2015年

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2015年6月10日

報道関係各位

MSD株式会社

経口2型糖尿病治療薬「ジャヌビア®錠」
心血管系への安全性を評価する大規模臨床試験「TECOS」
において主要評価項目を達成


Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、2015年6月8日(米国東部時間)、ボストンで開催された第75回米国糖尿病学会において、同社が販売する経口2型糖尿病治療薬「ジャヌビア®錠(一般名:シタグリプチンリン酸塩水和物、以下ジャヌビア®)」の心血管系への安全性を評価した大規模臨床試験「TECOS(Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptin)」の結果を発表しました。

今回の試験では、ジャヌビア®投与群はプラセボ投与群と比較して、主要評価項目である心血管系の複合評価項目における非劣性という試験目標を達成しました。また副次評価項目の一つである心不全による入院リスクの増加もみられませんでした。


※この資料は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が2015年6月8日(米国東部時間)に発表したニュースリリースの日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。
※適応症や製品安全性情報は米国のものであり、日本国内の情報ではありません。ジャヌビア®の国内での使用については、添付文書をご参照ください。

英語版(米国本社サイト)

以 上

MSDについて
MSDは、すこやかな世界の実現を目指して努力を続けるグローバルヘルスケアリーダーです。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDの詳細については、 www.msd.co.jp をご参照ください。


<お問い合わせ先>
MSD株式会社 広報部門         
〒102-8667 東京都千代田区九段北1-13-12 北の丸スクエア   
TEL:03-6272-1001  FAX :03-6238-9136

 

 

ジャヌビア®(シタグリプチン)の心血管系への安全性を評価する試験
2型糖尿病患者において主要評価項目を達成
試験結果がNew England Journal of Medicineに掲載、米国糖尿病学会で発表
プラセボと比較して主要複合評価項目における主要心血管イベントのリスク
または心不全による入院を増加させない


2015年6月8日:ニュージャージー州ケニルワース -- Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、DPP-4阻害剤ジャヌビア®(シタグリプチン)について、心血管系への安全性を評価するプラセボ対照試験、Trial Evaluating Cardiovascular Outcomes with Sitagliptin(TECOS)の主要な結果を発表しました。TECOSでは14,000例以上の患者を対象に、通常の治療に追加してジャヌビア®を投与しました。この試験では、シタグリプチンを併用しない通常の治療と比較して主要複合評価項目(心血管疾患による死亡、非致死性心筋梗塞、非致死性脳卒中または不安定狭心症による入院のいずれかが最初に確認されるまでの期間)の非劣性を達成しました。主要評価項目の発生はIntention-to-Treat(ITT)解析ではシタグリプチン群の11.4%(n=839)、プラセボ群の11.6%(n=851)に認められ(HR:0.98、95% CI:0.89~1.08)、Per Protocol(PP)解析ではシタグリプチン群、プラセボ群ともに9.6%(n=695)に認められました(HR:0.98、95% CI:0.88~1.09、非劣性検定:p<0.001)1 。また、心不全による入院の増加はみられず、総死亡率に群間差は認められませんでした。この2つは重要な副次評価項目とされていました。以上のデータは本日第75回米国糖尿病学会で発表され、New England Journal of Medicineにも掲載されました。


ジャヌビア®(シタグリプチン)25mg錠、50mg錠および100mg錠の適応症と使用の制限

ジャヌビア®は、食事療法および運動の補助として、2型糖尿病の成人における血糖コントロールの改善を適応症としています。ジャヌビア®を1型糖尿病患者や糖尿病性ケトアシドーシスの治療に使用してはなりません。膵炎の既往歴のある患者を対象としたジャヌビア®の試験は実施されていません。膵炎の既往歴のある患者がジャヌビア®の服用中に膵炎を発症するリスクが高いかどうかは明らかにされていません。

※ 1 心血管系の複合評価項目に関するシタグリプチンのプラセボに対する非劣性の主要仮説 はPer Protocol(PP)解析に基づいています。


ジャヌビア®に関する重要なリスク情報の抜粋

ジャヌビア®は、アナフィラキシーまたは血管浮腫などシタグリプチンに対する重篤な過敏症反応の既往歴のある患者には禁忌となっています。
臨床試験において、ジャヌビア®または他の糖尿病治療薬による大血管疾患のリスク低下を示す最終的なエビデンスは確立されていません。
TECOSの共同責任者でオックスフォード大学糖尿病医学教授、糖尿病治験ユニット長のRury Holmanは次のように述べています。「2型糖尿病の患者さんには血糖値をコントロールするために血糖降下薬が必要です。2型糖尿病の患者さんは心血管系合併症のリスクが高いため、血糖降下薬の心血管系に対する安全性を理解しておくことが重要です。TECOSの結果からシタグリプチンが心血管疾患のリスクの高いさまざまな2型糖尿病の患者さんにおいて、心血管イベントのリスクを増加させないことが示されました」。


