報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Significantly Improved Overall Survival (OS) Versus Placebo as Adjuvant Therapy for Certain Patients With Renal Cell Carcinoma (RCC) Following Nephrectomy (https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-significantly-improved-overall-survival-os-versus-placebo-as-adjuvant-therapy-for-certain-patients-with-renal-cell-carcinoma-rcc-following-nephrectomy/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、腎摘除術後の特定の腎細胞がん(RCC)に対する術後補助療法として、
プラセボと比較して全生存期間(OS)を有意に延長

KEYTRUDA®、腎摘除術後の再発リスクの高いRCCに対する術後補助療法として
初めてOSを統計学的に有意に延長

KEYNOTE-564試験で、既報の無病生存期間(DFS)の有意な延長に加え、OSのデータが新たに追加

2023年11月1日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®を評価する第3相KEYNOTE-564試験で、腎摘除術後の再発リスクが中~高度(intermediate-high)もしくは高度(high)、または腎摘除術および転移巣切除術後の腎細胞がん(RCC)患者さんに対する術後補助療法として、重要な副次評価項目の全生存期間(OS)の延長を達成したことを発表しました。独立データモニタリング委員会による事前に規定された中間解析評価に基づき、KEYTRUDA®はプラセボと比較してOSの統計学的に有意かつ臨床的に意味のある改善を示しました。KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験における安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。この結果は今後、医学学会で発表し、規制当局に提出してまいります。KEYTRUDA®で早期がんに対するOSの延長が認められたのは、先日の2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で発表したKEYNOTE-671試験における早期(II期、IIIA期、IIIB期)非小細胞肺がんのデータに続き、2件目です。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者かつシニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「当社は複数の早期がんに対するKEYTRUDA®の可能性を評価しており、疾患の再発を抑制し、究極的にはOSを延長できると期待しています。KEYNOTE-564試験の新たな結果は注目に値するものであり、手術後の再発リスクの高いRCCの患者さんに対し、プラセボと比較してOSが統計学的に有意に延長した初の試験となります。この試験では優れたDFSの結果も得られており、これに基づき、このKEYTRUDA®レジメンは世界中で承認されています」と述べています。

すでに報告されているとおり、KEYNOTE−564試験では、事前に規定した中間解析、フォローアップ期間の中央値23.9カ月の時点で、主要評価項目であるDFSの延長を達成し、疾患の再発または死亡のリスクがプラセボと比較して32%(HR=0.68 [95% CI, 0.53-0.87]; p=0.0010)低下しました。このDFSの結果は2021年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で初めて発表され、米国、欧州連合、日本やその他世界各国でKEYTRUDA®がRCCの術後補助療法として承認される裏付けとなりました。

当社はRCC領域における幅広い臨床開発プログラムを実施しており、キイトルーダの単剤療法および併用療法に加え、経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤であるWELIREG®(belzutifan)といったいくつかの他の治験薬や既承認薬について、術後補助療法および進行がんを含む多彩なステージを対象に開発を進めています。

 

KEYNOTE-564試験について

KEYNOTE-564試験は、腎摘除術後の再発リスクが中~高度(intermediate-high)もしくは高度(high)、またはM1 NED(M1 no evidence of disease)のRCC患者さんに対する術後補助療法としてKEYTRUDA®を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03142334)です。主要評価項目は、治験担当医師が評価したDFSで、副次評価項目はOSや安全性などです。この試験では、994名の登録患者を、KEYTRUDA®群(3週間サイクルの初日に200 mgを静脈内投与し最大17サイクル継続)またはプラセボ群(3週間サイクルの初日に生理食塩水を静脈内投与し最大17サイクル継続)に無作為に割り付けました。

 

腎細胞がんについて

腎細胞がんは、腎臓における最も発生頻度の高いがんで、腎がんの約9割を占めるとされています。男性は女性の約2倍の頻度で発症するとされています。腎細胞がんは、多くの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。腎細胞がんは再発リスクが高く、新たに診断された患者さんの4割近くが手術後5年以内に再発します。2023年には、米国で約81,800人が新たに腎がんと診断され、約14,900人が死亡すると推定されます。世界では2020年に約431,000人が新たに腎がんと診断され、179,000人以上が死亡したと推定されます。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした25件以上の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-significantly-improved-overall-survival-os-versus-placebo-as-adjuvant-therapy-for-certain-patients-with-renal-cell-carcinoma-rcc-following-nephrectomy/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが2023年10月26日付(米国東部時間)で発表した2023年度第3四半期決算のプレスリリースMerck Announces Third-Quarter 2023 Financial Resultsを日本語に翻訳したもので、内容および解釈については英語が優先されます。

以下の医療用医薬品は、日本国内で発売しております。カナ表記は括弧内をご参考ください。 BRIDION®(ブリディオン®)、GARDASIL®(ガーダシル®)、GARDASIL®9(日本ではシルガード®9)、JANUVIA®(ジャヌビア®)、KEYTRUDA®(キイトルーダ®)、LAGEVRIO®(ラゲブリオ®)、Lenvima®(レンビマ®)、Lynparza®(リムパーザ®)、 PNEUMOVAX ®23(ニューモバックス®NP)、PREVYMIS®(プレバイミス®)、VAXNEUVANCE®(バクニュバンス®


参考資料

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA
2023年度第3四半期決算発表

  1. オンコロジーおよびワクチン領域における持続的な成長を反映
  2. 2023年度第3四半期の全世界売上高は、前年同期比7%増の160億ドル。LAGEVRIOの売上を除き6%増の成長。LAGEVRIOの売上および為替変動の影響を除き8%増の成長
    1. KEYTRUDAの売上高は、17%の成長で63億ドル(為替の影響を除き17%増)
    2. GARDASILおよびGARDASIL 9の売上高は、13%の成長で26億ドル(為替の影響を除き16%増)
    3. LAGEVRIOの売上高は、47%の成長で6億4,000万ドル(為替の影響を除き51%増)
  3. 2023年度第3四半期のGAAPベースのEPSは1.86ドル、non-GAAPベースでは2.13ドル
  4. 臨床開発ステージにある3つの抗体薬物複合体(ADC)に関して第一三共との提携契約を発表
  5. KEYNOTE-671試験に基づき、特定の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する化学療法を併用した周術期療法としてFDAからKEYTRUDAの承認を取得
  6. Sotaterceptに関する生物製剤承認申請をFDAが優先審査に指定
  7. 2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会において、以下の有望な新規データを発表:
    1. 第3相KEYNOTE-671試験のデータ
    2. Seagenおよびアステラス製薬との提携のもとで実施した第3相KEYNOTE-A39/EV-302試験のデータ
  8. オンコロジー、心血管代謝および免疫領域を含む複数の治療分野にて2023年に第3相試験を開始
  9. 2023年度通期の業績見通し
    1. 2023年度通期の全世界売上高を597億ドル~602億ドルに上方修正(為替のマイナス影響約2%ポイントを含む。業績見通しには、LAGEVRIOの売上約13億ドルを含む)
    2. 現在、2023年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを1.33ドル~1.38ドルと予想(為替のマイナス影響約6%ポイントを含む。業績見通しには、第一三共との提携契約に関連する一時金55億ドル、一株当たり1.70ドルによるマイナス影響を反映)

米国ニュージャージー州ローウェイ– Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は2023年10月26日、2023年度第3四半期決算を発表しました。

会長兼最高経営責任者(CEO)のロバート・M・デイビスは、「今年度第3四半期決算の堅調な業績は、重要なイノベーションをもたらし、ブレイクスルーを追求するという当社の才能あるチームのコミットメントを反映しています。これらは、私たちに期待を寄せているすべての方々のための取り組みです。当社は、継続的にサイエンスの限界を押し広げながら、多様なパイプラインを増強するために規律ある投資を行い、患者さんのニーズに応える革新的な治療法の開発を加速させるべく専門知識を応用しています。これらの一環として、最近、第一三共との提携契約を発表いたしました。私は当社の進捗を誇りに思っており、引き続き、最高のレベルで、現在、そして未来に強力で持続可能な価値を生み出す取り組みを進めてまいります」と述べています。

決算サマリー

2023年度第3四半期のGAAP(GAAP:一般に公正妥当と認められる会計基準)ベースの希薄化後EPSは1.86ドルでした。2023年度第3四半期のnon-GAAPベースのEPSは2.13ドルでした。2023年度第3四半期のGAAP およびnon-GAAPベースのEPSの前年からの増加は主に、事業面の強み、ならびに2022年に計上したModerna, Inc.(Moderna社)、Orna Therapeutics(Orna社)およびOrion Corporation(Orion社)との提携およびライセンス契約に関連する費用として0.22ドルを反映しています。また2023年度第3四半期のGAAPベースのEPSの増加は、2022年に計上した無形資産の減損損失(2023年は計上せず)、2023年の株式の投資による損失の減少を反映しています。2023年度第3四半期のGAAP およびnon-GAAPベースのEPSの増加は、為替のマイナス影響により一部相殺されました。

non-GAAPベースのEPSは、事業統合・売却関連費用、事業再構築プログラムに関連する費用、および株式の投資による収益と損失を除外しています。

2023年度の第三四半期までの累計の決算数値は、添付の表に記載しています。

2023年度第3四半期の業績

以下の表は当社の売上高上位製品および主要な製品の売上高総額を表しています。

2023年度第3四半期の費用、EPSおよび関連情報

以下の表は、費用に関する抜粋情報を表しています。

GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報

GAAPベースでは、2023年度第3四半期の売上高総利益率は73.3%で、2022年度第3四半期は73.7%でした。この減少は主に、為替のマイナス影響、売上高総利益率が低いLAGEVRIOの売上高増加、および事業統合・売却関連費用の増加を反映しています。この売上高総利益率の減少は、第三者の受託製造による収益の減少、製造関連費用の減少およびプロダクト・ミックスのプラス影響により一部相殺されました。

2023年度第3四半期と2022年度第3四半期の販売費および一般管理費はともに25億ドルでした。これは主に販売促進費の増加を反映していますが、管理費の減少により一部相殺されました。

2023年度第3四半期の研究開発費は33億ドルで、2022年度第3四半期では44億ドルでした。この減少は主に、2022年に計上した無形資産の減損損失8億8,700万ドル(主にnemtabrutinib関連)、ならびにModerna社、Orna社およびOrion社との提携およびライセンス契約に関連する費用6億9,000万ドルを反映しています。この研究開発費の減少は、2023年の報酬および福利厚生費用の増加(人員の増加を一部反映)、開発候補品の発見と初期の医薬品開発への投資の増加、ならびに臨床開発費の増加により一部相殺されました。

2023年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、2022年度第3四半期の4億2,900万ドルの費用に対し1億2,600万ドルの費用を計上しました。これは主に、株式の投資による損失の減少を反映しています。

