学的に有意ではありませんでした。

LITESPARK-005試験の治験責任医師であり、Gustave Roussy Cancer Medicine Department部長のLaurence Albiges(ローレンス・アルビジーズ)教授は、「免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の両方を標的とする治療後に進行したRCCの患者さんに対する治療の選択肢は限られています。そのため、この試験において、疾患進行後のさらなる治療の選択肢を喫緊に求めている患者さんに対し、belzutifanがエベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクを統計学的に有意に低下させ、奏効率が改善したことは重要な前進です」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「今回の結果は、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬による治療後に進行したRCCを対象とする第3相試験として初めて示された良好なデータであり、WELIREG臨床プログラムから初めて出た第3相試験データでもあります。この最新の研究によりWELIREGが対象患者さんのアウトカムを改善する可能性が示されました。当社は、WELIREGを含む様々な新規の作用機序を評価する強力な臨床開発プログラムをとおして、難治性のがんに対する研究を推進する取り組みをさらに進めてまいります」と述べています。

2023年ESMO年次総会で発表されたLITESPARK臨床開発プログラムには、進行RCCを対象としてWELIREGの評価を行う第2相試験のLITESPARK-003試験(#LBA87)やLITESPARK-013試験(#1881O)の結果も含まれています。すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんのポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されました。さらに、当社が治験依頼者として実施する、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴うがん治療のメンタルヘルスに与える影響を評価する試験(#83P)も発表されました。

ダナ・ファーバーがん研究所のLank Center for Genitourinary Oncologyのディレクターでハーバード大学医学部Jerome and Nancy Kohlbergの教授であり、LITESPARK-005試験の研究責任者を務めるToni K. Choueiri(トニー・K・コーエイリ)博士は、「HIF-2α阻害剤のbelzutifanはファーストインクラスの抗がん剤であり、腎細胞がんに対して非常に良好な臨床結果を早期に示しました。LITESPARK-005試験の結果はVEGFRとPD-1/L1の両方を標的とする治療後に進行したRCCの成人患者さんのさらなる治療の選択肢に対するアンメットメディカルニーズを満たすための第一歩となります。LITESPARK臨床開発プログラム全体でRCCの一次治療、二次治療、術後補助療法についても治験を行っており、今後の結果にも期待しています」と述べています。

WELIREGは米国で承認されたファーストインクラスのHIF-2α阻害剤です。第2相LITESPARK-004試験のデータに基づき、VHL病に伴うRCC、中枢神経系血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(治療を必要とするものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。その他の国々でもLITESPARK-004試験に基づき規制当局による承認審査が行われています。

LITESPARK-005試験は、RCCを対象としてWELIREGを評価する4件の第3相試験からなる包括的な開発プログラムの1つです。このほかに、進行RCCに対する二次治療を対象としたLITESPARK-011、一次治療を対象としたLITESPARK-012試験および術後補助療法を対象としたLITESPARK-022試験があります。

すでに発表しているとおり、WELIREGはLITESPARK-005試験の良好な結果に基づき、免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬による治療後に進行したRCCの成人患者に対する治療薬として、適応追加申請(sNDA)が米国食品医薬品局(FDA)の優先審査品目に指定されています。FDAにより、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日が2024年1月17日に設定されました。

 

LITESPARK-005試験デザインその他のデータについて

LITESPARK-005試験は、PD-1/L1およびVEGF-TKIによる治療(順次または同時)後に進行した淡明細胞型RCCの治療として、WELIREGをエベロリムスと比較評価する無作為化非盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04195750)です。2つの主要評価項目はPFSとOSです。副次評価項目はORR、DOR、安全性などです。この試験では746名の患者さんを、WELIREG(120mgを1日1回経口投与する)群と、エベロリムス(10mgを1日1回経口投与する)群に無作為に割り付けました。

IA1の結果では、PFSの中央値はWELIREG投与群では5.6カ月(95% CI, 3.9-7.0)、エベロリムス投与群では5.6カ月(95% CI, 4.8-5.8)でした。IA2においては、PFSの中央値はWELIREG投与群では5.6カ月(95% CI, 3.8-6.5)、エベロリムス投与群では5.6カ月(95% CI, 4.8-5.8)でした。12カ月推定PFS率はWELIREG投与群では33.7%、エベロリムス投与群では17.6%で、18カ月推定PFS率はWELIREG投与群では22.5%、エベロリムス投与群では9.0%でした。IA1におけるOSの中央値はWELIREG投与群では21.0カ月(95% CI, 17.2-24.3)、エベロリムス投与群では17.2カ月(95% CI, 15.3-19.0)でした。IA2におけるOSの中央値はWELIREG投与群では21.4カ月(95% CI, 18.2-24.3)、エベロリムス投与群では18.1カ月(95% CI, 15.8-21.8)でした。全生存期間は今後の解析で検証します。

この試験におけるWELIREGの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。治療関連の有害事象(TRAE)はWELIREG投与群の89%(n=331)、エベロリムス投与群の89.4%(n=322)に認められました。グレード3以上のTRAEはWELIREG投与群の38.7%、エベロリムス投与群の39.4%に認められました。有害事象により治験薬の投与中止に至ったのは、WELIREG投与群では5.9%、エベロリムス投与群では14.7%でした。死亡に至った治療関連有害事象はWELIREG投与群では0.3%(n=1)、エベロリムス投与群では0.6%(n=2)でした。

WELIREG群において原因を問わない有害事象で最も頻度が高かった(10%以上の患者に発生)のは、貧血(82.8%)、疲労(31.5%)、悪心(18.0%)、便秘(16.7%)、抹消浮腫(16.1%)、呼吸困難(15.1%)、背部痛(14.8%)、無力症、食欲減退、関節痛、低酸素症(各14.5%)、嘔吐(12.9%)、めまい(12.4%)、頭痛、アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇(各12.1%)、下痢(11.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇(11.6%)でした。

 

腎細胞がんについて

腎細胞がん(RCC)は腎臓がんの中で圧倒的に多いタイプで、腎臓がんの約9割を占めています。男性に多く、女性の2倍多く見られます。RCCはほとんどの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。米国では、腎臓がんの約15%が進行がんの段階で診断されています。組織学的なサブタイプとしては淡明細胞型RCCが最も多く、すべてのRCCの約80%を占めています。

 

WELIREG®錠(belzutifan)40 mg(経口)について

米国での適応症

WELIREG(belzutifan)はフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴う腎細胞がん(RCC)、中枢神経系(CNS)血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(pNET)(治療を必要とするものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。

 

WELIREG®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-welireg-belzutifan-significantly-improved-progression-free-survival-and-objective-response-rates-versus-everolimus-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-ce/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Trastuzumab and Chemotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Trastuzumab and Chemotherapy in First-Line HER2-Positive Advanced Gastric or Gastroesophageal Junction (GEJ) Adenocarcinoma( https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-trastuzumab-and-chemotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-trastuzumab-and-chemotherapy-in-first-line-her2-positive-advanced-gastric/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法が
トラスツズマブ+化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善

KEYNOTE-811試験でPD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんに対しても
PFSを統計学的に有意に改善

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、抗PD-1抗体KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法を評価する第3相KEYNOTE-811試験の結果を発表しました。これらのデータは本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で発表され(アブストラクト#1511O)、世界中の規制当局と協議を進めています。

28.4カ月間(中央値)の追跡調査後、KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(以下、KEYTRUDA®併用療法)は、HER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんのITT解析対象集団において、プラセボとトラスツズマブおよび化学療法の併用療法(以下、トラスツズマブ+化学療法)と比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善し、病勢進行または死亡のリスクが28%低下しました(HR=0.72[95% CI, 0.60-0.87]; p=0.0002)。また、PD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんにおいても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較して臨床的に意義のあるPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクが30%低下しました(HR=0.70[95% CI, 0.58-0.85])。事前に規定されたサブグループ解析では、ITT解析対象集団におけるPFSの改善は、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんのみで確認されました。試験に参加した患者さんの80%以上がPD-L1陽性(CPS≧1)でした。