TECOS心血管安全性試験で得られた新たな知見

TECOSは心血管疾患を有する2型糖尿病患者を対象に、通常の治療にシタグリプチンを追加した場合の心血管系に対する長期安全性をシタグリプチンを追加しない通常の治療と比較して評価するようデザインされたイベント発生評価試験です。シタグリプチンが心血管系の主要複合評価項目のリスクを増加させないことが示されたと同時に、心血管系の副次複合評価項目(心血管疾患による死亡、非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中のいずれかが最初に確認されるまでの期間)も達成し、シタグリプチンを追加しない通常の治療に対して非劣性であることが示されました(HR:0.99、95% CI:0.89~1.11、非劣性検定:p<0.001)。
最初のイベントが確認されるまでの期間を評価した他の副次評価項目では、心不全による入院がシタグリプチン群の3.1%(n=228)、プラセボ群の3.1%(n=229)で報告されました(HR:1.00、95% CI:0.83~1.20)。総死亡率は両群ほとんど同様で、シタグリプチン群で7.5%(n=547)、プラセボ群で7.3%(n=537)でした(HR:1.01、95% CI:0.90~1.14)。
急性膵炎はまれで、発生率はシタグリプチン群0.3%(n=23)、プラセボ群0.2%(n=12)で、両群間に統計的有意差は認められませんでした(p=0.065)。膵がんもまれで、発生率はシタグリプチン群0.1%(n=9)、プラセボ群0.2%(n=14)で、両群間に統計的有意差は認められませんでした(p=0.322)。他の副次評価項目である心不全による最初の入院または心血管系死亡までの期間の解析では、心不全による最初の入院または心血管系死亡がみられた患者はシタグリプチン群で7.3%(n=538)、プラセボ群で7.2%(n=525)でした(HR:1.01、95% CI:0.90~1.14)。心血管系死亡患者の割合は、シタグリプチン群5.2%(n=380)、プラセボ群5.0%(n=366)でした(HR:1.03、95% CI:0.89~1.19)。
心血管系以外の死亡患者の割合は両群とも2.3%でした。感染により死亡した患者の割合はシタグリプチン群0.6%、プラセボ群0.7%でした。試験期間中、両群で腎機能の指標であるeGFR(推定糸球体濾過率)のわずかな低下が認められました。ベースラインから48カ月後までのeGFRの平均変化量はシタグリプチン群−4.0±18.4mL/min/1.73m2、プラセボ群−2.8±18.3mL/min/1.73m2でした。
当社研究開発部門統括責任者Dr. Roger M. Perlmutterは「TECOSの結果はシタグリプチンの心血管系の安全性プロファイルに関する重要な臨床情報を提供するものです。このTECOS心血管安全性試験は、世界中の2型糖尿病患者さんのためにオックスフォード大学とデューク臨床研究所、そして当社の研究者がこれまでに払ってきた最善の努力の表れです」と述べています。
この試験では、血糖コントロールの差が心血管系評価項目に及ぼす影響を最小限にするため、両群間で血糖コントロール(血糖値の平衡化)に差がないようにすることを目指しました。4カ月目時点で、平均HbA1c値はシタグリプチン群でプラセボ群より0.4%低いという結果でしたが、追跡期間中に0.1%まで差が縮まりました。これにより全体ではシタグリプチン群とプラセボ群の差は−0.29%となりました。シタグリプチン群ではプラセボ群と比較して試験期間中に別の血糖降下薬を使用した患者が有意に少なく(1,591例 vs. 2,046例、p<0.001)、インスリンの長期にわたる投与を開始した患者も有意に少ない結果でした(542例 vs. 744例、p<0.001)。