2023年度第3四半期の実効税率は15.5%で、2022年度第3四半期の実効税率は9.2%でした。

2023年度第3四半期のGAAPベースのEPSは1.86ドル、2022年度第3四半期では1.28ドルでした。

non-GAAPベースの費用、EPSおよび関連情報

non-GAAPベースの売上高総利益率は、2023年度第3四半期と2022年度第3四半期ともに77.0%でした。これは主に、為替のマイナス影響、売上高総利益率が低いLAGEVRIOの売上高増加を反映していますが、第三者の受託製造による収益の減少、製造関連費用の減少およびプロダクト・ミックスのプラス影響により一部相殺されました。

2023年度第3四半期と2022年度第3四半期のnon-GAAPベースの販売費および一般管理費はともに25億ドルでした。これは主に販売促進費の増加を反映していますが、管理費の減少により一部相殺されました。

2023年度第3四半期のnon-GAAPベースの研究開発費は33億ドルで、2022年度第3四半期では35億ドルでした。この減少は主に、2022年に計上したModerna社、Orna社およびOrion社との提携およびライセンス契約に関連する費用6億9,000万ドルを反映しています。この研究開発費の減少は、2023年の報酬および福利厚生費用の増加(人員の増加を一部反映)、開発候補品の発見と初期の医薬品開発への投資の増加、ならびに臨床開発費の増加により一部相殺されました。

non-GAAPベースでの2023年度第3四半期のその他の費用(収益)純額は、2022年度第3四半期の1億500万ドルの費用に対し1億3,300万ドルの費用を計上しました。

2023年度第3四半期のnon-GAAPベースの実効税率は15.0%で、2022年度第3四半期の実効税率は13.6%でした。

2023年度第3四半期のnon-GAAPベースのEPSは2.13ドル、2022年度第3四半期では1.85ドルでした。

当期純利益およびEPSのGAAPベースからnon-GAAPベースへの調整は、以下の表のとおりです。

パイプラインおよびポートフォリオハイライト

当社は引き続き、幅広いパイプラインおよびポートフォリオにおいて承認申請と臨床開発のマイルストーンを達成しました。オンコロジー、心血管代謝および免疫領域を含む複数の治療分野と新規の治療モダリティにて2023年に第3相試験を開始しました。これらには、オンコロジー領域として、開発中の個別化ネオアンチゲン療法であるV940とKEYTRUDAの併用療法、抗体薬物複合体(ADC)のMK-2870およびリジン特異的脱メチル化酵素-1阻害候補薬のMK-3543、心血管領域としてはプロタンパク質転換酵素サブチリシン/ケキシン9型(PCSK9)阻害候補薬(経口)のMK-0616、免疫領域としてはヒト化モノクローナル抗体のMK-7240が含まれます。

オンコロジー領域では、早期がんにおけるKEYTRUDAの8番目の承認として、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC)を有する特定の患者さんに対する術前/術後補助療法としてのKEYTRUDAの承認を米国食品医薬品局(FDA)より取得しました。FDAはまた、進行RCCで治療歴を有する特定の患者さんを対象としたWELIREG、子宮頸がん患者さんを対象としたKEYTRUDAの2件の適応追加申請(sNDA)を優先審査項目に指定しました。特に、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会において、当社は有望な新規データを発表し、早期がんにおける当社の進展、転移疾患における基本的ポジション、および多様なオンコロジーパイプラインにおける持続的な進展を紹介しました。

心血管領域では、肺動脈性肺高血圧症(PAH、WHO Group 1)の成人患者さんを対象とした第3相STELLAR試験による臨床的に意義のある結果に基づき、開発中の新規アクチビンシグナル伝達阻害剤のsotaterceptに関する新規の生物製剤承認申請(BLA)をFDAが優先審査に指定しました。FDAは、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日を2024年3月26日に設定しました。sotaterceptが承認されれば、このクラスでは初の薬剤となり、肺動脈に関連する希少かつ進行性の疾患に対処することができる新たなアプローチをもたらします。当社は欧州連合(EU)の欧州医薬品委員会(CHMP)への申請も完了しました。

さらに当社は、複数の固形がんを対象とした単独療法および/または他剤との併用療法による治療薬として臨床開発ステージにある、3つのファーストインクラスのDXd ADCに関して第一三共との提携契約を締結しました。この第一三共との提携契約は、当社のオンコロジーパイプラインをさらに加速させ、多様性をもたらします。

以下の表は、当社のパイプラインおよびポートフォリオに関する重要な最新ニュースリリースを表しています。

オンコロジー

第3相KEYNOTE-671試験の結果に基づき、切除可能な(T≥4 cmまたはN+)NSCLC患者を対象としたKEYTRUDAと化学療法との併用による術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA単独の術後補助療法をFDAが承認プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-A18試験の結果に基づき、新たに高リスクの局所進行子宮頸がんと診断された患者を対象としたKEYTRUDAと同時化学放射線療法の併用療法をFDAが優先審査項目に指定。FDAは、PDUFAよる期日を2024年1月20日に指定プレスリリース(英文)はこちら
第3相LITESPARK-005試験の結果に基づき、前治療歴のある進行RCC患者を対象としたWELIREGのsNDAをFDAが優先審査項目に指定。FDAは、PDUFAよる期日を2024年1月17日に指定プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-091試験の結果に基づき、再発リスクが高いNSCLCの成人患者に対する完全切除およびプラチナ製剤ベース化学療法後の術後補助療法としてKEYTRUDAを欧州委員会(EC)が承認プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-811試験の結果に基づき、PD-L1を発現(CPS≧1)した、HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部(GEJ)腺がんに対する一次治療として、KEYTRUDAとトラスツズマブおよび化学療法との併用療法をECが承認プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-859試験の結果に基づき、PD-L1を発現(CPS≧1)した、HER2陰性の進行胃腺がんまたはGEJ腺がんに対する一次治療としてのKEYTRUDAと化学療法との併用療法について、EUがCHMPの肯定的な見解を採択プレスリリース(英文)はこちら
第3相PROpel試験の結果に基づき、BRCA遺伝子変異陽性の遠隔転移を有する去勢抵抗性前立腺がんの治療としてリムパーザとアビラテロンおよびプレドニゾロンの併用療法を日本の厚生労働省が承認プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-671試験の結果に基づき、II期、IIIA期、IIIB期の切除可能なNSCLCに対して、術前のKEYTRUDAと化学療法との併用療法と、それに続く術後のKEYTRUDA単独療法が、術前の化学療法と比較して死亡リスクを28%低下プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-A39/EV-302試験の結果に基づき、治療歴がなく局所進行性または転移性尿路上皮がん患者を対象としたKEYTRUDAとPadcevの併用療法が、化学療法と比較して死亡リスクを50%超低下プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-A18試験の結果に基づき、新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者を対象に、KEYTRUDAと同時化学放射線療法の併用療法が、同時化学放射線療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)の有意な改善を達成プレスリリース(英文)はこちら
第3相LITESPARK-005試験の結果に基づき、前治療歴のある進行RCC患者を対象として、WELIREGがエベロリムスと比較してPFSおよび客観的奏効率を有意に改善プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-756試験の結果に基づき、ハイリスクで早期のER+/HER2-乳がんに対する術前薬物療法において、KEYTRUDAと化学療法との併用療法が化学療法単独と比較して病理学的完全奏効率を統計学的に有意に改善プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-811試験の結果に基づき、HER2陽性の進行胃腺がんまたはGEJ腺がんに対する一次治療において、KEYTRUDAとトラスツズマブおよび化学療法との併用療法がPFSを有意に改善プレスリリース(英文)はこちら
第3相KEYNOTE-123試験の結果に基づき、術後の筋層浸潤性尿路上皮がん患者を対象として、KEYTRUDAが無病生存期間を有意に改善プレスリリース(英文)はこちら

心血管系

第3相STELLAR試験の結果に基づき、PAHの成人患者を対象とした、新規アクチビンシグナル伝達阻害剤のsotaterceptに関する新規のBLAをFDAが優先審査に指定。FDAは、PDUFAよる期日を2024年3月26日に指定プレスリリース(英文)はこちら
第3相STELLAR試験およびSOTERIA試験の結果に基づき、PAHの成人患者を対象とした、開発中のsotaterceptに関する有望な最新の解析結果を発表プレスリリース(英文)はこちら
PCSK9阻害候補薬(経口)のMK-0616に関する第3相臨床プログラムを開始プレスリリース(英文)はこちら

ワクチン

GARDASILの持続的な免疫原性と安全性に関する長期フォローアップ試験のデータを医学雑誌Pediatricsで公表プレスリリース(英文)はこちら

病院急性期

第3相P002試験およびP040試験の結果に基づき、PREVYMISについて、高リスクの腎臓移植レシピエントの成人患者におけるサイトメガロウイルス(CMV)疾患の予防、また晩期CMV感染および疾患のリスクを有する造血幹細胞移植レシピエントの成人患者における200日間延長投与について、EU のCHMPが肯定的な見解を採択プレスリリース(英文)はこちら

サステナビリティハイライト

私たちは、サステナビリティに関する取り組みの成果をまとめた「2022/2023インパクトレポート」を発行しました。これは、医療アクセスの向上と責任ある経営のコミットメントに向けた力強い前進を反映するものです。このインパクトレポートでは、2022年に世界の5億人以上の人々に対して、どのように当社のイノベーションを届けたのか、さらに2025年の医療アクセスに関する目標のうち2項目の目標を引き上げたことに言及しています。

2023年通期の業績見通し

以下の表は、当社の2023年通期の業績見通しの要約を表しています。

将来の見通しとしてのnon-GAAPベースの売上高総利益率、non-GAAPベースの営業費用、non-GAAPベースのその他の費用(収益)純額、non-GAAPベースの実効税率、およびnon-GAAPベースのEPSに関して、最も直接的な比較を可能とするGAAPベースの指標への調整は提示していません。このような調整には、無形資産の減損損失、法的なセトルメント、株式の投資による利益/損失(直接的な保有または投資ファンドによる所有権)などを含みますが、合理的な確実性をもとに調整金額を予測することができないからです(非合理的な取り組みは除く)。これらの項目は、本質的に予測が困難であり、当社における将来のGAAPベースの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

当社は、オンコロジーおよびワクチン領域において主要な成長製品の世界的に堅調な需要を取り込み続けています。そのため通期の業績見通しを上方修正しました。当社は、2023年10月中旬の為替を基準として、為替のマイナス影響約2%ポイントを含み、2023年度通期の売上高を597億ドル~602億ドルになると予想しています。2023年通期の業績見通しには、LAGEVRIOの売上高約13億ドルが引き続き含まれます。

2023年度通期のnon-GAAPベースの実効税率は、39.0%~40.0%になると予想しています(事業開発活動に関連するマイナス影響約24.5%ポイントを含む)。

