米国成人における、CAPVAXIVE®(21価肺炎球菌結合型ワクチン)に含まれる肺炎球菌血清型の疫学と薬剤耐性に注目した15件の試験のシステマティックレビュー

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2025/11/11 15:01 JST

報道関係各位

MSD株式会社

この参考資料は、Systematic Review of 15 Studies Focused on Epidemiology and Antimicrobial Resistance of Pneumococcal Serotypes Covered by CAPVAXIVE® (Pneumococcal 21-valent Conjugate Vaccine) in U.S. Adults (https://www.merck.com/news/systematic-review-of-15-studies-focused-on-epidemiology-and-antimicrobial-resistance-of-pneumococcal-serotypes-covered-by-capvaxive-pneumococcal-21-valent-conjugate-vaccine-in-u-s-adults/)の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。

CAPVAXIVE®は、日本ではキャップバックス®として、「高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる成人における肺炎球菌による感染症の予防」に対する効能又は効果で承認を取得しております。


参考資料

米国成人における、CAPVAXIVE®(21価肺炎球菌結合型ワクチン)に含まれる
肺炎球菌血清型の疫学と薬剤耐性に注目した15件の試験のシステマティックレビュー

米国成人に対する影響が特に大きい血清型を検討することに意味があることが示され、処方頻度の高い抗菌薬ほど耐性の発現が顕著であることが判明結果をIDWeek 2025で発表

2025年10月21日:ニュージャージー州ローウェイ Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、米国成人におけるCAPVAXIVE®(21価肺炎球菌結合型ワクチン)に含まれる肺炎球菌血清型の疫学と薬剤耐性(AMR)に関する研究の系統的文献レビューの結果を発表しました。2015年から2025年までに公表された15試験を検討し、CAPVAXIVE®に含まれていてPCV20(20価肺炎球菌結合型ワクチン)には含まれていない血清型(CAPVAXIVE®固有の血清型:9N、15A、15C、16F、17F、20A、23A、23B、24F、31、35B)に関連する肺炎球菌感染症の血清型特異的な疾病負担を、PCV20に含まれていてCAPVAXIVE®には含まれていない血清型(PCV20固有の血清型:1、4、5、6B、9V、14、18C、19F、23F)と比較して評価しました。この結果は、ジョージア州アトランタで開催されている米国感染症学会(IDWeek 2025)で発表されました。

この解析には、米国において全文掲載された15件の論文と、米国疾病予防管理センター(CDC)のActive Bacterial Core(ABC)サーベイランスからの報告書が含まれました。この15件のうち、13件が有病率、5件が発生率、2件が死亡率、2件がAMR、1件がHRU(health resource utilization、医療資源の利用)および肺炎球菌感染症の合併症に関するものでした。この系統的文献レビューの結果、米国成人においてCAPVAXIVE®固有の血清型はPCV20固有の血清型より高い頻度で検出されることが示されました。2件の論文によると、CAPVAXIVE®固有の血清型に起因する肺炎球菌感染症は、非侵襲性肺炎球菌感染症の治療において処方頻度の高い抗菌薬に対する耐性率がより高くなっています。試験のシステマティックレビューの結果は以下のとおりです。

  1. 2023年時点のABCのデータによると、高齢者(65歳以上)におけるCAPVAXIVE®固有の血清型による侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の有病率(34.8%)はPCV20固有の血清型によるもの(8.5%)の3倍以上でした。50~64歳における有病率は、CAPVAXIVE®固有の血清型では最大30%、PCV20固有の血清型では最大15%でした。
  2. 2009~2017年に入院した成人(18歳以上)において、CAPVAXIVE®固有の血清型の7種類、PCV20固有の血清型の1種類でAMRが報告されました。
  3. AMRが報告された研究において入院した成人(18歳以上)のうち、ペニシリンとエリスロマイシンに対する耐性率は、血清型35B(96%、89%)および23A(72%、46%)で特に高いことが分かりました。多剤耐性率は血清型19F(42%)と23A(27%)で最も高い結果となりました。血清型19FはPCV20に含まれ、血清型35Bおよび23AはCAPVAXIVE®に含まれています。

米国におけるCAPVAXIVE®の適応:

  1. 18歳以上の者における、肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15B、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F、35Bに起因する侵襲性肺炎球菌感染症の予防を目的とした能動免疫
  2. 18歳以上の者における、肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33F、35Bに起因する肺炎の予防を目的とした能動免疫

CAPVAXIVE®に含有される成分や、ジフテリアトキソイドに対する重度のアレルギー反応(アナフィラキシーなど)の既往歴のある人にはCAPVAXIVE®は接種できません。詳細は以下の重要な安全性情報の項をご覧ください。

肺炎球菌血清型3、6A、7F、8、9N、10A、11A、12F、15A、15C、16F、17F、19A、20A、22F、23A、23B、24F、31、33Fおよび35Bによる肺炎の予防ワクチンとしての本剤の適応は、オプソニン化貪食活性(OPA)で測定した免疫応答に基づき、迅速承認されました。この適応症の承認維持の条件として、検証的試験による臨床上の効果の確認および説明が必要となる場合があります。