その後の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)では、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較してITT解析対象集団(HR=0.84[95% CI, 0.70-1.01])およびPD-L1(CPS≧1)陽性のサブグループ(HR=0.81[95% CI, 0.67-0.98])で改善傾向が認められました。PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんでは、OS中央値はKEYTRUDA®併用療法群で20.0カ月(95% CI, 17.9-22.7)、トラスツズマブ+化学療法群で15.7カ月(95% CI, 13.5-18.5)でした。これらのOSの結果は、中間解析では統計学的有意性の基準を満たしませんでした。今後予定されているOSの解析のため追跡調査は継続中です。

メモリアル・スローンケタリング癌センター消化器腫瘍科の主任担当医であり、KEYNOTE-811のグローバル首席治験責任医師であるYelena Y. Janjigian(エレーナ・Y・ジャンジギアン)博士は「胃食道がんの患者さんの大部分は診断された時点で進行しており、これまでは、治療の経過が良くない場合が多くありました。KEYNOTE-811試験の結果は、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の臨床上のベネフィットをさらに示すものであり、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行がんの患者さんにおいて、病勢進行または死亡のリスクを低下させました」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は「今回の無増悪生存期間の結果により、KEYNOTE-811試験で蓄積されたエビデンスはさらに充実したものとなります。これらのデータは、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんの治療選択肢として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の重要性を強調するものであり、治療が難しい消化器がんに対する有効な治療法を模索し続けるという当社の思いを強くするものです」と述べています。

KEYTRUDA®は米国で2021年5月に、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しています。この適応はKEYNOTE-811試験の客観的奏効率(ORR)のデータに基づき、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けており、承認維持のために、検証的試験による臨床上の効果の確認および説明が必要となる場合があります。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.はFDAとこの結果を協議しており、HER2陽性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんにおける現在のKEYTRUDA®の適応をPD-L1陽性(CPS≧1)患者を対象として改訂するべく協力しています。

2023年8月には、これらのデータに基づき、欧州委員会よりPD-L1陽性(CPS≧1)の成人におけるHER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しました。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

 

KEYNOTE-811の試験デザインおよび新たに得られたデータ

KEYNOTE-811試験は、HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法の併用療法を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03615326)です。2つの主要評価項目は、RECIST v1.1を用いて盲検下独立中央画像判定で評価したPFS、およびOSです。副次評価項目はORR、奏効期間、安全性などです。本試験では、登録患者698名をKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔投与)とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(治験責任医師が選択する5-FU+シスプラチンまたはカペシタビン+オキサリプラチン)を投与する群(以下、KEYTRUDA®併用療法群)と、プラセボとトラスツズマブ、化学療法を投与する群(以下、トラスツズマブ+化学療法群)に無作為に割り付けました。

事前に規定された3回目の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)でも、KEYTRUDA®併用療法によりトラスツズマブ+化学療法と比較してPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクがITT解析対象集団で27%低下し(HR=0.73[95% CI, 0.61-0.87])、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんで29%低下しました(HR=0.71[95% CI, 0.59-0.86])。この中間解析でも引き続きORRの改善がみられ、トラスツズマブ+化学療法と比較してKEYTRUDA®併用療法のORRは73%、奏効期間中央値は11.3カ月でした。

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連の有害事象(TRAE)の発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ99%(n=348)および100%(n=346)であり、グレード3~4のTRAEの発現頻度はそれぞれ58%および50%、グレード5のTRAEの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=4)および1.0%(n=3)でした。TRAEによりいずれかの治験薬を中止したCombined患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で36%、トラスツズマブ+化学療法群で33%でした。

全グレードの免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ39%および24%であり、グレード3~4の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ10%および3%、グレード5の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=3)および1.0%(n=1)でした。高頻度(10%以上)に認められた事象はInfusion reaction(16.6%)および甲状腺機能低下症(10.3%)でした。免疫関連有害事象およびInfusion reactionによりいずれかの治験薬を中止した患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で7%、トラスツズマブ+化学療法群で4%でした。

 

胃がんについて

胃がんは長年にわたりゆっくり進行することが多く、初期症状がほとんどないため、進行して発見されることも少なくありません。胃がん患者さんの70%以上が進行がんです。胃がんのほとんど(約90-95%)は腺がんで、胃の最も内側の層(粘膜)の細胞から発生します。胃がん患者さんの約40-65%がPD-L1陽性(CPS≧1)で、胃がんの約10-30%がHER2陽性です。世界的に見ると胃がんは5番目に多いがんで、がんの死因の第4位となっており、2020年には約110万人が新たに胃がんと診断され、約768,000人が亡くなりました。進行胃がんと診断された患者さんの5年生存率はわずか6%です。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-trastuzumab-and-chemotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-trastuzumab-and-chemotherapy-in-first-line-her2-positive-advanced-gastric/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Concurrent Chemoradiotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Concurrent Chemoradiotherapy Alone in Newly Diagnosed, High-Risk Locally Advanced Cervical Cancer (https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とする
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と同時化学放射線療法の併用療法が
同時化学放射線療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長

KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法は、同時化学放射線療法単独と比較して
疾患進行または死亡のリスクを30%低下

KEYNOTE-A18試験は局所進行子宮頸がんに対するがん免疫療法の第3相試験として初めて、 同時化学
射線療法単独と比較してPFSを有意に延長した試験となる

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、新たに高リスク局所進行子宮頸がん(FIGO2014分類に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)と診断された患者さんを対象として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®と、「化学療法同時併用下で実施する外部照射による放射線治療(EBRT: external beam radiotherapy)とそれに続く小線源療法」(同時化学放射線療法)の併用療法を評価する第3相KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)の結果を公表しました。この試験では、対象の患者さんにおいてKEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が、同時化学放射線療法単独と比較して統計学的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。この結果は本日午前10時45分(ET)から、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の最新の一般演題の中から選ばれた演題セッション(late-breaking abstract proffered paper session)として初めて発表(アブストラクト#LBA38)されました。

追跡期間の中央値は17.9カ月(範囲:0.9〜31.0カ月)で、KEYTRUDA®との併用療法群は同時化学放射線療法単独群と比較して対象患者さんの疾患進行または死亡のリスクを30%低減しました(HR=0.70 [95% CI, 0.55-0.89]; p=0.0020)。PFSの中央値はいずれの群も未達でした。24カ月PFS率はKEYTRUDA®との併用療法群では67.8%、同時化学放射線療法単独群では57.3%でした。PFSの延長に加え、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についてもKEYTRUDA®との併用療法群では同時化学放射線療法単独群より良好な傾向(HR=0.73 [95% CI, 0.49-1.07])が観察されています。今回の中間解析時点では、OSのイベント数は両群を合わせて103件と限られており、OSのデータは不完全で、統計学的な有意差は示されていません。治験は現在も継続中で、OSのフォローアップを引き続き実施しています。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「子宮頸がんは世界の女性において4番目に多いがんですが、この20年間、局所進行がんと診断された患者さんに対する新たな治療の進歩は限定的でした。今回のKEYNOTE-A18試験の結果により、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が高リスク子宮頸がん患者さんの新たな治療の選択肢となる可能性が示されました。KEYTRUDA®は特定の進行子宮頸がんに対する適応が確立されており、当社では早期がんに対する研究を進めています」と述べています。

Catholic University of Rome産婦人科学の准教授で、ENGOTの主要治験責任医師であり、本試験全体を統括する首席治験責任医師のDomenica Lorusso(ドメニカ・ロルッソー)教授は、「今回の試験は、新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とした第3相試験で初めて、がん免疫療法が標準治療と比較してPFSの延長を示しました。特にこの20年間、この疾患の患者さんに対する治療の選択肢の進歩がみられなかったことから、KEYTRUDA®との併用療法群が同時化学放射線療法単独群と比較して疾患進行または死亡のリスクを30%低下させた今回の試験結果は注目せずにはいられません」と述べています。