当社は、2023年10月中旬の為替を基準として、為替のマイナス影響約6%ポイントを含み、2023年度通期のnon-GAAPベースのEPSレンジを$1.33ドル~1.38ドルになると予想しています。このnon-GAAPベースのEPSレンジの見直しは、以下の項目を反映しています(過去の業績見通しには反映していません):

  1. 事業のさらなる堅調性(一株当たり約0.15ドル)
  2. 第一三共との提携契約に関連する税引前費用55億ドル、一株当たり1.70ドル
  3. 第一三共とのADCアセットの開発推進費用および取引への出資関連費用として2023年度第4四半期に一株当たり約0.04ドルを予想
  4. 為替のマイナス影響の 1%増大(一株当たり約0.05ドル)

non-GAAPのEPSレンジでは、事業統合・売却関連費用、事業再構築プログラムに関連する費用、および株式の投資による収益と損失、Zetiaの反トラスト訴訟の特定の原告との和解に関連する費用(以前に発表済)を除外しています。

コンファレンス・コール

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの投資家、メディア関係者および一般の方々へのコンファレンス・コールのライブ・ウェブキャストがで米国東部時間の2023年10月26日木曜日の午前9時に行われました。売上高と利益のニュースリリース、財務状況の開示追補、事前準備所見、決算ハイライトスライドを含むウェブキャストは、www.merck.comにてご覧いただくことができます。
すべての参加者は、(888) 769-8514(フリーダイヤル、米国およびカナダ)または(517) 308-9208からアクセスコード番号8206435にてご参加いただけます。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

補足資料

製品名と有効成分を以下に提示します。

医薬品

BRIDION (スガマデクス)

GARDASIL (組換え沈降4価 [6、11、16、18型] ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)

GARDASIL 9 (組換え沈降9価ヒトパピローマウイルス様粒子ワクチン)

JANUMET (シタグリプチン/メトホルミン)

JANUVIA (シタグリプチン)

KEYTRUDA (ペムブロリズマブ)

LAGEVRIO (モルヌピラビル)

Lenvima (レンバチニブ)

Lynparza (オラパリブ)

M-M-R II (麻しん-おたふくかぜ-風しん混合ワクチン)

PREVYMIS (レテルモビル)

PROQUAD(麻しん-おたふくかぜ-風しん-水痘混合ワクチン)

VARIVAX (水痘ワクチン)

VAXNEUVANCE (15価肺炎球菌結合型ワクチン)

WELIREG (ベルズチファン)

アニマルヘルス

BRAVECTO (フルララネル)

1   Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAに帰属する当期純利益(損失)。

2   Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAは、特定項目の性質およびそれらが事業業績や傾向に関する分析に与える影響を考慮し、2023年度および2022年度の特定の項目の影響を除いたnon-GAAPベースの情報を提供しています。経営陣は、non-GAAPベースの決算報告を用いて業績を評価しているため、この情報が会社の業績に対する投資家の理解を深めるものと考えています。経営陣は、non-GAAPベースの指標を目標の設定や達成予測のため、またその他の基準も併用しながら当社の業績を評価するために社内的に活用します。加えて、上級管理職の年間報酬は部分的にnon-GAAPベースの税引前利益をベースとして支払われています。これはGAAPに基づき算出された情報に関する追加情報であって、その代わりとなるものではなく、また優先されるものでもありません。non-GAAPベースの調整についての詳細は、本リリースに添付された表2a(脚注を含む)を参照してください。

3   事業統合・売却に関する統合費用、取引費用およびその他の費用、ならびに提携やライセンス契約に関連する無形資産の償却費と共に、買収の結果認識された無形資産の償却費および棚卸資産に対するパーチェス法適用に伴う調整額、無形資産の減損損失、および、条件付対価による負債の公正価値測定の見積り変更に関連する費用または収益が含まれます。2022年度第3四半期の研究開発費の無形資産の減損損失は8億8,700万ドルで、主にnemtabrutinibに関連したものです。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeLinkedInをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s V116, an Investigational, 21-valent Pneumococcal Conjugate Vaccine Specifically Designed to Protect Adults, Demonstrated Superior Immunogenicity for 10 of 11 Unique Serotypes Compared to PCV20 in Adults 50 Years of Age and Older (https://www.merck.com/news/mercks-v116-an-investigational-21-valent-pneumococcal-conjugate-vaccine-specifically-designed-to-protect-adults-demonstrated-superior-immunogenicity-for-10-of-11-unique-serotypes-compared/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症や安全性情報、疫学情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。


21価肺炎球菌結合型ワクチンは、日本国内では開発中の段階です。


参考資料

成人向けに特化して設計された、開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンV116、
50歳以上の成人において、V116固有の11種類の血清型のうち

10種類の血清型に対し、PCV20と比較し免疫原性の優越性を示す

米国疾病予防管理センター(CDC)の2018~2021年のデータによると
V116が対応する21種類の血清型は
65歳以上の高齢者の侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約83%を占める

第3相試験STRIDE-3の結果を
World Vaccine Congress West Coastで発表

2023年11月28日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、成人向けに特化して設計された、開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンV116を評価した第3相試験STRIDE-3の結果を発表しました。この試験では、肺炎球菌ワクチン未接種の成人に対するV116の安全性、忍容性、免疫原性をPCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)と比較検討しました。

本試験の主要評価項目の結果は以下のとおりです。

  1. V116は、50歳以上の成人(コホート1)において、PCV20との比較にて、両ワクチンに共通のすべての血清型(10種類)に対して免疫応答の非劣性が示されました。免疫応答は接種後30日目の血清型特異的オプソニン化貪食活性(OPA)の幾何平均抗体価(GMT)で評価されました。
  2. V116に含まれPCV20に含まれない11種類の血清型のうち10種類について、V116は免疫応答の優越性が示されました。これは接種後30日目のOPA GMTと、接種前から接種後30日目までにOPAが4倍以上上昇した被験者の割合で評価されました。
  3. 18〜49歳の成人(コホート2)では、50〜64歳の成人と比較して、V116は免疫応答の非劣性が示されました(immunobridging分析による)。これは接種後30日目の血清型特異的OPA GMTで評価しました。
  4. いずれのコホートにおいてもV116の安全性プロファイルはPCV20と同様でした。

詳細なデータはWorld Vaccine Congress West Coastで本日4:50 p.m.(米国東部標準時)に発表されます。当社は今年すでに、STRIDE-3試験のトップラインデータを公表しています。

米国疾病予防管理センター(CDC)がまとめた2018〜2021年のデータによると、V116が対応する血清型は、米国における65歳以上の高齢者の侵襲性肺炎球菌感染症の約83%の原因となっています。V116が対応する血清型には、既承認の肺炎球菌ワクチンが対応していない8種類の血清型が含まれており、それらの血清型は、CDCの同データによれば米国における65歳以上の高齢者の侵襲性肺炎球菌感染症の約30%の原因となっています。V116が承認されれば、成人向けに特化した初めての肺炎球菌結合型ワクチンとなります。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでグローバル臨床開発責任者、チーフメディカルオフィサーのEliav Barr(エリアブ・バール)博士は、「成人の侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎球菌性肺炎の予防において標準的に使用されているワクチンと比較したこのデータは、V116の免疫原性を強力に支持するエビデンスとなります。成人の侵襲性肺炎球菌感染症の大半を引き起こす血清型をターゲットとし、集団に特化した戦略を用いた一次予防を通じて、V116が公衆衛生に貢献できる可能性を示したことを嬉しく思います」と述べています。

この試験の治験責任医師であるClinical Research Trials of Florida, Inc.のSady Alpizar(サディ・アルピサル)博士は、「侵襲性肺炎球菌感染症は、特に高齢者や免疫が低下した成人において、肺炎球菌性肺炎、肺炎球菌性髄膜炎、菌血症といった重篤な、時には命に関わる合併症を引き起こすことがあります。今回の結果は、感染しやすい集団において、V116が侵襲性肺炎球菌感染症を予防できる可能性を示しています」と述べています。

V116の第3相臨床開発プログラムは、様々な成人集団を対象に、その安全性、忍容性、免疫原性を評価する8件の試験(n=8,830)で構成されています。肺炎球菌感染症の罹患リスクの高い慢性疾患を持つ、あるいは持たない成人、肺炎球菌ワクチンの接種歴のある人を対象とする試験などがあります。後期開発プログラムの概要はこちらをご覧ください。

当社はSTRIDE-3試験のデータを世界各国の規制当局に提供しています。

 

STRIDE-3試験の治験デザインおよびその他のデータ

STRIDE-3試験(NCT05425732)は、肺炎球菌結合型ワクチン未接種の18歳以上の成人(n=2,663)を対象としてV116の安全性、忍容性、免疫原性をPCV20と比較評価する第3相無作為化二重盲検実薬対照試験です。被験者はV116またはPCV20を1回接種する群に無作為に割り付けられました。

両コホート共通の主要評価項目には、安全性、接種後30日目における血清型特異的OPA GMT、血清型特異的OPAがベースライン比で4倍以上上昇した被験者の割合が含まれました。コホート1は50歳以上の被験者(n=2,362)で、V116または対照のPCV20を1回接種する群に1:1で無作為に割り付けられました。主要評価項目の主な結果は次のとおりです。

  1. V116はPCV20に対し、共通する10種類の血清型(3、6A、7F、8、10A、11A、12F、19A、22F、33F)で非劣性が示されました。これは接種後30日目における血清型特異的OPA GMTで評価されました。
  2. V116はPCV20に対し、V116に含まれ、PCV20には含まれない11種類の血清型のうち10種類(9N、15A、16F、17、20A、23A、23B、24F、31、35B)で優越性が示されました。これは接種後30日目の血清型特異的OPA GMTと、接種前から接種後30日目までにOPAが4倍以上上昇した被験者の割合で評価されました。
    1. 血清型15CについてもV116を接種した被験者において免疫応答が認められましたが、統計学的な優越性の基準に到達しませんでした。

コホート2は18〜49歳の被験者(n=301)で、V116または対照のPCV20を1回接種する群に2:1で無作為に割り付けられました。主要評価項目の結果では、V116は18〜49歳の被験者において、50〜64歳の被験者との比較にて、全21種類の血清型で、免疫応答の非劣性が示されました(immunobridging分析による)。免疫応答は接種後30日目の血清型特異的OPA GMTで評価しました。

いずれのコホートにおいてもV116の安全性プロファイルはPCV20と同様でした。V116およびPCV20を接種した被験者のうち、それぞれ61.7%、67.2%で1件以上の有害事象(AE)が報告されました。本試験ではワクチン関連の重篤なAEまたはワクチン関連の死亡はありませんでした。

 