当社研究開発本部のグローバル臨床開発部門感染症・ワクチン領域のシニアバイスプレジデントであるPaula Annunziato(ポーラ・アヌンジアート)博士は、「肺炎球菌感染症の負担に対応するためには、肺炎球菌血清型の有病率と薬剤耐性を理解することが重要です。CAPVAXIVE®は成人向けにデザインされており、2018~2022年の全米CDCデータに基づく米国成人における侵襲性肺炎球菌感染症の大半の原因となる血清型をカバーしています」と述べています。

CAPVAXIVE®は現在、米国、欧州連合、日本その他世界各国で承認されています。CAPVAXIVE®は成人向けに特化して設計されており、米国の10州の最大3500万人を対象とする2018~2022年のCDC ABCサーベイランスの全米データによると、50歳以上の成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の原因となる血清型のうち、PCV20が対応するのは約52%であるのに対し、CAPVAXIVE®は約84%に対応しています。これは地域差のある可能性があります。CAPVAXIVE®が対応する血清型には、既承認の他の肺炎球菌ワクチンが対応していない8種類の固有の血清型が含まれており、CDCの同データによると、50歳以上の成人のIPDの原因血清型の約27%、65歳以上の成人のIPDの原因血清型の約30%を占めています。この結果は各ワクチンの有効性を反映したものではなく、CAPVAXIVE®とPCV20の有効性を比較する試験は現在のところありません。

CAPVAXIVE®について

CAPVAXIVE®は、18歳以上の成人の侵襲性肺炎球菌感染症および肺炎を予防する能動免疫の21価肺炎球菌結合型ワクチンです。CAPVAXIVE®は、成人の侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)を引き起こす主要な肺炎球菌の血清型に対応するために特化して設計されており、15A、15C、16F、23A、23B、24F、31、35Bの8種類の血清型は、他の肺炎球菌ワクチンには含有されないCAPVAXIVE®固有の血清型です。CAPVAXIVE®は一回接種のワクチンです。

米国におけるCAPVAXIVE®の重要な安全性情報

安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。

https://www.merck.com/news/systematic-review-of-15-studies-focused-on-epidemiology-and-antimicrobial-resistance-of-pneumococcal-serotypes-covered-by-capvaxive-pneumococcal-21-valent-conjugate-vaccine-in-u-s-adults/

肺炎球菌感染症について

肺炎球菌感染症は肺炎球菌と呼ばれる細菌による感染症です。肺炎球菌には約100種類の型(血清型と呼ばれる)が存在し、成人と小児とで異なる影響を及ぼします。肺炎球菌感染症には侵襲性と非侵襲性のものがあります。非侵襲性の肺炎球菌感染症は肺炎(肺炎球菌感染症が肺に限局している状態)などで、侵襲性肺炎球菌感染症は、肺炎球菌菌血症(血流感染)、菌血症を伴う肺炎球菌性肺炎、肺炎球菌性髄膜炎(脳と脊髄を覆う組織層の感染)などがあります。肺炎球菌性肺炎は細菌性肺炎の一種で、成人の肺炎球菌感染症の臨床病態として最も多くなっています。米国における肺炎球菌性肺炎による入院者数は毎年225,000人以上と推定されています。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAについて

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は、最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善するというパーパスのもとに結束しています。130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの発見を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に、安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々続けています。詳細については、当社ウェブサイトX(旧Twitter)FacebookInstagramYouTubeLinkedInをご参照ください。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの将来に関する記述

このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。

リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAによる将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAの特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。

Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAは、新たな情報、新たな出来事、その他いかなる状況が加わった場合でも、将来に関する記述の更新を行う義務は負いません。将来に関する記述の記載と大きく異なる成果を招くおそれがあるこの他の要因については、Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USAに関するForm 10-Kの2024年度年次報告書および米国証券取引委員会(SEC)のインターネットサイト(www.sec.gov)で入手できるSECに対するその他の書類で確認できます。

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MSDについて

MSD(Merck & Co., Inc., Rahway, NJ, USA.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称)は、「最先端のサイエンスを駆使して、世界中の人々の生命を救い、生活を改善する」というパーパスのもとに結束し、130年以上にわたり、重要な医薬品やワクチンの開発を通して人類に希望をもたらしてきました。私たちは、世界トップクラスの研究開発型バイオ医薬品企業を目指し、人類や動物の疾患予防や治療に寄与する革新的なヘルスケア・ソリューションを提供するために、研究開発の最前線で活動しています。また、私たちは、多様かつ包括的な職場環境を醸成し、世界中の人々と地域社会に安全で持続可能かつ健康な未来をもたらすため、責任ある経営を日々行っています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト(www.msd.co.jp)やFacebookInstagramYouTubeをご参照ください。