University of Arizona College of Medicineおよび、Creighton University School of Medicineの産婦人科教授でがん専門医のBradley Monk(ブラッドレイ・モンク)博士は、「局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの予後は不良で治療の選択肢は限られています。今回の結果により、がん免疫療法をより早期の子宮頸がんにも実施することで、現在の標準療法と比較して患者さんのアウトカムを改善できる可能性があります」と述べています。

すでに発表しているとおり、米国食品医薬品局(FDA)がこの度公開された結果に基づき、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法を新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの治療薬として、生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の優先審査品目に指定しています。FDAにより、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日が2024年1月20日に設定されています。この結果は世界中の規制当局とも協議を進めています。

米国ではKEYTRUDA®は子宮頸がんにおいて「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められる(CPS≧1)治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対する化学療法±ベバシズマブとの併用療法」と「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められ(CPS≧1)、化学療法による治療中または治療後に疾患が進行した再発または転移性子宮頸がんに対する単独療法」の2つの適応が承認されています。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

 

KEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験のデザインおよびその他のデータ

KEYNOTE-A18(ENGOT-cx11/GOG-3047)試験は、新たに高リスク(FIGO2014に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)の局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの根治目的の治療における、KEYTRUDA®と「化学療法(シスプラチン)同時併用下で実施するEBRTとそれに続く小線源治療」(同時化学放射線療法)の併用療法をプラセボと同時化学放射線療法の併用療法と比較する、無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04221945)です。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.が治験依頼者となり、European Network for Gynaecological Oncology Trial(ENGOT)グループおよびGOG Foundation, Inc.(GOG)と協力して実施しています。主要評価項目はPFSとOSで、副次評価項目は完全奏効率、客観的奏効率、安全性などです。この試験では1,060名の患者さんを次のいずれかに無作為に割り付けました。

  • KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔)を5サイクル静脈内投与した後、KEYTRUDA®(400 mgを6週間間隔)をさらに15サイクル静脈内投与し、同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)、または、
  • プラセボおよび同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連有害事象(TRAE)はKEYTRUDA®との併用療法群の96%、同時化学放射線療法単独群の96%に発生し、グレード3〜5のTRAEはそれぞれ67.0%、60.6%でした。治療関連有害事象によりすべての治験薬の投与中止に至ったのは、KEYTRUDA®との併用療法群では0%、同時化学放射線療法単独群では0.2%でした。また、死亡に至ったTRAEはKEYTRUDA®との併用療法群では2例(0.4%)、同時化学放射線療法単独群では2例(0.4%)でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。

全グレードの免疫介在性有害事象(imAE)はKEYTRUDA®との併用療法群では32.6%、同時化学放射線療法単独群では11.7%でした。グレード3〜5の免疫関連AEはそれぞれ4.2%、1.1%でした。全グレードの免疫関連AEのうち最も高頻度(2例以上)に認められたのはKEYTRUDA®との併用療法群では甲状腺機能低下症(19.3%)でした。いずれの群でも免疫関連AEによる死亡例はありませんでした。

 

当社の乳がんおよび婦人科がん研究

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん)患者さんのアウトカム改善を目指し、研究を進めています。これらのがんを対象とする総合的な臨床開発プログラムを実施しており、KEYTRUDA®の単剤療法および他の薬剤との併用療法を評価する20件以上の第3相試験を当社が治験依頼者となって進めています。米国ではKEYTRUDA®は現在、トリプルネガティブ乳がんについては高リスク早期のものを含む2件の適応と、進行子宮頸がんおよび子宮内膜がんについては4件の適応が承認されています(以下の適応をご覧ください)。これらの早期がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイトwww.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下「MSD」)は、任意団体work with Pride が策定した職場でのLGBTQ等セクシュアル・マイノリティ(以下「LGBTQ」)に関する取り組み評価指標「PRIDE指標2023」*1で、「ゴールド」を受賞しました。昨年に続き、5年連続での「ゴールド」の受賞となります。

MSDでは、2014年に「MSDダイバーシティ&インクルージョン宣言」(現「MSDダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン宣言」)を発表し、あらゆる背景を持つ社員が能力を最大限発揮できる職場づくりを目指して、さまざまな制度を整備するとともに、社員の意識・行動変容のための取り組みを推進してまいりました。

[社内制度・宣言]

  • 2018年: 社員の同性パートナーを人事規程上の配偶者とみなし、住宅手当や休暇制度などすべての人事制度を同性パートナーにも適用できる「同性パートナー登録制度」(現「パートナー登録制度」)を導入。
  • 2020年: 就業規則にSOGIハラスメント*2の禁止を明文化。
  • 2021年: 育児休業制度(休業期間中のうち最長3カ月間は有給)の対象を同性パートナーの子どもにも拡大。
  • 2023年: 昨今の社会におけるエクイティ(公平性)*3への注目度の高まりを踏まえて、「MSDダイバーシティ&インクルージョン宣言」に新たにエクイティを加え、「MSDダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン宣言」へと更新。

[社内での取り組み]

  • 2019年: 米国本社で既に20年もの歴史がある社員ネットワーク「Rainbow Alliance(レインボー・アライアンス)」の日本支部を設立。LGBTQの当事者だけでなく、アライ(支援者)もメンバーとなり、現在約90名もの社員が社内外での啓発活動を推進。
  • 例年6月のプライド月間には、社内においてもLGBTQへの理解を促進するためのさまざまなイベントを開催。
  • 例年9月に、全社員を対象にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン エクスペリエンス月間を実施。今年はエクイティに関する社員の理解促進を図るための特別プログラムを実施。

[社外での啓発活動]

  • 2022年: 婚姻の平等に向け、同性婚の法制化に賛同する企業や団体を募集するキャンペーン「Business for Marriage Equality」に参加。
  • 2022年、2023年: 日本最大級のLGBTQのパレードイベントであり、セクシュアル・マイノリティの人々が自分らしく誇りをもって生きる社会を目指す「東京レインボープライド」に、ゴールドスポンサーとして協賛。
  • 2023年: 「さっぽろレインボープライド」に協賛。
  • 2023年: work with Pride実行委員会に参画。企業の枠を超えてLGBTQの人々が自分らしく働ける職場づくりを推進。

こうした数々の取り組みが評価され、MSDは「PRIDE指標2023」で「ゴールド」と認定されました。

また、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優良であると厚生労働大臣より認められた企業に与えられる「えるぼし認定」において、MSDは今年、最高位の3つ星を取得しました。

MSDはこれからも、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を通じて、社員それぞれが持つ強みを最大限に発揮できる多様性を受容するインクルーシブな職場環境を醸成し、人々に革新的な医薬品とワクチンを提供できるよう努めてまいります。

以上

*1PRIDE指標について任意団体 work with Pride が、職場におけるLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標として2016年に策定しました。「行動宣言」、「当事者コミュニティ」、「啓発活動」、「人事制度、プログラム」、「社会貢献・渉外活動」からなる5つの指標で評価され、採点結果に応じて、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」や国・自治体・学術機関・NPO/ NGOなどとの、セクターを超えた協働を推進する企業を評価する「レインボー」で表彰されます。詳細はこちらをご参照ください。http://workwithpride.jp/pride-i/

*2SOGIハラスメントについて 性的指向・性自認に関する言動によって、他人に不快な思いをさせることや職場の環境を悪くする行為

*3エクイティ(公平性)について 個人およびチームのパフォーマンス向上を目的に、社員一人ひとりの置かれた状況や背景に応じて支援内容を最適化し、公平な土台をつくりあげること


