抗PD-1抗体/抗悪性腫瘍剤「キイトルーダ®」 治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する効能・効果を承認申請

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October 4, 2019 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下 「MSD」)は、本日、 抗PD-1抗体「キイトルーダ®(一般名:ペムブロリズマブ(遺伝子組換え))」について、治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対する製造販売承認事項一部変更を承認申請しました。

胃がんは胃の最も内側の層(粘膜)の細胞が何らかの原因によりがん化することにより発生し、外側や周囲に広がって進行します。組織型分類では、胃がんのほとんどを腺がんが占めています。胃がんは男性に多い傾向にあり、その他の危険因子としては、年齢、人種、地域、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染などが挙げられます。日本国内では、すべての病期を対象としたときの術後5年生存率は約72%ですが、Ⅳ期では約17%と依然として予後不良であり、新たな治療手段が必要とされています*1。日本国内での罹患者数は約124,000人で、死亡者数は約47,000人と推定されています*2

今回の製造販売承認事項一部変更承認申請は、PD-L1陽性でヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性の進行胃腺がんまたは食道胃接合部腺がん患者を対象に、初回治療としてのキイトルーダ®単独療法および化学療法(シスプラチン+5-フルオロウラシルまたはカペシタビン)との併用療法を評価する国際共同第3相試験KEYNOTE-062試験の結果に基づいています。

キイトルーダ®は、T細胞に主に発現する受容体であるPD-1と、腫瘍細胞に発現するそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2の相互作用を阻害する抗体です。キイトルーダ®はPD-1に結合し、この受容体とリガンドとの結合を阻害することによって、T細胞に生じたPD-1経路を介する免疫抑制経路の解除により悪性腫瘍の増殖を制御します。

キイトルーダ®は、2017年2月15日に国内で販売を開始しました。これまでに「悪性黒色腫」「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」「再発または難治性の古典的ホジキンリンパ腫」「がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌」「がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)」の効能・効果について承認を取得しています。また、切除不能または転移性腎細胞がん、頭頸部がん、切除不能進行・再発食道がんについて、製造販売承認事項一部変更承認申請中であり、乳がん、大腸がん、前立腺がん、肝細胞がん、小細胞肺がん、子宮頸がん、進行固形がんなどを対象とした後期臨床試験が進行中です。

キイトルーダ®は、米国を含む90カ国で承認を取得しており、世界では現在、1,000以上の臨床試験において30種類以上のがんについて検討が行われています。

MSDは、重点分野と位置付けるがん領域で患者さんと医療従事者のニーズに応えていけるよう、革新的な医薬品の開発を進め、承認取得に向けて取り組んでいきます。

*1:公益財団法人 がん研究振興財団 がんの統計<2018年版>

*2:国立がん研究センターがん対策情報センター 全国がん罹患モニタリング集計 2015 年罹患数・率報告(2019年3月)

以上

MSDについて

MSDは1世紀以上にわたり、グローバルにおけるバイオ医薬品のリーディングカンパニーとして、人々の生命を救い、人生を健やかにするために、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDは、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が米国とカナダ以外の国と地域で事業を行う際に使用している名称です。世界140カ国以上で事業を展開し、医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じて革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDは、がん、生活習慣病、新たな動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染症をはじめ、世界中で人々やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や Facebook 、 Twitter 、 YouTubeをご参照ください。

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