FDA、1日1回投与のIDVYNSO™(ドラビリン/イスラトラビル)を承認

Download icon Save as PDF

2026/05/15 15:00 JST

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、FDA Approves Merck’s Once-Daily IDVYNSO™ (doravirine/islatravir) (https://www.merck.com/news/fda-approves-mercks-once-daily-idvynso-doravirine-islatravir/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

ドラビリン/イスラトラビルの2剤配合錠は、日本国内ではイドビンソ®として、HIV-1感染症*に対する効能又は効果で承認を取得しております。
*効能又は効果に関連する注意「ウイルス学的失敗の経験がなく、切り替え前3ヵ月間以上ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50 copies/mL未満)が得られており、ドラビリン又はイスラトラビルに対する耐性関連変異を持たず、本剤への切り替えが適切であると判断される抗HIV薬既治療成人患者」


参考資料

FDA、1日1回投与のIDVYNSO™(ドラビリン/イスラトラビル)を承認

IDVYNSO™は、ウイルス学的失敗の経験がなく、ウイルス学的抑制が得られており、かつ
ドラビリン耐性に関連する耐性関連変異を持たない成人HIV-1患者を対象に承認

IDVYNSO™は、初のINSTIとテノホビルを含まない1日1回投与の2剤配合錠として、
3剤配合錠のBIKTARVY®(BIC/FTC/TAF)を対照とした第3相試験で有効性の非劣性を示す

2026年4月21日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、ドラビリン(100 mg)/イスラトラビル(0.25 mg)の2剤配合錠であるIDVYNSO™が、ウイルス学的失敗の経験がなく、抗レトロウイルス療法によりウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50 copies/mL未満)が得られており、ドラビリンに対する耐性関連変異を持たない成人HIV-1感染症患者に対する切り替え治療として米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得したことを発表しました。IDVYNSO™と強力なシトクロムP450(CYP)3A酵素誘導剤、ラミブジン(3TC)およびエムトリシタビン(FTC)との併用投与は禁忌です。これらの薬剤との併用により、IDVYNSO™の有効性が低下する可能性があります。重要な安全性情報について詳しくは当社英文リリースをご覧ください。

AIDS Unitedのプレジデント兼最高経営責任者のCarl Baloney, Jr.(カール・バロニー・ジュニア)氏は、「HIV治療の進歩により、HIVと共に生きる人々の長寿化が進んでいます。これは非常に画期的な成果です。HIVと共に生きる人々は歳を重ねるにつれて、複数の慢性疾患や複数の薬剤を同時に管理しなければならないなど、健康上の課題が増大します。HIV治療レジメンを選択する際には、ウイルス学的抑制だけでなく、こうした要因も考慮してHIV感染症のマネジメントを行うことが重要です」と述べています。

当社研究開発本部シニアバイスプレジデントでチーフメディカルオフィサーのEliav Barr(エリアブ・バール)博士は、「IDVYNSO™は、トランスロケーション阻害を含む複数の作用機序を持つ次世代NRTIであるイスラトラビルと、有効性および安全性プロファイルが確立されているNNRTIであるドラビリンを組み合わせた製剤です。IDVYNSO™は、INSTIとテノホビルを含まない唯一の2剤配合錠であり、現在提供されている経口治療薬の選択肢の多様性を拡大します。HIVと共に生きる成人の方々の健康ニーズは時代とともに変化する中、IDVYNSO™は、HIV治療の新たな選択肢を臨床医に提供します。今回の承認は、HIVと共に生きる人々のための研究・創薬における当社の長年の取り組みの成果であり、重要な節目となるものです」と述べています。

IDVYNSO™は1剤で完結するコンプリートレジメンであるため、HIV-1感染症の治療を目的として他の抗レトロウイルス薬との併用投与は推奨されません。ドラビリンを含むレジメンは、スティーブンス-ジョンソン症候群/中毒性表皮壊死融解症を含む重度の皮膚反応が報告されています。IDVYNSO™では、好酸球増加と全身症状を伴う薬物反応(DRESS)が報告されています。IDVYNSO™と特定の他剤を併用した場合、既知または潜在的に重要な薬物相互作用が生じる可能性があり、IDVYNSO™の治療効果の減弱、耐性化、IDVYNSO™の含有成分の血中濃度上昇に伴う臨床的に意味のある副作用につながるおそれがあります。重要な安全性情報について詳しくは当社英文リリースをご覧ください。