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、FDA Approves KEYTRUDA® (pembrolizumab) for Treatment of Patients With Resectable (T≥4 cm or N+) NSCLC in Combination With Chemotherapy as Neoadjuvant Treatment, Then Continued as a Single Agent as Adjuvant Treatment After Surgery (https://www.merck.com/news/fda-approves-keytruda-pembrolizumab-for-treatment-of-patients-with-resectable-t%E2%89%A54-cm-or-n-nsclc-in-combination-with-chemotherapy-as-neoadjuvant-treatment-then-continued-as-a-single/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。 

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除可能(T≧4 cmまたはN+)な非小細胞肺がん(NSCLC)に対する
術前の化学療法との併用療法と、それに続く術後のKEYTRUDA®単独療法についてFDAの承認を取得

KEYTRUDA®のNSCLCに対する適応は6件目となり、
オンコロジーポートフォリオにおける早期がんの適応を拡大

2023年10月16日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)が、切除可能(原発腫瘍4cm以上またはリンパ節転移陽性)な非小細胞肺がん(NSCLC)に対するプラチナ製剤を含む化学療法との併用療法による術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。KEYTRUDA®のNSCLCに対する適応は転移性と早期のNSCLCを合わせ6件目となります。

この承認は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)第8版によるII期、IIIA期、IIIB期(N2)の切除可能なNSCLCを対象とし、KEYTRUDA®と化学療法との併用療法による術前補助療法と、それに続く切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法を評価した第3相KEYNOTE−671試験のデータに基づいています。この試験においてKEYTRUDA®群は、プラセボ+化学療法による術前補助療法と、それに続く手術とプラセボ単独による術後補助療法と比較して、この試験の2つの主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)と全生存期間(OS)を統計学的に有意に延長しました。最初の中間解析で得られたEFSは2023年6月にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載されました。OSの詳細な結果は、スペインのマドリッドで開催される2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で2023年10月20日に発表されました。

KEYTRUDA®とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を術前補助療法として実施し、その後の切除とKEYTRUDA®を単独で術後補助療法として投与した切除可能なNSCLC患者さんにおける副作用は、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法を受けたすべての種類のがん患者さんの副作用と概ね類似していました。

重篤な、または死亡にいたる可能性のある免疫関連の有害反応は、どの器官系や組織にも発生する可能性があり、複数の体組織に同時に影響する場合があります。KEYTRUDA®による治療中または治療後のあらゆる時点で、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎、皮膚反応、実質臓器移植の拒絶反応、同種造血幹細胞移植の合併症など、免疫関連の有害反応が発生する可能性があります。ここに列記する重大な免疫関連の有害反応は、発生しうる重篤で命にかかわる免疫関連の有害反応をすべて網羅しているわけではありません。KETYRUDA®の安全な使用のためには、免疫関連の有害反応の早期発見と管理が重要です。有害反応の重症度に応じてKEYTRUDA®の投与を休薬または中止し、適宜コルチコステロイドを投与します。KEYTRUDA®は重篤な、または命にかかわるインフュージョン・リアクション(点適時の過敏症反応)を引き起こす場合があります。作用メカニズムに基づき、KEYTRUDA®は、妊婦に投与されると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

呼吸器腫瘍内科医で、スタンフォード大学医学部教授、International Association for the Study of Lung Cancer(IASLC)の元プレジデント、KEYNOTE-671試験の首席治験責任医師のHeather Wakelee博士は、「早期の非小細胞肺がん患者さんのアウトカムを改善する治療の選択肢が今も求められています。免疫療法によるレジメンでは、プラセボと化学療法によるレジメンと比較して全生存期間と無イベント生存期間が統計学的に有意に改善したことから、原発腫瘍4cm以上またはリンパ節転移のある切除可能な非小細胞肺がんの現在の治療パラダイムが変わる可能性があります」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green博士は、「KEYTRUDA®はPD-L1の発現に関わらず、早期と転移性の両方の非小細胞肺がんの治療を変え続けています。今回の承認は、一定の早期非小細胞肺がん患者さんや医療従事者に重要で新たな治療の選択肢を提供するものであり、肺がんコミュニティーにとって大きな節目となります」と述べています。

このKEYTRUDA®の承認はNSCLCに対する適応としては6件目です。KEYTRUDA®のNSCLCに対する他の5つの適応は以下のとおりです。

(1)EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴わない転移性非扁平上皮NSCLCに対する初回治療におけるペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法との併用療法

(2)転移性扁平上皮NSCLCに対する初回治療におけるカルボプラチンおよびパクリタキセルまたはタンパク結合パクリタキセルとの併用療法

(3)EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴わず、FDAが承認する検査による判定でPD-L1を発現(TPS≧1%)し、手術による切除または根治的化学放射線療法の対象とならない、または転移性のIII期NSCLCに対する初回治療における単剤療法

(4)FDAが承認する検査による判定でPD-L1を発現(TPS≧1%)し、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中または治療後に疾患進行した転移性NSCLCに対する単剤療法。EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴う場合は、これらの異常に対するFDAが承認する治療を受け疾患進行した者にKEYTRUDA®を投与

(5)IB期(T2a≧4cm)、II期、またはIIIA期のNSCLC成人患者に対する切除およびプラチナ製剤による化学療法後の術後補助療法における単剤療法

 

試験デザインについて

KEYNOTE-671試験は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)第8版による切除可能なII期、IIIA期、IIIB期(N2)のNSCLC患者さんを対象として、KEYTRUDA®と化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法を、プラセボと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較する多施設無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03425643)です。被験者は腫瘍のPD-L1発現に関係なく登録しました。治療後2年以内に全身療法を必要とする活動性の自己免疫疾患、免疫抑制を必要とする内科系疾患、ステロイドを必要とする間質性肺疾患または肺炎の既往歴のある患者さんは登録されませんでした。被験者は病期(II期、III期)、腫瘍のPD-L1発現(TPS≧50%、<50%)、組織型(扁平上皮、非扁平上皮)、地域(東アジア、東アジア以外)で層別無作為化されました。

この試験では、登録患者797名を以下のいずれかの群に1:1の割合で無作為に割り付けました。

  • 術前補助療法としてKEYTRUDA®200 mgを3週間間隔で静脈内投与し、シスプラチン75 mg/m2を1日目に静脈内投与するとともに、同じく1日目にペメトレキセド500 mg/m2を静脈内投与、またはゲムシタビン1,000 mg/m2を21日間隔のサイクルで1日目および8日目に静脈内投与。手術後4~12週以内に、KEYTRUDA®200 mgを3週間間隔で最大13サイクル静脈内投与
  • 術前補助療法としてプラセボを3週間間隔で1日目に静脈内投与し、シスプラチン75 mg/m2を1日目に静脈内投与するとともに、同じく1日目にペメトレキセド500 mg/m2を静脈内投与、またはゲムシタビン1,000 mg/m2を21日間隔のサイクルで1日目および8日目に静脈内投与。手術後4~12週以内に、プラセボを3週間間隔で最大13サイクル静脈内投与

KEYTRUDA®またはプラセボの投与は期間終了(17サイクル)まで、または、根治手術ができない疾患進行、術後補助療法期間中の疾患再発、手術未実施または不完全切除後の術後補助療法における疾患進行、または容認できない毒性が認められるまで継続しました。腫瘍の状態は術前補助療法期間中のベースライン、7週時、13週時と、術後補助療法開始前4週間以内に評価しました。また術後補助療法の開始後、3年時までは16週間ごと、その後は6か月ごとに評価しました。この試験は各治療フェーズ(術前補助療法、術後補助療法)におけるKEYTRUDA®の効果を別々に評価するためにデザインされたものではありませんでした。

有効性の主要評価項目は、OSと治験担当医師が判定するEFSでした。その他の有効性評価項目は、盲検下独立病理判定(BIPR)による病理学的完全奏効(pCR)率と病理学的奏効(mPR)率でした。

