抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法について承認を申請

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2023/05/12 15:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:カイル・タトル、以下 「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、HER2陰性の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんに対する化学療法との併用療法としての製造販売承認事項一部変更承認申請を行いましたのでお知らせいたします。

胃がんは日本で3番目に多いがんで、がんの死因でも第3位となっています。2019年には約12.4万人が新たに胃がんと診断され、2020年には約4.2万人が亡くなっています*1。胃がんは初期症状がほとんどなく、長年にわたりゆっくり進行することが多いため、進行してから発見されることも少なくありません。胃がんのほとんどは腺がん*2で、胃粘膜の中にある胃液を分泌する腺細胞から発生します。また、食道胃接合部腺がんは、食道と胃の境目に発生する腺がんで、近年増加しています。Ⅳ期の胃がんと診断された患者さんの5年相対生存率は6.2%*3であり、新たな治療法の開発が喫緊に求められていました。

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、国際共同第3相試験であるKEYNOTE-859試験の結果に基づいています。同試験において、HER2陰性の治癒切除不能な進行・再発の胃腺がんまたは食道胃接合部腺がんの患者に対する一次治療として、キイトルーダ®と化学療法(フッ化ピリミジン系薬剤およびプラチナ系薬剤)の併用療法をプラセボと化学療法の併用療法と比較したところ、キイトルーダ®と化学療法の併用療法では主要評価項目である全生存期間(OS)の有意な改善が示されました。また、副次評価項目である無増悪生存期間(PFS)および奏効率(ORR)についても、統計学的に有意で臨床的に意味のある改善が認められました。なお、本試験におけるキイトルーダ®と化学療法の併用療法の安全性プロファイルは、これまでに報告されている臨床試験と同様でした。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進めてまいります。

 

キイトルーダ®について

キイトルーダ®は、PD-1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することで、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害します。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に、再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)注)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「腎細胞癌における術後補助療法」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「根治切除不能な進行・再発の食道癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法」「がん化学療法後に増悪した切除不能な進行・再発の子宮体癌」「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「進行又は再発の子宮頸癌」の効能又は効果について承認を取得しています。また、再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫の単剤療法について申請中で、前立腺がん、肝細胞がん、卵巣がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

注) 条件付き早期承認対象

*1 国立がん研究センターがん情報サービス 「最新がん統計」

*2 国立がん研究センターがん情報サービス 「胃がんについて」

*国立がん研究センターがん情報サービス 「院内がん登録生存集計結果閲覧システム」

 

以上

 

MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookTwitterYouTubeをご参照ください。