米国マサチューセッツ州ボストンのCommunity Resource Initiativeの研究ディレクターであるAmy Colson(エイミー・コルソン)博士は、「IDVYNSO™は、BIKTARVYなどの標準経口抗レトロウイルス療法に対して非劣性の有効性を示す、INSTIとテノホビルを含まない初の2剤配合錠です。これは、ウイルス学的抑制が得られており、治療の切り替えが必要な人々にとって、IDVYNSO™が新たな選択肢となる可能性を示しています」と述べています。

IDVYNSO™承認の根拠となった第3相試験について

IDVYNSO™の有効性および安全性は、ウイルス学的抑制(HIV-1 RNA 量50 copies/mL 未満)が得られているHIV-1と共に生きる成人を対象とする、2つの無作為化実薬対照非劣性試験[052試験(NCT05630755)および051試験(NCT05631093)]の48週時の成績によって裏付けられています。組み入れ前に3カ月以上、ベースライン時のレジメンで安定したウイルス学的抑制が得られており、ウイルス学的失敗の経験がない治験参加者が対象でした。両試験で合計708例の治験参加者がIDVYNSO™の1日1回投与を受けました。このうち、65歳以上が81例(11%)、75歳以上が10名(1%)でした。

二重盲検試験の052試験では、治験参加者をBIKTARVY[ビクテグラビル/エムトリシタビン/テノホビルアラフェナミド(BIC/FTC/TAF)]からIDVYNSO™へ切り替えました。合計513例の治験参加者が、IDVYNSO™切替え群(n=342)またはBIC/FTC/TAF継続群(n=171)に2:1の割合で無作為に割り付けられました。ベースライン時の治験参加者の平均年齢は48歳(範囲:19~77歳)、女性は21%、白人は61%、黒人/アフリカ系アメリカ人は31%、アジア人は6%でした。ヒスパニック/ラテン系は23%でした。

非盲検試験の051試験では、治験参加者を経口の抗レトロウイルス療法(ART)からIDVYNSO™へ切り替えました。合計551例の治験参加者が、IDVYNSO™切替え群(n=366)またはベースラインART継続群(n=185)に2:1の割合で無作為に割り付けられました(ベースラインARTレジメンより層別化)。ベースライン時の治験参加者の平均年齢は50歳(範囲:18~83歳)、女性は40%、白人は39%、黒人/アフリカ系アメリカ人は45%、アジア人は5%でした。ヒスパニック/ラテン系は15%でした。組み入れ時には、治験参加者の64%がインテグラーゼ阻害薬、5%がプロテアーゼ阻害薬(インテグラーゼ阻害薬との併用含む)、30%がその他のレジメンの投与を受けていました。

IDVYNSO™の有効性プロファイル

IDVYNSO™は、48週時におけるHIV-1 RNA量が50 copies/mL以上の治験参加者の割合に基づく評価において、BIC/FTC/TAF(052試験)およびベースラインART(051試験)に対して非劣性を示しました。

  1. 二重盲検試験の052試験において、主要評価項目である48週時のHIV-1 RNA量が50 copies/mL以上の治験参加者の割合はIDVYNSO™切替え群(n=342)で1%、BIC/FTC/TAF継続群(n=171)では1%でした(群間差: 0.9%、95% CI, -1.9%, 2.9%)。副次評価項目である48週時のウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量50 copies/mL未満)が維持された治験参加者の割合は、IDVYNSO™切替え群で92%、BIC/FTC/TAF継続群で94%でした。
  2. 非盲検試験の051試験では、主要評価項目である48週時のHIV-1 RNA量が50 copies/mL以上の治験参加者の割合はIDVYNSO™切替え(n=366)で1%、ベースラインART継続群(n=185)で5%でした(群間差: -3.6%、95% CI, -7.8%, -0.8%)。副次評価項目である48週時のウイルス学的抑制(HIV-1 RNA量が50 copies/mL未満)が維持された治験参加者の割合は、IDVYNSO™切替え群で96%、ベースラインART継続群で92%でした。

両試験において、治療群間の治療成績は、年齢、性別、人種(および051試験ではベースラインARTレジメン)の各サブグループで概ね同様でした。両試験において、IDVYNSO™を投与した65歳以上の治験参加者と若年の治験参加者間で、安全性または有効性に差は認められませんでしたが、一部の高齢者では感受性が高い可能性を否定することはできません。

IDVYNSO™の安全性および忍容性プロファイル

IDVYNSO™の安全性プロファイルは、052試験においてはBIC/FTC/TAFと、051試験においては経口抗レトロウイルス療法レジメンと概ね同様でした。052試験では48週時点までに、治験薬の投与中止に至った有害事象はIDVYNSO™切替え群で3%、BIC/FTC/TAF継続群で2%に認められました。051試験では48週時点までに、IDVYNSO™切替え群で0.5%、ベースラインART継続群で2%に認められました。