根治手術を受けたのは、KEYTRUDA®とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を実施した患者さんの81%、プラセボとプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を実施した患者さんの76%でした。

 

肺がんについて

肺がんは世界のがんの死因のトップとなっています。2020年だけでも世界で220万人以上が新たに肺がんにかかり、約180万人が死亡しました。非小細胞肺がんは肺がんの中で最も多く、すべての肺がんの約81%を占めています。米国では、肺がんと診断された患者さんの5年全生存率は25%で、過去5年で21%改善しています。生存率の改善は、早期発見と早期スクリーニング、診断や手術の進歩、新たな治療法の誕生などによるものです。しかしながらスクリーニングと早期発見は現在も重大なアンメットニーズとなっており、肺がんの44%が進行してから発見されています。米国で肺がん検診対象者のうち実際に検診を受けたのはわずか5.8%でした。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の肺がん研究について

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は、死亡率の高い肺がんの転帰を改善することを目指し治療に変革をもたらす研究を進めています。肺がん研究の最前線に立ち、世界中の36,000人以上を対象とする200件近くの臨床試験を実施しています。米国では、KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)は進行NSCLCに対する6件の適応が承認されており(詳しくは当社英文リリースをご参照ください)、95カ国以上で進行NSCLCの治療薬として承認されています。早期肺がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約20件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムについて

用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムなど一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
https://www.merck.com/news/fda-approves-keytruda-pembrolizumab-for-treatment-of-patients-with-resectable-t%E2%89%A54-cm-or-n-nsclc-in-combination-with-chemotherapy-as-neoadjuvant-treatment-then-continued-as-a-single/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下「MSD」)は本日、米国本社Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA (本社:米国ニュージャージー州ローウェイ)の関連会社Merck Sharp & Dohme LLC(以下「MSD関連会社」)が、沢井製薬株式会社(本社:大阪市淀川区)とメディサ新薬株式会社(本社:大阪市淀川区、以下「メディサ新薬」)に対し、メディサ新薬によるシタグリプチン製剤の製造販売に関する特許侵害訴訟および仮処分申請を、2023年10月6日に東京地方裁判所に提起したと発表しました。MSD関連会社は、同社が保有する特許JP3762407に関して訴状を提出しました。

当社のサイエンスとテクノロジーによって、世界初のDPP-4阻害薬であるジャヌビア®は開発・発売されました。これは、成人の2型糖尿病患者さんにとって重要な進歩でした。このようなイノベーションは、当社のような研究開発型の医薬品企業が、研究開発への投資を継続することを可能とする、確固たる創薬エコシステムの構築に貢献しています。

日本でシタグリプチンのジェネリック医薬品の承認を取得(もしくは申請)したと報道されているジェネリック企業と当社の間にライセンス契約や許諾は存在しておりません。当社は、ジャヌビア®(シタグリプチン)のすべての剤形のさまざまな側面をカバーする単数又は複数の特許が有効であると確信しています。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

 

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、日本製薬工業協会の「企業活動と医療機関等の関係の透明性ガイドライン」および「企業活動と患者団体の関係の透明性ガイドライン」に準拠した自社の指針に基づき、2022年度の医療機関等および患者団体に対する支払い情報を、本日から当社ホームページで公開いたします。

公開情報:透明性に関する指針に基づく医療機関等および患者団体に対する支払い情報

公開対象期間:2022年度(2022年1月1日~12月31日)

公開場所:MSDホームページ http://www.msd.co.jp/responsibility/transparency/index.xhtml

MSDは、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもと、研究機関、医療機関および患者団体の皆さまと連携し、公正かつ倫理的に日本の医学と科学の進歩に貢献してまいります。

以上

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Presents New Analyses Supporting the Promising Potential of Sotatercept, its Investigational Medicine for Adults with Pulmonary Arterial Hypertension(PAH)(https://www.merck.com/news/merck-presents-new-analyses-supporting-the-promising-potential-of-sotatercept-its-investigational-medicine-for-adults-with-pulmonary-arterial-hypertension-pah/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。


sotaterceptは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

肺動脈性肺高血圧症(PAH)の成人患者に対する治療薬として開発中のsotaterceptに関する
有望な最新の解析結果を発表

STELLAR試験の探索的事後解析により、sotaterceptが心血管系機能を改善できる可能性が示される

非盲検の継続投与試験(SOTERIA試験)の中間解析により、これまでで最長のsotaterceptの安全性および
有効性の結果を発表:sotaterceptの安全性プロファイルはこれまでの試験と一貫しており、
治療後1年時において有効性についても改善を維持

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.が支援するPAHに関する試験の9つのアブストラクトを
European Respiratory Society (ERS) International Congress 2023
で発表

2023年9月11日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、開発中の新規アクチビンシグナル伝達阻害剤(ASI、生物学的製剤)のsotaterceptについて、肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHO Group 1)の成人患者を対象とした試験の新たな解析結果をEuropean Respiratory Society (ERS) International Congress 2023で発表しました。第3相STELLAR試験の登録患者から得た右心カテーテル検査および心エコー検査データの新たな探索的事後解析では、基礎療法にsotaterceptを追加して24週間投与したところ、右心サイズの縮小と右室(RV)機能および血行動態の改善が示されました。この解析結果は口演発表と同時にEuropean Respiratory Journalに掲載されました。また、sotaterceptの安全性および有効性の解析としてはこれまでで最長となる第3相非盲検継続投与試験(SOTERIA試験)の中間解析の結果も発表しました。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのEliav Barr(エリアブ・バール)博士は、「PAHは最終的には命に関わる進行性の希少疾患で、この疾患を管理するための新たな治療法が喫緊に求められています。最新のデータは、STELLAR試験の臨床的に意味のある有効性データに加わるものであり、sotaterceptがPAHの治療を変革しうる可能性を改めて示したと考えています。PAHは心臓に負担がかかり、右心不全に至る疾患であるため、STELLAR試験の探索的事後解析で、sotaterceptによる治療で右心サイズと右室機能の改善が示されたことを特に嬉しく思います」と述べています。

STELLAR試験の主要な有効性の結果において、基礎療法にsotaterceptを追加したところ、24週時の6分間歩行距離(6MWD)および副次評価項目の9項目中8項目について、統計学的有意で臨床的に意味のある改善が認められ、この結果はACC.23/WCCで発表されたほかThe New England Journal of Medicineにも掲載されました。当社はsotaterceptの承認申請を米国食品医薬品局に提出しており、世界各国の規制当局にも承認申請する計画です。

ERS 2023では当社が支援するPAHに関する9つの試験について発表を行いました。これには、sotaterceptがPAH患者の疾病状態と死亡率に及ぼす長期的な影響を予測するポピュレーションヘルスモデルの口演発表(#OA740)が含まれます。

 

STELLAR試験の血行動態および心エコー検査の解析結果(Abstract #3111)

STELLAR試験の探索的事後解析において、sotaterceptが特定の血行動態パラメーターおよび右室(RV)機能に及ぼす影響を評価しました。STELLAR試験には323名のPAH成人患者を登録し、基礎療法にsotaterceptを追加して投与したsotatercept群(163名)と基礎療法のみのプラセボ群(160名)に無作為に振り分けました。スクリーニング時および24週目の来院時のデータが得られた被験者を本事後解析の対象としました。血行動態データは298名(全被験者の92%)、心エコー検査データは275名の被験者(同85%)から得ました。この解析で、24週間後において、sotatercept群では血行動態の状態およびRV機能に意味のある改善との関連が示されました。

