KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、PD-L1陽性(CPS≧10)の治療歴のある進行性食道がんまたは食道胃接合部がん患者において、化学療法と比較して死亡リスクを31%低減 2019 ASCO GI(米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム)で第3相試験KEYNOTE-181のデータを発表
January 22, 2019 00:00 Asia/Tokyo
報道関係各位
MSD株式会社
この参考資料は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が2019年1月14日(米国東部時間)に発表したニュースリリース
の日本語訳であり、内容や解釈については英語が優先されます。適応症と安全性重要情報も米国のものであり、日本国内の情報ではありません。
KEYTRUDA®は、日本ではキイトルーダ®として、悪性黒色腫、切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌、再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫、がん化学療法後に増悪した根治切除不能な尿路上皮癌、がん化学療法後に増悪した進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する固形癌(標準的な治療が困難な場合に限る)の効能・効果で承認を取得しております。
参考資料
KEYTRUDA®(ペムブロリズマブ)、PD-L1陽性(CPS≧10)の
治療歴のある進行性食道がんまたは食道胃接合部がん患者において、
化学療法と比較して死亡リスクを31%低減
2019 ASCO GI(米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム)で
第3相試験KEYNOTE-181のデータを発表
2019年1月14日:ニュージャージー州ケニルワース-Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.(米国とカナダ以外ではMSD)は本日、進行・転移性食道がんまたは食道胃接合部がんの二次治療における単独療法として抗PD-1抗体KEYTRUDA®を評価する第3相試験KEYNOTE-181の結果を初めて報告すると発表しました。このピボタル試験では、標準治療後に進行したPD-L1陽性(Combined Positive Score [CPS]が10以上)の扁平上皮がんおよび腺がんを含む食道がんの患者において、KEYTRUDA®による治療で化学療法(パクリタキセル、ドセタキセル、またはイリノテカン)と比較して死亡リスクを31%低減し、主要評価項目の全生存期間(OS)が統計学的に有意に延長しました(HR=0.69 [95% CI, 0.52-0.93]、p=0.0074)。抗PD-1抗体がこの患者群に対して生存期間のベネフィットを示したのは、今回が初めてです。扁平上皮がん患者およびITT解析集団全体においても、主要評価項目のOSが評価されました。この2つの集団ではOSの良好な傾向は見られましたが統計学的に有意な延長は認められませんでした。これらの結果は他の解析結果とともに、サンフランシスコで開催された2019 ASCO GI(米国臨床腫瘍学会消化器がんシンポジウム)の1月17日(木)の口演(アブストラクト#2)にて発表されました。
国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)消化管内科の小島隆嗣医長は、「食道がんと診断された患者の予後は不良であり、一次治療後に疾患進行が認められた患者に対して標準的な治療法が確立されていないことから、二次治療の改善が急務とされています。PD-L1陽性(CPS≧10)の扁平上皮がんや腺がんを含む食道がんの患者においてKEYTRUDA®が示した全生存期間の有意な改善は、重要な科学的進歩であり、現在治療選択肢が限られている患者にベネフィットをもたらす可能性があります。」と述べています。
当社研究開発本部シニアバイスプレジデント、グローバル臨床開発責任者でチーフメディカルオフィサーのRoy Baynes博士は、「食道がんは進行が早く、治療歴のある患者において単独療法としてのKEYTRUDA®が今回のような全生存期間の結果を示したことは勇気づけられます。私たちは引き続き、食道がんを含む幅広い消化器がんにおいて、KEYTRUDA®の臨床ベネフィットの理解を深めるべく取り組んでまいります。ASCO GIでは、KEYTRUDA®の他の新しいデータに加え、当社の幅広いオンコロジーポートフォリオから、消化器がんにおける最新の臨床研究を報告いたします。」と述べています。
既に発表したとおり、KEYNOTE-181試験のデータは、米国食品医薬品局(FDA)および他の規制当局に審査用として提出する予定です。
当社は、7,000名の患者さんを対象とした35件の提携試験を含め、9,000名以上の患者さんを対象とした65件の臨床試験から構成される広範な臨床開発プログラムを通じて、胃がん、肝細胞がん、食道がんを含む消化器がんにおけるさまざまな治療セッティングや病期におけるKEYTRUDA®の試験を進めています。食道がんでは、一次治療としてのKEYTRUDA®と化学療法の併用療法を評価する第3相試験KEYNOTE-590が進行中です。