V116について

V116は、開発中の21価肺炎球菌結合型ワクチンであり、成人の侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎球菌性肺炎予防を目的として第3相試験が進行中です。V116は、成人の肺炎球菌感染症を引き起こす主要な肺炎球菌血清型に対応するために特化して設計されており、この血清型には15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35Bの8種類が含まれます。CDCの2018〜2021年のデータによると、これら8種類の血清型は、米国における成人の肺炎球菌感染症の約30%の原因となっています。またCDCの同じデータによると、V116が対応する血清型は、米国における65歳以上の高齢者の侵襲性肺炎球菌感染症の約83%の原因となっています。

V116を評価する第3相試験には、STRIDE-3(NCT05425732)、STRIDE-4(NCT05464420)、STRIDE-5(NCT05526716)、STRIDE-6(NCT05420961)、STRIDE-7(NCT05393037)、STRIDE-8(NCT05696080)、STRIDE-9(NCT05633992)、STRIDE-10(NCT05569954)などがあります。

 

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症です。肺炎球菌には100種類以上の型(血清型と呼ばれる)が存在し、成人と小児とで異なる影響を及ぼします。一部の血清型は、より多くの人において菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎、髄膜炎(脳と脊髄を覆う組織層の感染)といった侵襲性肺炎球菌感染症や、非侵襲性肺炎(肺炎球菌感染症が肺に限局している状態)のリスクを引き起こします。

健康な成人でも肺炎球菌感染症に罹患しますが、特に高齢者や、心疾患、肺疾患、肝疾患などの特定の慢性疾患を有する人や免疫が低下した人は感染しやすくなります。侵襲性肺炎球菌感染症による死亡率は50歳以上の成人が最も高くなっています。

 

肺炎球菌感染症の予防における当社の取り組み

当社は40年以上にわたりワクチンによる肺炎球菌感染症の予防の最前線に立ち、あらゆる年齢の人々を肺炎球菌感染症から守るべく取り組んでいます。当社が進めている肺炎球菌ワクチン開発プログラムは、乳児や小児、健康な成人、肺炎球菌感染症に罹患するリスクを有する者といった様々な集団の個々のニーズに対応するようにデザインされています。小児と成人で疾病負担を引き起こす菌株または血清型が異なっている場合が多いことに注目し、各集団において世界的に最もリスクが高い血清型を標的としたワクチンの選択肢を提供することで、アンメットニーズに対応することを目指しています。当社のパイプラインについて詳しくはhttps://www.merck.comをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Chemotherapy Before Surgery and Continued as Single Agent After Surgery Reduced Risk of Death by 28% Versus Pre-Operative Chemotherapy in Resectable Stage II, IIIA or IIIB Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC) (https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-chemotherapy-before-surgery-and-continued-as-single-agent-after-surgery-reduced-risk-of-death-by-28-versus-pre-operative-chemotherapy-in-resectable-stage-ii-iiia-o/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注)条件付き早期承認対象

 


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する
術前の化学療法との併用療法とそれに続く術後のKEYTRUDA®単独療法において、
術前の化学療法と比較して死亡リスクが28%低下

KEYTRUDA®レジメン、切除可能なNSCLCに対する抗PD-1/L1療法として初めてかつ唯一、
プラセボと化学療法による術前補助療法とそれに続くプラセボによる術後補助療法と比較して、
全生存期間がPD-L1発現にかかわらず統計学的に有意に改善

KEYTRUDA®群は、この試験のもう一つの主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)も延長
(EFSの中央値はプラセボ群の18.3カ月に対しKEYTRUDA®群は47.2カ月と2.5年近く改善)

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期の非小細胞肺がん(NSCLC)患者に対する周術期療法として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®を評価する第3相KEYNOTE-671試験の結果を公表しました。周術期療法には、術前補助療法(ネオアジュバント療法)および術後補助療法(アジュバント療法)が含まれます。この最新の結果は本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で初めて発表(アブストラクト#LBA56)されました。

事前に規定した2回目の中間解析、フォローアップ期間の中央値36.6カ月(範囲は18.8〜62.0カ月)の時点で、PD-L1の発現にかかわらず切除可能なII期、IIIA期、IIIB期のNSCLC患者さんに対するKEYTRUDA®と化学療法との併用による術前補助療法と、それに続く切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法(以下、KEYTRUDA®群)は、プラセボと化学療法による術前補助療法と、それに続く切除とプラセボ単独による術後補助療法(以下、化学療法+プラセボ群)と比較して、全生存期間(OS)を有意に改善し、死亡のリスクを28%(HR=0.72 [95% CI, 0.56-0.93]; 片側検定 p=0.00517)低下させました。KEYTRUDA®群のOSの中央値は死亡のイベントが少なく検出基準に未到達(95% CI, NR-NR)で、化学療法+プラセボ群では52.4カ月(95% CI, 45.7-NR)でした。36カ月OS率はKEYTRUDA®群では71.3%で、化学療法+プラセボ群では64.0%でした。

すでに発表しているとおり、KEYNOTE-671試験は1回目の中間解析において、2つの主要評価項目のうち無イベント生存期間(EFS)を達成しています。2回目の中間解析では、前回の中間解析で認められたEFSの改善が維持され、KEYTRUDA®群ではEFSの中央値が化学療法+プラセボ群と比較して2年半近く改善しました(それぞれ47.2カ月[95% CI, 32.9-NR]、18.3カ月[95% CI, 14.8-22.1]、HR=0.59 [95% CI, 0.48-0.72])。36カ月EFS率はKEYTRUDA®群では54.3%、化学療法+プラセボ群では35.4%でした。

McGill Universityの外科学准教授で、KEYNOTE-671試験の治験責任医師のJonathan Spicer(ジョナサン・スパイサー)博士は、「KEYNOTE-671試験の結果は外科的切除可能な非小細胞肺がん患者さんの治療アウトカムを改善するための取り組みにおいて重要なマイルストーンとなります。KEYTRUDA®を周術期に行う標準的な化学療法に術前および術後に投与することで、プラセボと比較して死亡リスクが28%低下しました。非小細胞肺がんは世界中でがん関連の死因のトップとなっており、この新たなレジメンは外科的切除の可能な患者さんに広く適用することができます。KEYTRUDA®を対象となる患者さんの標準療法に導入することで、医療従事者の皆様にとって患者さんの寿命を延長させる強力な手段となる可能性があります」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「KEYNOTE-671試験ではこれまでにない生存期間のデータが得られ、KEYTRUDA®は切除可能な非小細胞肺がんに対する術前および術後の補助療法として、プラセボ+化学療法と比較して全生存期間を統計学的に有意に改善した初めてかつ唯一の抗PD-1/L1療法となります。KEYTRUDA®は特定の進行肺がんに対する基本治療として確立されていますが、今回の全生存期間のデータにより、生存期間を延長しうる新たな治療の選択肢を求めている、より早期の肺がん患者さんにおいてKEYTRUDA®の役割が示されました」と述べています。

すでに発表しているとおり、KEYNOTE-671試験のOSおよびEFSのデータに基づき、KEYTRUDA®は切除可能な(原発腫瘍4cm以上またはリンパ節転移陽性)NSCLC患者さんに対するプラチナ製剤化学療法との併用による術前補助療法と、切除後のKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得しています。

当社は肺がんの広範な臨床開発プログラムを実施しており、早期がんや新たな併用療法を対象とする研究など、承認申請に向けた複数の試験を実施しています。早期のNSCLCおよび小細胞肺がん(SCLC)を対象とする主な試験にはKEYNOTE-671、KEYNOTE-091、KEYNOTE-867、KEYLYNK-012、KEYLYNK-013、KEYVIBE-006があります。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

KEYNOTE-671試験の治験デザインおよびその他のデータ

KEYNOTE-671試験は、切除可能なII期、IIIA期、IIIB期(T3-4N2)のNSCLC患者(AJCC第8版のがん病期分類による)を対象として、KEYTRUDA®と化学療法との併用による術前補助療法とその後の切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法を、プラセボと化学療法との併用による術前補助療法とその後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03425643)です。主要評価項目はOSの他、RECIST v1.1に基づき治験責任医師が判断するEFSの2つです。主な副次評価項目は病理学的完全奏効(pCR)、病理学的奏効(mPR)です。この試験では、登録患者797名を以下のいずれかの群に1:1の割合で無作為に割り付けました。

  • 術前補助療法としてKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔で静脈内投与)+化学療法(シスプラチン[75 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与]とともに、ゲムシタビン[1,000 mg/m2を各サイクル1日目および8日目に静脈内投与]、またはペメトレキセド[500 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与])を術前に最大4サイクル実施。術後4〜12週間以内に、術後補助療法としてKEYTRUDA®(200 mg)を3週間間隔で最大13サイクル投与、または
  • 術前補助療法としてプラセボ(生理食塩水を3週間間隔で静脈内投与)+化学療法(シスプラチン[75 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与]とともに、ゲムシタビン[1,000 mg/m2を各サイクル1日目および8日目に静脈内投与]、またはペメトレキセド[500 mg/m2を各サイクル1日目に静脈内投与])を術前に最大4サイクル実施。術後4〜12週間以内に、術後補助療法としてプラセボを3週間間隔で最大13サイクル投与。

グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)は、KEYTRUDA®群の45.2%、化学療法+プラセボ群の37.8%に認められました。TRAEによりすべての治験薬の投与中止に至ったのは、KEYTRUDA®群では13.6%、化学療法+プラセボ群では5.3%でした。死亡に至ったTRAEはKEYTRUDA®群では1.0%、化学療法+プラセボ群では0.8%でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。

 

肺がんについて

肺がんは世界のがんの死因のトップとなっています。2020年だけでも世界で220万人以上が新たに肺がんにかかり、約180万人が死亡しました。非小細胞肺がんは肺がんの中で最も多く、すべての肺がんの約81%を占めています。米国では、肺がんと診断された患者の5年全生存率は25%で、過去5年で21%改善しています。生存率の改善は、診断や手術の進歩、新たな治療法の誕生などによるものです。検診率や早期発見率、生存率の改善は現在も重大なアンメットニーズとなっており、肺がんの44%が進行してから発見されています。米国で肺がん検診対象者のうち実際に検診を受けたのはわずか5.8%でした。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の肺がん研究について

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は、死亡率の高い肺がんの転帰を改善することを目指し治療に変革をもたらす研究を進めています。肺がん研究の最前線に立ち、世界中の36,000人以上を対象とする200件近くの臨床試験を実施しています。米国では、KEYTRUDA®は進行NSCLCに対する6件の適応が承認されており(詳しくは当社英文リリースをご参照ください)、95カ国以上で進行NSCLCの治療薬として承認されています。早期肺がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約20件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-chemotherapy-before-surgery-and-continued-as-single-agent-after-surgery-reduced-risk-of-death-by-28-versus-pre-operative-chemotherapy-in-resectable-stage-ii-iiia-o/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s WELIREG® (belzutifan) Significantly Improved Progression-Free Survival and Objective Response Rates Versus Everolimus in Certain Previously Treated Patients With Advanced Renal Cell Carcinoma (RCC) (https://www.merck.com/news/mercks-welireg-belzutifan-significantly-improved-progression-free-survival-and-objective-response-rates-versus-everolimus-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-ce/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