この探索的事後解析の結果では、基礎療法にsotaterceptを追加したsotatercept群ではプラセボ群と比較して、平均肺動脈圧(−13.9 mmHg)、肺動脈コンプライアンス(0.58 mL mmHg−1)、肺血管抵抗(−254.8 dyn·s·cm−5)、平均右心房圧(−2.7 mmHg)、混合静脈血酸素飽和度(3.84%)、肺動脈エラスタンス(−0.42 mmHg mL−1 beat−1)、心エネルギー効率(0.48 mL beat−1 mmHg−1)、右室仕事量(−0.85 g·m)、右室パワー(−32.70 mmHg·L min−1)がベースラインから改善しました。心エコー検査のデータでは、三尖弁輪収縮期移動距離を収縮期肺動脈圧で割った比率(TAPSE/sPAP; 0.12 mm mmHg−1)、収縮末期および拡張末期の右室面積(それぞれ−4.39 cm2、−5.31 cm2)、三尖弁逆流の程度および右室面積変化率(2.04% p<0.050)が改善しました。TAPSE、心拍数、心拍出量/心係数、一回拍出量/一回拍出量係数についてはベースラインからの変化に有意な群間差はありませんでした。

University of Michigan in Ann Arborの医学部教授で循環器内科肺高血圧症プログラム責任者のVallerie McLaughlin博士*は、「PAHは既存の治療法があるにもかかわらず疾病状態や死亡率が高く完治が困難であるため、新たな経路を標的とする新規の治療薬が喫緊に求められています。Sotaterceptは初のアクチビンシグナル伝達阻害剤であり、PAHの本態である血管増殖を調節できることが示されています。今回のデータは探索的なものであるものの、sotaterceptが一定の右室機能やそのサイズを改善できる可能性を示す初めての臨床的なエビデンスです。この良好なデータは、STELLAR試験の主な解析結果に加わるものであり、sotaterceptがPAHの治療に関して重要な役割を担いうることが改めて示されました」と述べています。

 

SOTERIA試験の結果(Abstract #OA739)

SOTERIA試験(NCT04796337)は、これまでに実施されたsotaterceptを基礎療法に追加した臨床試験を早期中止せずに完了したPAH患者を対象とし、長期的な安全性、忍容性、有効性を評価する、進行中の非盲検継続投与試験です。SOTERIA試験の主要評価項目は長期的な安全性および忍容性です。副次評価項目は、sotaterceptの持続的な有効性で、6MWD、ヒト脳性ナトリウム利尿ペプチド前駆体N端フラグメント(NT-proBNP)、WHO機能分類(FC)、肺血管抵抗、全生存期間、簡易French Riskスコアにより測定されます。

Pulmonary Hypertension Center責任者でTufts University医学部准教授のIoana Preston博士は、「SOTERIA試験ではsotaterceptのより長期的な安全性と有効性の重要な知見が得られました。この結果は、PAHの治療におけるsotaterceptの持続的な臨床上のベネフィットと安全性の可能性を示しています」と述べています。

2023年4月20日のデータカットオフ日の時点で409名がSOTERIA試験に登録していました。全被験者を対象に安全性が評価されました。Sotaterceptの投与期間の中央値は、SOTERIA試験組み入れ前のsotatercept臨床試験期間におけるsotatercept投与期間を含め、462日(範囲:21〜1,762日)でした。SOTERIA試験におけるsotaterceptの投与期間の中央値は189日でした。プラセボから移行した被験者は143名でした。

Sotaterceptの忍容性は良好で、安全性プロファイルはこれまでの試験と類似していました。被験者の98.5%が中間解析の時点で治療を受けていました。治験薬投与後の有害事象(TEAE)が被験者の81.7%(n=334/409)に発生しました。重篤なTEAEは19.3%の被験者に発生しましたが、治療中止(1.5%; n=6/409)または死亡(1.0%; n=4/409)に至った例はわずかでした。また、被験者の22.7%(n=93/409)に毛細血管拡張症のイベントが発生しました。重篤な毛細血管拡張症のイベントは0%、毛細血管拡張症による治療の中止は0%、毛細血管拡張症による減薬または休薬は1%でした。臨床的悪化イベントについても確認しました。9件の臨床的悪化イベントが7名の被験者(1.7%)に発生しました。

SOTERIA試験の24週時における臨床的な有効性の評価項目の改善は非盲検試験期間中の1年時において維持されていました。SOTERIA試験で1年間投与を継続した131名の被験者を対象に、1年時の有効性を評価しました。被験者の大半はsotaterceptの第2相PULSAR試験およびSPECTRA試験から移行しました。24週時における6MWD(20.2 ±66.5 m)およびNT-proBNP(−374.9 ±1479.4 pg/mL)のベースラインからの平均変化(SD)は、1年時において概ね維持されていました(それぞれ10.9 ±73.6 m、−227.2 ±1580.1 pg/mL)。24週時においてベースラインからWHO FC IIの改善または維持が認められた被験者の割合(77.2%)は1年時においても類似していました(76.3%)。French Riskスコアにおいて低リスクスコア(WHO-FC I/II、6MWD >440 m、NT-proBNP <300 pg/mL)を達成した被験者は24週時で30.1%、1年時で37.4%でした。

全被験者のPAHの基礎療法の変更についても確認しました。プロスタサイクリン製剤を投与していた全被験者272名中29名(10.7%)がプロスタサイクリンを減薬しました。プロスタサイクリン注射剤を投与していた患者154名中22名(14.3%)がプロスタサイクリンを減薬しました。その他のPAH治療薬を投与していた被験者406名中21名(5.2%)がその他のPAH治療薬を減薬し、19名(4.6%)がその他のPAH治療薬を増薬しました。2023年4月20日の時点で8名の被験者がプロスタサイクリン製剤の投与を完全に中止しました。

 

発表の概要

当社が支援するPAH、sotaterceptおよび吸入型可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬として開発中のMK-5475についての試験および解析が、ERS International Congress 2023で以下の通り発表されました。

臨床試験

  • Effects of Sotatercept on Haemodynamics and Right Heart Function: Analysis of STELLAR Trial; Marius M. Hoeper; Abstract #3111(Sotaterceptの血行動態および右室機能に対する影響:STELLAR試験の解析)
  • Sotatercept for the Treatment of PAH: An Update; Marius M. Hoeper; Abstract #807(PAH治療薬sotatercept:最新情報)
  • Late Breaking Abstract – A Long-Term Follow-Up (LTFU) Study of Sotatercept for Pulmonary Arterial Hypertension (PAH); Ioana R. Preston; Abstract #807(Late Breakingアブストラクト―肺動脈性高血圧症(PAH)に対するsotaterceptの長期フォローアップ試験)
  • A Randomized Study to Evaluate the Effects of Single-Dose MK-5475 Co-Administered with Sildenafil on Systemic Hemodynamics; Mahesh J. Patel; Abstract #PA1208(MK-5475をシルデナフィルと併用で単回投与した際の全身血行動態に対する影響を評価する無作為化試験)

ポピュレーションヘルスおよびリアルワールドエビデンス

  • Population Health Model Predicting the Long-Term Impact of Sotatercept on Morbidity and Mortality in Patients with Pulmonary Arterial Hypertension (PAH); Vallerie McLaughlin; Abstract #OA740(Sotaterceptが肺動脈性高血圧症(PAH)患者の疾病状態と死亡率に及ぼす長期的な影響を予測するポピュレーションヘルスモデル)
  • Concordance between physician and patient reported presence of symptoms in patients with pulmonary arterial hypertension in the US, Europe and Japan; Rogier Klok; Abstract #PA3966(米国、欧州、日本における肺動脈性高血圧症患者の症状に対する医師と患者間での認識の一致率)
  • Diagnosing pulmonary arterial hypertension in the Real World; Rogier Klok; Abstract #PA1190(リアルワールドにおける肺動脈性高血圧症の診断)
  • End-of-life healthcare resource utilization and costs in patients with PAH: a real-world analysis; Dominik Lautsch; Abstract #PA1195(PAH患者の終末期ケアにおける医療リソースの活用とコスト:リアルワールド解析)
  • Health related quality of life in pulmonary arterial hypertension in the US, Europe and Japan; Rogier Klok; Abstract #PA3969(米国、欧州、日本における肺動脈性高血圧症の健康関連QOL)

