抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣癌に対する承認を取得
2026/09/16 15:00 JST
報道関係各位
MSD株式会社
MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:プラシャント・ニカム、以下「MSD」)は、本日、抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣癌に対する国内製造販売承認事項一部変更承認を取得しましたので、お知らせいたします。
卵巣がんの約9割は、卵巣の表面を覆う上皮(表層上皮)に発生する上皮性腫瘍です*1。現在、公的な指針として定められている検診はなく、初期の段階には症状が出にくいため、見つかったときには進行していることが多いがんです*2。国内では、2023年の診断数は12,926人で*3、2024年には5,116人が亡くなっています*4。卵巣がんに対しては、主に白金系抗悪性腫瘍剤を中心とした化学療法が実施されていますが、白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の再発卵巣がんに対する治療選択肢は限られています*5。
今回の製造販売承認事項一部変更承認は、1または2レジメンの化学療法歴を有するプラチナ製剤抵抗性の組織学的に確認された上皮性卵巣がん、卵管がんまたは原発性腹膜がん患者さん643例(日本人37例を含む)を対象とした、国際共同無作為化二重盲検第III相試験であるKEYNOTE-B96試験のデータに基づいています。同試験は、キイトルーダ®と他の抗悪性腫瘍剤(パクリタキセル±ベバシズマブ)との併用療法の有効性および安全性を、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を対照として検討するもので、主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は全生存期間(OS)でした。
試験結果から、中間解析時のデータ(2024年4月3日カットオフ)では、キイトルーダ®と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群でのPFSの中央値は8.3カ月(95%信頼区間[CI], 7.2-8.6)、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群では6.4カ月(95%CI, 6.2-8.1)で、疾患進行または死亡のリスクは30%低下し(ハザード比[HR]=0.70 [95% CI, 0.58-0.84]; p<0.0001)、キイトルーダ®使用群はPFSを有意に延長しました。また、最終解析時のデータ(2025年9月5日カットオフ)では、キイトルーダ®と他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群でのOSの中央値は17.7カ月(95% CI, 15.2-19.2)、プラセボと他の抗悪性腫瘍剤との併用療法を実施した群では14.0カ月(95%CI, 12.5-15.6)で、死亡のリスクは18%低下し(HR=0.82 [95%CI, 0.69-0.97]; p=0.0115)、キイトルーダ®使用群はOSを有意に延長しました。
安全性については、安全性解析対象例320例中313例(97.8%)(日本人22例中21例を含む)に副作用が認められました。主な副作用(20%以上)は、貧血159例(49.7%)、末梢性ニューロパチー124例(38.8%)、脱毛症121例(37.8%)、疲労113例(35.3%)、悪心100例(31.3%)、鼻出血94例(29.4%)、下痢93例(29.1%)、好中球数減少92例(28.8%)、白血球数減少75例(23.4%)および好中球減少症73例(22.8%)でした。
MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で、今後も患者さんと医療従事者のニーズにお応えできるよう努めてまいります。
*1 公益社団法人 日本産科婦人科学会「卵巣の腫瘍とがん」
*2 国立がん研究センターがん情報サービス「卵巣がん・卵管がん・腹膜がん」
*3 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)全国がん罹患データ(2016年~2023年)
*4 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)全国がん死亡データ(1958年~2024年)
*5 公益社団法人 日本婦人科腫瘍学会『卵巣がん・卵管癌・腹膜癌治療ガイドライン』2025年版(金原出版)
キイトルーダ®について
キイトルーダ®は、PD-1に対するヒト化モノクローナル抗体であり、活性化T細胞上のPD-1に結合することにより、がん細胞上のPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することで、がん細胞による活性化T細胞の抑制を阻害します。その結果、抑制されていたT細胞が再度がん抗原を認識した際に、再活性化され、がん細胞を排除できるようになります。
キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「非小細胞肺癌における術前・術後補助療法」「再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「根治切除不能又は転移性の腎細胞癌」「腎細胞癌における術後補助療法」「再発又は遠隔転移を有する頭頸部癌」「局所進行頭頸部癌における術前・術後補助療法」「根治切除不能な進行・再発の食道癌」「治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸癌」「PD-L1陽性のホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」「ホルモン受容体陰性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌における術前・術後薬物療法」「進行・再発の子宮体癌」「がん化学療法後に増悪した高い腫瘍遺伝子変異量(TMB-High)を有する進行・再発の固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」「進行又は再発の子宮頸癌」「局所進行子宮頸癌」「再発又は難治性の原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫」「治癒切除不能な進行・再発の胃癌」「治癒切除不能な胆道癌」「切除不能な進行・再発の悪性胸膜中皮腫」の効能又は効果について承認を取得しています。また、シスプラチンを含む化学療法に適格な筋層浸潤性膀胱がんにおける術前・術後の補助療法、シスプラチンを含む化学療法に不適格な筋層浸潤性膀胱がんにおける術前・術後の補助療法について承認申請中です。
以上
MSDについて
MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAが米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebook、Instagram、YouTubeをご参照ください。
参考資料
抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」