WELIREG®(belzutifan)は日本国内では開発中の段階です。

 


参考資料

WELIREG®(belzutifan)、前治療歴のある進行腎細胞がん(RCC)に対し、
エベロリムスと比較して無増悪生存期間と客観的奏効率を有意に改善

LITESPARK-005試験の事前に規定された中間解析において、
エベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクが低減

免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬の両方による治療後に進行したRCCの二次治療以降において、
初めて良好な結果を示した第3相試験となる

2023年10月21日:ニュージャージー州ローウェイ―Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、PD-1/L1と血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGFR)を標的とする治療後に進行した成人の腎細胞がん(RCC)の治療薬として、ファーストインクラスの経口低酸素誘導因子2アルファ(HIF-2α)阻害剤WELIREGを評価する第3相LITESPARK-005試験の結果を発表しました。WELIREGは、2つの主要評価項目の1つである無増悪生存期間(PFS)と主な副次評価項目である客観的奏効率(ORR)について、エベロリムスと比較して統計学的に有意な改善が認められました。この最新の結果は本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で初めて発表(アブストラクト#LBA88)されるとともに、世界中の規制当局と協議が進んでいます。

事前に規定された1回目の中間解析(IA1、追跡期間の中央値:18.4カ月[範囲:9.4〜31.7カ月])において、WELIREGはエベロリムスと比較して対象患者さんの疾患進行または死亡のリスクを有意に25%低下させました(HR=0.75 [95% CI, 0.63-0.90]; p<0.001)。事前に規定された2回目の中間解析(IA2)の結果はIA1の結果と一貫していました。IA2における追跡期間の中央値は25.7カ月(範囲:16.8〜39.1カ月)で、WELIREGはエベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクを26%低減しました(HR=0.74 [95% CI, 0.63-0.88])。

また、WELIREG群では、IA1においてORRが統計学的に有意に改善しました。WELIREG群ではORRは21.9%(95% CI, 17.8-26.5)、CR率は2.7%であったのに対し、エベロリムス群ではORRは3.5%(95% CI, 1.9-5.9)で、完全奏効(CR)が得られた患者さんはいませんでした。IA2においては、WELIREG群ではORRは22.7%(95% CI, 18.6-27.3)、CR率は3.5%であったのに対し、エベロリムス群ではORRは3.5%(95% CI, 1.9-5.9)で、CRが得られた患者さんはいませんでした。

また、この試験のもう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても、IA1(HR=0.87 [95% CI, 0.71-1.07]; p=0.096)、IA2(HR=0.88 [95% CI, 0.73-1.07]; p=0.099)においてWELIREGはエベロリムスより良好な傾向を示しましたが、統計学的に有意ではありませんでした。

LITESPARK-005試験の治験責任医師であり、Gustave Roussy Cancer Medicine Department部長のLaurence Albiges(ローレンス・アルビジーズ)教授は、「免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬の両方を標的とする治療後に進行したRCCの患者さんに対する治療の選択肢は限られています。そのため、この試験において、疾患進行後のさらなる治療の選択肢を喫緊に求めている患者さんに対し、belzutifanがエベロリムスと比較して疾患進行または死亡のリスクを統計学的に有意に低下させ、奏効率が改善したことは重要な前進です」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は、「今回の結果は、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害薬による治療後に進行したRCCを対象とする第3相試験として初めて示された良好なデータであり、WELIREG臨床プログラムから初めて出た第3相試験データでもあります。この最新の研究によりWELIREGが対象患者さんのアウトカムを改善する可能性が示されました。当社は、WELIREGを含む様々な新規の作用機序を評価する強力な臨床開発プログラムをとおして、難治性のがんに対する研究を推進する取り組みをさらに進めてまいります」と述べています。

2023年ESMO年次総会で発表されたLITESPARK臨床開発プログラムには、進行RCCを対象としてWELIREGの評価を行う第2相試験のLITESPARK-003試験(#LBA87)やLITESPARK-013試験(#1881O)の結果も含まれています。すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんのポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されました。さらに、当社が治験依頼者として実施する、フォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴うがん治療のメンタルヘルスに与える影響を評価する試験(#83P)も発表されました。

ダナ・ファーバーがん研究所のLank Center for Genitourinary Oncologyのディレクターでハーバード大学医学部Jerome and Nancy Kohlbergの教授であり、LITESPARK-005試験の研究責任者を務めるToni K. Choueiri(トニー・K・コーエイリ)博士は、「HIF-2α阻害剤のbelzutifanはファーストインクラスの抗がん剤であり、腎細胞がんに対して非常に良好な臨床結果を早期に示しました。LITESPARK-005試験の結果はVEGFRとPD-1/L1の両方を標的とする治療後に進行したRCCの成人患者さんのさらなる治療の選択肢に対するアンメットメディカルニーズを満たすための第一歩となります。LITESPARK臨床開発プログラム全体でRCCの一次治療、二次治療、術後補助療法についても治験を行っており、今後の結果にも期待しています」と述べています。

WELIREGは米国で承認されたファーストインクラスのHIF-2α阻害剤です。第2相LITESPARK-004試験のデータに基づき、VHL病に伴うRCC、中枢神経系血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(治療を必要とするものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。その他の国々でもLITESPARK-004試験に基づき規制当局による承認審査が行われています。

LITESPARK-005試験は、RCCを対象としてWELIREGを評価する4件の第3相試験からなる包括的な開発プログラムの1つです。このほかに、進行RCCに対する二次治療を対象としたLITESPARK-011、一次治療を対象としたLITESPARK-012試験および術後補助療法を対象としたLITESPARK-022試験があります。

すでに発表しているとおり、WELIREGはLITESPARK-005試験の良好な結果に基づき、免疫チェックポイント阻害薬および血管新生阻害薬による治療後に進行したRCCの成人患者に対する治療薬として、適応追加申請(sNDA)が米国食品医薬品局(FDA)の優先審査品目に指定されています。FDAにより、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日が2024年1月17日に設定されました。

 

LITESPARK-005試験デザインその他のデータについて

LITESPARK-005試験は、PD-1/L1およびVEGF-TKIによる治療(順次または同時)後に進行した淡明細胞型RCCの治療として、WELIREGをエベロリムスと比較評価する無作為化非盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04195750)です。2つの主要評価項目はPFSとOSです。副次評価項目はORR、DOR、安全性などです。この試験では746名の患者さんを、WELIREG(120mgを1日1回経口投与する)群と、エベロリムス(10mgを1日1回経口投与する)群に無作為に割り付けました。

IA1の結果では、PFSの中央値はWELIREG投与群では5.6カ月(95% CI, 3.9-7.0)、エベロリムス投与群では5.6カ月(95% CI, 4.8-5.8)でした。IA2においては、PFSの中央値はWELIREG投与群では5.6カ月(95% CI, 3.8-6.5)、エベロリムス投与群では5.6カ月(95% CI, 4.8-5.8)でした。12カ月推定PFS率はWELIREG投与群では33.7%、エベロリムス投与群では17.6%で、18カ月推定PFS率はWELIREG投与群では22.5%、エベロリムス投与群では9.0%でした。IA1におけるOSの中央値はWELIREG投与群では21.0カ月(95% CI, 17.2-24.3)、エベロリムス投与群では17.2カ月(95% CI, 15.3-19.0)でした。IA2におけるOSの中央値はWELIREG投与群では21.4カ月(95% CI, 18.2-24.3)、エベロリムス投与群では18.1カ月(95% CI, 15.8-21.8)でした。全生存期間は今後の解析で検証します。

この試験におけるWELIREGの安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。治療関連の有害事象(TRAE)はWELIREG投与群の89%(n=331)、エベロリムス投与群の89.4%(n=322)に認められました。グレード3以上のTRAEはWELIREG投与群の38.7%、エベロリムス投与群の39.4%に認められました。有害事象により治験薬の投与中止に至ったのは、WELIREG投与群では5.9%、エベロリムス投与群では14.7%でした。死亡に至った治療関連有害事象はWELIREG投与群では0.3%(n=1)、エベロリムス投与群では0.6%(n=2)でした。

WELIREG群において原因を問わない有害事象で最も頻度が高かった(10%以上の患者に発生)のは、貧血(82.8%)、疲労(31.5%)、悪心(18.0%)、便秘(16.7%)、抹消浮腫(16.1%)、呼吸困難(15.1%)、背部痛(14.8%)、無力症、食欲減退、関節痛、低酸素症(各14.5%)、嘔吐(12.9%)、めまい(12.4%)、頭痛、アラニンアミノトランスフェラーゼ上昇(各12.1%)、下痢(11.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ上昇(11.6%)でした。

 

腎細胞がんについて

腎細胞がん(RCC)は腎臓がんの中で圧倒的に多いタイプで、腎臓がんの約9割を占めています。男性に多く、女性の2倍多く見られます。RCCはほとんどの場合、他の腹部疾患の画像診断時に偶発的に発見されます。米国では、腎臓がんの約15%が進行がんの段階で診断されています。組織学的なサブタイプとしては淡明細胞型RCCが最も多く、すべてのRCCの約80%を占めています。

 

WELIREG®錠(belzutifan)40 mg(経口)について

米国での適応症

WELIREG(belzutifan)はフォン・ヒッペル・リンドウ(VHL)病に伴う腎細胞がん(RCC)、中枢神経系(CNS)血管芽腫、または膵神経内分泌腫瘍(pNET)(治療を必要とするものの、ただちに手術を必要としない)成人患者の治療薬として承認されています。

 

WELIREG®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-welireg-belzutifan-significantly-improved-progression-free-survival-and-objective-response-rates-versus-everolimus-in-certain-previously-treated-patients-with-advanced-renal-ce/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Trastuzumab and Chemotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Trastuzumab and Chemotherapy in First-Line HER2-Positive Advanced Gastric or Gastroesophageal Junction (GEJ) Adenocarcinoma( https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-trastuzumab-and-chemotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-trastuzumab-and-chemotherapy-in-first-line-her2-positive-advanced-gastric/ ) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

HER2陽性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法が
トラスツズマブ+化学療法と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に改善

KEYNOTE-811試験でPD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんに対しても
PFSを統計学的に有意に改善

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療において、抗PD-1抗体KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法を評価する第3相KEYNOTE-811試験の結果を発表しました。これらのデータは本日、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の一般演題の中から選ばれた演題セッション(proffered paper session)で発表され(アブストラクト#1511O)、世界中の規制当局と協議を進めています。