* McLaughlin博士はSTELLAR試験の治験責任医師であり、当社の顧問として報酬を受けています。

 

肺動脈性肺高血圧症(PAH)について

肺動脈性肺高血圧症(PAH)は、肺小動脈の狭窄と肺循環系の血圧上昇を特徴とする進行性の命に関わる希少疾患です。PAH患者数は米国では約40,000人です。速く進行してしまうケースも多くあります。PAHにより心臓に非常に大きな負担がかかり、身体活動の制約、心不全、平均余命の短縮につながります。PAHの5年死亡率は約43%です。

 

Sotaterceptについて

SotaterceptはPAH(WHO Group 1)の治療薬として開発が進められている、ファーストインクラスとして期待されるアクチビンシグナル伝達阻害剤の生物学的製剤です。PAHは肺の動脈壁の細胞の過剰増殖などが原因で、血管が異常に狭くなる狭窄が起こる希少疾患です。前臨床モデルで、sotaterceptは血管細胞増殖を調節し、血管および右室のリバースリモデリングをもたらすことが示されています。

Sotaterceptの臨床開発プログラムには、STELLAR試験およびSOTERIA試験のほか、幅広い患者を対象とする複数の第2相および第3相試験があります。また、疾患進行または死亡のリスクが中〜高リスクのPAH(WHO Group 1)や、左心性心疾患に伴う肺高血圧症(WHO Group 2)の成人患者を対象とする試験も実施しています。

当社は、Acceleron Pharma Inc.の買収により、肺高血圧症領域におけるsotaterceptの排他的権利を取得しています。SotaterceptはBristol Myers Squibbとのライセンス契約の対象です。

 

MK-5475について

MK-5475は低分子の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬のドライパウダー製剤として開発を進めており、吸入することで肺を経由して肺動脈循環系に薬剤を到達させます。MK-5475は肺血管のsGCを刺激することで、血管を弛緩、拡張させることが期待されます。現在、PAHの治療薬として第2/3相試験が進行しているほか、慢性閉塞性肺疾患に伴うPHの治療薬として第2相試験を実施しています。

 

当社の心血管疾患に対する取り組み

当社は長年にわたり心血管疾患の治療に貢献してきました。60年以上前に心血管疾患の初の治療薬を提供して以来、心血管関連の疾患に対する理解を深めるための研究を進めてきました。心血管疾患は21世紀において今なお最も深刻な医療上の課題の一つとなっています。心血管疾患により、世界中で毎年約1800万人が死亡し、米国では36秒ごとに1人死亡しています。

心血管疾患の治療の進展により世界中の患者さんに大きく貢献することが可能です。当社は創薬から承認取得、ライフサイクルマネジメントまで研究のあらゆる段階で優れた革新的なサイエンスを追求します。心血管領域および肺領域の専門家と幅広く連携し、世界中の患者さんの生活の改善に向けた研究を進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Long-Term Follow-up Data on Sustained Immunogenicity and Safety for GARDASIL®9 Published in Pediatrics(https://www.merck.com/news/long-term-follow-up-data-on-sustained-immunogenicity-and-safety-for-gardasil9-published-in-pediatrics/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

GARDASIL® 9は、日本ではシルガード® 9として、9歳以上の女性における、HPV6、11、16、18、31、33、45、52及び58型の感染に起因する子宮頸癌(扁平上皮癌及び腺癌)及びその前駆病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)1、2及び3並びに上皮内腺癌(AIS))、外陰上皮内腫瘍(VIN)1、2及び3並びに腟上皮内腫瘍(VaIN)1、2及び3)、尖圭コンジローマの予防の効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

GARDASIL®9の持続的な免疫原性と安全性に関する長期フォローアップ試験のデータを
医学雑誌Pediatricsで公表
9〜15歳でワクチンを接種した女児・男児を10年間追跡したデータでは、
特定のHPV関連の高度病変、試験対象のがんや尖圭コンジローマの発生は認められず

2023年9月5日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、9〜15歳の時にGARDASIL®9(組換え9価ヒトパピローマウイルスワクチン)を3回接種した女児および男児に対する10年にわたる長期フォローアップ試験のデータが、査読付き医学雑誌のPediatricsで公表されたことを発表しました。この長期フォローアップ試験は2009年から2021年まで、5大陸13カ国で実施されました。

当社研究開発本部のシニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者、最高メディカル責任者のEliav Barr(エリアヴ・バー)博士は、「これらのデータは、特定のHPV関連のがんや疾患の予防において、GARDASIL®9が後年まで重要な役割を果たすことを浮き彫りにしています。HPV関連がんや疾患は公衆衛生上の重大な問題となっています。今回の良好な試験結果は、すべての対象者を特定のHPV関連がんから守るため、世界的な接種率の向上と回復に向けて、あらゆる手段を講じていく必要があることを再認識させるものです。」と述べています。

米国では、GARDASIL®9は、9〜45歳の女性におけるHPV 16、18、31、33、45、52、58型に起因する子宮頸がん、外陰がん、腟がん、肛門がん、中咽頭がん、その他の頭頸部がん、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に起因する子宮頸部、外陰、腟、肛門の前がん病変または異形成病変、HPV 6、11型に起因する尖圭コンジローマを予防する適応が承認されています。またGARDASIL®9は、9~45歳の男性におけるHPV 16、18、31、33、45、52、58型に起因する肛門がん、中咽頭がん、その他の頭頸部がん、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に起因する肛門の前がん病変または異形成病変、HPV 6、11型に起因する尖圭コンジローマを予防する適応が承認されています。中咽頭がんおよび頭頸部がんの適応症は、HPV関連の肛門性器部疾患の予防における有効性に基づいて迅速承認されました。この適応症の承認維持の条件として、検証試験による臨床的有用性の確認および説明が必要となる場合があります。この検証試験は現在進行中です。GARDASIL®9は、酵母に対し、または以前のGARDASIL®9またはGARDASIL®[組換え4価(6、11、16、18型)ヒトパピローマウイルスワクチン]の接種後に重度のアレルギー反応などが見られた者など、過敏症のある者には禁忌です。

GARDASIL®9は子宮頸がんの約80%の原因となるHPV型を標的としています。また、HPVは尖圭コンジローマおよび一部の外陰がん、腟がん、肛門がんの原因となっています。ほとんどの場合HPVは感染しても自然に消失しますが、消失しない場合、特定のがんや疾患につながることがあります。

主要評価項目の免疫原性では、男児・女児において3回目の接種から10年の時点でHPV抗体反応が持続していることが示されました。抗体価の幾何平均を用いた抗体の評価において、GARDASIL®9に含まれるすべてのHPV型で値が7カ月時に最大となり、その後126カ月にかけて低下しました。被験者の大半が試験終了時に抗体陽性を維持し、HPV-9競合的Luminex®イムノアッセイ(cLIA)では、99.6%から100%の被験者がワクチンに含まれるHPV型に対し7カ月時において血清陽性で、81.3%から97.7%が126カ月時において血清陽性を維持しました。HPV-9免疫グロブリンG Luminexイムノアッセイ(IgG-LIA)では、94.9%から100%の被験者が126カ月時において血清陽性でした。

本試験の副次評価項目として、ワクチンに含まれるHPV型の持続感染および関連疾患の発生率を、per-protocol解析集団の男女被験者で評価しました。女児被験者は3回目の接種後、最長11.0年(中央値は10.0年)追跡し、男児被験者は3回目の接種後、最長10.6年(中央値は9.9年)追跡しました。