052試験および051試験において48週までに、いずれかの治療群で2%以上に認められた主な副作用(全グレード)は以下の通りでした。

  1. 052試験(IDVYNSO™切替え群 vs BIC/FTC/TAF継続群):下痢(1% vs 1%)、浮動性めまい(1% vs 0%)、疲労(1% vs 1%)、腹部膨満(1% vs 0%)、頭痛(1% vs 0%)、体重増加(1%未満 vs 0%)
  2. 051試験(IDVYNSO™ 切替え群vs ベースラインART継続群):下痢(3% vs 0%)、浮動性めまい(2% vs 1%)、疲労(2% vs 1%)、腹部膨満(2% vs 0%)、頭痛(2% vs 1%)、体重増加(2% vs 0%)

IDVYNSO™切替え群では、ベースラインからの体重変化はわずかでした。48週時点における体重の変化量の平均値は、052試験ではIDVYNSO™切替え群で-0.03 kg、BIC/FTC/TAF継続群で0.28 kg、051試験ではIDVYNSO™切替え群で0.94 kg、ベースラインART継続群で-0.15 kgでした。051試験において体重増加の副作用が認められた6例のうち4例は、エファビレンツおよび/またはテノホビル ジソプロキシルフマル酸塩を含むベースラインARTレジメンから切り替えでした。

IDVYNSO™について

IDVYNSO™はドラビリンとイスラトラビルの2剤配合錠です。ドラビリンは非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)であり、HIV-1逆転写酵素を非競合的に阻害することにより、HIV-1の複製を抑制します。イスラトラビルは強力な次世代のヌクレオシド系アナログ逆転写酵素阻害剤(NRTI)であり、以下のような複数の作用機序によってHIV-1の複製を阻害します。

  1. 逆転写酵素のトランスロケーションを阻害する作用により即時型のチェーンターミネーションをもたらす
  2. ウイルスDNAの構造変化を誘発する(遅延型チェーンターミネーション)

米国におけるIDVYNSO™の効能・効果・安全性情報について

米国におけるIDVYNSO™の効能・効果・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/fda-approves-mercks-once-daily-idvynso-doravirine-islatravir/

当社のHIVの取り組み

当社は40年以上にわたりHIVの科学的研究、創薬に取り組み、HIVの治療を変える科学的ブレイクスルーを起こしてきました。さまざまな薬剤分類でHIVの影響を受ける人々に貢献できる新たな選択肢の開発をいち早く進めてきました。HIVを抑制、予防するためのさまざまな抗ウイルス薬の開発を今日も継続しています。当社は現実の生活に即した研究を進め、人々の生活がHIVによって決定づけられてしまうことのないよう取り組んでいます。変革的なイノベーション、世界のHIVコミュニティーとの連携、HIVの流行の終息を目指し、すべての人にアクセスを提供する取り組みに注力しています。

当社のHIV研究について

イスラトラビルは現在、他の抗レトロウイルス薬と組み合わせた2剤配合レジメンの基盤となる薬剤として位置づけ、週1回投与のHIV-1感染症治療薬として、複数の早期および後期臨床試験で評価を実施しています。イスラトラビルは、Gileadのレナカパビルとの併用による週1回経口投与のHIV-1感染症の新規治療薬として第3相試験[ISLEND-1(NCT06630286)およびISLEND-2(NCT06630299)]で評価をしているほか、当社が開発中の非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害剤(NNRTI)ulonivirine(MK-8507)との併用による週1回経口投与の治療薬として第2b相試験[MK-8591B-060(NCT06891066)およびMK-8591B-062(NCT07266831)]を実施しています。

MK-8527は当社が開発中のHIV-1感染症の曝露前予防(PrEP)の月1回経口投与の新たな候補薬です。Gates Foundationと協力し、第3相EXPrESSIVE-10試験[MK-8527-010(NCT07071623)]では、サブサハラアフリカの女性および思春期女子における性行為によるHIV-1感染のリスクを低減するためのPrEPとしてMK-8527の安全性と有効性を評価しています。第3相EXPrESSIVE-11試験[MK-8527-011(NCT07044297)]では、16カ国において、HIV-1に曝露する可能性のある人々の、性行為によるHIV-1感染のリスクを低減するPrEPとしてMK-8527の安全性と有効性を評価しています。いずれの試験も現在被験者を募集中です。

当社のHIV治療薬および予防薬の臨床開発プログラムの概要は、こちらをご覧ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、米国および世界における医薬品業界の規制やヘルスケア関連の法制度が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、革新的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2025年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

以上


MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。