28.4カ月間(中央値)の追跡調査後、KEYTRUDA®とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(以下、KEYTRUDA®併用療法)は、HER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんのITT解析対象集団において、プラセボとトラスツズマブおよび化学療法の併用療法(以下、トラスツズマブ+化学療法)と比較して無増悪生存期間(PFS)を統計学的に有意に改善し、病勢進行または死亡のリスクが28%低下しました(HR=0.72[95% CI, 0.60-0.87]; p=0.0002)。また、PD-L1陽性(Combined Positive Score[CPS]≧1)の患者さんにおいても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較して臨床的に意義のあるPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクが30%低下しました(HR=0.70[95% CI, 0.58-0.85])。事前に規定されたサブグループ解析では、ITT解析対象集団におけるPFSの改善は、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんのみで確認されました。試験に参加した患者さんの80%以上がPD-L1陽性(CPS≧1)でした。

その後の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)では、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についても、KEYTRUDA®併用療法はトラスツズマブ+化学療法と比較してITT解析対象集団(HR=0.84[95% CI, 0.70-1.01])およびPD-L1(CPS≧1)陽性のサブグループ(HR=0.81[95% CI, 0.67-0.98])で改善傾向が認められました。PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんでは、OS中央値はKEYTRUDA®併用療法群で20.0カ月(95% CI, 17.9-22.7)、トラスツズマブ+化学療法群で15.7カ月(95% CI, 13.5-18.5)でした。これらのOSの結果は、中間解析では統計学的有意性の基準を満たしませんでした。今後予定されているOSの解析のため追跡調査は継続中です。

メモリアル・スローンケタリング癌センター消化器腫瘍科の主任担当医であり、KEYNOTE-811のグローバル首席治験責任医師であるYelena Y. Janjigian(エレーナ・Y・ジャンジギアン)博士は「胃食道がんの患者さんの大部分は診断された時点で進行しており、これまでは、治療の経過が良くない場合が多くありました。KEYNOTE-811試験の結果は、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の臨床上のベネフィットをさらに示すものであり、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行がんの患者さんにおいて、病勢進行または死亡のリスクを低下させました」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当シニアバイスプレジデントのMarjorie Green(マージョリー・グリーン)博士は「今回の無増悪生存期間の結果により、KEYNOTE-811試験で蓄積されたエビデンスはさらに充実したものとなります。これらのデータは、PD-L1陽性(CPS≧1)のHER2陽性進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者さんの治療選択肢として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法との併用療法の重要性を強調するものであり、治療が難しい消化器がんに対する有効な治療法を模索し続けるという当社の思いを強くするものです」と述べています。

KEYTRUDA®は米国で2021年5月に、HER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しています。この適応はKEYNOTE-811試験の客観的奏効率(ORR)のデータに基づき、米国食品医薬品局(FDA)の迅速承認を受けており、承認維持のために、検証的試験による臨床上の効果の確認および説明が必要となる場合があります。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.はFDAとこの結果を協議しており、HER2陽性胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんにおける現在のKEYTRUDA®の適応をPD-L1陽性(CPS≧1)患者を対象として改訂するべく協力しています。

2023年8月には、これらのデータに基づき、欧州委員会よりPD-L1陽性(CPS≧1)の成人におけるHER2陽性の治癒切除不能な局所進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、トラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法との併用療法の承認を取得しました。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

 

KEYNOTE-811の試験デザインおよび新たに得られたデータ

KEYNOTE-811試験は、HER2陽性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する一次治療として、KEYTRUDA®とトラスツズマブおよび化学療法の併用療法を評価する無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03615326)です。2つの主要評価項目は、RECIST v1.1を用いて盲検下独立中央画像判定で評価したPFS、およびOSです。副次評価項目はORR、奏効期間、安全性などです。本試験では、登録患者698名をKEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔投与)とトラスツズマブ、フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤を含む化学療法(治験責任医師が選択する5-FU+シスプラチンまたはカペシタビン+オキサリプラチン)を投与する群(以下、KEYTRUDA®併用療法群)と、プラセボとトラスツズマブ、化学療法を投与する群(以下、トラスツズマブ+化学療法群)に無作為に割り付けました。

事前に規定された3回目の中間解析(追跡期間中央値38.5カ月)でも、KEYTRUDA®併用療法によりトラスツズマブ+化学療法と比較してPFSの改善がみられ、病勢進行または死亡のリスクがITT解析対象集団で27%低下し(HR=0.73[95% CI, 0.61-0.87])、PD-L1陽性(CPS≧1)の患者さんで29%低下しました(HR=0.71[95% CI, 0.59-0.86])。この中間解析でも引き続きORRの改善がみられ、トラスツズマブ+化学療法と比較してKEYTRUDA®併用療法のORRは73%、奏効期間中央値は11.3カ月でした。

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連の有害事象(TRAE)の発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ99%(n=348)および100%(n=346)であり、グレード3~4のTRAEの発現頻度はそれぞれ58%および50%、グレード5のTRAEの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=4)および1.0%(n=3)でした。TRAEによりいずれかの治験薬を中止したCombined患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で36%、トラスツズマブ+化学療法群で33%でした。

全グレードの免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度は、KEYTRUDA®併用療法群およびトラスツズマブ+化学療法群でそれぞれ39%および24%であり、グレード3~4の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ10%および3%、グレード5の免疫関連有害事象およびInfusion reactionの発現頻度はそれぞれ1.0%(n=3)および1.0%(n=1)でした。高頻度(10%以上)に認められた事象はInfusion reaction(16.6%)および甲状腺機能低下症(10.3%)でした。免疫関連有害事象およびInfusion reactionによりいずれかの治験薬を中止した患者さんの割合は、KEYTRUDA®併用療法群で7%、トラスツズマブ+化学療法群で4%でした。

 

胃がんについて

胃がんは長年にわたりゆっくり進行することが多く、初期症状がほとんどないため、進行して発見されることも少なくありません。胃がん患者さんの70%以上が進行がんです。胃がんのほとんど(約90-95%)は腺がんで、胃の最も内側の層(粘膜)の細胞から発生します。胃がん患者さんの約40-65%がPD-L1陽性(CPS≧1)で、胃がんの約10-30%がHER2陽性です。世界的に見ると胃がんは5番目に多いがんで、がんの死因の第4位となっており、2020年には約110万人が新たに胃がんと診断され、約768,000人が亡くなりました。進行胃がんと診断された患者さんの5年生存率はわずか6%です。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/keytruda-pembrolizumab-plus-trastuzumab-and-chemotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-trastuzumab-and-chemotherapy-in-first-line-her2-positive-advanced-gastric/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Merck’s KEYTRUDA® (pembrolizumab) Plus Concurrent Chemoradiotherapy Significantly Improved Progression-Free Survival (PFS) Versus Concurrent Chemoradiotherapy Alone in Newly Diagnosed, High-Risk Locally Advanced Cervical Cancer (https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とする
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)と同時化学放射線療法の併用療法が
同時化学放射線療法単独と比較して無増悪生存期間(PFS)を有意に延長

KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法は、同時化学放射線療法単独と比較して
疾患進行または死亡のリスクを30%低下

KEYNOTE-A18試験は局所進行子宮頸がんに対するがん免疫療法の第3相試験として初めて、 同時化学
射線療法単独と比較してPFSを有意に延長した試験となる

2023年10月20日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、新たに高リスク局所進行子宮頸がん(FIGO2014分類に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)と診断された患者さんを対象として、抗PD-1抗体KEYTRUDA®と、「化学療法同時併用下で実施する外部照射による放射線治療(EBRT: external beam radiotherapy)とそれに続く小線源療法」(同時化学放射線療法)の併用療法を評価する第3相KEYNOTE-A18試験(ENGOT-cx11/GOG-3047)の結果を公表しました。この試験では、対象の患者さんにおいてKEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が、同時化学放射線療法単独と比較して統計学的に有意で臨床的に意味のある無増悪生存期間(PFS)の延長を示しました。この結果は本日午前10時45分(ET)から、2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会の最新の一般演題の中から選ばれた演題セッション(late-breaking abstract proffered paper session)として初めて発表(アブストラクト#LBA38)されました。

追跡期間の中央値は17.9カ月(範囲:0.9〜31.0カ月)で、KEYTRUDA®との併用療法群は同時化学放射線療法単独群と比較して対象患者さんの疾患進行または死亡のリスクを30%低減しました(HR=0.70 [95% CI, 0.55-0.89]; p=0.0020)。PFSの中央値はいずれの群も未達でした。24カ月PFS率はKEYTRUDA®との併用療法群では67.8%、同時化学放射線療法単独群では57.3%でした。PFSの延長に加え、もう一つの主要評価項目である全生存期間(OS)についてもKEYTRUDA®との併用療法群では同時化学放射線療法単独群より良好な傾向(HR=0.73 [95% CI, 0.49-1.07])が観察されています。今回の中間解析時点では、OSのイベント数は両群を合わせて103件と限られており、OSのデータは不完全で、統計学的な有意差は示されていません。治験は現在も継続中で、OSのフォローアップを引き続き実施しています。この試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルはこれまでに報告されている試験で認められているものと一貫しており、新たな安全性の懸念は特定されませんでした。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発担当バイスプレジデントのGursel Aktan(ガーセル・アクタン)博士は、「子宮頸がんは世界の女性において4番目に多いがんですが、この20年間、局所進行がんと診断された患者さんに対する新たな治療の進歩は限定的でした。今回のKEYNOTE-A18試験の結果により、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法が高リスク子宮頸がん患者さんの新たな治療の選択肢となる可能性が示されました。KEYTRUDA®は特定の進行子宮頸がんに対する適応が確立されており、当社では早期がんに対する研究を進めています」と述べています。

Catholic University of Rome産婦人科学の准教授で、ENGOTの主要治験責任医師であり、本試験全体を統括する首席治験責任医師のDomenica Lorusso(ドメニカ・ロルッソー)教授は、「今回の試験は、新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんを対象とした第3相試験で初めて、がん免疫療法が標準治療と比較してPFSの延長を示しました。特にこの20年間、この疾患の患者さんに対する治療の選択肢の進歩がみられなかったことから、KEYTRUDA®との併用療法群が同時化学放射線療法単独群と比較して疾患進行または死亡のリスクを30%低下させた今回の試験結果は注目せずにはいられません」と述べています。

University of Arizona College of Medicineおよび、Creighton University School of Medicineの産婦人科教授でがん専門医のBradley Monk(ブラッドレイ・モンク)博士は、「局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの予後は不良で治療の選択肢は限られています。今回の結果により、がん免疫療法をより早期の子宮頸がんにも実施することで、現在の標準療法と比較して患者さんのアウトカムを改善できる可能性があります」と述べています。

