糖尿病の検査・診断

糖尿病の検査・診断


【監修】富山大学医学部 第一内科

教授 戸邉 一之

糖尿病の検査・診断

糖尿病に関連する検査としては、診断時および初期に行われる検査と治療過程において効果や合併症の有無などを確認するために継続して行われる検査があります。

診断時および初期に行われる検査

  • 1.血糖値による診断

血糖値は診断のためにまず参考にされる検査値で、空腹時血糖値、随時血糖値、食後2時間血糖値、75g経口ブドウ糖負荷試験(75g OGTT)による血糖値などを測定し、診断します。

検査項目 特徴 糖尿病 正常
ヘモグロビンエーワンシー
H b A 1 c
血液中の赤血球成分であるヘモグロビンにブドウ糖が結合したもので、1~2ヶ月の血糖変動を反映します。 HbA1c
6.1%以上(JDS値)
6.5%以上(国際基準値)
4.3~5.8%
空腹時
血糖値
比較的安定していて、インスリンの働きや状態を示す指標となります。
健康診断などでもよく用いられます。
早朝空腹時
血糖値
126mg/dL以上
早朝空腹時血糖値
110mg/dL未満
随時
血糖値
食事時間とは無関係に測定した血糖値を指します(明らかな空腹時は除く)。食後何時間の測定なのかをみることにより、食後血糖値の推移を推定できます。 随時血糖値
200mg/dL以上
食後2時間
血糖値
食事の内容(量や質)や治療方法などにより変動しやすい検査値です。
近年、食後に高血糖がある場合、空腹時血糖値が正常値に近くても、心筋梗塞や脳梗塞などの動脈硬化性疾患の危険度が増すことが明らかにされ、改めて注目されています。
75g OGTTによる
血糖値
空腹時に75gのブドウ糖を水に溶かして飲み、直後、30分後、1時間後、2時間後に採血し、血糖値を測定します。
食後の血糖値をより厳密に測定することができます。
75g OGTTで、
・空腹時血糖値126mg/dl
・2時間値200mg/dL以上
のどちらかを満たす場合
75g OGTTで2時間値
140mg/dL未満

治療過程において継続して行われる検査(日常の検査)

  • 2.インスリン分泌量の測定

インスリン(IRI)とC-ペプチド(CPR)を測定することによって、インスリン分泌量がわかります。IRIは免疫反応性インスリンのことで、インスリン注射による血液中のインスリンも含んだインスリン量を示します。CPRはインスリンを生合成する過程で作られる物質で、膵臓から分泌されるインスリンの量のみを反映します。インスリン分泌量を測定することによって病態が推定でき、1型糖尿病か2型糖尿病かを診断できます。

  • 1)血糖値

治療過程において、血糖値のコントロールがきちんとできているかどうかを把握するために、空腹時血糖値、食後2時間血 糖値を定期的に測定します。

血糖値は、患者さん自身が血糖自己測定器を用いて家庭などで測定することもできます(血糖自己測定)。血糖自己測 定によって、受診日以外の日常の血糖値の変動を知ることができます。インスリンによる治療を受けている場合には、健康 保険が適用されます。

  • 2)ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)

食事の影響を受けないため、外来で治療している患者さんにおいて、血糖値のコントロールがきちんとできているかどうかを把握する指標として適しています。食事の影響を受ける血糖値とは異なり、採血時から過去1、2ヵ月間の平均血糖値を反映しています。HbA1cは、血糖値が高い状態の持続により血液中で過剰となったブドウ糖が赤血球のヘモグロビンと結合したグリコヘモグロビンの一種です。

  • 3)グリコアルブミン

HbA1cよりも血液中に存在する期間が短く、採血時から過去約2週間の平均血糖値を反映しています。血清中の蛋白質の一種であるアルブミンが血液中のブドウ糖と結合してできる物質で、グリコアルブミン値を3で割ると、おおよそのHbA1c値に換算できます。

  • 4)血圧、血清脂質(コレステロール、中性脂肪)など

糖尿病の合併症である大血管症(脳梗塞や心筋梗塞などの動脈硬化性疾患)は、高血圧や脂質異常症(高脂血症)が重なる事で発症の危険度が非常に高くなります。従って、血圧や血清脂質のコントロールも重要になります。血圧値は家庭でも測定できます。

  • 5)視力検査、眼底検査、視野測定など

三大合併症の一つである糖尿病網膜症では、視力や視野の検査のほか、網膜や硝子体での新生血管や出血などを確認するため、眼底の血管や網膜などを調べます。


 
 

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