LYNPARZA®+アビラテロンで最も高頻度に認められた有害事象(AE、20%以上)は、貧血(46%)、疲労(37%)、悪心(28%)でした。グレード3以上のAEは、貧血(15%)、高血圧(4%)、尿路感染(2%)、疲労(2%)、食欲減退(1%)、嘔吐(1%)、背部痛(1%)、下痢(1%)、悪心(0.3%)でした。LYNPARZA®とアビラテロンの併用療法群では約14%の患者がAEにより治療を中止しました。探索的評価項目として健康関連QOLを、前立腺がん患者報告アウトカムの尺度であるFACT-P(Functional Assessment of Cancer Therapy-Prostate)を用いて、長期的に評価しました。二群間でQOLの低下は認められませんでした。
University of Montreal Hospital Centerの泌尿器科責任者で泌尿器がん部門ディレクターであり治験責任医師であるFred Saad教授は、「転移性去勢抵抗性前立腺がんの予後が非常に悪いことは明らかであり、多くの患者さんは有効な治療として一次治療しか受けられません。PROpel試験の結果、オラパリブとアビラテロンの併用療法により、アビラテロンと比較して疾患進行を8カ月以上と大幅に遅らせることが示され、この併用療法が承認されれば、転移性去勢抵抗性前立腺がん患者さんの新たな標準療法の選択肢となる可能性があります」と述べています。
当社とRidgeback社は、軽症から中等症の入院していない重症化リスクの高い新型コロナウイルス感染症の成人患者を対象として経口抗ウイルス薬モルヌピラビルを評価する第3相臨床試験であるMOVe-OUT試験の結果がNew England Journal of Medicineに掲載されたことを発表。MOVe-OUT試験のデータでは、重症化リスクの高い、ワクチン未接種の新型コロナウイルス感染症の成人患者に早い段階でモルヌピラビルを投与することで、入院または死亡のリスクが有意に低下することが無作為化された被験者の中間解析で判明。
当社とアストラゼネカ社は、Lynparzaが、第3相OlympiA試験の結果に基づき、術前または術後に化学療法による治療歴を有する生殖細胞系列BRCA変異陽性でHER2陰性の高リスク早期乳がん患者に対する術後補助療法として、医薬品承認事項変更申請(sNDA)が受理され、優先審査に指定されたことを発表。処方薬ユーザーフィー法(Prescription Drug User Fee Act, PDUFA)による審査終了目標日は、2022年度第1四半期中。
HIV-1感染症に対する曝露前予防(PrEP)を目的として開発中のイスラトラビル(MK‑8591)の経口剤および埋込型製剤、HIV-1感染症の治療および予防を目的として開発中のイスラトラビルの注射剤、HIV-1感染症に対するドラビリン/イスラトラビルの1日1回の経口剤のInvestigational New Drug Application(IND)について、FDAがfull clinical holdまたはpartial clinical holdを発表。このFDAによるclinical holdは、治験においてイスラトラビルを投与した患者の一部に総リンパ球数およびCD4陽性T細胞数の減少が認められたことに基づく。当社はこれまでに、イスラトラビルとMK-8507の併用を評価する第2相臨床試験IMAGINE-DR(MK-8591-013)における投与を中止し、月1回投与のPrEPの第3相試験(MK-8591-022およびMK-8591-024)の患者登録を一時中止したことを発表(発表内容はこちらとこちらをご覧ください)。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.研究開発本部のプレジデント、Dean Y. Li博士は、「現在世界で最も広がっているオミクロン株に対するモルヌピラビルの抗ウイルス活性が、複数の独立したin vitro試験において一貫して示されたことで、モルヌピラビルが、重症化のリスクの高い軽症から中等症の新型コロナウイルス感染症の成人患者さんに対する重要な治療の選択肢となりうることがさらに示されました。重要なデータをご提供くださる治験責任医師の皆さん、そしてモルヌピラビルを適切な患者さんに広く提供できるよう世界中の規制当局と連携して取り組む当社の社員に感謝しています」と述べています。
in vitro試験は、ベルギー、チェコ共和国、ドイツ、ポーランド、オランダ、米国を含む6カ国の機関の研究者により別々に実施されました。試験では、一般的なセルベースアッセイを用い、モルヌピラビルおよびその他の新型コロナウイルス感染症に対する抗ウイルス薬について、オミクロン株を含むSARS-CoV-2の懸念される変異株(VOC: variants of concern)に対する抗ウイルス活性を評価しました。臨床試験ではモルヌピラビルのオミクロン株に対する効果は試験が実施されていません。非臨床試験について詳しくは文末をご覧ください。。
その他の懸念される変異株について すでにお知らせしているとおり、第3相MOVe-OUT試験の結果がNew England Journal of Medicine誌に掲載されました。MOVe-OUT試験では、モルヌピラビルによる治療の効果は、懸念されるSARS-CoV-2変異株である、デルタ株、ガンマ株、ミュー株の感染患者など、全ての重要な患者サブグループで概ね一貫していました。無作為化された全被験者のうちウイルスのシーケンスデータを得られた被験者(55.3%)において最多のSARS-CoV-2変異株は、デルタ株(58.1%)、ミュー株(20.5%)、ガンマ株(10.7%)でした。
供給契約:米国食品医薬品局の緊急使用許可または承認取得後に、約310万コース分のモルヌピラビルを米国政府に供給する調達契約を米国政府と締結しました。米国保健福祉省(HHS: Health and Human Services)では、緊急使用許可を受け、政府が調達した新型コロナウイルス感染症治療薬の出荷先を医療機関が閲覧できるウェブサイトを開設しています。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.はまた、モルヌピラビルを承認取得後に供給する事前調達契約をオーストラリア、カナダ、韓国、日本、タイ、英国、米国など世界中の30以上の市場の政府と締結しており、その他政府とも協議を進めています。世界銀行による国の所得基準に基づき、パンデミックの公衆衛生対策における各国の相対的な経済力に応じて段階的な価格設定を採用しています。