すでに発表しているとおり、米国食品医薬品局(FDA)がこの度公開された結果に基づき、KEYTRUDA®と同時化学放射線療法の併用療法を新たに高リスク局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの治療薬として、生物製剤承認一部変更申請(sBLA)の優先審査品目に指定しています。FDAにより、処方薬ユーザーフィー法(PDUFA)の審査完了予定日が2024年1月20日に設定されています。この結果は世界中の規制当局とも協議を進めています。

米国ではKEYTRUDA®は子宮頸がんにおいて「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められる(CPS≧1)治療抵抗性、再発または転移性子宮頸がんに対する化学療法±ベバシズマブとの併用療法」と「FDAが承認する検査で腫瘍にPD-L1発現が認められ(CPS≧1)、化学療法による治療中または治療後に疾患が進行した再発または転移性子宮頸がんに対する単独療法」の2つの適応が承認されています。

すでにお知らせしているとおり、2023年ESMO年次総会では、当社の幅広いがんポートフォリオおよび開発パイプラインにおける15種類以上のがんを対象とするデータが発表されています。

 

KEYNOTE-A18/ENGOT-cx11/GOG-3047試験のデザインおよびその他のデータ

KEYNOTE-A18(ENGOT-cx11/GOG-3047)試験は、新たに高リスク(FIGO2014に基づくリンパ節転移陽性のⅠB2-ⅡB期、リンパ節転移の有無を問わないⅢ-ⅣA期)の局所進行子宮頸がんと診断された患者さんの根治目的の治療における、KEYTRUDA®と「化学療法(シスプラチン)同時併用下で実施するEBRTとそれに続く小線源治療」(同時化学放射線療法)の併用療法をプラセボと同時化学放射線療法の併用療法と比較する、無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT04221945)です。Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.が治験依頼者となり、European Network for Gynaecological Oncology Trial(ENGOT)グループおよびGOG Foundation, Inc.(GOG)と協力して実施しています。主要評価項目はPFSとOSで、副次評価項目は完全奏効率、客観的奏効率、安全性などです。この試験では1,060名の患者さんを次のいずれかに無作為に割り付けました。

  • KEYTRUDA®(200 mgを3週間間隔)を5サイクル静脈内投与した後、KEYTRUDA®(400 mgを6週間間隔)をさらに15サイクル静脈内投与し、同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)、または、
  • プラセボおよび同時化学放射線療法(シスプラチン40 mg/m2を週1回、5週間または6週間にわたり静脈内投与、およびEBRT、その後、小線源治療を最小処方線量80 Gray Units(Gy)(体積処方)および75 Gy(点処方)で、すべての放射線治療期間が50日を超えない範囲で実施(予期しない遅延について最大56日まで延長)

KEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでに報告されている試験の結果と一貫していました。治療関連有害事象(TRAE)はKEYTRUDA®との併用療法群の96%、同時化学放射線療法単独群の96%に発生し、グレード3〜5のTRAEはそれぞれ67.0%、60.6%でした。治療関連有害事象によりすべての治験薬の投与中止に至ったのは、KEYTRUDA®との併用療法群では0%、同時化学放射線療法単独群では0.2%でした。また、死亡に至ったTRAEはKEYTRUDA®との併用療法群では2例(0.4%)、同時化学放射線療法単独群では2例(0.4%)でした。安全性に関する新たな懸念は特定されていません。

全グレードの免疫介在性有害事象(imAE)はKEYTRUDA®との併用療法群では32.6%、同時化学放射線療法単独群では11.7%でした。グレード3〜5の免疫関連AEはそれぞれ4.2%、1.1%でした。全グレードの免疫関連AEのうち最も高頻度(2例以上)に認められたのはKEYTRUDA®との併用療法群では甲状腺機能低下症(19.3%)でした。いずれの群でも免疫関連AEによる死亡例はありませんでした。

 

当社の乳がんおよび婦人科がん研究

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は乳がんおよび婦人科がん(卵巣がん、子宮頸がん、子宮内膜がん)患者さんのアウトカム改善を目指し、研究を進めています。これらのがんを対象とする総合的な臨床開発プログラムを実施しており、KEYTRUDA®の単剤療法および他の薬剤との併用療法を評価する20件以上の第3相試験を当社が治験依頼者となって進めています。米国ではKEYTRUDA®は現在、トリプルネガティブ乳がんについては高リスク早期のものを含む2件の適応と、進行子宮頸がんおよび子宮内膜がんについては4件の適応が承認されています(以下の適応をご覧ください)。これらの早期がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約25件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報について

用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/mercks-keytruda-pembrolizumab-plus-concurrent-chemoradiotherapy-significantly-improved-progression-free-survival-pfs-versus-concurrent-chemoradiotherapy-alone-in-newly-diagnosed-hi/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイトwww.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下「MSD」)は、任意団体work with Pride が策定した職場でのLGBTQ等セクシュアル・マイノリティ(以下「LGBTQ」)に関する取り組み評価指標「PRIDE指標2023」*1で、「ゴールド」を受賞しました。昨年に続き、5年連続での「ゴールド」の受賞となります。

MSDでは、2014年に「MSDダイバーシティ&インクルージョン宣言」(現「MSDダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン宣言」)を発表し、あらゆる背景を持つ社員が能力を最大限発揮できる職場づくりを目指して、さまざまな制度を整備するとともに、社員の意識・行動変容のための取り組みを推進してまいりました。

[社内制度・宣言]

  • 2018年: 社員の同性パートナーを人事規程上の配偶者とみなし、住宅手当や休暇制度などすべての人事制度を同性パートナーにも適用できる「同性パートナー登録制度」(現「パートナー登録制度」)を導入。
  • 2020年: 就業規則にSOGIハラスメント*2の禁止を明文化。
  • 2021年: 育児休業制度(休業期間中のうち最長3カ月間は有給)の対象を同性パートナーの子どもにも拡大。
  • 2023年: 昨今の社会におけるエクイティ(公平性)*3への注目度の高まりを踏まえて、「MSDダイバーシティ&インクルージョン宣言」に新たにエクイティを加え、「MSDダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン宣言」へと更新。

[社内での取り組み]

  • 2019年: 米国本社で既に20年もの歴史がある社員ネットワーク「Rainbow Alliance(レインボー・アライアンス)」の日本支部を設立。LGBTQの当事者だけでなく、アライ(支援者)もメンバーとなり、現在約90名もの社員が社内外での啓発活動を推進。
  • 例年6月のプライド月間には、社内においてもLGBTQへの理解を促進するためのさまざまなイベントを開催。
  • 例年9月に、全社員を対象にダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン エクスペリエンス月間を実施。今年はエクイティに関する社員の理解促進を図るための特別プログラムを実施。

[社外での啓発活動]

  • 2022年: 婚姻の平等に向け、同性婚の法制化に賛同する企業や団体を募集するキャンペーン「Business for Marriage Equality」に参加。
  • 2022年、2023年: 日本最大級のLGBTQのパレードイベントであり、セクシュアル・マイノリティの人々が自分らしく誇りをもって生きる社会を目指す「東京レインボープライド」に、ゴールドスポンサーとして協賛。
  • 2023年: 「さっぽろレインボープライド」に協賛。
  • 2023年: work with Pride実行委員会に参画。企業の枠を超えてLGBTQの人々が自分らしく働ける職場づくりを推進。

こうした数々の取り組みが評価され、MSDは「PRIDE指標2023」で「ゴールド」と認定されました。

また、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況などが優良であると厚生労働大臣より認められた企業に与えられる「えるぼし認定」において、MSDは今年、最高位の3つ星を取得しました。

MSDはこれからも、ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンの推進を通じて、社員それぞれが持つ強みを最大限に発揮できる多様性を受容するインクルーシブな職場環境を醸成し、人々に革新的な医薬品とワクチンを提供できるよう努めてまいります。

以上

*1PRIDE指標について任意団体 work with Pride が、職場におけるLGBTQなどのセクシュアル・マイノリティへの取り組みの評価指標として2016年に策定しました。「行動宣言」、「当事者コミュニティ」、「啓発活動」、「人事制度、プログラム」、「社会貢献・渉外活動」からなる5つの指標で評価され、採点結果に応じて、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」や国・自治体・学術機関・NPO/ NGOなどとの、セクターを超えた協働を推進する企業を評価する「レインボー」で表彰されます。詳細はこちらをご参照ください。http://workwithpride.jp/pride-i/

*2SOGIハラスメントについて 性的指向・性自認に関する言動によって、他人に不快な思いをさせることや職場の環境を悪くする行為

*3エクイティ(公平性)について 個人およびチームのパフォーマンス向上を目的に、社員一人ひとりの置かれた状況や背景に応じて支援内容を最適化し、公平な土台をつくりあげること


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、FDA Approves KEYTRUDA® (pembrolizumab) for Treatment of Patients With Resectable (T≥4 cm or N+) NSCLC in Combination With Chemotherapy as Neoadjuvant Treatment, Then Continued as a Single Agent as Adjuvant Treatment After Surgery (https://www.merck.com/news/fda-approves-keytruda-pembrolizumab-for-treatment-of-patients-with-resectable-t%E2%89%A54-cm-or-n-nsclc-in-combination-with-chemotherapy-as-neoadjuvant-treatment-then-continued-as-a-single/) の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)、根治切除不能又は転移性の腎細胞癌、腎細胞癌における術後補助療法、再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌、根治切除不能な進行・再発の食道癌、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌、PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌、ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法、がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌、がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)、進行又は再発の子宮頸癌、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫に対する効能又は効果で承認を取得しております。 

注) 条件付き早期承認対象

 


参考資料

KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、切除可能(T≧4 cmまたはN+)な非小細胞肺がん(NSCLC)に対する
術前の化学療法との併用療法と、それに続く術後のKEYTRUDA®単独療法についてFDAの承認を取得

KEYTRUDA®のNSCLCに対する適応は6件目となり、
オンコロジーポートフォリオにおける早期がんの適応を拡大

2023年10月16日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、抗PD-1抗体KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)が、切除可能(原発腫瘍4cm以上またはリンパ節転移陽性)な非小細胞肺がん(NSCLC)に対するプラチナ製剤を含む化学療法との併用療法による術前補助療法と、それに続くKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法として、米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。KEYTRUDA®のNSCLCに対する適応は転移性と早期のNSCLCを合わせ6件目となります。

この承認は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)第8版によるII期、IIIA期、IIIB期(N2)の切除可能なNSCLCを対象とし、KEYTRUDA®と化学療法との併用療法による術前補助療法と、それに続く切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法を評価した第3相KEYNOTE−671試験のデータに基づいています。この試験においてKEYTRUDA®群は、プラセボ+化学療法による術前補助療法と、それに続く手術とプラセボ単独による術後補助療法と比較して、この試験の2つの主要評価項目である無イベント生存期間(EFS)と全生存期間(OS)を統計学的に有意に延長しました。最初の中間解析で得られたEFSは2023年6月にニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン誌に掲載されました。OSの詳細な結果は、スペインのマドリッドで開催される2023年欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で2023年10月20日に発表されました。

