β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤 「ザバクサ®配合点滴静注用」の製造販売承認を取得

Save Print

January 8, 2019 00:00 Asia/Tokyo

報道関係各位

MSD株式会社

MSD株式会社(本社:東京都千代田区、社長:ヤニー・ウェストハイゼン、以下MSD)は、本日β-ラクタマーゼ阻害剤配合抗生物質製剤「ザバクサ®配合点滴静注用」(一般名:タゾバクタムナトリウム/セフトロザン硫酸塩)に関し、膀胱炎、腎盂腎炎、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍を適応症とする製造販売承認を取得しましたことをお知らせいたします。

ザバクサ®は、新規セフェム系薬であるセフトロザン1.0gにβラクタマーゼ阻害剤であるタゾバクタム0.5gを配合した注射用抗菌薬で、レンサ球菌属、大腸菌、シトロバクター属、クレブシエラ属、エンテロバクター属、プロテウス属、緑膿菌に抗菌活性を有する広域抗菌薬です。

膀胱炎や腎盂腎炎などの尿路感染症は、基礎疾患がない単純性と、前立腺肥大や尿路結石などの基礎疾患がある、あるいはカテーテルに起因する複雑性に分類されます。また、腹膜炎、腹腔内膿瘍、胆嚢炎、肝膿瘍などの腹腔内感染症は、手術や事故などの侵襲、あるいは他の感染部位からの波及などによっておこる感染症です。尿路感染症や腹腔内感染症といったこれらの疾患は、血流感染をおこしやすく、時に重症化し、敗血症などに進展することがあります。中等症から重症患者においては、早期の適切な抗菌薬治療が重要です。

複雑性尿路感染症および腹腔内感染症においては、ESBL*産生菌や緑膿菌といった難治性あるいは耐性菌による感染症が問題となっています。ザバクサ®は国内第3相試験において、尿路感染症および腹腔内感染症に対し高い有効性を示し、尿路感染症に対する細菌学的効果は75.8%、腹腔内感染症に対する臨床効果は87.0%でした。主な副作用としては、ALT(GPT)増加15例(7.0%)、AST(GOT)増加15例(7.0%)、下痢9例(4.2%)、悪心3例(1.4%)、γ-GTP増加3例(1.4%)でした。

ザバクサ®は、複雑性尿路感染症および複雑性腹腔内感染症に対する初期治療および標的治療**の新たな選択肢の一つとして期待されます。

MSDは今後も感染症予防と治療に貢献し、日本における医療ニーズに応えてまいります。

* Extended Spectrum beta(β) Lactamase(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生菌は薬剤耐性菌の一種

** 標的治療:原因菌が同定された際に、菌の感受性や感染部位への移行性などを考慮して最適な抗菌薬を使用する治療

以 上

<参考資料>

製品概要

MSDについて

MSDは1世紀以上にわたり、バイオ医薬品のグローバルリーダー企業として人々の生命を救い、人生を健やかにするために、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が各国(米国とカナダ以外)で事業を行う際に使用している名称です。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDは今も、がん、生活習慣病、新種の動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染病をはじめとして、世界中で人々の命やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や  Facebook 、  Twitter 、  YouTube をご参照ください。

Next