  • 女児においては、ワクチンに含まれるHPV型による高度病変(子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)2/3、上皮内腺がん(AIS)、外陰上皮内腫瘍(VIN)、腟上皮内腫瘍(VaIN))、特定のがん(子宮頸がん、外陰がん、腟がん)、尖圭コンジローマの発生は認められませんでした。
  • 84カ月時において、HPV 16、39、59型陽性のCIN1の症例が1件認められました。その後の来院で子宮頸部細胞診の結果は陰性となりました。
  • 男児においては、ワクチンに含まれるHPV型による疾患(陰茎上皮内腫瘍(PIN))、試験対象の特定のがん(陰茎、会陰、肛門周辺)、尖圭コンジローマの発生は認められませんでした。GARDASIL®9はHPV関連のPIN、陰茎がん、会陰や肛門周辺のがんの予防の適応は承認されていません。

この長期フォローアップ試験の期間中、GARDASIL®9関連の重篤な有害事象または死亡は報告されませんでした。長期フォローアップ試験の中止に至った最も主な理由は、被験者による脱落または追跡不能でした。

性交渉のあるほとんどの男女が生涯のうちにHPVに感染します。ほとんどの場合HPVは自然に消失しますが、消失しない場合、特定のがんや疾患につながることがあります。CDCの推定によると、米国では2015年から2019年にかけ、毎年数万人が特定のHPV関連がんと診断されました。世界では、子宮頸がんが女性において4番目に多いがんとなっています。HPV保持者ががんなどを発症するかどうかを知る方法はありません。子宮頸がん以外のHPV関連のがんで推奨されている定期検診はありません。

 

本試験について

9〜15歳の男児および女児を対象とするGARDASIL®9の第3相免疫原性試験を延長し、GARDASIL®9の最終接種から10年にわたり免疫原性を評価する長期フォローアップ試験を実施しました。この長期フォローアップ試験は、ベルギー、ブラジル、コロンビア、コスタリカ、ペルー、ポーランド、南アフリカ、韓国、スペイン、スウェーデン、台湾、タイ、米国の13カ国・地域の40施設で実施されました。試験には1,272名(女児971名、男児301名)を登録しました。per-protocol解析集団は、1年以内にGARDASIL®9の接種を完了し、接種の開始時にワクチンに含まれるHPV型に対し血清陰性で、GARDASIL®9の3回目の接種を性交渉開始前に受けた女児872名、男児262名でした。

この長期フォローアップ試験の主要評価項目では、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型に対する抗体反応を、GARDASIL®9の3回目の接種から10年後までを評価しました。副次評価項目では、HPV 6、11、16、18、31、33、45、52、58型の持続感染(6カ月以上、来院許容範囲±1カ月)および関連疾患の複合評価項目の長期的な発生率を予測しました。この長期フォローアップ試験期間中の安全性については、全死亡例とワクチン関連の重篤な有害事象を評価しました。

 

GARDASIL®9の適応症、安全性情報、用法・用量について

適応症、安全性情報、用法・用量など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
https://www.merck.com/news/long-term-follow-up-data-on-sustained-immunogenicity-and-safety-for-gardasil9-published-in-pediatrics/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

GARDASIL®9(組換え9価ヒトパピローマウイルスワクチン)の処方については下記をご覧ください。
https://www.merck.com/product/usa/pi_circulars/g/gardasil_9/gardasil_9_pi.pdf

GARDASIL®9の患者向け情報/服薬ガイドについては下記をご覧ください。
https://www.merck.com/product/usa/pi_circulars/g/gardasil_9/gardasil_9_ppi.pdf


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck Announces WELIREG® (belzutifan) Phase 3 LITESPARK-005 Trial Met Primary Endpoint of Progression-Free Survival in Certain Previously Treated Patients With Advanced Renal Cell Carcinoma https://www.merck.com/news/merck-announces-welireg-belzutifan-phase-3-litespark-005-trial-met-primary-endpoint-of-progression-free-survival-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-cell-carcinoma/ の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

WELIREG®(belzutifan)は日本国内では開発中の段階です。  


参考資料

WELIREG®(belzutifan)、前治療歴のある進行腎細胞がんを対象とした第3相LITESPARK-005試験で、
無増悪生存期間の主要評価項目を達成

WELIREGがエベロリムスと比較して有意にPFSを延長
LITESPARK-005試験はWELIREGの良好な結果を示した最初の第3相無作為化比較試験となる

2023年8月18日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤WELIREG(belzutifan)を評価する第3相LITESPARK-005試験のトップラインの結果を発表しました。これはWELIREGの良好な結果を示した最初の第3相無作為化比較試験となります。LITESPARK-005試験は、PD-1/L1チェックポイント阻害薬と血管内皮細胞増殖因子チロシンキナーゼ阻害薬(VEGF-TKI)による治療後に進行した成人の腎細胞がん(RCC)の治療薬としてWELIREGを評価する試験です。本試験の独立データモニタリング委員会による事前に規定された中間解析の結果、WELIREGは、エベロリムスと比較して無増悪生存期間(PFS)について統計学的に有意かつ臨床的に意味のある延長が認められました。また、この試験の主な副次評価項目である客観的奏効率(ORR)についても統計学的有意差が認められました。もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても改善傾向が認められましたが、統計学的に有意ではありませんでした。OSについては今後も解析を続けていきます。この試験におけるWELIREGの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。この結果は今後の主要関連学会で発表するとともに、規制当局に提出してまいります。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green博士は、「進行RCCは生存率が低く、PD-1/L1とVEGF-TKIによる治療後に進行した患者さんに対する治療として、疾患進行または死亡のリスクを低減するための新たな選択肢が求められています。本試験は、PD-1/L1とVEGF-TKIによる治療後に進行したRCCに対する良好な結果を示した最初の第3相試験であり、ここ数年において、WELIREGは進行RCCに対する効果が期待できる新たな作用機序を有する薬剤です。この結果を規制当局と協議していきたいと考えています」と述べています。

WELIREGは米国で初めて承認されたHIF-2α阻害剤です。第2相LITESPARK-004試験のORRおよび奏効期間(DOR)のデータに基づき、現在、米国、英国、カナダ、その他数カ国で、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴うRCC、中枢神経系血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(治療が必要なものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。その他の国々でもLITESPARK-004試験に基づき規制当局による承認審査が行われています。

LITESPARK-005試験は、RCCを対象としてWELIREGを評価する4件の第3相試験からなる包括的な開発プログラムの1つです。このほかに、進行RCC対する二次治療を対象としたLITESPARK-011、一次治療を対象としたLITESPARK-012試験および術後補助療法を対象としたLITESPARK-022試験があります。

 

LITESPARK-005試験について

LITESPARK-005試験は、PD-1/L1およびVEGF-TKIによる治療(順次または同時)後に進行したRCCの治療として、WELIREGをエベロリムスと比較評価する無作為化非盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04195750)です。2つの主要評価項目はPFSとOSです。副次評価項目はORR、DOR、安全性、忍容性などです。この試験では746名の患者さんを、WELIREG120mgを1日1回経口投与する群と、エベロリムス10mgを1日1回経口投与する群に無作為に割り付けました。

 

腎細胞がんについて

腎細胞がん(RCC)は腎臓がんの中で圧倒的に多いタイプで、腎臓がんの約9割を占めています。男性に多く、女性の2倍多く見られます。RCCはほとんどの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。米国では、腎臓がんの約15%が進行がんの段階で診断されています。

 

WELIREG®錠(belzutifan)40 mg(経口)について

米国での適応症

WELIREG(belzutifan)はフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴う腎細胞がん(RCC)、中枢神経系(CNS)血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(pNET)(治療を必要とするものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。

 

WELIREG®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/merck-announces-welireg-belzutifan-phase-3-litespark-005-trial-met-primary-endpoint-of-progression-free-survival-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-cell-carcinoma/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

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