KEYTRUDA®とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を術前補助療法として実施し、その後の切除とKEYTRUDA®を単独で術後補助療法として投与した切除可能なNSCLC患者さんにおける副作用は、KEYTRUDA®と化学療法の併用療法を受けたすべての種類のがん患者さんの副作用と概ね類似していました。

重篤な、または死亡にいたる可能性のある免疫関連の有害反応は、どの器官系や組織にも発生する可能性があり、複数の体組織に同時に影響する場合があります。KEYTRUDA®による治療中または治療後のあらゆる時点で、肺臓炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎、皮膚反応、実質臓器移植の拒絶反応、同種造血幹細胞移植の合併症など、免疫関連の有害反応が発生する可能性があります。ここに列記する重大な免疫関連の有害反応は、発生しうる重篤で命にかかわる免疫関連の有害反応をすべて網羅しているわけではありません。KETYRUDA®の安全な使用のためには、免疫関連の有害反応の早期発見と管理が重要です。有害反応の重症度に応じてKEYTRUDA®の投与を休薬または中止し、適宜コルチコステロイドを投与します。KEYTRUDA®は重篤な、または命にかかわるインフュージョン・リアクション(点適時の過敏症反応)を引き起こす場合があります。作用メカニズムに基づき、KEYTRUDA®は、妊婦に投与されると胎児に悪影響を及ぼす可能性があります。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

呼吸器腫瘍内科医で、スタンフォード大学医学部教授、International Association for the Study of Lung Cancer(IASLC)の元プレジデント、KEYNOTE-671試験の首席治験責任医師のHeather Wakelee博士は、「早期の非小細胞肺がん患者さんのアウトカムを改善する治療の選択肢が今も求められています。免疫療法によるレジメンでは、プラセボと化学療法によるレジメンと比較して全生存期間と無イベント生存期間が統計学的に有意に改善したことから、原発腫瘍4cm以上またはリンパ節転移のある切除可能な非小細胞肺がんの現在の治療パラダイムが変わる可能性があります」と述べています。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門進行がん担当責任者シニアバイスプレジデントのMarjorie Green博士は、「KEYTRUDA®はPD-L1の発現に関わらず、早期と転移性の両方の非小細胞肺がんの治療を変え続けています。今回の承認は、一定の早期非小細胞肺がん患者さんや医療従事者に重要で新たな治療の選択肢を提供するものであり、肺がんコミュニティーにとって大きな節目となります」と述べています。

このKEYTRUDA®の承認はNSCLCに対する適応としては6件目です。KEYTRUDA®のNSCLCに対する他の5つの適応は以下のとおりです。

(1)EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴わない転移性非扁平上皮NSCLCに対する初回治療におけるペメトレキセドおよびプラチナ製剤による化学療法との併用療法

(2)転移性扁平上皮NSCLCに対する初回治療におけるカルボプラチンおよびパクリタキセルまたはタンパク結合パクリタキセルとの併用療法

(3)EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴わず、FDAが承認する検査による判定でPD-L1を発現(TPS≧1%)し、手術による切除または根治的化学放射線療法の対象とならない、または転移性のIII期NSCLCに対する初回治療における単剤療法

(4)FDAが承認する検査による判定でPD-L1を発現(TPS≧1%)し、プラチナ製剤を含む化学療法による治療中または治療後に疾患進行した転移性NSCLCに対する単剤療法。EGFR遺伝子変異またはALK融合遺伝子転座を伴う場合は、これらの異常に対するFDAが承認する治療を受け疾患進行した者にKEYTRUDA®を投与

(5)IB期(T2a≧4cm)、II期、またはIIIA期のNSCLC成人患者に対する切除およびプラチナ製剤による化学療法後の術後補助療法における単剤療法

 

試験デザインについて

KEYNOTE-671試験は、American Joint Committee on Cancer(AJCC)第8版による切除可能なII期、IIIA期、IIIB期(N2)のNSCLC患者さんを対象として、KEYTRUDA®と化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とKEYTRUDA®単独療法による術後補助療法を、プラセボと化学療法との併用による術前補助療法と、その後の切除とプラセボによる術後補助療法と比較する多施設無作為化二重盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov, NCT03425643)です。被験者は腫瘍のPD-L1発現に関係なく登録しました。治療後2年以内に全身療法を必要とする活動性の自己免疫疾患、免疫抑制を必要とする内科系疾患、ステロイドを必要とする間質性肺疾患または肺炎の既往歴のある患者さんは登録されませんでした。被験者は病期(II期、III期)、腫瘍のPD-L1発現(TPS≧50%、<50%)、組織型(扁平上皮、非扁平上皮)、地域(東アジア、東アジア以外)で層別無作為化されました。

この試験では、登録患者797名を以下のいずれかの群に1:1の割合で無作為に割り付けました。

  • 術前補助療法としてKEYTRUDA®200 mgを3週間間隔で静脈内投与し、シスプラチン75 mg/m2を1日目に静脈内投与するとともに、同じく1日目にペメトレキセド500 mg/m2を静脈内投与、またはゲムシタビン1,000 mg/m2を21日間隔のサイクルで1日目および8日目に静脈内投与。手術後4~12週以内に、KEYTRUDA®200 mgを3週間間隔で最大13サイクル静脈内投与
  • 術前補助療法としてプラセボを3週間間隔で1日目に静脈内投与し、シスプラチン75 mg/m2を1日目に静脈内投与するとともに、同じく1日目にペメトレキセド500 mg/m2を静脈内投与、またはゲムシタビン1,000 mg/m2を21日間隔のサイクルで1日目および8日目に静脈内投与。手術後4~12週以内に、プラセボを3週間間隔で最大13サイクル静脈内投与

KEYTRUDA®またはプラセボの投与は期間終了(17サイクル)まで、または、根治手術ができない疾患進行、術後補助療法期間中の疾患再発、手術未実施または不完全切除後の術後補助療法における疾患進行、または容認できない毒性が認められるまで継続しました。腫瘍の状態は術前補助療法期間中のベースライン、7週時、13週時と、術後補助療法開始前4週間以内に評価しました。また術後補助療法の開始後、3年時までは16週間ごと、その後は6か月ごとに評価しました。この試験は各治療フェーズ(術前補助療法、術後補助療法)におけるKEYTRUDA®の効果を別々に評価するためにデザインされたものではありませんでした。

有効性の主要評価項目は、OSと治験担当医師が判定するEFSでした。その他の有効性評価項目は、盲検下独立病理判定(BIPR)による病理学的完全奏効(pCR)率と病理学的奏効(mPR)率でした。

根治手術を受けたのは、KEYTRUDA®とプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を実施した患者さんの81%、プラセボとプラチナ製剤を含む化学療法の併用療法を実施した患者さんの76%でした。

 

肺がんについて

肺がんは世界のがんの死因のトップとなっています。2020年だけでも世界で220万人以上が新たに肺がんにかかり、約180万人が死亡しました。非小細胞肺がんは肺がんの中で最も多く、すべての肺がんの約81%を占めています。米国では、肺がんと診断された患者さんの5年全生存率は25%で、過去5年で21%改善しています。生存率の改善は、早期発見と早期スクリーニング、診断や手術の進歩、新たな治療法の誕生などによるものです。しかしながらスクリーニングと早期発見は現在も重大なアンメットニーズとなっており、肺がんの44%が進行してから発見されています。米国で肺がん検診対象者のうち実際に検診を受けたのはわずか5.8%でした。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の肺がん研究について

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.は、死亡率の高い肺がんの転帰を改善することを目指し治療に変革をもたらす研究を進めています。肺がん研究の最前線に立ち、世界中の36,000人以上を対象とする200件近くの臨床試験を実施しています。米国では、KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)は進行NSCLCに対する6件の適応が承認されており(詳しくは当社英文リリースをご参照ください)、95カ国以上で進行NSCLCの治療薬として承認されています。早期肺がんに対するKEYTRUDA®の評価や、KEYTRUDA®の新たな併用療法や配合剤を特定するための研究などを進めています。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., U.S.A.の早期がんに対する臨床プログラムについて

がんをより早い病期で発見することで、患者さんの長期生存の可能性が高まります。多くのがんは、初期の段階であるほど治療しやすく、治癒の可能性も高いと考えられています。後期がんにおけるKEYTRUDA®の役割を十分に理解した上で、より早期のステージにおける研究を進めており、複数のがん種を対象とした約20件の承認申請に向けた試験が進行中です。

 

KEYTRUDA®について

KEYTRUDA®は、自己の免疫力を高め、がん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との結合を阻害して、がん細胞を攻撃するTリンパ球を活性化するヒト化モノクローナル抗体です。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在1,600を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。

 

KEYTRUDA®用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムについて

用法・用量・安全性情報・Access Program・患者支援プログラムなど一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
https://www.merck.com/news/fda-approves-keytruda-pembrolizumab-for-treatment-of-patients-with-resectable-t%E2%89%A54-cm-or-n-nsclc-in-combination-with-chemotherapy-as-neoadjuvant-treatment-then-continued-as-a-single/

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAのがん領域における取り組み

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAでは、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。当社のオンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じてポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、当社ウェブサイトをご覧ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトTwitterFacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

 

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、昨今の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行の影響、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2022年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下「MSD」)は本日、米国本社Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA (本社:米国ニュージャージー州ローウェイ)の関連会社Merck Sharp & Dohme LLC(以下「MSD関連会社」)が、沢井製薬株式会社(本社:大阪市淀川区)とメディサ新薬株式会社(本社:大阪市淀川区、以下「メディサ新薬」)に対し、メディサ新薬によるシタグリプチン製剤の製造販売に関する特許侵害訴訟および仮処分申請を、2023年10月6日に東京地方裁判所に提起したと発表しました。MSD関連会社は、同社が保有する特許JP3762407に関して訴状を提出しました。

当社のサイエンスとテクノロジーによって、世界初のDPP-4阻害薬であるジャヌビア®は開発・発売されました。これは、成人の2型糖尿病患者さんにとって重要な進歩でした。このようなイノベーションは、当社のような研究開発型の医薬品企業が、研究開発への投資を継続することを可能とする、確固たる創薬エコシステムの構築に貢献しています。

日本でシタグリプチンのジェネリック医薬品の承認を取得(もしくは申請)したと報道されているジェネリック企業と当社の間にライセンス契約や許諾は存在しておりません。当社は、ジャヌビア®(シタグリプチン)のすべての剤形のさまざまな側面をカバーする単数又は複数の特許が有効であると確信しています。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, N.J., USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookYouTubeをご参照ください。