KEYNOTE-181の試験デザインおよび追加データ(アブストラクト#2)
KEYNOTE-181試験は、標準療法による初回治療後に進行した進行・転移性の食道がん(腺がんおよび扁平上皮がん)、またはSiewert分類type Iの食道胃接合部腺がん患者600名以上を対象として、KEYTRUDA®単独療法と化学療法を比較する無作為化非盲検第3相試験(ClinicalTrials.gov、NCT02564263)です。主要評価項目はOS(全患者、PD-L1陽性(CPS≧10)の患者、扁平上皮がん患者で評価)でした。副次評価項目は無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、安全性および忍容性でした。
この試験では、合計628名の患者が、KEYTRUDA®(200 mgの固定用量を3週間ごと)を投与する群または治験担当医師の選択する化学療法(ドセタキセル(75 mg/m2を21日サイクルの1日目)、パクリタキセル(80-100 mg/m2を28日サイクルの1日目、8日目、15日目)、またはイリノテカン(80 mg/m2を14日サイクルの1日目))を投与する群(いずれも静注)に1:1の割合で割り付けられました。患者628名のうち401名が扁平上皮がんを有し、222名がCPS 10以上のPD-L1陽性腫瘍を有していました。試験の追跡期間中央値は、KEYTRUDA®群で7.1カ月、化学療法群で6.9カ月でした。
PD-L1陽性(CPS≧10)患者(222/628名)のうち、OSの中央値は、KEYTRUDA®群で9.3カ月(95% CI, 6.6-12.5)、化学療法群で6.7カ月(95% CI, 5.1-8.2)でした。さらに、これらの患者における12カ月時点における推定OS率は、KEYTRUDA®群で43%、化学療法群で20%でした。
扁平上皮がん患者(401/628名)では、KEYTRUDA®群で化学療法群と比較してOSの良好な傾向は見られましたが統計学的に有意な延長は認めませんでした(HR=0.78 [95% CI, 0.63-0.96]、p=0.0095)。この患者401名におけるOSの中央値は、KEYTRUDA®群で8.2カ月(95% CI, 6.7-10.3)、化学療法群で7.1カ月(95% CI, 6.1-8.2)でした。
ITT解析集団全体(628名)では、同じく肯定的な傾向が示されたものの、統計学的に有意なOSの差は認められず(HR=0.89 [95% CI, 0.75-1.05]、p=0.0560)、OSの中央値は両群共に7.1カ月でした。ITT解析集団全体ではOSが達成されなかったため、事前に定められた統計解析計画に従い、主な副次評価項目のPFSとORRは正式には評価しませんでした。
KEYNOTE-181試験におけるKEYTRUDA®の安全性プロファイルは、これまでの試験で報告されたものと一貫していました。薬剤関連有害事象(TRAE)は、KEYTRUDA®群の64.3%、化学療法群の86.1%で見られました。KEYTRUDA®群で最も一般的に(5%以上)見られたTRAEは、疲労感(11.8%)、甲状腺機能低下症(10.5%)、食欲減退(8.6%)、無力症(7.0%)、嘔気(7.0%)、下痢(5.4%)でした。グレード3~5のTRAEは、KEYTRUDA®群の57名(18.2%)、化学療法群の121名(40.9%)に発生しました。薬剤関連の死亡例は、各群共に5名でした。
食道がんについて
食道がんは治療が特に難しい種類のがんで、食道の内側(粘膜)に発生し、外側に向かって増殖します。食道がんは主に扁平上皮がんと腺がんに大別されます。世界では7番目に多く診断されるがんです。今年は米国で17,650人の成人が食道がんと診断され16,080人が死亡すると推定されています。世界では2018年だけでも、572,000人以上が新たに食道がんと診断され、約508,000人が死亡すると推定されました。
KEYTRUDA®について
KEYTRUDA®は、免疫系ががん細胞を見つけて攻撃するのを助ける抗PD-1抗体です。KEYTRUDA®はPD-1とそのリガンドであるPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害してTリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃するヒト化モノクローナル抗体です。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は業界最大のがん免疫療法臨床研究プログラムを行っており、現在850を超えるKEYTRUDA®の臨床試験を実施し、幅広い種類のがんや治療セッティングを検討しています。KEYTRUDA®の臨床プログラムでは、さまざまながんにおけるKEYTRUDA®の役割や、KEYTRUDA®による治療効果が得られる可能性を予測する因子について模索しており、さまざまなバイオマーカーの模索も行っています。
KEYTRUDA®用法・用量・安全性について
用法・用量・安全性情報など一部情報は米国のもので、日本の情報ではありません。詳しくは当社英文リリースをご参照ください。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のがん領域における取り組み