モルヌピラビルは18歳未満の患者、新型コロナウイルス感染症の入院患者に対する使用は認められていません。新型コロナウイルス感染症による入院後に治療を開始した場合のモルヌピラビルの治療ベネフィットはまだ確認されていません。モルヌピラビルは連続5日間を超えての使用は認められていません。モルヌピラビルは新型コロナウイルス感染症の曝露前または曝露後予防における使用は認められていません。モルヌピラビルの各患者さんに対する処方は、医師、高度実践看護師(advanced practice registered nurse)、州法によりモルヌピラビルが分類される種類の薬剤(抗感染症薬)を処方する資格または許可を有するフィジシャン・アシスタントのみが行うことができます。
Dabrowska A, Szczepanski A, Botwina P, et al. Efficacy of Antiviral Drugs against the Omicron Variant of SARS-CoV-2. Available as a preprint on bioRxiv.
Remdesivir, Molnupiravir and Nirmatrelvir remain active against SARS-CoV-2 Omicron and other variants of concern. Available as a publication on Antiviral Research.
Rosales R, McGovern BL, Rodriguez ML, et al. Nirmatrelvir, Molnupiravir, and Remdesivir Maintain Potent in Vitro Activity against the SARS-CoV-2 Omicron Variant. Available as a preprint on bioRxiv.
Li P, Wang Y, Lavrijsen M, et al. SARS-CoV-2 Omicron variant is highly sensitive to molnupiravir, nirmatrelvir, and the combination. Available as a Letter to the Editor on Cell Res.
Bojkova D, Widera M, Ciesek S, Wass MN, Michaelis M, Cinatl J. Reduced interferon antagonism but similar drug sensitivity in Omicron variant compared to Delta variant of SARS-CoV-2 isolates. Available as a Letter to the Editor on Cell Res.
Takashita E, Kinoshita N, Yamayoshi S, et al. Efficacy of antibodies and antiviral drugs against Covid-19 Omicron Variant. Available as a Letter to the Editor on N Engl J Med.
共同治験責任医師で英国ロンドンのThe Royal Marsden, NHS Foundation TrustおよびImperial CollegeのMary O’Brien教授は、「早期のNSCLCのほとんどの患者さんでは、まず手術を行うことが最も重要な治療と広く考えられています。一方で、手術を受けた患者さんの43%が再発すると推定されています。KEYNOTE-091試験では、IB〜IIIA期のNSCLCのすべての患者さんにおいて、KEYTRUDA®による術後補助療法により、術後の再発または死亡のリスクの低下が示されました」と述べています。
共同治験責任医師でスペインのマドリッドにあるHospital Universitario Doce de Octubreの腫瘍内科部長のLuis Paz-Ares博士は、「肺がんは世界的にがんによる死亡の上位を占めており、肺がんの早期発見、早期治療は非常に重要です。術後補助療法の目的は、術後のがん再発リスクを抑制することです。KEYTRUDA®をより早期のNSCLCに使うことで、IB〜IIIA期のNSCLC患者さんの術後の再発リスクを抑えられる可能性があります」と述べています。
European Organisation for Research and Treatment of Cancer(EORTC)は、欧州全域の臨床がん研究の専門家が集結し、がん患者の生存期間の延長とQOLの向上に向け、よりよい治療を目指す非政府非営利団体です。橋渡し研究や大規模な前向き多施設共同第3相臨床試験において、新たな治療薬や治療戦略、患者のQOLを評価しており、その活動の指揮はベルギーのブリュッセルにある独自の国際臨床研究施設であるEORTC本部で行われます。
European Thoracic Oncology Platform(ETOP)は、欧州で胸部悪性腫瘍領域における交流と研究を推進する組織で、スイスのベルンに拠点を置く非営利団体です。2009年以来、胸部悪性腫瘍領域のあらゆる分野の国際的なリーダーが集まり、欧州その他の20カ国の多様な団体や機関と連携して臨床試験や橋渡し研究を拡大してきました。
*2日本で一般的に使用されている重症度分類とは異なる。COVID-19の重症度は、米国FDA によるCOVID-19: Developing Drugs and Biological Products for Treatment or Prevention Guidance for Industry(2020年5月)、WHO COVID-19 Case definition 及び米国疾病予防管理センター(CDC)により示されている分類に基づく。