試験方法およびデザイン

TECOSはオックスフォード大学糖尿病治験ユニット(DTU)とデューク大学臨床研究所(University Clinical Research Institute(DCRI)の共同学術研究チームの主導で実施され、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が資金を提供しました。2008年12月から2012年7月までに38カ国、計14,735例の患者を無作為割付しました。このうち、14,671例をITT解析集団に組み入れ、現行の治療法に加え、7,332例にシタグリプチン、7,339例にプラセボを投与しました。追跡期間は中央値で3年、最長で5.7年でした。
この試験に登録された患者は、冠動脈、脳動脈または末梢動脈に心血管疾患を有する2型糖尿病患者でした。年齢は50歳以上、ベースラインのHbA1c値は6.5~8.0%で、3カ月以上安定用量のメトホルミン、ピオグリタゾンまたはSU薬の単独投与または2剤併用投与、またはインスリン単独投与またはインスリンと安定用量のメトホルミンとの併用投与を受けていました。被験者にシタグリプチン100mgを1日1回(ベースラインのeGFRが30mL/min/1.73m2以上50mL/min/1.73m2未満の場合は50mgを1日1回)投与するグループまたはプラセボを投与するグループのいずれかに無作為に割り付けました。
PP集団におけるシタグリプチン群とプラセボ群の心血管系の主要複合評価項目(最初のイベント発生までの期間)のリスクについて、ハザード比の95%信頼区間上限が1.3を超えないかどうかを示すことにより、非劣性の主要仮説を検証しました。この心血管系の主要複合評価項目に関して非劣性が認められた場合には、ITT集団を対象に優越性を検証することになっていました。


ジャヌビア®に関する重要なリスク情報の抜粋(続き)

市販後調査では、ジャヌビア®を投与した患者において致死性および非致死性の出血性または壊死性膵炎を含む急性膵炎が報告されています。ジャヌビア®の開始後は膵炎の徴候および症状を慎重に観察してください。膵炎が疑われる場合には、直ちにジャヌビア®を中止し、適切な処置を行ってください。
ジャヌビア®を開始する前と、開始後は定期的に腎機能の評価を行うことが推奨されます。中等度または重度腎機能障害の患者および血液透析または腹膜透析を要する末期腎不全患者では、用量の調節が推奨されます。正しい用量のジャヌビア®を処方するよう注意する必要があります。
市販後調査では、急性腎不全を含む腎機能悪化が報告されており、場合によっては透析を要するものも報告されています。このような報告があった一部の患者は腎機能障害患者であり、なかには不適切な用量のシタグリプチンが投与されていた患者もいました。
ジャヌビア®と低血糖を引き起こすことが知られているSU薬またはインスリンと併用投与した場合には、プラセボと比較して低血糖の発現率が上昇しました。このため、低血糖のリスクを低減するには低用量のSU薬またはインスリンを使用する必要があると考えられます。
全ての症候性低血糖の報告に基づく低血糖の発現率は、ジャヌビア® 100mgとグリメピリド(メトホルミンとの併用の有無は問わない)を併用投与した場合には12.2%(患者・年あたり0.59件)、プラセボ(メトホルミンとの併用の有無は問わない)を併用投与した場合には1.8%(患者・年あたり0.24件)、ジャヌビア® (シタグリプチン)100mgとインスリン(メトホルミンとの併用の有無は問わない)を併用投与した場合には15.5%(患者・年あたり1.06件)、プラセボとインスリン(メトホルミンとの併用の有無は問わない)を併用投与した場合には7.8%(患者・年あたり0.51件)でした。
市販後調査では、ジャヌビア®(シタグリプチン)を投与した患者においてアナフィラキシー、血管浮腫、スティーブンス・ジョンソン症候群をはじめとする剥脱性皮膚炎など、重篤な過敏症反応が報告されています。このような反応はジャヌビア®の投与開始から3カ月以内に発現しており、初回投与後に発症したとの報告もあります。過敏症反応が疑われる場合には、ジャヌビア®を中止し、ほかに考えられる原因を探り、別の糖尿病治療を開始してください。
血管浮腫は他のジペプチジルペプチダーゼ4(DPP-4)阻害剤でも報告されています。他のDPP-4阻害剤による血管浮腫の既往歴のある患者に対しては、このような患者でジャヌビア®により血管浮腫を発症する傾向が高まるか否かは明らかにされていないため、慎重に投与してください。
臨床試験においてジャヌビア®または他の糖尿病治療薬による大血管疾患のリスク低下を示す明確なエビデンスは確立されていません。臨床試験では、治験責任医師の判定による因果関係の有無にかかわらず、ジャヌビア®を単独投与および併用投与した患者の5%以上で副作用が報告されており、プラセボを投与した患者より高頻度に認められたものは上気道感染、鼻咽頭炎および頭痛でした。


Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、すこやかな世界の実現を目指して努力を続けるグローバルヘルスケアリーダーです。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、米国およびカナダ以外の地域ではMSDの名称で知られています。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。詳細については、 www.merck.com や当社 TwitterFacebookYouTube をご参照ください。


Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述
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