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.では、画期的な科学を革新的ながん治療薬に変換して世界中のがん患者さんを助けることに取り組んでいます。オンコロジー事業にとって、がんと闘う人々を助けることは私たちの情熱であり、がん治療薬へアクセスしやすくすることは私たちの責任です。また、がん領域における取り組みの一環として、医薬品業界で一二を争う急成長を遂げている開発プログラムにより、30種類以上のがんに対するがん免疫療法の可能性を模索しています。また、引き続き戦略的買収を通じて、がん免疫療法のポートフォリオを強化し、進行がんの治療を改善する可能性をもつ有望ながん治療薬候補の開発を最優先に進めています。当社のオンコロジー臨床試験について詳しくは、 当社ウェブサイト をご覧ください。
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.について
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は1世紀以上にわたり、バイオ医薬品のグローバルリーダー企業として人々の生命を救い、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの製造に取り組んできました。Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.は、米国およびカナダ以外の地域ではMSDの名称で知られています。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDは今も、がん、生活習慣病、新種の動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染病をはじめとして、世界中で人々の命やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。詳細については 当社ウェブサイトやMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の
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Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の将来に関する記述
このニュースリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法(the Private Securities Litigation Reform Act of 1995)の免責条項で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の経営陣の現時点での信条と期待に基づくもので、相当のリスクと不確実性が含まれています。新薬パイプラインに対する承認取得またはその製品化による収益を保証するものではありません。予測が正確性に欠けていた場合またはリスクもしくは不確実性が現実化した場合、実際の成果が、将来に関する記述で述べたものと異なる場合も生じます。
リスクと不確実性には、業界の一般的な状況および競争環境、金利および為替レートの変動などの一般的な経済要因、医薬品業界の規制やヘルスケア関連の米国法および国際法が及ぼす影響、ヘルスケア費用抑制の世界的な傾向、競合他社による技術的進歩や新製品開発および特許取得、承認申請などの新薬開発特有の問題、Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.による将来の市況予測の正確性、製造上の問題または遅延、国際経済および政府の信用リスクなどの金融不安、画期的製品に対するMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.の特許権やその他の保護の有効性への依存、特許訴訟や規制措置の対象となる可能性等がありますが、これらに限定されるものではありません。
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MSDについて
MSDは1世紀以上にわたり、バイオ医薬品のグローバルリーダー企業として人々の生命を救い、人生を健やかにするために、世界で最も治療が困難な病気のための革新的な医薬品やワクチンの発見、開発、提供に挑みつづけてきました。MSDはMerck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.が各国(米国とカナダ以外)で事業を行う際に使用している名称です。医療用医薬品、ワクチン、バイオ医薬品およびアニマルヘルス製品の提供を通じてお客様と協力し、世界140カ国以上で事業を展開して革新的なヘルスケア・ソリューションを提供しています。また、さまざまなプログラムやパートナーシップを通じて、医療へのアクセスを推進する活動に積極的に取り組んでいます。MSDは今も、がん、生活習慣病、新種の動物病、アルツハイマー病、HIVやエボラなどの感染病をはじめとして、世界中で人々の命やコミュニティを脅かしている病気の治療や予防のために、研究開発の最前線に立ち続けています。MSDの詳細については、弊社ウェブサイト( www.msd.co.jp)や
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